全体部会
検討結果報告
基本構想・基本計画素案に対する提言
テーマに対する基本認識
本部会は、第一回目のワークショップ全体会におけるテーマ別グループ分けの作業にて、イメージ(魅力)・財政・広域という横断的な要素を一括して全体部会として検討する事になった。 テーマに対する基本認識を得る為に検討すべき項目を各参加者の意見をキーワードとして抽出し、それを以下の三項目に集約し、検討・討議を行い 『基本構想・基本計画素案に対する提言』として本部会の報告として取りまとめたものである。
- 流山市の今日の魅力とこれからの魅力
- 基本構想・基本計画の素案に対する提言
- 実施計画と市民参加によるモニタリング
但し、取りまとめの過程で他の部会でテーマとして取り組んでいると思われる要素は除外した。
意見交換の内容
三つの項目に対する意見を以下に紹介する。 尚、重複する様な内容が複数見られるが、本部会のテーマとの関係から、この段階では整理しすぎない方が参加者各位の意見をより正確にお知らせ出来ると考えた為、まとまりの無さに関してはご容赦いただきたい。
流山市の今日の魅力とこれからの魅力
基本構想素案では、人間・文化・自然の三つの価値をまちづくりの理念に取り込んだ構成となっているが、むしろ魅力と言う形で盛り込んだ方がよりわかり易いのではないか、との見地から魅力に関する意見を列挙した。
今日の魅力
- 豊かな自然環境
オオタカの森・飛地山等に代表される多くの林や新川耕地・江戸川土手等緑の多い町であり、夏は都内と比較しても涼しく過ごしやすい。 - 安全
新聞をにぎわす様な事件・事故の発生が少なく、風水害や地震等の自然災害も少ない。 - 魅力的な所が意外と多い
市内を回ってみると寺や神社をはじめとする歴史的な建物等も多くあり、意外と多くの魅力的と思われるスポットがある。 しかし、残念ながら広く認知されているとは言えない。
これからに期待したい魅力
- 1. 市内交通網の整備
現在は旧流山地区と市内各地を結ぶバス路線はあるものの、年々運行本数が減っておりやはり不便である。 - 産婦人科・小児科等の医院
子育て世代がホームドクターとして必要な小児科医院や産婦人科医院の数が少ない。 小児科医師の数の減少は全国的なものであるが何とかならないか、産婦人科が少ないのは流山と言う名前が影響しているのか(市内には4医院)。
但し、現状でどの程度マイナス要素があるのか参加者の知見の範囲では判断できなかった。
その他
- Identityの確立
流山市のCorporate Identity、City Identityの確立が必要である。
基本構想・基本計画の素案に対する提言
今回、広報ながれやまに掲載された基本構想・基本計画そのものに関する検討が必要ではないか、前回のワークショップは地域別であったのでどこかで全体に対する検討が必要との見地から意見を列挙した。
- わかり易さへの工夫
まちづくりのフレーム、価値あるまちづくり、21世紀への展望、将来の都市像、パイロットプラン21と言葉のデパートと言った趣があり、どうもわかり難い。 - 価値とまちづくりの理念との整合性
価値観は多様であり時代の流れと共に変化する。 価値観を軸とした構想は疑問である。 - 現状認識
21世紀への展望で若干述べられてはいるが、これからの時代の潮流をどの様に分析したのか、その結果を記述すべきではないか。 - 重要課題は何なのか?
課題は数多くありその中での重要度・優先度がはっきり掴めない。 どうも常磐新線、ごみ問題、介護保険等がその上位にあるようだが、もっと踏み込んだ記述をしても良いのではないか。 - 総花的、抽象的
具体性に欠けるのでは無いか、他市で作成されたものの中にはもっと具体的なものが多い。 - 広域行政の観点
今後行政の広域化がますます加速すると思われる中、近隣市町との具体的な連携や千葉県の地域戦略プランとの関連付けに関する記述が必要ではないか。 - 効率化とシステムの再構築
従来からの既成概念にとらわれない、行政運営の効率化や行政システムの再構築と言った観点からの記述が必要である。 - 財政問題と課題の明確化
財政問題や現状の課題の認識がどの様になされているのかが不明である。 - 結果の評価と公開
従来からの日本の行政は、実施した計画に対する成果の確認・評価及びその公開が不十分である。かかった費用を含めて公開するぐらいの取り組み方針を明確に謳っても良いのではないか。 - 基本構想の五大綱相互関連
五大綱相互の関連がよく掴めない。 また、長期計画との複雑なマトリックスの意味もわかりにくい(但し、現場の組織をよく知る者にってはわかり易いとの事、コメントあり)。 - 人口20万人の位置づけ
人口20万人を目指したまちづくりなのか、単なる結果の想定なのかで構想全体の方向づけが変わってしまうのではないだろうか。 はっきりさせた方が良い。 - 20年は長すぎる
将来に向けた20年は遠い先と言った印象で実生活に結びつけたイメージが出来ない。 - 構想・計画策定手順
今回の構想・計画策定手順がチグハグとの印象を免れない。
実施計画と市民参加によるモニタリング
実施計画の策定はこれからであるとの事であったが、市民が一番身近に感じる事の出来る実施計画への展開方法に関しての記述が必要であるとの観点からの意見を列挙した。
- 個別課題の優先順位
実施計画へどの様な優先順位で取り組むか不明である。 - 過去計画の評価と次計画への反映
過去の実施計画の評価・検証を実施して盛り込み、それを今後の実施計画へどの様に反映するか記述する必要である。 - 実施計画策定への市民参加
基本計画から実施計画への展開における市民参加を実施すべきである(一方、この段階での市民参加は我田引水になり困難との意見あり)。 - 実施計画への展開方法
