ぐるっと流山 利根運河めぐり

ページ番号7697 更新日 平成22年2月19日

通水120周年を記念して運河めぐり 歴史を学びながら雪景色の利根運河を

講演する講師の青木さん

  市民の憩いの場として親しまれている利根運河は、今から120年前の2月25日に通水しました。記念の日を前に2月18日、利根運河交流館(国土交通省江戸川河川事務所運河出張所内)の主催による 「新春利根運河めぐり」が開催され、雪の中にもかかわらず事前申し込みされた30人が参加し、地域史研究家・青木更吉さんの講演と雪景色の利根運河を楽しみました。利根運河通水120年を記念して、運河の歴史に触れ、近在の窪田酒造での利き酒を楽しもうと企画されたものです。

 この日の利根運河は昨夜からの雪が降り積もり、周囲は水墨画のような景色となりました。「雪の運河を見るのは初めて」と講師の青木更吉さんはうれしそうに挨拶し、「利根運河はなぜ造られたか」という題名の講演を行いました。豊富な写真や資料、いかだの模型などを使いながら、明治時代、茨城や東北の物資運搬のために利根運河が要望されたこと、利根運河の開削に携わった人々の情熱と技術があって現在の美しい姿があることなどを、分かりやすく説明してくださいました。青木さんは、実際に利根川をカヌーで漕ぎ、関宿付近での浅瀬が船の航行には難所だったろうと、当時の利根運河の必要性を実感されたそうです。


松本昌三さん作の絵
松本昌三さん作

 運河水辺公園では、昭和60年に市民の手により建てられた、利根運河の設計監督者A・T・L・ローウエンホルスト・ムルデルの顕彰碑の説明を受け、一行は遊歩道を利根運河大師堂に向けて出発。水辺には公園でおなじみのカモやサギのほかセキレイやモズの姿も見られ、双眼鏡を覗きながら歩く方もいらっしゃいました。


利根運河大師堂

 利根運河北岸に位置する利根運河大師堂は、利根運河八十八か所の札所の一つです。青木さんは、大正2年、当時利根運河株式会社支配人森田繁男氏の呼び掛けで利根運河流域に八十八か所の霊場が開かれるも、昭和16年の大洪水の被害と大改修工事による立ち退きで、多くの札所が姿を消されそうになり、平成8年、有志により利根運河霊場再建が叶い、現在の姿に至った経緯を解説しました。利根運河大師護持会による運河大師めぐりは4月21日と10月21日に行われます。

 窪田酒造は明治5年に創業、かつて野田の梅郷にあったものを、利根運河開設のころ現在の運河岸に移設、東葛飾地域に現存する数少ない造り酒屋です。社長の窪田芳太郎さんが酒蔵を案内、ひと樽ひと樽様子の異なる寒仕込み発酵の樽の様子を見せながら、精米、蒸米、製麹(せいきく)、もろみ、酒母、圧搾、濾過、火入れ、貯蔵と連なる清酒の製造工程を丁寧に説明してくださいました。酒蔵に広がるふくよかな香りや、ふつふつと醗酵する仕込みの様子に多くの見学者は感動しました。酒蔵の入り口では日本酒や温かい甘酒が振る舞われ、見学の皆さんは体を暖めながら雪見酒を堪能しました。


山本啓子さん撮影の写真
山本啓子さん撮影

 運河を航行する船を綱で曳いて通ったと言われる「綱曳き道」の跡を歩きながら、創業明治25年の老舗・割烹新川へ到着、昼食と懇談を楽しみました。加から参加された水清田一郎さんは「地元の史跡探訪に割烹新川での食事、美しい運河の雪景色を眺められ、楽しい一日でした」、江戸川台の富田宏さん・征子さんご夫妻は「散歩で訪れる運河ですが、美しい曲線を描いている理由が青木先生のお話でよく分かりました。窪田酒造の蔵の中に入れたのも非常にうれしかったです」と感想を話してくださいました。


参加者で記念撮影

 現在、利根運河交流館では、明治からのボート競技の歴史と運河のつながりを資料や年表と共に振り返る写真展「利根運河とボート遠漕」(2月28日まで)が行われています。2月27日8時からは毎月第4土曜日恒例となった「第4回うんがいい!朝市」を運河水辺公園で予定、3月3日(水曜日)からは「第2回うんがいい!写真展 運河と桜」の開催を予定しています。お問い合わせは利根運河交流館(電話:04-7153-8555)まで。


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