ぐるっと流山 ジェンダー表現を考える 広告とジェンダー~広告はどう男性を描いたか~

令和7年11月15日(土曜日)、流山市生涯学習センター(流山エルズ)で、「ジェンダー表現を考える 広告とジェンダー~広告はどう男性を描いたか~」が開催され、27人の市民が参加しました。講師には、近著『その〈男らしさ〉はどこからきたの?広告で読み解く「デキる男の現在地」』で話題の写真研究家、小林美香さんをお迎えし、広告が描く男性像、女性像の変遷から無意識に描かれるルッキズムやジェンダー、ハラスメントの問題を考えました。

冒頭に講師から「広告とジェンダーというテーマにおいては、女性描写について取り上げられることが多く、男性の描かれ方が問題になることはほとんどないが、問題視されないことに問題があるのではないか」という問いかけがあり、男性の描かれ方という観点から広告を観察・分析してきた経歴のご紹介がありました。
次に「ルッキズムと男性」というテーマでは、人を外見で判断したり、容姿を理由に差別したりする考え方や社会現象は女性だけではなく、男性に対してもあるとのことでした。ただ、その求められ方には男女の違いがあり、例として、背景に高層ビルを用いた「デキる男」風の男性広告や、ロボットのように量産されるサラリーマンを描いた広告、男性美容・脱毛広告の変遷などを、実際の広告を用いて説明され、会場は笑い声や驚きの声で盛り上がりました。

次に、広告観察を通して見えてきた「男性とケア」の課題として、スキンケア・ヘアケアの広告を例に挙げ、男性広告では、ケアすることが鍛錬という文脈で表現されがちで、男性自身の「外見を管理する能力」に集約する傾向があると指摘されました。そして、有能な男性は、美しく整えられているという広告表現は男性間の階層・序列の固定化に繋がり、男性が「自分自身の身体から疎外」されている現状を解説しました。それは、女性を「ツール」として扱う認知・価値観や、女性をケア役に固定化・搾取する表現と背中合わせであり、講師は、広告においても、ケアする・されるということを男性、女性という集団ではなく、個として表現されるようになって欲しいと語られました。
講座の最後には、参加者から多くの感想や質問がありました。講師は、「無意識に見ている広告には、読み解くとジェンダーの課題が隠れている。広告表現がどうあるべきか観察することが必要であると思う。また、情報過多の現代においては、コミュニケーション不全が生じており、どう受け止められているか、落ち着いて考え、心理的安全性を保っていくことが大切である」と話しました。
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