ぐるっと流山 鰭ヶ崎おびしゃ行事
七福神が鬼の顔の的に矢を放つ
令和6年1月21日(日曜日)、鰭ケ崎の雷神社で「鰭ヶ崎おびしゃ行事」が開催されました。
この行事は、五穀豊穣(ごこくほうじょう)、家内安全、無病息災を祈願するもので、千葉県北部と茨城県南部、埼玉県東部に多く見られる正月の伝統行事です。現在でも市内各所で行われており、中でも鰭ケ崎のおびしゃは、祝詞(のりと)奏上、玉串奉奠(たまぐしほうでん)、トウ渡し、歩射(ぶしゃ)、送り込み、直会(なおらい)などの一連の儀式が江戸時代中期の享保年間から受け継がれており、昭和52年より市の無形民俗文化財に指定されています。かつては1月20日に行われてきましたが、令和2年から1月の第3日曜日に行われています。
拝殿で諏訪神社の宮司による祝詞奏上や玉串奉奠のあと、新旧7人の当番が引き継ぎを行う「トウ渡し」の儀式が行われました。当番の中心となる「初戸(はなと)」は、山崎美津子さんから岡本元子さんへと引き継がれました。
※山崎美津子さんの崎はたつさきが正式表記です。
社務所には、大根とねぎで作られた鶴と聖護院大根を使って作られた亀が飾られていました。鶴亀の飾りも行事に欠かせないものですが、年々、農業を営む家が減る中で、野菜で鶴亀を作る技術の継承も難しくなっています。
この行事の最大の見どころは「歩射」です。新旧の当番が並んで鳥居側に据えられた赤鬼と青鬼の的に向かって拝殿から紅白の弓矢を放ちました。今年は、2人が青鬼の的を見事射抜き、見物人から大きな歓声が上がりました。かつては、鬼の的は当番の手描きで作られており、毎年変わる鬼の表情がなかなか味わい深かったといいます。
歩射のあとは「送り込み」です。送り込みは、おびしゃに使う道具などを七福神や護持会の皆さんの先導で、道具を引き継ぐ儀式です。4年ぶりの実施となった今年は境内で行われました。
社務所に戻ると「直会」が始まります。直会は、行事で奉納したものを皆さんで食べる宴会のようなものです。新旧の当番が左右に分かれます。
しばらくすると市無形文化財「流山の祭囃子、神楽等」の保持団体である赤城保存会によるお囃子と神楽が奉納されました。獅子舞が威勢よく座敷の中を舞うと、次々におひねりが投げ込まれ、列席者の頭を噛むなどして回ります。おひねりを獅子の口の中に放り込んだり、わざと遠くに投げてみたりと、獅子舞とのひょうきんな掛け合いを見せ、笑いを誘います。
次に披露した神楽は、狐とひょっとこによる「種貸し」です。狐の種まきを田吾作が邪魔する内容で、演者のひょうきんな動きに宴席は大爆笑。大いに盛り上がりました。直会が終わると、新旧の当番が並んで七福神の衣装を引き渡し、行事は無事に終わりました。
新型コロナウイルス感染症の影響で、ここ数年は行事の中止や縮小しての開催でしたが、今年は全ての儀式を実施することができました。昨年から、当番を男性だけでなく女性もできるようにするなど、行事の形式を少しずつ変えながら、江戸時代から続く地域の伝統行事として引き継がれています。
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