ぐるっと流山 ゆうゆう大学第2回合同公開講演会 暮らしに役立つ天気予報

ページ番号27760 更新日 平成27年10月8日

生活に深くかかわる天気予報についてあらためて学ぶ

開場前の立て看板の写真

 さわやかな秋風がここちよい平成27年9月24日(木曜)、流山市文化会館ホールで、ゆうゆう大学第2回合同公開講演会が開催されました。今回の講演のテーマは、「暮らしに役立つ天気予報~気象災害から身を守るために~」。気象予報士・気象キャスターネットワーク理事の田代大輔さんを講師にお招きし、お話を伺いました。田代さんは、2006年度までの9年間、NHKの報道番組で気象情報コーナーのキャスターを担当、現在は、とちぎテレビの気象キャスターとしてご活躍中です。関東東北地方豪雨災害の記憶が生々しい現在、気象予報や警報に私たちはどう対応すべきかについてお話しいただきました。


客席の様子の写真

 お話は夏に人気の高校野球から。高校野球の舞台である野球場は、日がさんさんと照り付け、いかにも暑そうなイメージですが、実際のところはどうなのでしょうか。田代さんによると、気温30度の日の野球場各所の表面温度は、ピッチャーマウンドでは41度、バックネット裏の観客席では55度にもなるそうです。これは、野球観戦の際に帽子をかぶっていないと、頭の表面の温度が55度になってしまうということ。帽子を被って、直接の日差しを遮るだけでも、この温度の上昇は防ぐことができます。猛暑が続く近年の夏は熱中症に十分気をつけなければなりませんが、帽子をかぶるなどの対策が有効だということがよくわかると、観客席の皆さんも深くうなずいていました。


円グラフで説明をする田代大輔さんの写真

 ところで、天気予報などの情報は、どのようなところに注目すべきなのでしょうか。田代さんは、まず天気予報で用いられる言葉について、説明を始めました。つい聞き流してしまいますが、「朝」とは6時から9時、「昼前」が9時から12時、「昼過ぎ」が12時から15時、「夕方」が15時から18時、「夜のはじめごろ」が18時から21時、と天気予報の世界ではきちんと決められているそうです。「雨」「くもり時々雨」「くもり一時雨」などの表現の違いも、改めて質問されるとはっきりとは説明できないもの。天気予報の用語を知ることで、テレビの情報をより正しく理解できるようになるのです。


天気図を指して説明をする田代大輔さんの写真

 最近は、全国各地で竜巻や豪雨、土砂災害などの気象災害のニュースが目立ちます。いつ、わたしたちの住む地域で自然災害が発生するかもわかりません。田代さんは、災害警報の正確な意味を具体的に解説して下さいました。
 竜巻は県単位で注意情報が発令されるので、対象となる範囲が広いためピンとこないことも多いですね。いっぽう、指定河川洪水予報は、レベル4の段階で氾濫危険水位に到達したことを示します。しかし、レベル3の警戒情報が出された段階で避難を勧告すべきだ、と田代さんは強調します。たとえば流山を流れる江戸川は、上流である利根川流域の降雨の量によって、危険水位を超える可能性があります。つまり「ここで降る雨」だけが問題ではないわけです。上流から下流を含めた情報を取得することが重要なのです。
 


天気予報における場所と時間のずれを説明する田代大輔さんの写真

 明治時代に始まった天気予報、当初は派出所に情報を張り出したり、信号柱に旗を立てたりするだけの簡易なものだったそうです。大正時代には無線を使用するようになり、戦後になってようやく、ラジオに気象キャスターが初めて登場しました。当時一日一回だった天気予報は、今では一時間に一回は必ずどこかで聞けるようになりました。予測する技術は格段に進歩し、またそれを報じるためにもさまざまな工夫が生まれました。けれども、やはりどうしても限界はあります。天気予報を、過信しすぎることには十分気を付けてほしいと田代さんから会場の皆さんに説明がありました。


洪水予報のスライドを用いて説明をする田代大輔さんの写真

 今や、私たちはスマートフォンや携帯電話で、自分で気象情報を手に入れることができます。リアルタイムで更新されるスマートフォンの情報は、竜巻や豪雨などの災害から身を守るためにたいへん有効です。また、流山市では「安心メール」の登録をすれば、避難情報などが送られてきます。登録は簡単ですから、携帯やスマートフォンをお持ちの方は、登録をしてみてはいかがでしょうか。
 災害の情報は、都府県単位では実は不十分であることを認識し、広い範囲の情報を手に入れ、いつどこで発生するかわからない災害から身を守っていかなくてはならない、と田代さんの話は結ばれました。参加した皆さんは、「わかりやすく身近な天気予報の話が聞けた」、「気象災害が多い最近、身を守るために大変参考になりました」と感想を述べていました。
 次回のゆうゆう大学合同公開講演会は、11月11日(水曜)、数十年間無住(住職が居ない寺)だった、流山市の円東寺の住職に就任された増田俊康さんによる「流山に暮らしてのおもい」~時代状況に応じて変化していく地域と私達~をテーマに開催されます。ご興味のあるかたは、ぜひともご参加ください。ゆうゆう大学合同講演会に関するお問い合わせは、流山市文化会館(04-7158-3462)まで。


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