ぐるっと流山　鰭ケ崎のとうかつ草の根フードバンクでフードパントリー

　令和2年12月27日（日曜日）、鰭ケ崎の「とうかつ草の根フードバンク」で希望者に食材を無料配布するフードパントリーが開催されました。この取り組みは、東葛地域の子ども食堂を支援している「とうかつ草の根フードバンク」と、流山市内の子ども食堂12団体で構成されている「流山子ども食堂ネットワーク」によって行われたもので、学校給食がなくなったり、仕事が休みになる年末年始に食材を提供したいと準備が進められてきたものです。

　この日は、「とうかつ草の根フードバンク」や「流山子ども食堂ネットワーク」のスタッフをはじめ市議会からも青野議長・中村副議長ら多くの議員や流山市社会福祉協議会、ボランティアの小学生らも応援に駆け付けました。「間隔を開けて並んでください」と案内のスタッフが呼び掛け、消毒液を持ったスタッフは参加者の手指消毒を行い、受付では、どのようにフードパントリーの情報を得たのかなどをお伺いし、次回の参考にしました。

　用意された食材は、大きな手提げ袋にセットされたのは、地元農家の皆さんのご寄付によるネギやハクサイなどの野菜をはじめ、お米1キロ、カップ麺、うどん、お菓子、レトルトカレーなど170組。食材を手渡しながらスタッフの皆さんから「よいお年をお迎えください」と声を掛けられると、受け取った方々は「ありがとうございます」と返すなど地域の交流を感じられたひとときでした。とうかつ草の根フードバンクでは、赤い羽根共同募金によって業務用の冷蔵庫などを備え、寄付された食材を安全に保管しています。

　お隣の松戸市から応援に駆け付けた山崎恵さんは、「賞味期限の迫っているお菓子やレトルト食品などを選別し、よく説明させていただいて、ご納得いただけた方には、必要なものを選んでいただきました」と、食材配布とは別のコーナーで食品ロスの解消を呼び掛けていました。「流山では、「とうかつ草の根フードバンク」のように自宅敷地内の倉庫をこうして提供してくださる方がいらっしゃって、とてもすごいことですよね」との感想も聞かせてくださいました。

　この日は、流山市東深井の流山地域福祉事業所「梅の木」でもフードパントリーが同時開催されました。また、前日の12月26日（土曜日）には初石公民館で「ほっとほーむ初石食堂」によるフードパントリーも開催されました。さらに前週の12月20日（日曜日）には、「みんなの江戸川台キッチン」が江戸川台駅前東口商店街で、東深井では「から風流（からふる）子ども食堂」が、前日の12月19日（土曜日）には、「生涯大学校子ども食堂」がフードパントリーを開催するなど、市内ではフードパントリー活動が盛んに行われています。

　「とうかつ草の根フードバンク」は、家庭で眠っていたり、企業で余ったりした食品を市内の倉庫に保管し、必要とする子ども食堂や家庭に、必要な分だけ配分しようと令和元年11月にスタートし、今年4月から本格稼働しました。子ども食堂の運営は、個人や企業の寄付、団体の助成金に頼りがちなため、ともすれば食堂運営だけで手いっぱいになってしまうところも少なくなかったそうです。そこで、思いを同じくする子ども食堂の皆さんがネットワークを構築、食品を融通して支え合うフードバンクを立ち上げたものです。

　会場では、「何かのフェスティバルかと思った」と、たまたま立ち寄られたご夫婦が、フードパントリーの趣旨を聞いて、寄附金を置いていかれるなどさまざまなドラマも見受けられました。また先日は、日本米穀商連合会（東京都千代田区）と流山市米穀商組合（山崎政治理事長）から流山産コシヒカリの新米230キロの寄付もありました。「とうかつ草の根フードバンク」の皆さんは、令和3年2月におおたかの森センターで企業向けのシンポジウムを計画するなど、子ども食堂やフードバンクへの理解を広めるための事業にも熱心に活動しています。