ぐるっと流山 谷津田の鷹・サシバ

ページ番号7243 更新日 平成23年2月22日

~その魅力と重要性 絶滅危惧2類のサシバについて学びました

運河塾「谷津田の鷹・サシバ その魅力と重要性」の勉強会の写真

 最近では、流山といえば「おおたか」、「おおたか」といえば流山の地名が出てくるくらい、「おおたか」は流山のシンボルとして定着しつつあります。そんな中、おおたか以上に生態系を考える上で重要とされる「サシバ」についての勉強会が、2月19日(土曜日)、森の図書館で行われました。これは、利根運河の生態系を守る会が主催する第23回運河塾で、今回は「谷津田の鷹・サシバ その魅力と重要性」と題し、サシバについて学びました。


利根運河近くの水田で撮影されたサシバの写真

 サシバは平成18年12月に行われた環境省のレッドデータ改正で、ランク外から一足飛びに絶滅危惧2.類に選定されて以降、オオタカの調査手引書に加えて、サシバの調査手引書を環境省が作成中というほど、生物多様性のあるまちづくりを考える上で注目の野鳥となっています。


日本野鳥の会茨城県会長・池野進さんの写真

 第1部では日本野鳥の会茨城県会長・池野進さんによる講演「サシバのいる意味、渡る意味~保全の活力は知る喜びから~」が行われました。サシバは、春に南方各地から日本に渡ってきて、水田と森林が組み合わさった谷津田で子どもを産み、秋になると群れをつくって伊良湖岬(愛知県田原市)や佐多岬(鹿児島県南大隅町)を経由して南方に戻って行く渡り鳥です。池野さんの長年の調査によれば、サシバの渡りのコースは、今から約5,000年前の縄文海進時代の地形の岬から岬を経由して渡っているのではないかということです。池野会長は、学術的でスケールの大きな話を、分かりやすく丁寧に解説してくださり、参加者からも非常に好評でした。


第2部の全体討論の写真

 第2部の全体討論では、東葛自然と文化研究所・新保國弘さんのコーディネートで、池野会長に加え、三ヶ尾鷹渡り研究会・紺野竹夫さん、利根運河の生態系を守る会・田中利勝さんが、とっておきのサシバの世界の話題を紹介してくださいました。国交省江戸川河川事務所、流山市、野田市の職員をはじめ約80名が、流山で初めて聞けるサシバの生態や渡りの謎についての話しや、サシバの重要性の話しに熱心にメモを取っていました。


約80名が参加し熱心に聞き入っている写真

 討論ではサシバの特性として、バラエティ豊かな採食動物の種類があげられていました。。環境省の調査(平成10年度)によれば、サシバのエサは、アカネズミなどの哺乳類、アオダイショウなどの爬虫類、ニホンアカガエルなどの両生類、カブトムシなどの昆虫類、スズメなどの鳥類など、季節に応じてまたがっていて、その種はなんと47種だそうです。ですからサシバが棲んでいる場所というのは多様な生物が生息する、生物多様性が確保されている所という評価ができるのです。猛きん調査のスペシャリストの紺野さんによれば、流山では平成5年・6年くらいまでサシバの繁殖を確認できているとのことです。


サシバの餌になるトウキョウダルマガエル(新川耕地で撮影)の写真

 参加した市民の皆さんからは「食物連鎖の頂点だけでなく、最下位から最上位までの生物が生きられるような環境が必要だということが理解できました」。「サシバの餌がたくさんあるところが自然環境も豊かということがよく分かりました。5,000年前の地形に沿った形で渡りのルートがあるらしいとの話、鳥が見えているところは私たちの見ているところと違うなと思い面白かったです」。「日ごろ聞くことができない貴重な話が聞けました。タカ-カエルの食物連鎖の話をとても面白く感じました。一旦なくすと戻すのが難しい。興味を持つことの大切さを感じました」などの声が聞かれました。


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