ぐるっと流山 電子書籍音声読み上げソフトを設置

ページ番号13933 更新日 平成21年10月23日

視覚に障害があっても読書を 市内3施設で音声読み上げソフトを導入

読み上げソフトを体験

 市では、10月27日火曜日からの読書週間を前に「森の図書館」、「北部公民館」、「生涯学習センター」の市内3施設で、視覚に障害をおもちの方を対象とした電子書籍の音声読み上げサービスを開始しました。このサービスは、7月に市内在住の元映画プロデューサー栗山富郎さんと江戸川大学が視覚に障害があっても読書ができるようにと、電子出版書籍音声転換ソフトと対応パソコンをそれぞれ寄贈したことから実現したものです。ソフトは電子書籍のほか、著作権が消滅した作品(著者の没後50年を経過したもの)をインターネット上で公開する電子図書館「青空文庫」にも対応しており、約1万作品を楽しむことができます。


井崎市長にソフトを手渡す栗山さん

 寄贈に尽力された栗山さんは、導入を記念して10月20日に森の図書館と北部公民館を訪問されました。「自分史を出版する時に、電子書籍の存在を初めて知って驚いた。電子書籍は、視力を失った人間にとっては、肉体機能を取り戻すのと同じほどの画期的なもの。これを広めていくのが自分の役割であると考えた。家に閉じこもりがちな全盲の方々も、本を読むために一度出てきていただければ、本人も変わるだろうし、家族の意識も変わる。電子図書の利用だけではなく、これの使用をきっかけに交流の場にもなってくれると嬉しい」と、音声読み上げソフトの存在を知らない方への広がりを強く望んでいらっしゃいました。


キーボードを操作する細田さん

 森の図書館には、早速このサービスを体験しようと女性の市民の方が訪れました。操作方法などは、市内在住で視覚に障害をおもちの細田賢治さんがボランティアで教えくださいました。細田さんは約3年前からパソコンを勉強し始め、今では操作に必要なキーにシールを貼った「マイキーボード」を使ったパソコンの達人です。森の図書館へは、3回目からおひとりで来館されているそうです。夏目漱石の「こころ」や枕草子を読み上げソフトを使って音声で聞いた女性は、「おもしろい!私にとって電子書籍は希望の光です」と大変感激した様子でした。


道端さんを囲んで

 また、北部公民館には、流山朗読グループ、朗読グループ・おりづる、流山市点訳奉仕会や流山ノートパソコンクラブの皆さんら30人が集まりました。参加者は、日ごろから視覚に障害をおもちの方への「広報ながれやま」などの朗読や点字サービスに取り組まれたり、パソコン技術の市民への普及に腐心されている皆さんです。栗山さんの話に熱心に耳を傾け、また、ご本人も中途失明というハンディを持ちながら卓抜したパソコン操作で読み上げソフトの使用方法などを説明する道端久美子さんを囲んで、“目の見えない人に本を届ける”音声図書室のあり方について様々な意見が交換されました。市内の施設で、このような電子書籍音声読み上げソフトを設置し、職員やボランティアのインストラクターがつくのは、全国でもめずらしい取り組みだそうです。流山発で視覚に障害をおもちの方が楽しく読書できる環境が全国に広がることが期待されます。森の図書館での様子は、JCNコアラ東葛で10月29・30日に放映される予定です。お楽しみに!


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