ぐるっと流山 夏の生きもの観察講座「野鳥の子育て」

ページ番号26363 更新日 平成27年7月2日

講義中の教室全体の写真

 平成27年6月27日(土曜)、流山市上下水道局で夏の生きもの観察講座「野鳥の子育て」が開催され約20人が参加しました。講師に公益財団法人日本野鳥の会主席研究員・安西英明さんを迎え、身の回りの野鳥について、それぞれがどんな特徴をもっているのか、普段どんなことをしているのかについて講演していただきました。地球上に生物は約200万種いると言われており、その中でも鳥は世界に約1万種いますが、私たち「ヒト」も含まれている哺乳類といくつか共通点があります。周囲の気温に左右されることなく、自らの体温を一定に保てる「恒温動物」であること、「学習能力」があること、そして「子育てをする」ことです。特に「ヒト」との共通点の1つとして「お父さんも子育てに参加する」ことがあり、生きもののなかでは珍しい特徴だそうです。


熱弁する安西英明さんの写真

 鳥のお父さんはとても綺麗で華やかな見た目ですが、苦労も絶えません。子孫を残すために、オスがメスに求愛するとき、単調な歌い方や、踊り方をしてしまうと、メスはなかなか振り向いてくれないからです。また、よく知られているウグイスの「ホーホケキョ」という鳴き声は繁殖期にオスがメスに求愛行動したり、縄張り宣言をしたりしているところだそうで、ウグイスのお父さんのみが発する声だそうです。街の中で「ホーホケキョ」という声を聴いたら、ウグイスのお父さんが頑張っているところだと思うと、思わず応援したくなりますね。


わきあいあいとした教室の写真

 野鳥が厳しい自然の中で生き抜くのはとても大変です。スズメは、約2週間の子育て期間の間、4200回も巣にエサをはこんでいて、お父さんお母さんはとても大変です。また、シジュウカラは1年間に約12万5千匹もの虫を食べないと生きていけないといわれています。雨の期間が長いと、空を飛ぶ虫になかなか出会えないため、飢えてしまう野鳥も多いそうです。また、野鳥のヒナを人間が保護し、育てて放鳥しても、その後生き延びる確率はとても低いそうです。ヒナの間に自力で生きる術を学ぶことができず、厳しい自然に突然出されると生きていけないからです。そのため、日本野鳥の会では「野鳥の子育て応援キャンペーン」を実施し、ヒナの子育てを見守るキャンペーンを行っています。


フィールドワークの様子の写真

 野外での野鳥の観察では、歩きながらたくさんの発見がありました。子どもたちは、野鳥のエサとなる虫をたくさん見つけました。カタツムリやビジョオニグモ、バッタなど様々です。ビジョオニグモはとても小さいけれど、背中に特徴的な模様があり、おなかは薄い緑色をしていて、とてもきれいです。しかし、とても素早く動くため子どもたちは虫めがねでの観察に四苦八苦していました。鳥はカタツムリを食べて、産む卵の殻のカルシウム源にするとの一説もあるとの説明もありました。


野鳥を観察する参加者の皆さんの写真

 しばらく歩いていると、スズメの親子やキジのご夫婦に出会いました。幼いスズメの子どもは飛び方がおぼつかなく、とてもかわいらしいです。さらに、鉄塔の上にオオタカがとまっていました。滅多に出会うことができないオオタカが観察できて、子どもだけでなく、大人の参加者も一生懸命観察し、本当にオオタカがいるんですね!と感心していました。参加者の皆さんは、とても身近にいるのに知らないことが多かった野鳥のことをたくさん学ぶことができたのではないでしょうか。


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