ぐるっと流山 鳥を描き続けた画家・小林重三の世界「翼をください」

ページ番号7657 更新日 平成23年5月16日

鳥を描き続けた画家・小林重三の世界始まる 200点の作品と多彩な関連イベント

愛鳥週間企画展 小林重三の世界「翼をください」の写真

 5月15日(日曜日)から生涯学習センターで愛鳥週間企画~鳥を描き続けた画家・小林重三の世界「翼をください」が始まりました。会期は28日(土曜日)までの午前10時から午後6時までです。入場は無料で、会場に東日本大震災被災地復興のための義援金箱が置かれているのをはじめ関連図書などの売り上げの一部も寄付させていただきます。展示されているのは、故・小林重三画伯(こばやししげかず明治20年から昭和50年)の鳥を中心に動物や風景を描いた油絵や水彩画、スケッチ画など約200点です。 


テープカットの写真

 小林画伯は、明治から昭和時代の生物画家です。鳥の標本画を描き続け、日本の鳥類三大図鑑といわれる黒田長禮の『鳥類原色大図説』、山階芳麿の『日本の鳥類と其生態』、清棲幸保の『日本鳥類大図鑑』のすべての絵を担当した画家です。今回の作品展のために、所蔵される貴重な絵画や図鑑を無償で提供くださった小林画伯の御子孫・内田孝人さんらがテープカットを行いました。いまにも飛び立ちそうに生き生きとした、しかも見る人をほっとさせるような温かさと優しさを持った作品の数々が会場を和んだ雰囲気にしてくれています。


トークショーの写真

 企画展初日の会場では、故・小林重三画伯の生涯を研究され、ノンフィクション「鳥を描き続けた男」(晶文社、平成8年)の著書もある童話作家・国松俊英さんのトークショーも行われました。水彩画が一世を風靡した明治時代に「春鳥会」を創設し、美術雑誌「みずゑ」を創刊した大下藤次郎画伯の目にとまり、日本の鳥の図鑑を完成させたいと考え膨大な鳥のコレクションを残した松平頼孝子爵のもとで鳥の絵を描いた小林画伯の88年間にわたる波乱の生涯を語ってくださいました。会場には、「野鳥歳時記」(山谷春潮著・昭和20年中央公論社)の挿絵10点や20年間描き続けた林野庁の「野鳥カレンダー」、各種図鑑なども展示されています。

 会場で熱心に絵画を鑑賞されていたつくば市の大田黒摩利さんは、「鳥のイラストを描いているもので勉強のために来ました。ご高名な小林画伯の作品をラフスケッチも含めてこれだけ見られるのは素晴らしい。鳥への愛情が絵画からあふれ出ています」と感想を聞かせてくださいました。また、会場を訪れた家族連れの皆さんからは「望遠レンズなどの写真技術もそれほど発達していなかった時代にこの精密さはすごい」、「季節や幼鳥から成鳥までの発達具合、オスメスなどでも微妙に異なる鳥をこれほどリアルに描くことに感動した」など驚きの声が聞かれました。

 小林画伯のお孫さんに当たる内田孝人さんは、「風景画家を目指した祖父は、鳥の絵を描くことが画業となったのですが、趣味や夢、仕事について考える機会にしていただければ…」と語ってくださいました。また、主催した生涯学習センター指定管理者アクティオ株式会社の代表取締役社長・植村敏明さんは「オオタカが舞う自然豊かな街に相応しい事業を…と考えて企画しました。ぜひ多くの方々にご覧いただきたい」と来場を呼び掛けています。

 作品展開催中の22日(土曜日)には、鶴の絵画などで有名な日本画の重鎮・藤島博文画伯の指導で、本物の生きた鷹をモデルに鷹の写生教室が計画され、ハリスホークと触れ合う企画も予定されています。また、翌23日(日曜日)には隣接する市総合運動公園で、NPOさとやまの恵良好敏氏の案内でバードウォッチも計画され、財団法人山階鳥類研究所の平岡考さんのゲストトークも予定されています。

 最終日となる28日(土曜日)には、東京藝術大学音楽学部管弦楽研究部首席奏者で、ことし設立50周年を迎える東京ヴィヴァルディ合奏団の音楽監督としても活躍する渡部宏さんが被災地の復興チャリティコンサートを行い、入場料金(チケット前売り1,000円、当日1,500円)を全額被災地復興のために寄付されます。演奏曲は「鳥の歌」(カザルス)、「白鳥」(サン・サーンス)、「黒鳥の歌」(ヴィラ・ロボス)など。渡部宏さんのチェロに、協演は映画「のだめカンタービレ最終楽章」の演奏指導者・川田健太郎さんのピアノ、そして流山のSFS合奏団の子どもたちもヴァイオリンで特別出演するため現在猛特訓中です。時間は午前11時からと、午後3時からの2回公演です。問い合わせは、流山市生涯学習センター(電話:04‐7150‐7474)へ。

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