基本計画から実施計画への展開方法につき、より具体的な方策を明示する。 - 市民参加の手法確立
市民参加の具体的な手法にワークショップ、自治会、市政モニター等が考えられるが市民参加をどの様な形で求めて行くのか記述する必要がある。 - テーマ別グループ
従来の地域に根差すコミュニティーに対するテーマ別に、全市的な研究グループを育成する。 - 既成概念にとらわれない着眼点
既成概念にとらわれない異なった着眼点からの、実施計画の策定が必要である。 - 進む勇気と退く勇気
従来日本の行政は、継続の名の下に進む勇気も退く勇気ももって来なかった。この面を構想に盛り込んでも良いのではないか。 三番瀬の埋め立て問題等、遅まきながら日本でもその動きが始まっているから、率先して流山市が取り組むのはどうだろうか。
盛り込むべき基本的な視点
三つの項目から検討・意見交換を進めた結果、各項目はお互いに深く結びついており、盛り込むべき基本的な視点として以下の点を抽出した。
- メリハリを持ったわかり易い具体的な基本構想・基本計画である事
- 主要課題の明確化
- 構想実現に向けた行政側の取り組み方針の明確化
評価出来る事柄
自前での基本構想・基本計画策定
多くの市町村が外部のコンサルタントに依頼して基本構想を策定しているケースが多いと言われる中、流山市がみずからの職員を中心として基本構想・基本計画を取り纏める努力をしている点。
ワークショップの開催
当初の位置づけでワークショップをどの様に考えていたかはともかく、ワークショップを基本構想・基本計画策定の一部手段として取り組んでいる事。
市民の立場で実行できる事柄
自分の意見には責任を
市民参加は今後の行政運営の中で非常に重要な位置を占めると考えられるが、市民参加とは自分勝手な意見を述べる事ではない事を認識し、責任を持った行動が伴う事が必要である。
自分で出来る事は自分で
ケネディの言葉では行政が何をしてくれるかではなく、市民が行政に対して何が出来るかを考え行動する意識を持つ事。 行政から多くの市民が満足するサービスを提供する事は財政問題から不可能と考えるべきである。
基本構想全体への意見
今回の僅か4回のワークショップでは、本部会のテーマに沿って基本構想・基本計画への具体的な意見とする事は不可能な為、是非検討していただきたい意見として一部例示を交えて示す事に止める事とする。
メリハリを持ったわかり易い具体的な基本構想・基本計画である事
メリハリのあるわかり易い基本構想・基本計画とする為に、全体の構成と言葉の見直しを行う。
例1
まちづくりのフレーム、価値あるまちづくり、21世紀への展望、将来の都市像、パイロットプラン21等の言葉が使われているが目指すべき都市像を定義し、○○(都市像)の為の□□といった形に表現形式を統一する。
例2
横断的テーマ、施策の大綱、施策の体系をもっとわかり易くする為に各々キーワードを使った単純な図式にする事を試みる。 但し、基本構想・基本構想の展開図は項目相互の関係を正確に表現しようとするあまり、複雑化してしまっている。
例3
都市構造図で中心核・副次核・地域核・地区生活中心・産業核・緑の核・レクレーション核・土地の保全活用ゾーン・歴史文化ゾーンが設定されているが言葉の定義を明示する。 例えば、中心核=市役所の移転と捉えられる人がいるかもしれない。
主要課題の明確化
今後益々厳しさを増す財政運営の中、基本計画に盛り込まれている項目を多くの市民が納得するレベルで実現する事は不可能である。 メリハリのあるわかり易い基本構想・基本計画とする為に主要課題を明確化し、それにどの様に取り組んで行くのかを財政の問題との関係迄含めて盛り込む。
本件に関しては、本部会では主要課題が何か論じた訳ではないので、例示は控える。
構想実現に向けた行政側の取り組み方針の明確化
基本計画から実施計画への展開、実施、検証、結果(費用も含む)の公開の各プロセスにおける行政の取り組み方針や具体的方策について、より明確な形で記述する必要がある。
例4
「PLAN」から「DO」から「SEE」から「CHECK」のプロセスサイクルを具体的に3か年ローリングシステムとの関連を持つ形で表現する。 各プロセスで具体的に行う作業も具体的に表示する。
スケジュール
- 全体会議
平成11年5月29日(土曜日)
内容:地域別検討集と基本構想・基本計画素案の検証、ワークショップ検討重要課題の選出とグループ分け - 全体部会第一回打合せ
平成11年6月5日(土曜日)
内容:キーワードによるテーマ整理 - 全体部会第二回打合せ
平成11年6月12日(土曜日)
内容:テーマ毎の意見交換・集約と方向性の確認 - 全体部会第三回打合せ
平成11年6月19日(土曜日)
内容:報告書取りまとめ内容確認 - 全体会議
平成11年6月27日(日曜日)
内容:各部会毎による検討結果の発表及びパネルデスカッション
検討者名簿(敬称略)
ワークショップ参加者
吉田真作、宇田川宏、中込四郎、赤荻久男、小山俊、石井政信、中川弘(リーダー)、金山春一、市川誠、松尾博義、山本忠、常木京子
市外よりのオブザーバー
川上雅一、門脇美子、仁科力、椎原晶子、粉川亮
ワークシュップ運営委員
成岡茂、松下英治、宮原哲也
事務局
石井泰一
ご意見をお聞かせください
このページに関するお問い合わせ
総合政策部 企画政策課
〒270-0192 流山市平和台1丁目1番地の1 第1庁舎3階
電話:04-7150-6064 ファクス:04-7150-0111
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。