ぐるっと流山 利根運河薪歌舞伎

ページ番号6995 更新日 平成22年10月29日

利根運河で薪歌舞伎  水面に浮かぶかがり火と連獅子

運河水辺に特設舞台を設けて
流山市観光協会

 10月24日(日曜日)、流山市観光協会創立40周年・利根運河通水120年を記念して、利根運河薪歌舞伎「連獅子」を昼の部は文化会館を会場に、夜の部は運河水辺公園に特設ステージを設けての、昼夜2回公演で行われました。親獅子を演じたのは、上方歌舞伎を代表する花形役者・片岡愛之助さん。そして愛之助さんの従兄甥にあたる平成12年生まれの歌舞伎俳優、片岡千之助さんが、初役で仔獅子をつとめました。


文化会館での公演
流山市観光協会

 「連獅子」は、「石橋物(しゃっきょうもの)」とよばれる代表的な歌舞伎舞踊の一つです。舞台は、親子の狂言師が石橋の謂われや、親獅子が千尋の谷へ仔獅子を突き落して試練を与える様などを踊って見せるという趣向で幕を開けます。戯れ遊ぶ蝶を追ううちに姿を消した二人と入れ替わるように現れた、文殊菩薩の霊獣である親獅子と仔獅子の精が、長い毛を振り回しながら「狂い」という演技を見せるという、緊迫感みなぎる豪快な舞踊で人気の高い演目です。


かがり火が水面に移る幻想的な舞台で
流山市観光協会

 文化会館で公演が行われた昼の部では、約700人の歌舞伎ファンや家族連れが集まり、連獅子の臨場感や迫力を堪能しました。歌舞伎を初めてご覧になるだろう小学生のお客様などが多く見受けられました。そして利根運河で行われた夜の部では、あいにくの雨にもかかわらず約800人のお客様がご来場になり、運河河畔に設置された、かがり火に照らされる幻想的な舞台で親子の獅子がみせる「狂い」に魅了されました。


華道パフォーマンス
流山市観光協会

 文化会館では、初めて歌舞伎をご覧になる方の為の「歌舞伎のみかた」を愛之助さんのお弟子さんである片岡愛一郎さんが実演。また、利根運河薪歌舞伎の上演を記念した華道パフォーマンスと歌舞伎囃子のコラボレーション演目「牡丹百華」も披露されました。鳳聲喜三雄さんの笛、田中傳次郎さんの小鼓の演奏にのせて、華道家・石渡正華さんが「連獅子」の舞台となる清涼山の麓に咲く牡丹の花をイメージした紅白の作品を鮮やかに完成させ、会場からは大きな拍手が送られました。


雨の降りしきる中で
流山市観光協会

 夜の部では開場中から雨が降り出し、屋外での上演が危ぶまれましたが「お見えになったお客様の為に」との決断で、上演が決定されました。開演前の客席では、公演のボランティアとして参加した、流山おおたかの森高校国際コミュニケーション科で日本文化を学ぶ生徒たちが、手摺のない階段でお客様に肩を貸し、席にご案内するといった微笑ましい場面もありました。


長い髪を振りまわし水しぶきも遠くまで
流山市観光協会

 降りしきる雨の中、演者のお二人が舞うたび水が跳ね上がり、長い毛を振りまわすシーンでは遠くまで水しぶきが飛びました。愛之助さん、千之助さんの鬼気迫る演技に、観客席からは、「感動した」「涙が出た」といった声が聞かれました。濡れてしまうと楽器の音が出なくなるため、今回は舞台裏のテント内で演奏をして下さいました長唄・囃子方の皆様は「忘れられない公演になった」と話されていました。


幻想的な舞台での歌舞伎上演
流山市観光協会

 利根運河を舞台とした古典芸能は、平成19年と平成21年の2度、薪能が行われましたが、いずれも雨のため場所を屋内に移しての開催となりました。今回も雨の中となりましたが、川面にかがり火が映る中での歌舞伎の公演に感動の声を寄せて頂いています。今年通水120周年を迎え、9月には皇太子殿下とオランダのアレキサンダー皇太子殿下もご視察された利根運河。11月には「全国運河サミット」も行われ、豊富な自然を活かした観光や地域の憩いの場として更なる活用が期待されます。


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