北部地域 ワークショップ市民版検討集
人と自然にやさしく心豊かに暮らせるまちづくりを目指して
2020年の流山北部地域の生活日誌
小林隆太(70歳)江戸川台西在住
1月10日(金曜日) 江戸川台商店街
新年を迎え、張り切っているとはいえ、隆太は70の声を聞き、さすがに冬の寒さがこたえる。今朝は江戸川台西商店街へ妻の麻美と喫茶アメダスにモーニングを食べに行くことにした。麻美は起きてからずっと、庭にやってきた小鳥を眺めている。隆太と麻美がアメダスに行くと、ご近所の西川さんや近藤さんも家族で来ていた。アメダスは、20世紀後半に盛り上がったまちづくり創生塾の時代に、清水さんがたまり場を盛り上げようとコーヒーの入れ方を学び開いたお店だ。昼は喫茶だが、夜はアイルランドパブに変わる。夜の部は、アイルランドへ転勤経験のある欅夫妻がやっている。江戸川台の人たちは、このパブをマイパブと呼び、地域のコミュニケーションの核となっている。商店街には、花屋さん、八百屋さん、魚屋さん、肉屋さん、酒屋さん、本屋さん、パン屋さん、ケーキ屋さん、レストラン、クリーニング屋さんなどがありにぎやかだ。
4月5日(日曜日) 新川耕地
新年度に入って初めての日曜日。新川耕地では、市民参加による田んぼづくりの代かきや苗づくりが始まっている。道の駅を兼ねた農産物交流センターには、流山や柏、松戸といった東葛地域の市民が、集まってきている。最近は毎年秋に品評会があるので、米作りはそれぞれの市民グループのいわば競争となっている。新川耕地の斜面緑地に連なる水路脇に植えられた桜のつぼみが膨らんでいる。利根運河から流れる水が水路を潤している。
6月30日(火曜日) 地域に開かれた小学校
孫の浅香は小学3年生。江戸川台小学校では陶芸教室を行っている。月に1度は小学生と地域の人たちとの交流企画を開催する。江戸小は、笠間や益子との交流が盛んで、陶芸家が毎週やってきて子ども達に陶芸を教えている。江戸小の先生や生徒は協力して地域の人たちに陶芸教室を開いている。このように陶芸が盛んな江戸小は、全国小学校陶芸大会で、毎年金賞をとるまでになった。
9月15日(火曜日) ケアセンター
敬老の日ということで、北部地域ケアセンターでは地域のお年寄りが続々集まってきた。ここは地域福祉の拠点。20世紀末から取り組んできた福祉計画は、市民参加による長期構想が弾みとなり、流山では着々と成果が上がっている。何しろこの地域では3人に1人が65歳以上という超高齢社会なのだ。東深井の畑の真ん中につくられたこのケアセンターの周りには、平地林と農家が醸し出す田園風景や、農家と市民の協力による市民農園が設けられている。北部地域は在宅福祉のための住宅改造が進み、高齢者は自宅を拠点として地域活動に張り切っている。江戸川台や運河地区からは、歩道や自転車道が整備されており、安全に安心して行くことができる。歩道の所々には、花壇やポケットパークがあり心地よい。
タウンウォッチング
まちグループ








森グループ






田園グループ








北部地域の課題と今後20年間の方向性
1.高齢者福祉の充実
高齢者が安心して参加できる公共施設の設置。
- 高齢化と税収との関係をふまえた福祉の充実。
- 高齢者の福祉、介護施設の拡大、整備。
- 一人暮らしの高齢者をサポ-トするネットワ-クの充実。
- 歩行者、車イスが安全に通れる歩道の整備。
- 市内を循環する床の低い小型バスの運行。
2.魅力ある学校づくり
地域に開かれた特徴ある学校。
- 空き学級の有効活用:空教室を地域に開放するなど社会教育や福祉にも活用する。
- 特徴ある教育・学校づくり:魅力ある学校ができれば、人も集まってくる。Ex.地域に開かれた自由な教育をしている打瀬小学校(幕張)、音楽やスポーツなど文化に重点をおいた習志野市の小中学校、小・中、中・高一貫教育の公立学校、地域の特徴を生かした温泉小学校(箱根)
- 環境教育、福祉教育、小人数教育の実践
- 詰め込み教育から考える教育:地域住民と一体となった教育

