ぐるっと流山 かっちゃんの個展

ページ番号14380 更新日 平成21年9月14日

難病と闘いながら描いた絵で個展開 夢と感動を与える作品展に市内外から1500

森の図書館のギャラリースペースで

 かっちゃんの個展「パソコンマウスのゆめ展」が9月12日・13日の両日、東深井の森の図書館で行われました。難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)を患い、人工呼吸器を付け全身で動くのは右手の親指と人差し指だけという戸谷勝國さん(通称:かっちゃん)が、愛用のボールマウスを使ってパソコンで描いた絵を145点ほど集め個展を開いたものです。昨年7月に続き2回目の開催となりますが、今回は新聞やテレビ・ラジオでも大きく取り上げられ、2日間で約1,500人の方々が来場されました。


会場に貼られたかっちゃんの写真と日記

 今回の個展は、戸谷さんのご家族や親類、出身地の長野県旧鬼無里村(現・長野市鬼無里地区)の同級生などが組織した鬼無里会と、会場となった森の図書館との共催で行われました。昨年の開催で、戸谷さんの頑張りや作品の素晴らしさに感動した同図書館職員が、今年も会場使用の申し込みがあったことで、会場としての協力はもちろんマスコミへの情報提供やPR活動などでも力になりたいと共催を申し出たものです。奥様の礼子さんをはじめ個展に携わった方々は皆さん、「病気による障害にも負けず、日々パソコンで絵を描く勝國さんの生き方を、作品を通して多くの方に知っていただきたい」と開催に力を入れてきたそうです。もっと大きな会場で期間も長く、といった声も多かったそうですが、勝國さんのお気に入りの古墳の森が近くにあり、自宅から5分の場所にある森の図書館が最適と考え、また、いらっしゃった方には皆さんに直接ご挨拶したいと、期間も2日間に絞ったとのことです。


制作に2か月を要した水族館

 会場には、1回目の個展開催以降、新たに描きためた60作品も展示されました。最近では、娘さんから送られてきたお孫さんの写真や、ふるさと鬼無里の同級生から送られた長野の風景写真、庭に咲いた花の写真などを見ながら描かれることが多いそうで、1作品に約10日間かかるそうです。昨年に比べるとかなりペースが落ちてしまったとのことですが、礼子さんは「色使いがより繊細になった」ともおっしゃっていました。制作に2か月をかけたという「水族館」は会場内でもひと際目を引きました。水槽の中で鮮やかな魚たちが所狭しと泳ぎ回る大作で、真中にはお孫さんの顔に似た人魚も描かれています。また、受付横には、昨年12月、第27回肢体不自由児・者の美術展で、NHK厚生文化事業団賞を受賞した「真夏の夜の夢花火」が飾られていました。


じっくりと作品を見て回られる来場者

会場に置かれたメッセージノートには、励ましや感動の声がたくさん記されていました。野田市からお越しの北田忠彦さんは、「今はお互い引っ越してしまいましたが、30年前まで野々下で戸谷さんのお隣に住んでいました。新聞で個展の開催を知り妻と一緒に来ました。当時も油絵を趣味とされていたのは知っていましたが、今回作品を見て改めて色彩感覚の素晴らしさに感激しました。病気に負けずこれからも絵を描き続けて欲しい」と語っていました。他にも、「人工呼吸器を使用して生活しています。新聞で個展があると知り市川市から来ました。素晴らしい絵ばかりで親子で元気をいただきました」、「私の父もALSの患者ですが、父にもまだ何か出来る事があるのではないかと思いました。病気の進行に負けないで、絵を描き続けてください。とても素敵な絵でした」といった感想が寄せられました。


NHKも取材に訪れお昼のニュースで紹介

 開催を前に新聞各紙やミニコミ誌などに多く紹介されたうえに、初日の12日正午から、NHK総合テレビのニュースでも報じられたことから、市内や近隣市はもとより品川区、江戸川区、横浜市、八王子市、さいたま市、君津市などの遠方からも大勢の方がいらっしゃいました。江戸川台駅から30分に1便運行されているぐりーんバスが到着すると5人、10人という方が一緒に入場されてきて、「右手の人差指と親指しか動かない人が描いた作品とは思えない」と、皆さん衝撃さえもおぼえた様子でした。勝國さんの病状を伝えた新聞記事を読まれた後、目頭を押さえながら作品を見て回られる方もいらっしゃいました。礼子さんは、「本当に多くの方々にいらしていただいてうれしい。体が不自由でも夢と生き甲斐を持って生活している主人の姿を知っていただき、多くの方の励みになればと思っていますが、皆さんから寄せられたメッセージは逆に主人の生きる励みになっています」と語っていらっしゃいました。


インターネットテレビ電話で自宅の勝國さんと会話も

会場には、パソコンとWEBカメラが用意され、戸谷さんの自宅とインターネットテレビ電話がつながれ、療養中の勝國さんと来場者との顔を見ながらの会話も試みられました。旧鬼無里村から駆け付けた同級生の方がカメラの前から呼び掛けると、勝國さんもうれしそうに笑顔で応えていらっしゃいました。他にも、絵を見た感動を伝えたり、励ましの言葉を送る方が多くいらしゃいました。なお、個展開催の様子は地元ケーブルテレビのJCNコアラ葛飾でも取材され、9月14日のデイリーニュース(18時~、19時30分~、21時30分~、22時30分~、23時30分~)で紹介される予定です。


星野富弘さん

 また、流山市生涯学習センターでは、「星野富弘 花の詩画展 流山」が11月26日から開催されます。星野富弘さんは中学校教諭の時に事故で頸椎を損傷し、手足の自由を失ったにもかかわらず口に筆をくわえて文を書いたりや絵を描き始め、その作品展が全国各地で開かれており、見る人に生きる喜びと感動を与えています。
 ▽日時=11月26日木曜日から12月23日祝日9時から21時▽場所=生涯学習センター▽入場観覧券=前売り…500円、当日…一般700円、高校生300円、中学生以下および障害者手帳をお持ちの方と介助者1名は無料 ※前売り券の販売は、生涯学習センター、文化会館、南流山センター、各公民館、一茶双樹記念館で11月25日まで
 さらに、花の詩画展オープニングコンサートが詩画展初日の11月26日に、文化会館で開催されます。星野さんの詩に曲を付けた岩渕まことさん・由美子さんが、星野さんご本人とのトークを交えながらやさしさに溢れる美しい音楽を届けます。問い合わせは、星野富弘花の詩画展流山を開く会事務局04-7150-7474(生涯学習センター内)まで。


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