ぐるっと流山　木村弓さんコンサート

星野富弘さんの詩を木村弓さんが作曲　コンサートで詩画とピアノがコラボ

　12月6日日曜日、生涯学習センターで木村弓さんのコンサートが行われました。同センターで好評開催中の「星野富弘花の詩画展流山」の関連企画として企画されたものです。星野さんの詩に木村さんが曲をつけてピアニスト・中川俊郎さんの伴奏で本邦初公演されるなど150人のファンの皆さんは、クオリティの高いステージを満喫されました。木村弓さんは、カリフォルニア州立大学でピアノを専攻し、帰国後、声楽家を志望していましたが、途中健康を害して一時歌を断念されるなど苦しいときに星野富弘さんの詩に励まされたそうです。

　第一部では、花の詩画展にちなんで「花びらのうた」からオープニング。2曲目には、2001年に日本レコード大賞金賞にも輝いた宮崎駿監督作品「千と千尋の神隠し」の主題歌「いつも何度でも」を竪琴「ライヤー」の弾き語りで披露。客席には、「いつも何度でも」を作詞された覚和歌子さんの姿も。覚さんは、地元東葛飾高校のご出身ということもあり、公民館講座の講師や文化会館でのコンサートにもご出演いただいたことがあります。木村さんは、2003年アルバム「流星」に詩人・谷川俊太郎氏と共作し収録した「世界の約束」が再び2004年宮崎駿監督の「ハウルの動く城」の主題歌に起用されたことなどでも有名な方です。

　この日は、作曲家でピアニストの中川俊郎さんがゲスト出演し、自作のCM音楽を演奏されました。中川さんは、武満徹主宰の「MUSIC TODAY‘82」10周年記念国際作曲コンクール第1位、‘88年、村松賞を受賞。演奏・作曲家集団「アール・レスピラン」の一員として‘94年 中島健蔵音楽賞を受賞。一方、CM音楽界においても数々の賞を受賞しています。自作のサントリー「烏龍茶シリーズ」を収録した CD「Chai」ソロアルバムを兼ねた作品集「Cocoloni utao」などを リリース。最近では、草なぎ剛主演映画「山のあなた」の作曲、ピアノ演奏を担当。ことし10月14日には、サントリー音楽財団主宰で現代音楽の全曲オーケストラ作品によるコンサート＜作曲家の個展2009「中川俊郎」＞をサントリー・ホールにて開催。「題名のない音楽会」などテレビ出演も多数されています。

　第二部では、星野さんの詩を木村さんが朗読し、中川さんがピアノで即興演奏し、ステージには星野さんの詩画が映し出されるというコーナーも設けられました。中川さんは、詩画を音楽で表現することについて「星野富弘花の詩画展で直接、原画を鑑賞していると、星野さんの包み込むような柔らかい気迫のようなものが伝わってきて音楽になっていく」と語ってくださいました。

　星野富弘さんの詩に木村さんが曲をつけて歌ったのは、「たんぽぽ」（いつだったか きみたちが　空をとんで ゆくのを見たよ　風に吹かれて ただ ひとつのものを持って　旅する姿が うれしくてならなかったよ　人間だって どうしても　必要なものは　ただ ひとつ　私も　余分なものを捨てれば　空がとべるような 気がしたよ）と、「冬に咲く花 ヤツデ」（夏に咲く花があり　冬に咲く花がある　どちらがしあわせなどと　だれにも言えない　走る人がいる　自転車の人がいる　車椅子の人がいる）の2曲。

　客席からはアンコールの声や拍手が贈られ、「“冬に咲く花”はNHKの“みんなのうた”などで放送していただき、小中学校などで歌ってほしいですね」という声も寄せられていました。今回のコンサートは、生涯学習センター（指定管理者アクティオ株式会社）が主催し、星野富弘花の詩画展流山を開く会・有限会社木村弓事務所・流山文化のまちづくり実行委員会の協力で実現したものです。コンサートが終わる頃には周囲も暗くなり、生涯学習センターでは、星野富弘花の詩画展の看板がライトアップされ、江戸川の流れをイメージして「光が流れるように取り付けた」という佐久間さんがデザインしたイルミネーションが輝き始めました。

　星野富弘花の詩画展流山は、12月23日祝日の朝9時から夜9時（入場は8時30分まで）生涯学習センター（TX流山セントラルパーク駅3分）で毎日開催されています。後半は混雑が予想されますのでお早めにご来場ください。入場料は大人700円、高校生300円、中学生以下無料、障害者手帳をお持ちの方無料（同伴者1名も）。今回のコンサートのように関連企画も数多く予定されています。11日金曜日には「山田恭弘オカリナコンサート」、12日土曜日には「よのなか塾　星野富弘さんについて語る～詩画を通して」、17日木曜日には「星野富弘の詩を歌おう！歌声サロン」、22日火曜日には「ゴスペルごすぺる」などが予定されています。詩画と一緒に講演や音楽もお楽しみください。お問い合わせは生涯学習センター04-7150-7474へ。