ぐるっと流山 森の図書館 教養講座「戦後80周年記念 終戦に導いた郷土の偉人~流山と鈴木貫太郎~」
令和7年8月3日(日曜日)、森の図書館で教養講座「戦後80周年記念 終戦に導いた郷土の偉人~流山と鈴木貫太郎~」が開催されました。この講座は、講演会から読書や郷土史研究など、さまざまな学びへの広がりを目的に、普段は聴けないお話しに触れようと、毎年続けられているものです。
流山市は、昭和62年1月1日に、市制施行20周年記念事業の1つとして「平和都市」を宣言しました。戦後80年の節目を迎える今年は、日本の終戦に大きく関わった、鈴木貫太郎に関するお話しを伺うため、野田市市政推進室学芸員・笹川知樹さんを講師にお迎えしました。笹川さんは以前、流山市立博物館で学芸員として勤務されていた方です。
鈴木貫太郎は、海軍軍人として日清日露の両戦役に従軍し、その後、海軍大将まで昇進すると、連合艦隊司令長官や軍令部長などを歴任したのち侍従長に就任しました。枢密院(すうみついん)議長を経て、千葉県初の内閣総理大臣に就任すると、日本の終戦に尽力しました。
初めに司会者から、この講演会は市内在住で元新人物往来社社長・大出俊幸さんにご協力いただいた旨の紹介がありました。
講座は、鈴木貫太郎の出身地和泉国(現大阪府)、関宿町(現野田市)についてやゆかりの地についてのお話しから始まり、貫太郎の父 鈴木由哲が関宿藩士、関宿町長であったことなどが語られました。
海軍軍人として従軍した貫太郎は、軍令部長に就任すると、関宿町をよく訪れており、関宿町の小学校などに、貫太郎の書が刻まれた石碑が建てられました。貫太郎が昭和20年4月7日に内閣総理大臣に就任すると、流山の小学校の児童が作文を送っています。郷土の偉人としての期待や、貫太郎の体調を心配する内容などが記されていたことが分かり、客席からは感心の声が上がりました。
最後に、戦後、昭和22年に完成した貫太郎の木像や七回忌の講演会でのエピソードなど、鈴木貫太郎記念館建設の契機となる貫太郎の顕彰活動についてのお話しがありました。現在、鈴木貫太郎記念館は、令和元年の台風の影響と耐震強度の問題から休館となっており、記念館の再建に向け、基本計画が決定していること、また再建基金を募っている旨のお話しがありました。併せて、8月14日から19日に開催される野田市役所での出張展示や、8月16日、17日開催の野田市ギャラリートークについてもご案内がありました。
講演会終了後の質問コーナーでは、「二・二六事件の時の妻タカさんの機転とはどのようなものだったのですか」「鈴木貫太郎記念館の隣にあった生家が現在はないが、なぜですか」などの質問があり、笹川さんは一つひとつ丁寧に答えていました。
また、休憩時間や閉会後には、流山歴史文化研究会20周年記念誌「流山風土記」が受付に並べられ、同会の方が販売していました。この資料には笹川さんが貫太郎について執筆された文章が載っており、多くの参加者が購入の列に並んでいました。
森の図書館ギャラリーガラスケースでは、「戦後80周年記念 終戦に導いた郷土の偉人~流山と鈴木貫太郎~」をテーマに8月15日(金曜日)まで展示を行っています(最終日は12時まで。協力:野田市)。また、森の図書館特設展示コーナーでも、同タイトルで8月15日まで開催しています。ぜひご覧ください。
講演会に参加された方は「鈴木貫太郎の誕生から戦後の活動まで、貴重なお話しを聞く機会をいただき、ありがとうございました」「大変興味深かったです。記念館の再建を楽しみにしています」などの感想がありました。
今後の森の図書館のイベントは、広報ながれやまや森の図書館ホームページをご覧ください。
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