ぐるっと流山 教育研究会講演会

ページ番号14627 更新日 平成21年8月24日

38億年前からつながる生命の奇跡 筑波大学名誉教授・村上和雄さん最新科学から命を語る

講演する村上名誉教授

 8月21日、文化会館で流山市教育研究会講演会が行われ、約700人の教職員や保護者が参加しました。筑波大学名誉教授・村上和雄さんを講師に迎え、命をテーマに「生きている。それだけで素晴らしい」と題した講演会。村上教授は、1936年生まれの73歳。遺伝子に関する研究の世界的権威で、高血圧の原因となるヒト酵素「レニン」の遺伝子解読に世界に先駆け成功し、現在はノーベル賞の有力候補として注目を集めている方です。村上教授の軽妙で深遠な講演に、集まった皆さんは、ときには大笑い、ときには真剣にの充実した2時間の講演でした。


講演する村上名誉教授

 村上教授は「38億年の生命の歴史の中で、全ての生物は同じ4種類の塩基と呼ばれる配列を使って遺伝子を作ってきました。全ての生物はDNAの連鎖でつながっており、後から地球上に登場した人間がそのことを忘れては、今起こっている環境問題などにも対応できないのではないか」と人間の思い上がりに警鐘を鳴らします。人間の遺伝子のうち、実際に使用されているのはたったの2%程度。どの遺伝子がONになるかによって人間に起こる事象も変わるそうで、この遺伝子のON・OFFに心の持ちようが大きく関わっていると考えたそうです。


客席

 最近では、吉本興業と協力して、笑いと遺伝子についての関係に着目し研究を行っています。臨床実験で、食事を食べた糖尿病患者に、大学の講義を聴かせた場合と漫才を見せた場合では、講義では血糖値が通常通り上昇したのに、漫才で笑って時間を過ごした場合には血糖値が劇的に下がるという研究結果が得られました。「笑い」による治療が本格的に医学の世界で認められれば、投薬をなくし苦痛を伴わない治療というものの可能性も出てくるといいます。実際に、治療としてのお笑いDVDも開発中だといいます。


講演する村上名誉教授

 また、赤ちゃんは産まれるまでの母体の中での38週間に、生命38億年の進化を経験して生まれてくる。ここにいる一人ひとりの命は38億年の歴史を生き抜いてきたものであり、非常に尊いものである。人間はどんなに科学が発達しても、大腸菌1匹の生命もゼロからは作れない。大自然の大きな力により産まれてくる子どもたちに命の偉大さと感謝の気持ちを伝えて欲しいと話し、「私の人生では、自分の想いを後世に伝えることが一番大事なこと。教育は先生の想いを生徒に伝え、それがまた次世代に伝わる。生命の連鎖と同じく、想いがつながる素晴らしい仕事です」と教育の重要性を訴えました。


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