ぐるっと流山 ヂンガラ餅行事

ページ番号6840 更新日 平成23年1月11日

指定無形民俗文化財のヂンガラ餅行事  日テレやJCNコアラが取材に

神殿には八種の供え物が

 「わっせ!わっせ!餅を上げろ」社殿内に響く大きな掛け声と飛び散る汗。裸の男衆が餅を奪い合い餅の割れ具合により、その年の農作物の作柄を占う「ヂンガラ餅行事」が、1月9日(日曜日)三輪野山の三輪茂侶神社で行われました。古くから伝わるこの祭事は、昭和52年に流山市指定無形民俗文化財に指定され、現在、ヂンガラ餅保存会(堀江啓亮会長・30人)により運営されています。


当番を引き継ぐトウ渡し

 縁起がいい末広がりの「八づくし」で、以前は毎年1月8日に行われていましたが、現在は8日に近い日曜に、8升の御神酒と8升の鏡餅(上3升、下5升の円い重ね餅)、野菜や果物、海産物など8種類の供物が神殿に供えられました。社殿には同神社の氏子ら約25人が集まり大太鼓を合図に式典が開式、諏訪神社の上田宮司により献餞の儀、祝詞(のりと)奏上、玉串奉天などが、習わしにのっとり厳粛に執り行われました。式の後には「トウ渡し」と呼ばれる次の年番への引き継ぎが行われ、スルメをつまみに杯が交わされました。


見物客には甘酒のサービスも

 境内には、500人を超える見物客が集まり大変な人ごみに。氏子の皆さんから甘酒のサービスや、奉納された鏡餅と一緒についたという紅白のお餅も配られ喜ばれました。餅は約600セット用意されたそうですが、帰りにはほとんど配り終えたそうです。また、「ヂンガラ餅」という和菓子をつくっていらっしゃる北部中学校前の「藤屋」さんが、和菓子を奉納してくださいました。和菓子「ジンガラ餅」は1個126円で、「流山ふるさと産品」に認定されている評判の和菓子です。この日も300個用意されたそうですが、行事と同じ名前ということもあり、記念に買い求める見物客が多く完売されたそうです。


颯爽と男衆が登殿

 畳を上げ、危険防止のためガラス窓も外され「餅取り」の準備が整うと、再度、社殿内の大太鼓が打ち鳴らされ、本日の主役の男衆が鳥居をくぐり提灯で飾られた参道を颯爽と歩き登殿しました。参加された男衆は20代から70代の約25人。良い天気とはいえ真冬のこの時期、男衆は暖房など一切ない社殿内で半てんを脱ぎさらし1枚の裸になりました。一般のカメラマンにも撮影の機会をと、カメラを持った見物客にも本殿に上がっていただき、本番前に15分ほど軽くウォーミングアップ。


餅を取り合い揉み合い

 体も温まったところで、いよいよ本番。成人式を終えて、晴れ着姿の新成人も参拝に訪れ、男衆も一段と気合が入った様子でした。氏子総代の松田佐一朗さんから直径40センチある5升の餅が男衆のなかに投げ入れられると、「ワッセ、ワッセ」と掛け声をかけながら、「餅はどこだー。餅を上げろ!餅を上げろ!」と、餅を奪い合い、ひとかたまりとなって右へ左へと揉み合いが続きます。男衆の額や背中には汗が流れ落ち、社殿内は大きな熱気に包まれました。


境内に出て餅取りを披露

 勢い余った男衆は途中、社殿から境内に飛び出すシーンもあり、境内で見学していた皆さんも間近で餅取りが見られ大喜び。20分ほど激しい揉み合いが続き、最後は餅を2度、3度と柱に打ち付けて見事に餅が二つに割れました。今年は、非常に空気が乾燥していたため餅も硬くなって割れにくくなっていたようです。


上田宮司から今年は豊作と告げられました

 割れた餅を両手にした上田宮司により農作物や天候などの吉凶が占われ、「豊作間違いありません。誠におめでとうございます」と告げられると、詰め掛けた見物客から大きな拍手が送られました。割れた餅は、餅取りに参加された男衆に配られ、これを食べることで風邪をひかないといわれているそうです。最年少21歳の浅野遼さんは、「流山柔道会に所属していて今年で3回目です。餅取りに参加して初めてお正月という気分になります。縁起の良い行事なので今年も良い年になりそう」と笑顔で話してくださいました。


日テレやJCNコアラが取材に

 この日は、日本テレビ「音のソノリティ」のテレビクルーも取材に訪れていました。「音のソノリティ」は、平成15年10月から始まり放送8年目を迎えた人気番組で、毎週日曜の夜午後8時54分から9時までの短い時間に放送されています。ソノリティとは、フランス語の音楽用語で「共鳴」「音色」「音の響き具合」を意味します。毎回、日本各地の自然や風土から出る「世界でたった一つの音」を映像とともに紹介しています。

 カメラマンの一人は社殿の梁の上に乗り、何と餅取りを頭の上から撮影されていました。ヂンガラ餅行事から発せられた音が、どのように捉えられ編集・紹介されるか楽しみです。放送は、1月16日(日曜日)夜午後8時54分から9時の予定です。ぜひ、ご覧ください。また、地元ケーブルテレビのJCNコアラ葛飾でも11日のデイリーニュースで紹介されました。放送後はホームページのBBコアラのコーナーでもご覧いただけます。

 三郷市から奥さんと一緒にいらっしゃった染野信二さんは、「何年か前に一度来たことがありますが、今回は境内まで降りてきてくれたので、餅取りが目の前で見られて良かったです。すごい迫力で、いい写真が撮れたと思います」と自慢のカメラを片手に語ってくださいました。1月20日(木曜日)に行われる「鰭ヶ崎おびしゃ行事」も市指定無形民俗文化財で、鰭ヶ崎の雷神社にて午後2時30分頃より実施されます。七福神の色鮮やかな衣装に身をまとった今年の当番などが、鬼の顔が描かれた的に向かって弓で矢を射ます。こちらも、ぜひお出掛けください。


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