ぐるっと流山 ヂンガラ餅行事

ページ番号15949 更新日 平成21年1月13日

指定無形民俗文化財のヂンガラ餅行事 男衆が主役の伝統行事に500人を超える見物客

提灯で飾られた参道

 「わっせ!わっせ!餅はどこだー、餅を上げろ!餅を上げろ」社殿内に大きな掛け声と男衆の荒い息。裸の男衆が餅を奪い合い餅の割れ具合により、その年の農作物の作柄を占う「ヂンガラ餅行事」が、1月11日(日曜日)三輪野山の三輪茂侶神社で行われました。古くから伝わるこの祭事は、昭和52年に流山市指定無形民俗文化財に指定され、現在、ヂンガラ餅保存会(堀江啓亮会長・30人)により運営されています。


トウ渡し

 縁起がいい末広がりの「八づくし」で、以前は毎年1月8日に行われていましたが、現在は8日に近い日曜に、8升の御神酒と8升の鏡餅(上3升、下5升の円い重ね餅)、野菜や果物、海産物など8種類の供物が神殿に供えられました。大太鼓を合図に式典が開式、諏訪神社の上田宮司により献餞の儀、祝詞(のりと)奏上、玉串奉天などが、習わしにのっとり厳粛に執り行われました。式の後には「トウ渡し」と呼ばれる次の年番への引き継ぎが行われ、スルメをつまみに杯が交わされました。なぜスルメをつまみにするか理由ははっきりしないそうですが、これも古くから伝わるしきたりとのことで、こうしたところにも伝統行事の一端が見受けられます。


境内は大勢の見物客で

 境内には、500人を超える見物客が集まり大変な人ごみに。氏子の皆さんから甘酒のサービスやお土産に紅白のお餅とみかんも配られ喜ばれていました。餅は500セット以上用意されたそうですが、帰りにはほとんど配り終えたそうです。また、「ヂンガラ餅」という和菓子をつくっていらっしゃる北部中学校前の「藤屋」さんが、和菓子を奉納してくださいました。和菓子「ジンガラ餅」は1個126円で、「流山ふるさと産品」に認定されている評判の和菓子です。多くの見物客が、この日の行事と同じ名前ということで、記念に買い求めていらっしゃいました。


男衆が颯爽と登殿

 畳を上げ、危険防止のためガラス窓も外され「餅取り」の準備が整うと、再度、社殿内の大太鼓が打ち鳴らされ、本日の主役の男衆が鳥居をくぐり提灯で飾られた参道を颯爽と歩き登殿しました。参加された男衆は20代から70代の約30人。この日は、最高気温が10度を下回る寒さでしたが、男衆は暖房など一切ない社殿内で半てんを脱ぎさらし1枚の裸になりました。一般のカメラマンにも撮影の機会をと、カメラを持った見物客にも本殿に上がっていただき、本番前に10分ほど軽くウォーミングアップ。


餅を取り合う男衆

 体も少し温まったところで、いよいよ本番。上田宮司から直径40センチある5升の餅が男衆のなかに投げ入れられると、「ワッセ、ワッセ」と掛け声をかけながら、「餅はどこだー。餅を上げろ!餅を上げろ!」と、餅を奪い合い、ひとかたまりとなって右へ左へと揉み合いが続きます。男衆の額や背中には汗が流れ落ち、社殿内は大きな熱気に包まれました。15分ほど激しい揉み合いが続いたところで、ちぎれるように見事に餅が二つに割れました。揉み合いで餅が割れる年は少なく、柱に打ち付けたりして割ることが多いそうですが、氏子総代の小谷正太郎さんは、「今年は良く揉まれ、熱気で餅が柔らかくなり割れたのでは」と満足そうに語ってくださいました。


見事に二つに割れ今年は豊作

 割れた餅を両手にした上田宮司により農作物や天候などの吉凶が占われ、「豊作間違いありません。誠におめでとうございます」と告げられると、詰め掛けた見物客から大きな拍手が送られました。割れた餅は、餅取りに参加された男衆に配られ、これを食べることで風邪をひかないといわれているそうです。この日は、NHKのテレビクルーも取材に訪れ、夕方の首都圏ニュースや全国放送の午後7時台のニュースの最後にも紹介されました。さらに、地元ケーブルテレビJCNコアラのデイリーニュースで放送され、朝日新聞と千葉日報でも翌日の紙面で大きく取り上げられました。


NHKも取材に

 カメラが趣味という東初石の大野初江さんは、「広報ながれやまの元旦号の特集を見て初めて見学にきました。本殿に上げてもらい間近で迫力ある写真が撮れて感激しました。役員の方に詳しい話が聞けたのも良かったです。来週20日の鰭ヶ崎のおびしゃも見学に行く予定です」と語ってくださいました。1月20日(火曜日)に行われる「鰭ヶ崎おびしゃ行事」も市指定無形民俗文化財で、鰭ヶ崎の雷神社にて午後2時30分頃より実施されます。七福神の色鮮やかな衣装に身をまとった今年の当番などが、鬼の顔が描かれた的に向かって弓で矢を射ます。


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