4章 まちづくりのフレ-ムと横断的課題
1.人口
本構想の目標年次、平成32年(西暦2020年)の将来人口を20万人と想定し、本市の将来都市像の実現に向けて、計画的なまちづくりを推進します。
2.土地利用
市域の土地は、現在および将来における市民のための限られた貴重な資源であり、市民生活や生産等の諸活動をする上で共通の基盤です。
また、土地利用にあたっては公共の福祉を優先させ、地域の自然的、社会的、経済的及び文化的条件に配慮して、健康で文化的な生活環境の確保に努めます。
(1)土地利用の基本的な方向
本市の土地利用の基本的な方向は、都市的利用と自然的利用の量的なバランスを図りつつ、低未利用地の有効利用を進め、秩序ある土地利用の形成に努めていくことです。
都市的な利用を図るべき地域においては、住宅地、工業地、商業・業務地の適正な配置に努め、良好な市街地環境の維持形成を図ります。
一方、自然的な利用を図るべき地域においては、生産機能のみならず、環境維持など公益的機能に着目し、農用地や森林等の適正な保全に努めます。
また、土地利用の転換に際しては、その不可逆性などを十分に認識しつつ、計画的かつ慎重に行います。
そして、市域全体にわたってゆとりある環境や個性ある景観が保持され、自然と共生する土地利用の実現が図られるように努めます。
ア.住宅地
常磐新線沿線整備地域にあっては、高品質な住宅地の形成に努め、ライフスタイルの多様化、高齢化等に配慮した住宅地の計画的な配置により、魅力ある市街地形成に努めます。一方、既存の住宅地にあっては、農業など他の土地利用との調和を図りながら、都市的土地利用の高度化と、都市内低未利用地の有効利用を進め、オ-プンスペ-スの確保を図り、ゆとりある環境、個性ある景観の形成に努めます。
イ.工業用地
産業の高付加価値化と産業構造の変化に的確に対応するとともに、就業の場の拡大と安全性の確保を目指しつつ、自然環境の保全に配慮し住工混在の解消に努めます。このため適正な誘導による土地利用の転換を図りながら用地の確保に努めます。
ウ.商業・業務用地
商業・業務機能の向上・充実を図り販売力や就業の場の拡大強化を推進しつつ、都市的サ-ビス機能や生活文化を中心とした都市的機能が総合的に発揮できるように努めます。
特に常磐新線沿線整備地域の新市街地地区にあっては、都市機能の集積を進め、名実ともに本市の中心核として、役割を果たすための土地利用を図ります。
エ.農用地
農業生産基盤としての役割と、保水機能や緑地機能など公益的機能の発揮や遊休農地等の適切な利用促進、農地の集団化や高収益化を図り、農業生産活動と地域住民との調和を図り、自然環境への負荷の軽減に配慮した土地の高度利用と保全に努めます。
オ.森林・緑地
市街地周辺の平地林の整備による緑地は、防災機能の発揮と市民の潤いの場の創造につながり、住む人々に安心と安らぎを与える重要な資源です。また、貴重な生態系等の保護のため、適切に配慮しながら森林等の整備・保全に努めます。
3.施策展開にあたっての横断的テーマと課題
施策の展開にあたって、市民から見た時代潮流とその課題を次のとおり設定します。
(1)人と地域と社会の多様性が尊重され、協調性が確保された豊かなまちづくり
世代や性別、あるいは地域や社会の特性が尊重されるとともに、それぞれに共同作業やネットワーク化により協調性ある豊かなまちづくりの実現が課題です。
また、本市内の各種の組織と連携し、活力を導入できるまちづくりの実現が課題です。
横断的課題-1
個性豊かな地域とその地域間のネットワークを流山はどう築くのか。
- 4つの地域は、人・物の交流基盤として道路・鉄道による交通ネットワークを強化していくことが課題です。
- 情報の交流とともに、地域間のコミュニティ・市民活動・福祉団体等の各種組織が交流・触発・協働等によって、さらに活動を活発化していくことが課題です。
- 農業、流通、工業、商業等についても、技術交流、あるいは情報の交流や市民との接点を持つことにより、新しい展開を作り出していくことが課題です。
横断的課題-2
男女共同参画社会の実現を流山はどう担保するのか。
- 個人の人権を尊重し、男女平等の意識を広く根づかせ、家庭、地域、学校、職場などあらゆる分野に男女が対等に参加できることや、そのための環境整備が課題です。
- 審議会等への女性の登用や行政のなかでの取組みも重要な課題です。
横断的課題-3
外部の活力を活用し、それらとの相互関係を流山はどう築くのか。
- 市政展開において、職員のみならず、市民、市民団体、市内企業、開発事業者の活力と能力を活かしていくことが課題です。
- 隣接市町、県、国との協力関係を強化し、外部学識経験者や専門家との連携強化が課題です。
(2)安全と安心に立脚した、快適な都市づくり
あらゆる分野において安全性が優先され、それによって安心した生活を享受することができます。その上にたって、快適な生活を送ることのできる都市の実現が課題です。
横断的課題-4
危険を未然に防ぐ安全な流山をどう築くのか。
- 自然型災害・都市型災害を抑止し、防犯強化のために、市民や各種団体の協力を得ながら情報の収集と的確な対応が課題です。
- 本市のみでは十分な対応が図れないものについては、広域的な連携により対応を図っていくことも課題です。
横断的課題-5
安心して住み続けられる流山をどう築くのか。
