ぐるっと流山 3・11法話とミニライブの集い

ページ番号6628 更新日 平成24年3月12日

2時46分に黙祷を捧げる

3・11法話とミニライブの集い

 3月11日(日曜日)、森の図書館で法話とミニライブの集いが行われ、200人の皆さんが東日本大震災で亡くなった多くの方々のご冥福を祈り黙祷を捧げました。森の図書館が、流山文化のまちづくり実行委員会や3・11こども文庫の協力を得て開催したものです。市野谷・円東寺の増田俊康僧侶と平方・福性寺の勝又俊文僧侶、西深井・浄観寺の渡会玄誉僧侶の3人によってお経に節をつけて唱える声明が行われました。東日本大震災で亡くなられた方のお位牌を会場に置き「四智梵語」「散華」「対揚」が独特の節回しでお唱えされました。

 法話は、増田俊康僧侶です。テレビ朝日「やじうまテレビ」の早朝のコーナーに出演した際の法話をまとめた「そっと後押しきょうの説法」(幻冬社)の共著者の一人であり、自殺対策に取り組む僧侶の会や流山市青少年補導員連絡協議会、PTAなどでも活躍されています。ご自身も被災地に行って炊き出しをされたり、PRINCO(プリンコ)ちゃんの名でジャグリングやマジックなども得意なことから被災地で子どもたちにアートバルーンをつくってプレゼントしたりされたそうです。200人の参加者にマイクを使わず、生の声で呼び掛けた法話では、涙を流す参加者も多くいらっしゃいました。

 会場が図書館であることから本から法話の内容に入ります。絵本として有名な「くまの子ウーフ」(神沢利子:作ポプラ社1969年)から日照りが続き、井戸水を分けてもらう際、ねずみは小さなバケツなのに、くまのバケツは大きく、「ねずみ百匹分の水が減ってしまう」と言われて悩むウーフ。大きな共同井戸を掘ろうというお父さんからウーフは「ねずみはねずみ一匹分、狐は狐一匹分、働くのさ、だれの何匹分なんかじゃないんだよ。みんなが一匹分、しっかり働けばいいんだ」と言われます。ボランティア活動も義援金もつい他人と比較しがちですが、一人ひとりが自分にできることをすればいいと語りました。


200人の方がご冥福を祈りました

 続いて、教科書にも載った養護教諭の山元加津子さんの「きいちゃんの浴衣」からのお話です。小さい時に出した高熱がもとで手や足が動かなくなってしまったきいちゃんとお姉さんとのお話です。家族と離れて施設で暮らすきいちゃんが、お姉さんの結婚のお祝いに、浴衣を贈ろうと決心しますが、手が不自由なため針を自分の手に刺してしまい、練習用の布が血で真っ赤になるほど苦労して、やっと浴衣を縫いあげます。結婚式では、ハンディを持ったきいちゃんを見て、ひそひそ話をする参加者もいて、きいちゃんは出席したことを悔やみ始めます。しかし、お色直しが終わって入場したお姉さんは、きいちゃんが縫った浴衣を着て、「妹はわたしの誇りです」と紹介したエピソードを披露、「相手の光が映って自分も輝ける、お互いに輝き合いましょう。一人ひとりが変われば日本が変わる」と呼び掛けました。

 法話に続いてミニライブでは、ジャズトランペッターとして名高い神村英男さんとピアニストの岡田葉音さんが「G線上のアリア」(バッハ)やピアノ協奏曲第2番(ラフマニノフ)より「クマーナ」「ハンブル・ブギ」を演奏。午後2時46分には全員で黙祷を捧げました。黙祷後には、「忘却」(ピアソラ)や「星に願いを」(ハーライン)を切ない音色で奏でました。大きな拍手にアンコールでは、ビートルズのホワイト・アルバムで有名な「オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ」を聴かせてくれました。


ジャズトランペッター・神村さんとピアニスト・岡田さん

 神村英男さんは、早大ジャズ研出身で、在学中にプロ入りし、渡辺貞夫YAMAHA(ヤマハ)リハ・オ-ケストラに参加。自身のバンドで新宿ピットイン等に出演。東京ユニオン、世良譲グル-プ等に参加。1988年、原信夫とシャ-プス&フラッツに入団。多数の海外公演もあり。流山ジャズフェスティバルなどでもご活躍です。この日は、トランペットやフリューゲルホルン、パンデイロと楽器を持ち換え、岡田葉音さんのピアノに寄り添うような演奏を披露しました。岡田葉音さんは、流山を中心に活躍するゴスペルグループ「THE TOMESODE」でピアノや歌、編曲などを手掛け、最近では、育児と音楽を一緒に楽しもうと発足したゴスペルママの運営にも協力しています。岡田さんは、この日のために何度も都内で行われている神村さんのライブに出掛け打ち合わせを重ねてきました。  

 会場となった森の図書館では、流山文化のまちづくり実行委員会や3・11こども文庫の協力を得て、3月1日から30日まで、姉妹都市・福島県相馬市の子どもたちが描いた「ふくしまそうまの子どものえがくたいせつな絵展」を開催中です。この絵画は、被災直後に描かれたもので、昨年9月、流山市生涯学習センターで展示会が行われ、昨年10月末には絵画集として出版されたことから、ご存知の方も多いと思われますが、今回は、その一部をお借りして展示会を開催しています。

 会場では、福島県相馬市に子どものための絵本図書館を建てようと活動を続けている3・11こども文庫のために募金箱が置かれています。増田僧侶が共著で執筆されている「そっと後押しきょうの説法」(幻冬社)の販売も行われ、その収益の一部も寄付されました。今回の企画は、あれから1年が過ぎたのではなく、あれから1年間も続いている被災地の現実に想いを馳せようと、東日本大震災で亡くなられた方のご冥福を祈り、被災された地域の復興を願って開催されました。この日の模様は、3月12日(月曜日)、JCNコアラ葛飾のデイリーニュースで放送されます。放送後はホームページのBBコアラのコーナーでもご覧いただけます。


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