ぐるっと流山　米田選手とスポーツ教室

流山幼稚園でスポーツ教室 五輪金メダリストが体操を指導

　　12月3日（金曜日）、市立流山幼稚園でアテネオリンピック金メダリストの米田功さんをお招きして、「米田選手とスポーツ教室」が行われました。これは、長期的に低下傾向にある子どもの体力・運動能力を向上させるために、文部科学省が実施している「スポーツ選手活用体力向上事業体操教室」で、今回、下半期の事業に流山幼稚園が選ばれ実施されたものです。

　この日は、年長・ばら組の子どもたち28人が、半そで半ズボンの体操服で元気に参加。米田選手とは年代も近い保護者の皆さんも大勢集まり、賑やかなスポーツ教室となりました。講師の米田選手が金メダルを首にかけて登場すると、子どもたちは大きな拍手と羨望のまなざしを送りました。子どもたちはもちろんのこと、保護者の皆さんも先生方もオリンピックの金メダルを間近で見るのは恐らく初めてのことでしょう。

　米田選手は、2004年のアテネオリンピックで、日本男子体操のキャプテンとしてチームを引っ張り、団体で金メダルを、種目別個人の鉄棒でも銅メダルを獲得する活躍を見せました。現在は、体操指導者やメンタルトレーナーとして活動されています。はじめの挨拶で「自分が体操を始めたのは7歳の時。皆さんは、まだ6歳なので今から頑張ればどんなことでも一流になれます」「何でもいいから楽しく、そして長続きさせることが成功の秘訣です」と期待を込めて話してくださいました。

　「緑がいっぱい　流山　おはよう元気な　ごあいさつ…」子どもたちは、いつも歌っている「流山幼稚園の歌」を大きな声で歌い米田選手にプレゼント。始めに、米田選手も加わって準備体操「ナミナミナ」で身体を温めました。続いて米田選手が、運動でケガをしないようにと手首・足首を回したり、ストレッチをしたりと十分なウォーミングアップを指導してくださいました。

　身体の準備もできた所でいよいよ実技指導。最初はマットを敷いて「前転」です。もっとも基本的なマット運動ですが、米田選手から「手をついたら自分のおへそを見るように身体を丸めて」とアドバイスされると、上手にくるっと回れて笑顔になる子どもたちが多かったようです。次は、やったことがないと言う子も多かった「後ろ回り」。マットの下に跳び箱の踏み台を入れて、少し傾斜をつけて挑戦しましたがやはり難しく、なかなかできませんでした。米田選手は、「新しいことに挑戦することは大切。できた時の喜び、できなくてもチャレンジすることが楽しくなる」と話されました。

　実技の最後は「側転」です。跳び箱を用意して、跳び箱に手をついて横に回る練習をしました。最初はなかなか飛んで回るということができませんでしたが、ちょっとした障害物を置くことでうまく飛べるようになりました。簡単なことで見違えるような子どもたちの動作に、園の先生方や保護者の皆さんも感心しきりでした。「マット運動がうまくなるには、もちろん腕の力を付けることが大切。あと、手と手の間を見ることも上手に行うコツ」と米田選手が教えてくださいました。

　実技が終わると、米田選手がオリンピック金メダリストの演技を特別に見せてくださいました。まずはロンダート。側転に4分の1のひねりを入れた技で、正式には「側方倒立回転跳び4分の1ひねり後ろ向き」と呼ぶそうです。着地の際には、進行方向に対して後ろ向きになるので、後転跳びのような後方回転系の技につなぐための助走としてよく用いられるとのこと。米田選手は、ロンダートからバク転。更には、ロンダートから手をつかないバク宙を披露してくださり、会場は大きな拍手と歓声に包まれました。

　続いて、米田選手から保護者の皆さんに対しての講和の時間も設けられ、オリンピック選手を支えた家族の話や、選手になってからの気持ちやメンタルの大切さなどをお話しくださいました。米田選手は母親から掛けられた、「名前の功という字は、いずれ大きな成功をするから付けたのよ」という言葉が忘れられず、つらい練習にも耐え頑張ってきたといいます。「何か一つ、子どもの心に残る言葉を掛けてください」とアドバイスされました。「今日の子どもたちは、みんな元気よく、側転で高く足が上がったり、とても体が柔らかい子もいました」とうれしい話もしてくださいました。

　最後に、園児たち全員に金メダルを掛けてくださり一緒に記念撮影。メダルを掛けてもらい緊張したという入澤佑羽ちゃんは、「後ろ回りが難しかったけど、米田先生に手伝ってもらいできてうれしかった」と笑顔。お母さんの由香さんは、「オリンピック金メダリストに指導していただけるなんて感激。子どもも伸び伸びできていたようです。子育ての話やメンタルの大切さなど、お話もすごく参考になった」と語ってくださいました。この日の様子は、地元ケーブルテレビのJCNコアラ葛飾でも取材されました。