ぐるっと流山 ヂンガラ餅行事
五穀豊穣(ごこくほうじょう)を願う市指定無形民俗文化財
令和2年1月12日(日曜日)、三輪茂侶神社で「ヂンガラ餅行事」が行われました。上半身裸の男衆が餅を奪い合い餅の割れ具合により、その年の農作物の作柄を占う「ヂンガラ餅行事」は、雷神社の「鰭ケ崎おびしゃ行事」、赤城神社の「大しめ縄行事」と並ぶ、市指定無形民俗文化財です。古くから伝わるこの行事は、ヂンガラ餅保存会(堀江啓亮会長)により運営され、この奇祭を一目見ようとする多くの見物客が境内に訪れました。
縁起がいい末広がりの「八づくし」で、8升の御神酒と8升の鏡餅(上3升、下5升の丸い重ね餅)、野菜や果物、海産物など8種類の供物が神前に供えられ、また、8種類の具材を入れた芋汁が用意されます。また開催日も、以前は毎年1月の「8日」に行われていました。
拝殿には神社の氏子や来賓などが集まり、大太鼓を合図に行事が始まります。まず、諏訪神社神職の古谷さんにより修祓の儀、献餞の儀、祝詞奏上、玉串奉天などが、習わしにのっとり厳粛に執り行われました。
その後、次の年の当番へ引き継ぐ「とう渡し」が行われると、いよいよ餅取りです。大太鼓の音が鳴り響くと、法被を身にまとった男衆が登場。参道には、見物客が花道をつくり、紙吹雪が舞う中をゆっくりと男衆が拝殿に向かいます。
さらし一枚になった男衆のなかに、鏡餅の下の部分、5升の餅が投げ入れられると「わっせ、わっせ! 餅を上げろ! 餅を上げろ! 」と餅を求めて両腕を延ばしながら、拝殿のなかを四方八方に激しく動き回ります。激しい掛け声とともに、汗が周囲に飛び散り、激しい揉み合いが続きます。さらに、男衆たちは境内にまで飛び出し、白熱した餅の奪い合いとなり見物客は大いに沸きました。
30分ほどの激しい揉み合いの末、男衆が代わるがわる拝殿の柱に餅を打ちつけ、直径40センチほどの餅がついに割れ、歓声とともに大きな拍手が鳴り響きました。割れた餅を手にした神職の古谷さんが「今年も豊作間違いなしでございます」と宣言すると、さらに大きな拍手が起こりました。餅取りに使われた餅は、食べると風邪をひかなくなると言い伝えられ男衆に配られます。
参道では、紅白餅などが振る舞われ、見物していた多くの人々で行列ができていました。今回、ヂンガラ餅行事を初めて見たという、ボーイスカウトで活動している大野克也君(小山小3年)は「大人の人たちの迫力にびっくりしたけど楽しかったです。来年も見てみたいです」と話してくれました。
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