平成15年流山市議会第1回臨時会

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ページ番号1009749  更新日 平成29年9月15日

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市長挨拶及び所信表明

議場にて 市長の写真
平成15年5月23日平成15年第1回臨時会にて

 お許しをいただきまして、私の市政に対する所信の一端とあわせましてご挨拶を申し上げます。
 本日ここに、統一地方選挙後初の臨時議会を招集いたしましたところ、議員各位には御健勝のうちに32名全員の出席を賜り、ありがとうございます。
 さて、議員各位におかれましては、去る4月27日に行われました統一地方選挙において、それぞれに市民の信任を受けられ、ご当選されましたこと、誠におめでとうございます。

 今回の選挙におきまして、私も数多くの市民や本日ご出席の議員各位から、流山市政改革への熱烈なご支援を頂き、今後4年間の執行者として付託された重責をひしひしと感じているところであります。想像を超える重圧と緊張の中にありますが、ご支援いただきました多くの市民のご期待に応えるべく、またすべての流山市民への責任を果たすべく、流山市政の公正かつ効率的な運営と、市政発展のために、全力を傾注する決意であります。そして、流山市の豊かな可能性をしっかり引き出し、実現するために、今、やらなければならないことを、しっかり、かつ迅速に実行していく所存であります。

 さて、ご案内のとおり、流山市の財政状況は、財政破綻が現実のものとなりかねない危機的状況に達しております。平成12年度には13.1%であった流山市の公債費負担比率は、平成13年度には一挙に15.8%にまで悪化し、自治体経営における危険警戒水準を超えた状況にあります。そうした中、つくばエクスプレスの沿線開発費用負担の激増、新廃棄物処理施設・リサイクル施設の稼動に伴う維持管理費と地域融和施設の建設費、清美園の焼却施設の閉鎖に伴う焼却炉の解体費用、老朽化し耐震補強が急がれる小中学校など行政需要の増加する中で、地方交付税の大幅な減額など、財政環境は大変厳しいものがあります。

 こうした状況の中で、私に課せられた最重要課題は、福祉や環境を含めた市民への行政サービスの基盤となる流山市の財政を健全に立て直すことであります。万が一、財政再建団体に転落するようなことになれば、流山市は総務省の管理下におかれ、市民には多大な損失を、市職員には深刻な士気低下が起こりかねず、正常な自治体としての体を維持できないことになります。したがって、財政再建団体転落を回避することが、市民への責任ある自治体としての基本条件であります。そのために、流山市が今、しなければならない改革の努力は、財政的実態を的確に把握し、適切な財政運営を進めるために、企業会計的な手法の導入を早急に図ることが必要であると考えております。

 今、流山市がしなければならないことは、地域経済の活性化、効率的な行政運営による市民満足度を高めるための行政改革、市民の税金を1円まで活かすための基盤強化と財政改革を断行することであります。この厳しい努力の結果、流山市民も流山市職員も、市民であること、市職員であることに自信と誇りを持てる流山市を築くことができるのです。既得権益を見直し、市民に役立つ行政サービスを目指して、サービス業としての流山市行政を確立するために、またその基盤となる財政再建のために、私は粉骨砕身してまいる所存であります。未来の流山を輝く流山にするためには、流山の可能性を十分に引き出す市政運営と街づくりを、今、しっかりしておかなければなりません。そのためには、市行政において聖域を設けず、見直すべきは見直し、改めるべきは改め、伸ばすべきは伸ばす必要があります。私は、明日の流山のために、今、しなければならないことを、躊躇することなく着実に実行し、勇気をもって断行する所存であります。

 行政は納税者へのサービス業であり、流山市が市民に提供する行政サービスが、市民に便利で役に立つサービスとして提供されているかどうかは、実は流山市行政の存在理由の根幹の問題であります。
 したがって、流山市行政の存在が市民から幅広く支持されるためには、行政の都合による行政サービスを見直し、市民に使いやすいかどうかの視点でサービス事業全体を見直したり、サービスの提供の仕方を見直すなどの努力をしなければなりません。このためには、どうしても流山市行政にはびこった前例踏襲主義を払拭しなければなりません。そして前例踏襲主義を払拭するためには、市民のために役立つサービスの実現や見直しに努力した職員を前向きに評価する人事制度の導入が必要であり、「休まず、遅れず、働かず」でも昇進できる年功序列は見直さなければなりません。市民のために人一倍努力する職員が評価されるしくみが構築されることにより、流山市役所は、市民に役に立つ信頼される市役所に変貌することができるものと確信しております。同時に、人事制度の見直しにおいて、採用制度についても見直しが必要です。限られた財源で、最大限の行政サービスを実現するよう定めた地方自治法に魂を入れるためには、不適正な採用制度を見直し、優秀かつ意欲のある職員が採用される仕組みにかえる必要があります。特に厳しい財政状況下で、私は、しばらく業務改善に問題意識を有する中途採用を主に採用し、企業経営者や民間企業人事担当者による採用委員会にゆだね、悪しき慣習を打ち切りたいと考えております。

