ぐるっと流山 児童労働についての講演会

ページ番号28044 更新日 平成18年6月19日

児童労働の現状を知る 古着でパキスタンに学校をつくる運動を学ぶ

パキスタンでの児童労働の現状を学ぶ

 平成18年6月17日(土曜)、文化会館で児童労働についての講演会が行なわれ、乳児連れの父母ら約30人が、パキスタンでの学校づくりなどの現状を学びました。6月12日がILO(世界労働機関)の定める児童労働反対デーであることから流山わらしこ保育園(奥野ひさ子園長)が開催しました。講師はJFSA(日本ファイバーリサイクル連帯協議会)事務局長の西村光夫さんとパキスタンのカラチにあるアルカイールアカデミーの校長ムハマッド・ムザヒルさんと同校卒業生・アーマッド・アリさんの3人です。西村光夫さんは、49年生まれ。73年に大阪の養護施設の児童指導員となり、78年に柏市で非行少年といわれる子どもたちのための私塾「寺子屋」を開設。84年にツッパリといわれる人たちとリサイクショップ「ユーズ・リサイクセンター」を設立。95年にパキスタンのカラチ市のスラムにある学校を支援するためのNGO日本ファイバーリサイクル連帯協議会(JFSA)を設立し現在に至っています。


パキスタンでの児童労働の現状を学ぶ

 JFSAは、空爆や大地震によって経済機能が悪化し、学校へ行けなくなった子どもたちが多いパキスタンに古着を贈って学校を建てる活動をしています。これまでも公民館の家庭教育講座などに講師として招かれ、とかく我が子だけがよければよいという風潮の中で、地域全体で子育てを、さらに地球全体の子どもたちの現状にも目を向けようと、現地の写真などを見せながら講演をしています。施しを受けることはプライドを奪う。スラムに暮らす子どもたちにとって必要なのは、自立のための教育を受けることだというアルーカイールの方針にJFSAは賛同し、学校の運営費用などをつくるため古着販売事業を成功させようと活動を続けています。


パキスタンでの児童労働の現状を学ぶ

 カラチの郊外にあるアルカイールアカデミーでは、元気な子どもたちが2000人以上も学んでいます。この国では、大切な労働力である子どもに仕事をさせようとする親が多く、子どもを手放したがりません。そこで学校では昼食も無料にしてなんとか子どもたちを引き止めて、マフィアなどに近付けないようしたいと考えています。しかし、3歳くらいから小さな手で針仕事をさせられ、5歳からせっかく学校に通わせても、貧困層では、子どもの病死が多いため、10人くらいの子どもを産み育てることから、下の子が生まれると子守りの労働力としてまた、学校に来られなくなってしまうといいます。


パキスタンでの児童労働の現状を学ぶ

 日本で集められた古着を持ち込み売る際に、港でコンテナから出すと、日本で詰めたときより減っているそうです。検査の際に抜き取られたり荒らされたりするのではないかと西村さんは言います。こうした古着は、比較的、豊かな国民に売られ、学校を立て運営する資金となる。その古着はさらに貧困層が兄弟姉妹で着回して、着られなくなるまで着古し、あらゆるゴミが廃棄される処理場に集められます。処理場といっても、処理は地面の上のゴミ山に火を放つだけ。周りにある子どもたちの家は、柱から屋根までゴミで作られ、毒虫が来ないよう高床式の家をつくって暮らしている。健康に悪いからそこから引っ越せと言ったところで、教育を受けていないので職がない。「お金や物を与えるのは簡単だが、教育を与えるのは大変。しかし教育こそ目に見えない大切なもの」と物静かに語るムザヒル校長先生。「教育は時間のかかるものだが、世の中が変わるのはそれぞれ一人ずつの教育の成果。カラム(ペン)はカラシニコフ(銃)より強い!」。次世代につなぐ教育の大切さを知ることができた講演会でした。


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