ぐるっと流山 ガムラン公演

ページ番号7013 更新日 平成22年9月13日

文化会館でガムラン公演  本場バリの伝統芸能を市民とともに

演奏するスダマニの皆さん

  9月11日(土曜日)、文化会館ホールで「スダマニ~神々の舞、影絵、ガムラン」公演が行われ、約400人の家族連れなどがバリの伝統芸能を堪能しました。愛・地球博でも絶賛されたバリ島トップクラスのガムラン&ダンスグループ「スダマニ」が、再び日本ツアー公演を実施。この日は、その最終公演で日本のガムラングループ「ウロツテノヤ子」も加わり、バリの魅力が凝縮された大迫力のステージと、神秘的な伝統舞踊や影絵芝居ワヤンが繰り広げられました。ガムランとは、ガンサやボナンと呼ばれるインドネシアのさまざまな伝統的打楽器による器楽合奏をいいます。


バリの伝統的な打楽器を

 スマダニは、平成9年に発足したガムラン・オーケストラ&ダンス・カンパニー。観光業の発展で多くのガムラングループが観光客向けのショーに専念する中、伝統的なバリ・ガムランの在り方に立ち戻った活動を続け、バリ芸能の未来を担う最先端の芸能集団として注目され、日本やアメリカなど海外公演も数多くこなしています。日本に関しては平成17年の「愛・地球博」の際に「スダマニ」として初来日公演、シンガーUAのアルバム「SUN」にも参加しました。


デワ・スギさん

 会場となった文化会館のロビーでは、メンバーの一人、デワ・スギさんの絵巻物も展示されていました。14世紀の宮廷詩人が書いた「スタソーマ物語」を絵巻にしたもので、1巻の長さが3メートルもあり、全10巻で30メートルにもなります。作品は、布地に墨で描かれたもので、とても繊細なタッチで人や動物などが表現されています。デワ・スギさんは、この作品を一人で3年を掛けて描いたとのこと。この日は、1巻から6巻まで展示され、来場者は「細かい絵ですね」と感心されていました。バリ島の住民は、デワ・スギさんのように、ガムランを演奏したり絵も描いたりと多才な方が多いそうです。


影絵芝居

 2部構成で行われた公演の第1部は、影絵芝居です。バリ島の影絵芝居にはガムランの伴奏が付き「ワヤン・クリッ」として有名です。この日、上演されたのは、バリ島に伝わる昔話の「カエルの王子様」。バリ島に昔、王国があった頃の話で、カエルにされてしまった南の王国の王子、北の王国のわがままな王女と友だちになり、ひどい日照りに悩まされる北の王国に、カエルの友だちをたくさん連れてきて雨を降らせ、わがままな王女の心を開く。王女のキスにより姿を人間が戻った南の王子と、心を開いた北の王女が結ばれ幸せになるというもの。


子どもたちが参加したカエルが雨を降らせるシーン

 この影絵公演には、夏休み中に生涯学習センターと文化会館で行われた「インドネシアの現代影絵ワークショップ」に参加した中学生も出演しました。2日間行われたワークでは、セリフの話し方やライトに照らされながら影をどう作るか、影を見ながら演技をするコツなどを学びました。本番の公演で、子どもたちが演じたのは、カエルの王子の呼び掛けに集まったカエルたち。日照り続きの王国に、カエルたちが集まって恵みの雨を降らせるシーンに出演しました。

 参加した東深井中3年の佐藤友美さんは、「練習では楽しくできたけど、本番はすごく緊張した。貴重な体験だと思う」。同級生で、ワークには参加できなかったという中村真帆さんは、「リハーサルだけで出演しました。音を立ててはいけないところやゆっくり絵を動かさなければならないところが難しかった」とホッとした表情で語ってくださいました。2部が始まるまでの休憩時間に、市内で唯一のバリ島料理をだす「イニシャジャ」から、スダマニの出演者に差し入れがあり、メンバーの皆さんから本格的な料理だと喜ばれていました。


トペントゥアを演じる小谷野さん

 第2部では、影絵用のスクリーンも撤去され、ガムランの演奏と伝統的な踊りが披露されました。曲は、「トペントゥア」などバリ島で儀式の際に演奏される曲を3曲と、儀式の際に寺院の外で集まった人々のために披露される「タルナ・カンドゥルン」の全部で4曲。トペントゥアは「老人の仮面踊り」という意味で、代表的な仮面舞踊の一つ。ゆっくりとした動きで、ユーモラスな中にも繊細さや優雅さを表している踊りです。


エネルギッシュな踊りを披露

 一方、タルナ・カンドゥルンでは、金色を基調とした衣装をまとった女性が躍動感あふれる踊りを披露しました。これまでの曲とは、曲調がガラリと変わり、ガムランの演奏もアップテンポでリズミカルに。踊りも特徴的で、女性の手足の動きや顔の表情に、つい目を奪われます。日本のガムラングループ「ウロツテノヤ子」を率いる、バリ舞踊家・小谷野哲郎さんは、バリの音楽や踊りの特徴を「非常にエネルギッシュで、衣装もきらびやかなところ」と紹介してくださいました。


市民も舞台に上がりケチャを

 公演の最後は、「ケチャ」。ケチャとは、バリ島の伝統芸能で、「チャ」という独特の音を口で発しながら、全身でリズムを刻む踊りです。8月に行われた「ケチャ体験」に参加された市民約50人も舞台に上がり、一緒にケチャを披露。「ケチャケチャケチャ・・・」「チャッチャチャチャッチャチャ・・・」。各パートに分かれて一人の出す声は単純でも、それが集まることで独特な高揚感のあるリズムとなります。

 参加されていた坂口美貴さんは、昨年4月までインドネシアのジャカルタに3年間住まわれていて、バリ島にもよく行かれたとのこと。この日は5歳になる太悠君と一緒に参加され「懐かしかったです。バリではガムランもケチャも聴きましたが体験したのは初めて。リズムをとるのが難しかった」と感想を聞かせてくださいました。また、美原にあるグループホーム「愛の家」からは、78歳から94歳のおばあちゃん5人も参加されていました。スタッフの方は、「皆さん楽しそうでした。滅多に見られない笑顔を見せてくれました」と目を細めていました。この日の様子は、JCNコアラ葛飾でも取材され、14日のデイリーニュースで紹介される予定です。

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