ぐるっと流山 結純子ひとり芝居

ページ番号23463 更新日 平成19年7月2日

全国各地で絶賛され、待望の流山公演が実現 結純子ひとり芝居「地面の底がぬけたんです~あるハンセン病女性の不屈の生涯」に感動

生涯学習センターのホールにて

 6月30日(土曜)、生涯学習センターで、結純子ひとり芝居「地面の底がぬけたんです~あるハンセン病女性の不屈の生涯」(上演時間1時間45分)が公演され302人の市民がハンセン病患者の人生に触れました。6月1日は人権擁護委員の日。そして6月24日から30日までは「ハンセン病を正しく理解する週間」。流山市の人権擁護委員や流山歴史文化研究会、NPO法人流山おやこ劇場などが実行委員会(渡辺義正会長)を組織し、市や市教委が後援、NPO法人流山フィルムワークスや栄光産業株式会社などが協賛してハンセン病患者への偏見をなくし、理解を深めるため開催したものです。公演に先立ち6月20日から6月28日まで市役所でハンセン病写真展「伝えたい 過去を 今を これからを」も開催されました。


結純子さん

 「地面の底がぬけたんです」のプロデューサー・木村聖哉さんは「女優の結純子さんと2人でこの芝居を立ち上げて6年目、2001年10月の初公演から数えて流山公演は86回目になります。全国でお招きいただいて、感触は各地でそれぞれですが、流山の皆さんは本当に一生懸命に細やかに準備してくださって感謝しています」と語っていました。当日は、井崎市長も観賞し「辛すぎる内容ですが、ハンセン病の正しい理解を広げるためにも、こうした地道な活動を続けていかなければ」と感想を語っていました。


迫真の演技の結さん

 会場には、児童図書「ハンセン病の療養所をつくったお坊さん」の著者・トレヴァー・マーフィ(Trevor Murphy)さんも訪れました。著書は、小学校中学年向けで100年も前にハンセン病の療養所をつくった、綱脇竜妙というお坊さんの生涯と思想をテーマに博士号を取得した著者が、その勇気ある生き方を紹介しています。マーフィさんは、1965年生まれのイギリス人で、ハンセン病施設をつくった仏教徒・綱脇龍妙さんの生涯と思想をテーマに、山梨医科大学大学院で博士号を取得(2004年)。昨年3月、「ハンセン病の療養所をつくったお坊さん」を出版。現在、身延山大学東洋文化研究所研究員を無給で続け、山梨県立北病院(精神病院)の患者に英語を教えたり、翻訳・校正などしたりしながら、綱脇さんについての研究を続けていらっしゃいます。


満席の会場

 原作者の故・藤本としさんは、明治34年(1901年)に東京・芝琴平町で生まれました。子どもの頃は芝居好きの母親に連れられ、よく歌舞伎を見に行きました。縁談が整った18歳の時、突然、自分がハンセン病である事を知り、はかり知れない衝撃を受けるとともに、絶望の淵に立たされました。数年後に相次いで両親を亡くし、自殺を図りましたが果たせませんでした。以後、療養所を転々とする間に全身が麻痺し、47歳の時に失明。しかし、不自由な体にあって、唯一感覚の残った舌を使って点字を読み、過酷な人生にもかかわらずいつも笑みを忘れず、病友にも慕われながら昭和62年(1987年)岡山県の国立療養所邑久光明園で逝去、86歳でした。自伝的な聞き書き・随想集「地面の底が抜けたんです」を元に、女優の結純子さんが瑞々しい感性と豊かな表現力で藤本としさんの不屈の生涯を生き生きと再現し、観客の心を揺さぶり、いきる元気を与えてくれました。

 広報紙などでお知らせしたところ、公演10日前には前売りチケットが完売するほどの関心の高さでした。チケットが入手できなかった方々からは次回の公演の問い合わせが数多く寄せられました。次回は9月1日(土)13時30分から滋賀県八日市芸術会館で公演。関東では10月12日(金)19時から中央区の築地本願寺プディストホールで公演が予定されています(公演についてのご質問、ご相談等は東京音楽文化センター03-3501-9188へ)。ハンセン病は遺伝病でもなく、完治する病気です。偏見や差別をなくしましょう。


井崎市長とトレヴァー・マーフィさん

 実行委員会では、感性の豊かな子どものときからハンセン病を正しく理解していただこうと、藤本としさんの自伝的随想集「地面の底がぬけたんです」とマーフィさんの「ハンセン病の療養所をつくったお坊さん」を、市内6図書館に寄贈しようと計画しています。また、今回の実行委員会で中心的な役割を担った流山市歴史文化研究会では、9月23日(日曜)、森の図書館で明海大学の岩下哲典教授を講師に「江戸川の治水とオランダ人技術者イサーク・アンネ・リンド」と題した講演会を中心に第2回利根運河まつりを、また10月21日(日曜)、一茶双樹記念館で子ども川柳大会や元・文芸春秋編集者の阿部達二さんを講師に「藤沢周平の一茶」と題した講演会を中心に第3回小林一茶まつりを計画しています。また、同じく実行委員会の主要構成団体のNPO法人流山おやこ劇場では、夏休み理科実験講座として7月24日(火曜)、生涯学習センターで「光とむしめがねの実験」と「カメラづくり」を、7月31日(火曜)、文化会館で「ドライアイスであそぼう!」を開催します。


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