3.商店街の活性化
人のふれあいのある商店街や電子商店。(江戸川台や運河駅周辺商業の活性化。)
- 人の触れ合いがある商店街(旨い、安い、楽しい)をつくり、外からも人を呼ぶ。
- 商店街の整備策として駐車場の整備や市出張所を核とした商店街の活性化。
- おいしいレストランが欲しい。
- オリジナルで自慢のできるお店づくり。
- ファクスや電子メールなどを活用した電子商店。
4.公共公益施設の充実
バリアフリーや防災を考慮した交流できる公共施設。
- 各地域に均等に公共施設を。
- 地域内に均等な公共施設を(自治会館など)。
- 個人の蔵書の提供を受けるふれあい文庫の充実。
- 森の図書館の閉館時間延長、隣接した空き地の有効利用。
- 総合病院の新設。
- 防災の備えのある公共施設。
5.道路整備
子どもや高齢者などにやさしい道づくり。幹線道路と生活道路を明確に分ける。
- 江戸川台駅東西広場の駐車・自転車対策。
- 段差を解消したバリアフリ-の歩道整備。特に交通量が多く危険な県道の歩道整備。
- 事故防止のための道づくり(優先道路の明確化、信号の設置)。
- 運河駅の駅前整備と東口の新設。
- 野田松戸有料道路の無料化。
- 健康のためのサイクリング道路の整備。
- 交通体系の整備。(道路の拡幅、都市計画道路の促進)

6.ゴミ問題
減量、分別、リサイクルの徹底。
- ゴミ処理場の防臭管理とゴミの飛散防止。
- 土壌のダイオキシン調査実施と公表。
- 利根運河、江戸川合流点や、斜面林や水路、休耕田などに捨てられたゴミ問題。
- 市民の健康・安全に十分配慮したゴミ焼却施設(特にダイオキシン問題)。
7.緑の保全・育成
身近な緑を育て、運河・斜面林などの緑の保全や植樹をしていく。
- 生産緑地、市民農園の活用。
- 保存樹林・樹木の保全。
- 住宅地の緑の育成(敷地の最低を定める地区計画条例の制定)。
- 市民の手づくりによる花壇やポケットパークの充実。
- 林、池、ビオト-プなど多様な森の保全。
- 緑豊かな運河の保全と桜並木の延長・創出。
- 新川耕地沿いの斜面林の保全。
- 畑と一体となった屋敷林の保全。

8.水問題
公共下水道と合併浄化槽の100パーセント整備。親水的水路の整備。
- 利根運河の水質管理の徹底。
- 斜面林沿水路の水質浄化(汚水の発生源の制限と浄化装置の設置)。
- 今上落を春の小川にする。
- おいしい水の飲めるまち。
9.休耕田の有効活用・田んぼの保全
市民の憩いの場。
- 自然を生かした公園に整備
- 市民農園として活用
- 農業の振興

北部地域ワークショップの経過及び参加者名簿
1.経過
第1回ワークショップ
平成10年5月10日(日曜日) 初石公民館
「顔合わせ及び今後のワークショップの運営について」
第2回ワークショップ
平成10年5月23日(土曜日) 北部公民館
「地域を足元から見つめよう。タウンウオッチングの実施」
第3回ワークショップ
平成10年6月14日(日曜日) 北部地域図書館(森の図書館)
「地域の重点課題についてまとめよう。」(各グループ代表による模擬議会)
第4回ワークショップ
平成10年6月28日(日曜日) 北部公民館
「20年後の方向性、20年後の将来像についてまとめよう。」(各グループ代表による模擬議会)
第5回ワークショップ
平成10年7月18日(土曜日) 北部地域図書館(森の図書館)
「これまで話し合ってきた北部地域の重点課題、方向性、将来像について、市民版地域別検討集としてまとめよう。」(各グループ代表による模擬議会)
第6回ワークショップ
平成10年7月26日(日曜日) 初石公民館
「市民版地域別検討集の発表とまちづくりフォーラムの開催について」
2.参加者名簿
北部地域ワークショップ参加者名簿
まちグループ
- 高橋利行
- 一寸木賢祐
- 伊藤優子
- 清水文夫
- 徳永修
- 野手豊
- 矢田部英行
- 山田義邦成
- 岡茂(運営委員)
森グループ
- 三枝幸子(地域リーダー)
- 石井政信
- 石川数義
- 小倉三郎
- 小網啓一
- 佐藤元子
- 鈴木三代子
- 曽我部幸子
- 田殿吉弘
- 渡辺威文
- 奥田富子(運営委員)
- 志田正弘(運営委員)
田園グループ
- 楠本浩二
- 青木孝諭
- 秋元芳彦
- 小沢克巳
- 坂口陽子
- 逆井誠
- 櫻井誠
- 廣瀬道夫
- 宮崎洋典
- 山本利幸
- 小瀧康男(運営委員)
事務局
- 石井泰一
- 宮本晴朗
- 黒川律子
コンサルタント
- 穂苅信央
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