ぐるっと流山 ヂンガラ餅行事

ページ番号13222 更新日 平成22年1月12日

五穀豊穣を祈願する「ヂンガラ餅行事」 裸の男衆が餅を取り合う奇祭に500人が歓声

多くの見物客が

 極寒の中、裸の男衆が餅を揉み合う「ヂンガラ餅行事」。雷神社の「鰭ヶ崎おびしゃ行事」、赤城神社の「大しめ縄行事」と並び、3つの市指定無形民俗文化財に指定されているこの行事が1月10日に三輪茂侶神社で行われました。この行事は、ヂンガラ餅保存会(堀江啓亮会長)により運営され、会場には、早くから焚き木がたかれ、男衆が激しく餅を揉み合うこの奇祭を一目見ようと、500人を超える見物客が参道を埋め尽くしました。


餅の取り合いの前に厳粛に神事が

五穀豊穣を祈願しその年の農作物の作柄を占う祭事として、江戸時代から続くと言われるこの行事。もともとは毎年1月8日に行われ、8升の御神酒と8升の鏡餅、野菜や果物、海産物など8種類の供物が神殿に供えられる、末広がりの「八づくし」の祭事です。現在では、1月8日に最も近い日曜日に行われるようになっています。


和菓子の販売

 参道では、みかんや餅の振る舞いのほか、江戸川台の和菓子屋「藤屋」さんが神社に奉納した和菓子「ヂンガラ餅」も販売されました。和菓子「ヂンガラ餅」は、流山市ふるさと産品にも認定されている、和三盆を使った餅にきな粉をまぶした上品な味の和菓子。行事の名を冠した珍しい和菓子を、多くの見物客が買い求めていました。


若衆が登殿

 諏訪神社の上田宮司により献餞の儀、祝詞奏上などの儀式が厳粛に行われた後、「トウ渡し」と呼ばれる次の年の当番への引き継ぎが行われいよいよ「餅取り」の始まりです。社殿の畳を上げ、窓ガラスを取り外し準備が整うと、大太鼓の音が鳴り響き、社務所に控えていた男衆がハッピを身にまとい登場。参道には、見物客が花道をつくり、紙吹雪が舞う中をゆっくりと男衆が社殿に向かいます。


若衆が餅を取り合い

近年では、本番の前に一般の希望者を社殿に入れてカメラ撮影を行えるデモンストレーションも行っています。デモンストレーションとはいえ、ハッピを脱ぎ捨てた男たちが餅を揉みあう熱気は相当のもの。9メートル×6メートル程度の社殿を二十数人の男たちがところ狭しと押し合う姿に、社殿に上がったカメラマンたちは圧倒されていました。


餅を柱に打ち付けて

そしていよいよ本番の餅取り。宮司から鏡餅の下の部分、5升の餅が投げ入れられると、「わっせ、わっせ!餅を上げろ!餅を上げろ!」の激しい掛け声に飛び散る汗。柱に激突する若衆や、倒れこむ若衆も。先ほどのデモ以上に激しい揉み合いに、格子窓の隙間や、正面の賽銭箱に身を乗り出して覗き込む見物客からも「わっせ!わっせ!がんばれ!がんばれ!」の掛け声があがりました。


見事に2つに割れて

 20分ほどの激しい揉み合いの末、男衆が代わるがわる柱に餅を打ちつけ直径40センチほどの餅は真二つに。「お~っ!」という歓声とともに大きな拍手が鳴り響きました。半分になった餅を手にする上田宮司から「今年も豊作間違いなし。おめでとうございます」と告げられると、さらに大きな拍手が起こりました。餅取りに使われた餅は、食べると風邪をひかなくなると言い伝えられ、餅取りを行った男衆に配られます。


餅取りを終えて

 一昨年8月に三輪茂侶神社のご近所に引っ越してきた中川真由美さんと、来月2月に1歳の誕生日を迎えるという葵葉ちゃん親子。餅取りを終え社務所に戻る男衆を送る花道で、男衆の一人から餅のかけらを受け取っていました。「昨年は妊娠中で見に来ることができなかったので、今年が初めての体験ですがすごい迫力でした。最初、なかなか餅が割れないので、景気の悪い世相の反映かな…とも思いましたが、最後にはきれいに二つに割れたので今年は良い年になりそうです。いただいた餅のかけらは、病気にかからなくなるというので、仕事で来られなかったパパに食べてもらおうかと思っています」と話してくださいました。


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