ぐるっと流山 第6回小さな美術館

ページ番号13635 更新日 平成24年11月6日

一年に一度だけ開催の「小さな美術館」

今年も開催

一年に一度だけ、自宅に手作り品を飾り美術館とする「小さな美術館」が、今年も11月3日から5日まで行われました。主催者で自宅を開放する齋藤公子さん自身の作品だけでなく、齋藤さんの身近な人の作品も多く展示しており、美術館には手作り品がいっぱいに溢れています。第6回となる今年は、人に出会って、優しい時を過ごしてほしいという齋藤さんの願いから、「手づくりの世界一優しい時間」をテーマとしています。
 


たくさんの方で賑わう

 もともとは齋藤さんが、創作活動をしているお知り合いの方たちの作品を展示したいと始めた小さな美術館ですが、「人の輪」を大切にする齋藤さんのもとにだんだんと人が集まるようになり、回を重ねるたびにその規模は大きくなってきています。口コミなどで「一年に一回だけ開かれる美術館があるらしい」と小さな美術館のことがじわじわと知られるようになり、毎年訪れるお客さんの数も増えています。今年はスタッフの数だけでも30人。出品作家も20人を超えるとのことです。


嫁ぐ娘へ

展示は部屋ごとにテーマが分かれており、着物や小物のリメイク品などの展示販売する部屋や、昭和の時代を思い起こさせる懐かしい品々で溢れた部屋に、若い方たちの作品を中心とした部屋などさまざまです。リビングルームでは青を基調とした展示となっており、齋藤さんは、今年結婚し来春に渡米する娘のために「娘を主人公にした作品を作りたいと思った」とのことから、刺繍で精巧に作ったウェディングドレスを来た人形やリングピローなどを青と白でまとめあげた繊細で美しい作品を展示しました。結婚をモチーフにしたそれらは「嫁ぐ娘へ」と題され、愛娘への愛と感謝が表現されていました。


飯田さんの作品

小さな美術館では、3年前から「高齢者支援」もひとつのテーマとして取り組んでいます。これまでの人生の歩みなどを作品を通して見ていただこうと、今年は齋藤さんが勤める特別養護老人ホームで過ごしている飯田美枝さん(88歳)の手作り人形などを机いっぱいに展示しました。今年の6月に最愛の息子さんを亡くされ、深い悲しみに暮れていた飯田さんを励まそうと、齋藤さんが小さな美術館への出品をお誘いしました。飯田さんの肖像写真の横には、昨年に亡くなった齋藤さんのお母さんの写真を並べられ、「二人の母」と題された展示からは懐かしさと温かさが満ち溢れていました。


亡き夫の陶芸作品

 齋藤さんが小さな美術館を開催するきっかけとなったのは、最愛の夫を亡くしたことです。当時、失意のどん底にいた齋藤さんを励ましてくれた友人たちに恩返ししたいとの思いで、創作活動をしている友人たちの作品発表の場を作りました。もちろん亡き夫の陶芸作品も毎年展示しています。今年は長男のお嫁さんのお母さんも出品しており、その横に旦那さんの作った花瓶とお皿を並べました。


手作りの人形がいっぱい

齋藤さんは人の温かさや、人とのつながりをとても大事にする方です。齋藤さんは現代の生活を便利になったとしつつも「核家族が進み、お年寄りから孫の代へと伝承されていくということが少なくなってきています。昭和の時代に確かにあった心のぬくもりや優しさを、小さな美術館では感じてほしいです」としています。一年かけて準備をしてきた小さな美術館は今年も無事閉館を迎えました。次に開催されるのはまた一年後です。
 


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