ぐるっと流山 クラシックアニメーション上映会

ページ番号27289 更新日 平成27年9月1日

100年前の無声アニメを楽しむ

上映されているアニメの写真

 平成27年8月29日(土曜)、流山市生涯学習センターで創生期のアニメ映画を楽しむ「クラシックアニメーション上映会」が行われました。約100年前に欧米で制作された5作品が上映され、無声の映像をアニメ映画研究家で作家の唐沢俊一さんの「弁士」と、女優でピアニストの塩原奈緒さんの「楽士」によって盛り上げました。いまやコンピューターグラフィックを駆使した映像ジャンルとして可能性を大きく広げているアニメーションですが、約100年前に誕生したばかりのアニメーションは、1分間に24コマ映写されるフィルムの1コマ1コマに、絵や人形を動かして撮影していた手間のかかる方法で、ユニークかつ奥深い世界を表現していました。


「弁士」として登場人物の台詞の声を当てる唐沢さんの写真

 上映されたのは、ちょっと怖くて、少しだけかわいい人形たちが大暴れするスタレビッチの「マスコット」(1933)、人間と人形たちが共演するC・ボウワーズの「変な鳥」(1930)、W・マッケイの「ペット」(1921)、そして、王に迎えたアオサギにカエルたちが食べられてしまうイソップ寓話「王様を欲しがるカエル」を元に、ロシアからフランスに亡命したスタレビッチの風刺に富んだ「アオサギとカエル」。現代のアニメとはひと味違う作品が上映されました。


即興の演奏をする塩原さんの後ろ姿の写真

 唐沢俊一さんは、映画の解説から、登場人物の台詞まで「弁士」として熱演。唐沢さんは、アニメーションについて、ラテン語で生命や魂を表すアニマ(anima)から「絵や人形に生命を与える」というような意味に由来しているのではないかと解説。コラムニストとして各誌に執筆、雑学博士として「トリビアの泉」スーパーバイザー、「世界一受けたい授業」「スクール革命」などに出演。流山市生涯学習センターで続けられている「怪奇中等部」などでも活躍されています。また、映画に合わせて即興演奏で会場を盛りあげてくださる「楽士」には、塩原奈緒さんをお招きしました。塩原さんは、ピアノと演技を幼い頃から学び、子役として「サウンド・オブ・ミュージック」などの舞台に立ち、玉川大学芸術学部を卒業されてからは多くのアーティストの伴奏を担当されています。


無声映画のスクリーンの脇に唐沢さん、塩原さんがいる舞台の写真

 現在、映画は「再映芸術」ですが、無声映画は、弁士の語りと楽士の演奏によって「ライブ」という「舞台芸術」にもなります。唐沢さんは、大学に入学してすぐに海外クラシックアニメーション映画の同好会に所属して研究を始めて40年になることから、集大成としてその素晴らしさを伝えたいと上映会を企画。この上映会は、今年2月に阿佐ヶ谷で開催した上映会に続いて2度目。ホールでの上映は今回が初めてです。この時代の映画には音と色がありませんが、20世紀初頭のモダニズムの息吹を感じるような作品ばかり。今回の上映会は、流山市生涯学習センターが子どもたちを対象に企画した「夏休み ながれやまMUSEUM 2015」の21プログラムのひとつとして開催されたものです。


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