ぐるっと流山 「風の又三郎」ワークショップ公演

ページ番号22254 更新日 平成26年7月22日

表現ワークショップに参加された皆さんによる舞台公演

   7月19日(土曜)、流山市生涯学習センターで、表現ワークショップに参加された皆さんによる舞台公演が行われました。7月15日(火曜)から毎晩、仕事帰りや学校帰りの皆さんが同センターで学んだ宮沢賢治の「風の又三郎」を、小池博史さんの指導や演出で公演したものです。12年度「注文の多い料理店」で人間と動物との関係を、13年度「銀河鉄道」では生と死の間を描き、今年度の「風の又三郎」。東北が生んだ詩人・宮沢賢治の作品に触れることで東日本大震災を風化させず、自然との共生などを考えていこうという企画です。

 


暗かった舞台が明転して物語が始まりました

   「どっどど どどうど どどうど どどう 青いくるみも吹きとばせ すっぱいかりんも吹きとばせ どっどど どどうど どどうど どどう…」というお馴染みの書き出し。出演者全員がこの書き出しを発声すると、暗かった舞台が明転して物語が始まりました。宮沢賢治の出身地である岩手県には、風の神様の神話があり、また、又三郎のモチーフは東北地方の民話で伝わる妖怪「座敷わらし」だとも言われています。


5日間の稽古で一から舞台作品を作り上げるというハードなワークショップ

   演劇やダンスの経験もなく年代も異なる市民の皆さんがたった5日間の稽古で一から舞台作品を作り上げるというハードなワークショップですが、出来上がった作品は実に見応えがありました。脚立の他にはセットらしいセットもない舞台を演者の皆さんが集散離合し、そのフォーメーションが変わるたびに違う場面が出現します。谷川の岸の小さな学校になったり、山中になったり…見る者の想像力をかき立てます。ある日、突然教室に現れた又三郎が、そよ風や嵐を巻き起こし、去って行くひと夏の経験を客席も一緒に経験したような不思議な作品に仕上がっていました。


沢賢治の「風の又三郎」を小池博史さんの指導や演出で公演

   この作品の背景には、この頃、増え始めた田舎に都会から見知らぬ人が引っ越してくる違和感、日常生活へのガラスの浸透など、この作品が書かれた時代が色濃く描かれています。「風の又三郎」は宮沢賢治作品の中では、写実的な童話に分類されています。しかし、読み方によっては、圧倒的な自然の力を感じさせる童話とも言えます。言い伝えの中に出てくる風の神「風の又三郎」と子どもたちが、自然と異界を捉えていく姿を見つめる物語「風の又三郎」では、この“人と異界”に焦点を当て作品創作に挑みます。


「風の又三郎」ワークショップ公演

   流山ジャズフェスティバルで青木研さんのバンジョーを聴きに来てチラシを見て応募したと言う高校1年生の津久井新菜さん(15)は、「学校では茶道部なので、舞台で動き回るのは、考えていたよりずっと難しかったけれど、大きな達成感があります」と感想を聞かせてくださいました。また、流山に転入されて26年目と言う柴葉子さん(65)は、終演後、息を切らせながら「舞台を観るのは好きでしたが、まさか素人がこんな素晴らしい体験をできるとは思いませんでした」と笑顔で語ってくださいました。


「風の又三郎」ワークショップ公演

   お嬢さんと親子で参加された大宮成子さん(53)は、「ハンディを持った娘に、いろいろな体験をさせてあげたいと思い参加しました。最初は、自己紹介もできなかった娘が、舞台で台詞も言えて、自信につながればと思います」と小池さんや出演者への謝意を述べられ、お嬢さんも客席から花束を贈られ嬉しそうでした。高校生や大学生から中高年者まで幅広い層の方々が出演されたワークショップ公演、指導にあたった小池博史さんは、照明、音響、パーカッションをひとりで操作して舞台を支えていました。


「風の又三郎」ワークショップ公演

   前二作同様、世界に先駆け流山で初演される小池博史の宮沢賢治シリーズ。「風の又三郎-Odyssey of Wind」流山公演は、能楽師・清水寛二、元パパ・タラフマラの松島誠をはじめ小谷野哲郎、河内大和、谷口界というキャストに、世界的な尺八奏者・中村明一、ラッパーの下町兄弟の音楽、舞台美術は瀬戸内国際芸術祭などの鈴木康広、衣装は元イッセイミヤケコレクションデザイナー浜井弘治という豪華な布陣で10月4日(土曜)、流山市文化会館で行われます。物語はいつも流山から。問い合わせは、流山市生涯学習センター04-7150-7474へ。


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