 また、市職員が市民のために安心して全力で仕事に専念できるようなシステムづくり、具体的には、公益通報対応制度の導入も考えていきたいと思っております。
 さらに、市政が分かりやすく透明度が高いことも、行政サービスの基本です。これは情報公開をさしますが、もっと正確に表現するならば、情報共有であります。税金でまかなわれたデータや税金の使われ方に関する情報が、納税者にわかりやすく、しかも行政にとって都合の良い情報も悪い情報も提供される段階を、情報共有といいますが、私は、流山の情報公開の実態を、できるだけ早期に、情報共有の段階に移行させてまいりたいと考えております。

 流山市政の課題や問題については、市民と情報を共有し、課題への取り組みや問題解決のための対応を、市民といっしょに知恵を出し合う行政が、地方主権を目指す地方自治体の、今後のあるべき姿であると考えます。したがって、情報公開における情報の分かりやすさ、情報の提供の仕方、情報入手の簡便さなどにおいて、抜本的な見直しを行う必要があります。この情報公開制度を改善し、市民にわかりやすい行政運営を実現することは、流山市が市民から支持され、信頼されるために財政再建と並らんで極めて重要であると考えております。流山市役所が市民から信頼されるようになるために、私は、わかりやすい情報提供および情報共有を目指した情報公開の実現に、最大限の努力を図ってまいる所存であります。そして、市民に意味のある、便利な、使いやすい行政サービスを実現するため全力を尽くします。

 市民にとって、だれもが安心して生活できる街づくりは、単なる福祉の対象ではなく21世紀の街づくりの基本であります。また、良好な都市環境の整備によって、市民の所有する不動産価値が低下しないように、できれば上昇するような街づくりをすすめることも、市としての納税者への責任であります。平成17年秋に開通予定のつくばエクスプレスによる東京都心への所要時間が短縮することにより、都市開発圧力が高まることが想定されます。しかし、その後の住環境の劣化が発生しないように、早急に都市環境の維持・改善のための措置が必要であり、その一環として景観条例、緑化・付置義務条例などの整備を行うことで、流山の資産である「緑」の修復を図り、首都圏における住宅都市流山のマーケティング力を強化していく必要があります。さらに、現在の用途指定や容積・建ぺい率を見直して、既存の住環境の改善につながる法的見直しも焦眉の急であります。
 また、首都圏から1時間圏内に3千万人がアクセスできる新川耕地の流山インター周辺の土地有効利用も、21世紀の流山の形を決定付ける重要案件であり、流山の可能性を最大限引き出す土地利用について大所高所から戦略的に検討していく必要があります。そのためには、全国で活躍されている流山市民の知恵を積極的に活用すると同時に、市内外にこだわらず、気鋭の専門家も動員して、流山の可能性を最大化するためのしくみを構築してまいりたいと考えております。

 また、現在、流山市民は7人に1人が65歳と、高齢化率の全国平均18%よりは低くなっていますが、市民には団塊の世代が多く、今後10年で、高齢者率は急激に高くなっていくことが予想されます。そのためには、市民が健康に暮らせるように、予防医学の見地からの医療体制や筋力低下を防ぐリクレーションの整備などが急務であります。同時に、さまざまな障害をもった方々の増加も予想されます。障害をもった方々へのいままでの行政の対応は、いわゆる福祉と称して、働く場を提供したり、滞在(収容)型施設の整備が主体でありましたが、これからは、さまざまな障害をもった方々が、できるだけ経済的に自立できるよう支援する形が必要であり、市民団体やNPO団体と協力して、自立サポート型の支援活動を、行政の福祉行政の中心にすえていく必要があると考えております。加えて、ノーマライゼーションを具現化する街づくりを進め、人間としての尊厳を保障する地域社会づくりを実現して、知的障害、精神障害、身体障害者など様々な障害を抱える市民も、障害を持たない市民もいっしょに地域社会を協働して形成し交流していく社会を構築していく必要があります。市民一人ひとりの命を守り、自立した生活を支援・確立するために、財政的な無駄の見直し、行政の効率的運営を図り、本当に必要な事業には、その裏づけとなる財政的な支援を行い、形骸化し初期の機能を果たしているとは言い難い既存制度に魂をいれた運用に最大限の努力を払っていく所存であります。

 終わりに、21世紀の流山の形は、むこう10年で形成されることは間違いありません。輝かしい流山、可能性を最大限に引き出した流山が実現するかどうかは、今を生きる我々市民一人ひとりの夢を、形にする強い意思にかかっています。
 私は、自らを律し、第5代流山市長の職責を果たすべく全力を尽くす覚悟でおります。流山の歴史においても重要なこの時期に、市政運営に関与される市議会議員の皆様も、市民の期待に応えるため、また活力ある流山市を創り出すために、私と共に1円まで活かす市政の実現と流山の可能性を十分に引き出す街づくりを実現するために、ご支援ご協力をひとえにお願いする次第であります。
 併せて、市民の皆様方のご理解とご協力を心からお願い申し上げ、所信の一端と開会にあたってのご挨拶といたします。

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