ぐるっと流山 講演会「ナラ枯れと森林管理」

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ページ番号1042637  更新日 令和5年6月29日

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東京理科大学理窓会記念自然公園の樹木保全の取り組みを紹介

樹木保全の講演会のようす

 令和5年6月17日(土曜日)、北部公民館で流山市立博物館友の会(新保國弘会長)主催の講演会「ナラ枯れと森林管理」が開催されました。この講演会は、同会が年1回発行する研究誌「東葛流山研究」の第40号「東葛の樹木・樹林地事典(仮)」を来春発刊することを記念して企画されたものです。

講師の伊高静さん

 講師に東京理科大学創域理工学部助教の伊高静さんを迎え、東京理科大学野田キャンパスの自然公園での活動を中心に講演がありました。森林科学が専門の伊高さんは、ドイツの環境都市・フライブルクで修士号を取得後、現地の木材輸出会社に勤務したほか、アメリカ・カナダ・タイ・ウガンダなどで国の営林署や民間企業でインターンシップやボランティアも経験するなど、さまざまな国で林業現場を経験されてきました。

ナラ枯れ防除に取り組む大学・地域フォレストのスライド

 利根運河沿いに広がる東京理科大学理窓会記念自然公園は、同大学の創立100周年を記念し昭和55年(1980年)に開園した13万平方メートルの広大な公園で、大学構内にありながら一般の人も訪れることのできる憩いの場として親しまれています。現在、公園内にはナラ枯れに罹患した樹木が発生しており、伊高さんは学生団体「Risoレンジャー」や市民団体「利根運河の生態系を守る会」などからボランティアを募り、その防除に取り組んでいます。

どんぐりから苗木を作る取り組みを説明するスライド

 ナラ枯れは、カシノナガキクイムシが媒介するナラ菌によりナラ類の樹木が集団的に枯れるもので、枯木は倒木や落枝の危険性も高く、伐採や殺菌・殺虫などの対策が取られています。伊高さんからは、集積型丸太を森の中に置いて成虫を誘引して駆除する方法や、伐採した箇所に植林するためコナラなどのどんぐりを育てて苗木を作る「どんぐり学校」の試みが紹介されました。

キンランの自生する森を保全

 大学では公園を会場にした野外授業も行われ、地域と連携した実践的な研究が展開されています。伊高さんはドローンやレーザーなどの技術を用いた樹木の保全を検討しており、「現場を知るエキスパートとしての経験や勘を科学的方法に落とし込むことが現在の研究テーマです。この公園に興味を持ってくださる皆さんとお互いに共通認識を持って、地域の森を守っていきたい」と訴えました。

熱心に講師の話を聞く参加者

 会場からは、「カシノナガキクイムシが約5ミリととても小さいことに驚きました」「市内の木ができるだけ枯れないように、流山市にもフィードバックしてほしい」などのコメントがありました。今回の理窓会記念自然公園を含め、博物館友の会会員が手掛ける樹木・樹林地に関する論考や随想がとりまとめられ、研究誌「東葛流山研究」が来春に発刊される予定です。

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