ぐるっと流山　スプリングジャズコンサート

　曽根麻央さんの卒業を記念して猪俣猛さんがプロデュース 　流山でのコンサートがDVDやCDに

　3月27日（土曜日）、文化会館ホールで、60年の輝かしいキャリアを誇るモダンジャズドラマー・猪俣猛さんのプロデュースによる「流山　スプリングジャズコンサート」が行われ、700人のジャズファンが一流ミュージシャンの演奏を堪能しました。ブルー・マイナー、クリフォード、アイル・リメンバー・エイプリルなどの名曲が次々と演奏さました。

　猪俣さんがリーダーを務めるWE3（ピアノ前田憲男さん、ベース荒川康男さん）のクリスマスコンサートが昨年12月19日に流山市文化会館で行われましたが、この日の映像と、12月11日の成城ホールでのコンサートを編集したWE3初のDVDが3月27日（土曜日）に完成、市販されることになりました。DVDに収められているコンサートには、流山のトランペッター曽根麻央さんもゲスト出演していますが、その曽根さんが今春、千葉県立小金高校を卒業されることから猪俣さんが記念のコンサートをプロデュースしてくださったものです。客席からも「卒業おめでとう」の掛け声も飛んでいました。

　猪俣さんは、21歳でスイングジャーナル誌の新人賞、「渡辺晋とシックス・ジョーズ」を経て、名門「西條孝之介とウエストライナーズ」に参加し、後にリーダーとなり、教育面での活動も盛んで、昭和51年にはドラムを通じて音楽の素晴らしさを教える「リズム・クリニック・センター(RCC)」を設立。平成7年に「南里文雄賞」を受賞。昨年7月には、サントリーホールに於いて「猪俣猛60周年コンサート～I LOVE MUSIC」が開催されました。

　ピアノの遠藤征志さんは、幼少の頃から音楽家である父の影響によりピアノを始め、10歳の頃から野球に没頭。以後、大学野球まで経験し、体育教員免許を取得しましたが、大学4年時、同世代のジャズピアノを聴き、強烈な悔しさからピアノを再開。卒業と同時にプロ活動を開始。その後、テリー水島(ヴォーカルとの共演をきっかけに、猪俣猛氏に見い出され、その後数々のライブやフェスティバル等で共演。平成17年、TBSドラマ「恋の時間」にピアニスト本人役で出演。演奏と台詞をこなす。平成18年、単身ニューヨークへ。連夜ライブハウス、レストラン等で演奏を重ね、マンハッタンTVにも出演。平成19年帰国。現在は都内ライブハウスを中心に活躍中です。

　ベースの池田聡さんは昭和45年、神奈川県出身。父はベーシストの池田芳夫氏。ジャズピアノを高瀬アキ氏・弘勢憲二氏に師事。平成11年2月、初めてのベースソロライブを行う。平成15年10月、宮地傑NEW4TETにてNHK-FM「セッション505」出演。平成17年4月、ジャズ批評125号、バードマン幸田氏による「要注目のミュージシャン」に紹介され、平成19年11月、フランス領ニューカレドニアGypsy Jazz Festival New Caledoniaに福島久雄GYPSY SWING PROJECTにて出演。現在、自己のグループ・ソロのほか、さまざまなセッションに参加しています。ルフォスタ（渋谷）、BEATec（大久保）にてベース講師。

　卒業記念コンサートの主役でもある曽根麻央さんは、平成3年生まれ。流山市在住、県立小金高を卒業したばかりの18歳。ルイ・アームストロングの影響で、8歳の頃からトランペットを始め、平成12年5月、両親と親子バンド「そねそねくらぶ」を結成。平成13年、「日野皓正と夢の共演」に最年少で出演。Mr. レイ・ブライアント、Mr. ルー・タバキン、宮本大路氏、原朋直氏等と共演。流山市文化会館の「子育てサロンコンサート」に出演。

　平成20年、日本トランペット協会の「タイガー大越マスタークラス」を受講。「北海道グルーブキャンプ」に参加、バークリーアワードを受賞。ボストン、バークリー音楽院サマープログラムに奨学生として参加、大学本科の全奨学金を受賞。平成21年、日本人で初めてテリ・リン・キャリントンのバークリー・サマー・ジャズ・ワークショップに抜粋され、奨学生として参加。大学本科の全奨学金を再度受賞。12月、流山市文化会館でWE3（前田憲男氏、荒川康男氏、猪俣猛氏）と共演。その後、猪俣猛氏のビックバンド"The 3rd"のコンサートにメンバーとして出演。平成22年3月、猪俣猛氏のプロデュースにより、銀座「スウィングシティー」で本格的な東京ジャズシーン・デビューを果たしました。

　WE3初のDVDが流山から誕生したというのもうれしい出来事ですが、WE3と麻央さんの共演で、ライブ盤CD「The Legend of Jazz Trio meets Mao」も発売されました。12月のコンサートのアンケートには「孫を見守るジャズ界の神様たちのやさしいまなざしを感じるあったかいステージ」と絶賛でした。会場となった流山市文化会館は開館40周年、猪俣猛さんはプロミュージシャン60周年、そして曽根麻央さんは小学校3年から親子バンド「そねそねくらぶ」としてステージに立ってから10周年。合わせて110周年の記念碑的なコンサートとなりました。江戸川台東のアンテナショップでは市内特産の和菓子やアイスクリームなどを販売していますが、こうしたお店でも地産地消の推奨のひとつとして今回のCDやDVDを扱っていただけることになりました。

　ジャズファンにはもうひとつ、うれしいお知らせです。猪俣猛ジャズヒストリー講座「What’s Jazz」が5月から7月の土曜日午後1時から流山市生涯学習センターで行われることになりました。SPレコードを聴き、モノクロの貴重なフィルムを見て、ジャズの生い立ちからシカゴジャズやニューヨークジャズまで猪俣さんの楽しいお話と音楽の講座です。全4回（5月8日・22日、6月26日、7月10日）のシリーズで受講料は4,000円(1,000円×4回分）です。生涯学習センター（電話：04-7150-7474）へ。なお、スプリングジャズコンサートの模様は、地元ケーブルテレビのJCNコアラ葛飾「デイリーニュース」で4月1日（木曜日）に特集される予定です。