ぐるっと流山 ヂンガラ餅行事

ページ番号28815 更新日 平成28年1月13日

裸の男衆が餅を奪い合う奇祭

裸の男衆が餅を奪い合う奇祭の写真

 寒空の中、裸の男衆が餅を奪い合い餅の割れ具合により、その年の農作物物の作柄を占う「ヂンガラ餅行事」。雷神社の「鰭ケ崎おびしゃ行事」、赤城神社の「大しめ縄行事」と並ぶ、市指定無形民俗文化財のヂンガラ餅行事が平成28年1月10日に、三輪茂侶神社で行われました。古くから伝わるこの行事は、ヂンガラ餅保存会(堀江啓亮会長)により運営され、この奇祭を一目見ようとする見物客で参道は埋め尽くされました。


厳粛に神事が執り行われる様子の写真

 縁起がいい末広がりの「八づくし」で、以前は毎年1月の「8日」に行われていましたが、現在は8日に近い日曜に、8升の御神酒と8升の鏡餅(上3升、下5升の円い重ね餅)、野菜や果物、海産物など8種類の供物が神殿に供えられ、また、8種類の具材を入れたけんちん汁が用意されました。社殿には同神社の氏子や来賓などが集まり、大太鼓を合図に式典が開式。諏訪神社の古谷権禰宜により修祓の儀、献餞の儀、祝詞奏上、玉串奉天などが、習わしにのっとり厳粛に執り行われました。その後、次の年の当番へ引き継ぐ「当渡し」が行われ、スルメをつまみに杯が交わされましたが、現在は保存会により行事は行われているため、形式上の実施となります。


参道より社殿へと向かう男衆の写真

 「餅取り」を行うため、社殿の畳を上げ、窓ガラスを取り外し、準備が整うと、大太鼓の音が鳴り響き、社務所に控えていた男衆が法被を身にまとい登場。参道には、見物客が花道をつくり、紙吹雪が舞う中をゆっくりと男衆が社殿に向かいます。


観客の前ではげしく餅を取り合う男衆の写真

 社殿に上がると、いよいよ餅取りが始まります。上半身さらし一枚になった男衆のなかに、鏡餅の下の部分、5升の餅が投げ入れられると「わっせ、わっせ!餅を上げろ!餅を上げろ!」と餅を求めて両腕を延ばしながら、男衆は9メートル×6メートル程度の社殿のなかを四方八方に激しく移動。激しい掛け声とともに、汗が周囲に飛び散り、激しい揉み合いが続きます。ときには社殿の外にまでも飛び出す白熱ぶりに、見物の皆さんは大いに沸きました。


今年も豊作ですと権禰宜が宣言する写真

 30分ほどの激しい揉み合いの末、男衆が代わるがわる柱に餅を打ちつけ直径40センチほどの餅がついに割れると、「お~っ!」という歓声とともに大きな拍手が鳴り響きました。割れた餅を手にした古谷権禰宜が「今年も豊作間違いなしでございます」と宣言すると、さらに大きな拍手が起こりました。餅取りに使われた餅は、食べると風邪をひかなくなると言い伝えられ男衆に配られます。


ふるまわれた紅白餅とみかんを受け取る大勢の観客の写真

 10年ほど流山市にお住まいで、今回初めて行事をご覧になった田中亜由美さんは、お子さんの菜々美ちゃん(5歳)と、菜々美ちゃんの祖父母と一緒にお越しになりました。亜由美さんは「話に聞いて知ってはいましたが、実際に見るととても迫力のある神事だと思いました」と話してくださり、おじいちゃんと最前列で見ていた菜々美ちゃんは「すごかった! かっこよかった!」と話してくれました。
 行事後には、みかんと紅白餅が振る舞われ、また、流山市ふるさと産品にも認定されている、江戸川台の和菓子屋「藤屋」さんの和菓子「ヂンガラ餅」の販売もされました。なお、行事の様子は朝日新聞、千葉日報、J:COMに取材されました。


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