ぐるっと流山 自閉症のピアニスト川島英一郎さんのコンサート

ページ番号19746 更新日 平成20年2月13日

自閉症のピアニスト川島英一郎さん 満席の会場は、温かなコンサートに感動

川島さんがピアノコンサート

 川島英一郎さんのピアノを聴く会が、2月10日(日曜)、流山市生涯学習センターで行われ、300人のファンがシベリウスのもみの木やショパンのノクターン第8番などを楽しみました。流山市内在住で、自閉症のため養護学校高等部を卒業した川島英一郎さん(38)のピアノコンサートで、主催は川島英一郎さんのピアノを聴く会実行委員会と流山市自閉症協会。


川島さん

 川島さんは小学校4年生のときからピアノを始め、平成7年に励ます会によって流山市立北部公民館で初の個人リサイタルを開いたのがきっかけで、年に数回、高齢者福祉施設などで演奏を続け、今回で21回目のコンサート。地元・流山での個人リサイタルは13年ぶりです。幼稚園の頃からピアノがすきで、ピアノ教室に通ったのは小学校4年生から。譜面を読むことはできませんでしたが、耳で聴いた曲はすぐに弾けるという絶対音感がありました。


満席の会場

 原因ははっきりしませんが、13歳のときに突然譜面が読めるようになり、技術は向上しました。32歳のときに、音楽と右脳・左脳の働きを研究していらっしゃる作曲家の日下部憲夫さん(70)に師事してから感情表現が豊かになり、身体全体を使って弾けるようになり、各地のリサイタルで評判になりました。現在、三郷市のクリーニング会社に自宅から通い、夏は42度にもなる厳しい現場でホテルなどから出る大きなシーツをローラーに挟み込む作業を20年間続けています。


詩の朗読

 開会に当たり実行委員会では、昨年12月8日の朝日新聞の土曜版に聖路加国際病院の日野原重明さんが、聴力を失くした少女が8歳の時に書いた詩を紹介していたことに触れ朗読しました。「ことばの消しゴム/えんぴつでかいた字は 消しゴムで消える/黒板に書いた字も 黒板けしできえる/口からだしてしまったことばは 消す消しゴムがないんだね/とりだせないんだね きみの耳にささった 私のことばわすれない」を紹介し、「コンサートを通じ知的障害者への理解が少しでも広まれば」と客席に呼び掛けました。


中川さんがヴァイオリンで友情出演

 友情出演はヴァイオリニストの中川毅さんとピアニストの戸田章博さんで、宮崎道雄の「春の海」、ゴスペルの「アメイジング・グレイス」などを演奏。中川さんは流山市立東部中学校の卒業者。中川さん、戸田さんとも東邦音楽大を卒業し、ボランティアコンサート活動などを続けています。


グリーングリーン作業所の皆さん

 また、流山市西初石でお茶やお菓子の箱折りをしている「グリーングリーン作業所」の8人がミュージックベルやギターで「大きな古時計」や「翼をください」などを演奏。会場は満席で立ち見もでるほど。舞台転換などは地元自治会が協力するなど地域による手づくりコンサートで、「世界に一つだけの花」や「翼をください」などでは客席も舞台もひとつになっての合唱となりましたが涙を拭く方々の姿も見られました。


生活支援ワーカー・市岡武さん

 2部構成のコンサートの転換時には、社会福祉法人桐友学園沼南育成サポートセンターの生活支援ワーカー・市岡武さんが、「かつては育て方が悪いなどと偏見に満ちた言い方をされた時代もありましたが、自閉症は脳の機能障害で、独特の感性や才能を持っている方々も多い。ただ、そうした感性や才能は、周囲との出会いや励ましで開花します。社会が狭くなり、少しでも違う個性を受け入れのくい社会となっているのは残念ですが、きょうのコンサートをきっかけに、こうした方々を理解し、ほめてください。それが、支える方々の励みになりますから」と呼び掛けました。


山本健太郎さんの絵画5点が展示

 また、会場には、山本健太郎さん(30)の「森のなかま」、「森の中の語らい」など鳥をモチーフにした絵画5点が展示され、来場者の目をひきました。山本さんは、平成4・5年に全日本障害者雇用促進協会の絵画展に出展し入賞、平成5・7年には全日本学生美術展、平成8年からは流山市展に出展。平成8年(にはギャラリーウィンズで、平成10年には流山市大畔のアモールプラザ店で個展を開催。平成15年には流山6丁目の「杜のアトリエ黎明」で仲間と3人展を開催。流山市障害者基本計画の表紙絵にも採用されています。


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