- 地域内での相互扶助や協力体制によって日常の安心の度合いを高めるとともに、緊急時での連絡や対応時での各種連携が速やかに行われる地域づくりが課題です。
- 高齢者や障害者等に対して、施設のバリアフリー化により、利用時、移動時での安心・安全の確保が重要な課題です。
- 大気、水質、土壌汚染等をチェックし、情報公開していくことも市民の健康維持の点で課題です。
横断的課題-6
生活のゆとりを実感し、快適に過ごせる流山をどう創出するのか。
- 自然と生活の調和を重視し、効率性のみの観点ではなく、人と自然に優しい物的整備を図っていくことが課題です。
- 市民ニーズを的確に把握し、サービスの多様化・高度化を図り、情報の提供機会を拡大していくことにより、豊かな市民生活を実現していくことが課題です。
(3)自然生態系を保全しつつ、社会・経済的にも持続的な成長を図るまちづくり
本市には豊かな自然生態系が残り、掛替のない財産となっています。経済成長による都市の活性化とこの環境の保全を図ります。将来にわたって質の高い成長が確保されるまちづくりが課題です。
横断的課題-7
地形・水質・土壌・大気・生態系を、流山はどう活かすのか。
- 自然環境の保全と開発とのバランスを念頭に、環境負荷の少ない施設整備や再生不可能な湧き水のある環境等の保全を図り、次代に継承していくことが課題です。
- 環境に関する基礎学習や体験学習の場をつくり出していくことが課題です。
横断的課題-8
環境の維持と開発のバランスを、流山はどうとるのか。
- 本市独自の開発指導や規制措置等、開発に伴う自然環境の質の悪化を緩和する具体的な措置・仕組みをどう築くかが課題です。
横断的課題-9
持続的成長をし続ける流山をどう築くのか。
- 産業基盤の充実に努め、商工業者の育成・雇用の場の確保など、経済活力の維持と強化を図ることが課題です。
- 次代を担う人材育成を強化するとともに、行政にあっては、事業評価制度の確立など効率的・効果的な施策展開を図っていくことが課題です。
(4)自己責任と自主的展開を兼ね備えた、自立性あるまちづくり
規制緩和と地方分権の潮流は、都市づくりの独自性を確保するとともに自主性や自己責任を合わせて必要としています。これらを積極的に受け止め、個性豊かで自立性ある都市づくりが課題です。
横断的課題-10
常磐新線及び東葛地域における流山の役割をどう考えるのか。
- 首都圏30キロメ-トルの地の利と緑の豊さを生かし、新市街地地区や運動公園周辺地区での特色ある機能集積により、東京のベットタウン的性格に新たな性格、要素を加えていくことが課題です。
- 沿線諸都市及び東葛地域との分担を考慮した機能強化を図るとともに、一方で医療などの広域対応の仕組みを検討し、また他都市職員との交流・情報交換も積極的に進めることが課題です。
横断的課題-11
地方分権の流れを受け、流山は行政基盤をどう強化するのか。
- 規制緩和・透明性を視野に入れた条例・規則等の整備と補助金等を含めた財源確保が課題です。
- 地方分権後の行政実務に対応できるような行政機構の改革、政策形成や政策法務に関する職員の能力開発が課題です。
- 情報公開を推進し、公民パートナーシップによる行政展開の基礎づくりが課題です。
横断的課題-12
市民の能力と協力を生かし、地域の自立性を流山はどう高めるか。
- 地域自治会等のコミュニティ団体との連携を強化し、コミュニティ施策を推進するなかで、市民と行政が共有できる個別のビジョンづくりを進め、具体的な行政施策展開への参加を確保することが課題です。
- 地域活動を公表し、地域住民が自ら選択した自主的な取り組みへの行政支援を図り、地域の自立性を高めることが課題です。また、人材発掘・育成も課題です。
(5)プロセスと意思決定に際して、透明性の確保された行政運営づくり
情報公開と積極的な市民参加は、21世紀の行政運営の基本です。そのプロセス・情報の公開と意思決定時の透明性を確保し、市民・企業・行政による公・民パートナーシップ型のまちづくりが課題です。
横断的課題-13
市民の公平公正のため、流山は行政手続きをどう明らかにするのか。
- 各種データーの公開や計画段階から情報の開示などを進め、情報公開制度の拡充を図っていくことが課題です。
- 市民の意見が計画に反映される場がオープンに確保されること、及び手続きの簡素化が課題です。
横断的課題-14
効果的な市民参加のためのノウハウを、流山はどう蓄積するのか。
- 直接の利害関係者の意向を尊重することはもとより、各種市民団体・企業との連携強化、まちづくりのための組織構築など、市民参加方式のルールを確立することが課題です。その際、情報公開・交流や学習の場の提供や、専門家による助言・指導が受けられるような仕組みを作っておくことが重要です。
- 市民参加と行政との協議により決定された事項は、確実に具体化するとともに、その結果を市民に公表していく仕組みを作っておくことが課題です。
横断的課題-15
情報網を作りあげ活用しながら、流山は情報をどう公開していくのか。
- 人権やプライバシーに配慮しつつ、民間マスメディアとの協力や市広報紙の活用など、複数の情報入手経路を確保し、市民の情報のアクセス性を高めることが課題です。
- 公的施設等では、情報端末の設置など公的情報のアクセス性を高め、また相互に情報交流のできる仕組みを構築することが課題です。
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