ぐるっと流山 裁判員制度を学ぶ

ページ番号25774 更新日 平成19年3月5日

聴力障害者らと一緒に裁判員制度を学ぶ 手話サークル連絡協議会が主催

ビデオを視聴

 平成19年3月3日(土曜)、初石公民館で、「ご存知ですか?裁判員制度あれこれ」という講演会が行われ、40人が平成21年5月までにスタートする裁判員制度を学びました。選挙人名簿から無作為で抽出される裁判員制度では、当然、障害を持った方々も選ばれることになることから、制度の概要を学び、アンケートなどを通して意見を制度に反映させようと、流山市手話サークル連絡協議会(吉田和郎会長)が、手話通訳、要約筆記付きで開催したものです。講師は、手話サークルに所属して活動していらっしゃる千葉地方検察庁特別刑事部の統括捜査官・徳竹隆三さん。土曜日夜7時からという開催でしたが会場は満席。


ビデオを視聴

 参加者は、まず、「裁判員制度~もし、あなたが選ばれたら」というビデオを視聴しました。中村雅俊、西村雅彦らが出演しているもので、字幕も入っています。ビデオでは、西村雅彦が演じる小林というサラリーマンが、50人の裁判員候補として呼び出され、仕事などを理由に断ろうとしますが、家族から「逃げるのか」と問われ、6人の裁判員として残り、他の裁判員との評議の過程などで「被告人から仕返しされるのではないか」、「素人が人を裁いてよいのか」といった疑問のぶつけ合いを通して国民の義務を果たしていく様子が描かれています。ビデオを見終わった参加者らは、裁判官役の中村雅俊が、事件が多発している同じ社会に生きていて、ある日突然被害者になったり、いつ加害者になったりするかわからない「なにひとつ他人事なんてない」と言う言葉に、時代劇の大岡越前の裁きに任せるといったこれまでの風土の中で、一緒に考えていく、無関心ではいられないという使命のようなものを感じたと語っていらっしゃいました。


40人が参加

 平成16年5月21日「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」が成立したことから、公布の日(平成16年5月28日)から5年以内に裁判員制度が実施される予定です。裁判員制度は、国民が裁判員として刑事裁判に参加し、被告人が有罪かどうか、有罪の場合どのような刑にするかを裁判官と一緒に決めていく制度。裁判員に選ばれると、裁判官と一緒に、刑事事件の法廷(公判)に立ち会い、判決まで関与します。公判は、連続して開かれ、証拠書類を取り調べるほか、証人や被告人に対する質問が行われます。裁判員から、証人等に質問することもでき、また、証拠を全て調べたら、事実を認定し、被告人が有罪か無罪か、有罪だとしたらどんな刑にするべきかを、裁判官と一緒に議論し(評議)、決定(評決)します。評議を尽くしても、意見の全員一致が得られなかったときは、評決は、多数決により行われます。評決内容が決まると、法廷で裁判長が判決を宣告し、裁判員としての役割が終了します。


徳竹講師の講演

 平成16年度に全国で発生した刑事事件は113,463件ですが、社会的関心が高く重大犯罪のため「裁判員制度の対象となる事件」は、強盗致傷の888件、殺人795件、強姦致死傷270件、強制わいせつ致死傷141件など合計3,308件。このうち千葉県は207件と最も多い。呼び出し人として1件の事件で裁判所に呼ばれる裁判員候補50人に年間犯罪数207件を掛けると10,350人。これを平成16年度の選挙人名簿に記載されている有権者数4,869,418人から割ると、千葉市にある千葉地方裁判所に呼ばれる県民の数は1年間に470人に1人の割合になります。


徳竹講師の講演

 会場からは、「聴覚障害者が裁判員に選ばれた場合には手話通訳や要約筆記などはあるのか」、「多数決で決める場合に、裁判官も裁判員も同じ1票なのか」といった質問が相次ぎ、関心の高さがうかがえました。参加者には「私の視点、私の感覚、私の言葉で参加します」という裁判員制度を説明した冊子が配られました。裁判員候補者に選ばれたという通知は事前に、前年度郵送されますので、「来年の秋あたりには、選挙人名簿から抽出される。もう先のことではなく、すぐに始まると実感した」と参加した方は語っていらっしゃいました。講師の徳竹さんは、サークルや集会などで「呼んでいただければ説明にうかがいます」と裁判員制度の出張説明会の開催を呼び掛けていました。出張説明会の問い合わせは千葉地方検察庁企画調査課広報担当043-221-2073へ。


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