ぐるっと流山 井上ひさし追悼 朗読劇

ページ番号7034 更新日 平成22年8月16日

井上ひさし追悼「父と暮らせば」  梅田宏・根岸清子夫妻の朗読劇

二人の朗読劇

  65回目の終戦の日となった8月15日(日曜日)、生涯学習センターで「ふたりのリーディングシアター」が行われました。演目は、ことし4月に逝去された井上ひさしの戯曲の中でもひときわ異彩を放つ作品「父と暮らせば」。父・竹造に梅田宏さん、娘・美津江に根岸清子さんという俳優ご夫妻を迎え、ト書きを朗読グループ「こもれび」の朝井多み江さんが担当しました。奇しくもこの日は、原作者の故・井上ひさしさんに出身地の山形県から県民栄誉賞が贈られた日。故人は、市川市で執筆活動を続けられた時期も長く千葉県にとってもゆかりの作家です。


梅田さん・根岸さんご夫妻が朗読

 「うちはしあわせになってはいけんのじゃ」愛する者たちを原爆で失った美津江は、一人だけ生き残った負い目から、恋のときめきからも身を引こうとします。そんな娘を思いやるあまり「恋の応援団長」をかってでて励ます父・竹造は、実はもはやこの世の人ではない・・・。「わしの分まで生きてちょんだいよぉー」父の願いが、ついに底なしの絶望から娘をよみがえらせる・・・魂の再生の物語です。


梅田さん

 故・井上ひさしさんの「父と暮せば」は、父と娘の切実な対話が、涙と笑いと感動をさそう一幕劇の舞台作品で、原爆投下後の広島を舞台にした二人芝居です。こまつ座第34回公演として公演され、第2回読売演劇大賞の優秀作品賞などを受賞、海外公演でも好評を得、映画化もされました。主催した生涯学習センター指定管理者アクティオ株式会社では「お盆で集客が難しいかもしれないが、ぜひ終戦の日に」と企画したそうですが、会場には約60人の皆さんが詰め掛けました。


4週連続朗読劇の締めくくりに

 昭和62年1月、市制施行20周年を記念して「平和都市宣言」を行った流山で、平和への願いを語り継ごうと、7月24日(土曜日)、森の図書館で朗読会「平和への願い~子どもたちからみた戦争と平和」が行われたのを皮切りに、7月31日(土曜日)には、文化会館ホールで、女優たちによる朗読劇「夏の雲は忘れない 一九四五・ヒロシマ ナガサキ」が公演され、さらに翌週8月7日(土曜日)にも、文化会館ホールでピアノ・ソナタ「月光」による朗読劇「月光の夏」が行われました。語り継ぐ平和への願いの朗読劇のエンディングを飾ったのが今回の「父と暮らせば」です。

 今回出演された梅田宏さんは、舞台芸術学院に演劇を学び、表現座を結成、NHK名古屋放送劇団を経て、池袋で球体劇場を主宰。野田市で劇団「彩」を結成、流山市ゆうゆう大学などの朗読指導をはじめ独自の朗読活動を展開。映画「必死剣鳥刺し」やテレビ「涙そうそう」、Vシネマ、CM、舞台などで活躍中です。一方、根岸清子さんは、舞台芸術学院を経て表現座や球体劇場で活躍。女性だけの劇団Wを主宰、映画「HANA-BI」やテレビ「つげ義春 別離」等に出演するなど幅広く活動。ご夫妻で「ふたりのリーディングシアター」という朗読劇活動を展開中です。


二人に大きな拍手が

 梅田さんは、「終戦の放送を聞いたのは小学校4年生のときだったのですが、こうした戦争の記録はぜひ、若い方々に聴いていただきたい」と呼び掛けていました。梅田さんは、生涯学習センターで5月から朗読ワークショップを続けており、10月9日(土曜日)には、文化会館ホールで利根運河通水120周年記念朗読劇「利根運河物語」を開催する予定です。流山市ゆうゆう大学の公開講演会として企画されているもので、入場無料、申込不要で計画されています。お問い合わせは、文化会館(電話:04-7158-3462)へ。

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