ぐるっと流山 「心象の画家~井崎昭治展」

ページ番号7320 更新日 平成23年12月19日

卒寿を祝って市内初の個展 火災前の法隆寺金堂壁画の模写も

「心象の画家~井崎昭治展」

 生涯学習センターで、現在89歳の市民の個展が開かれています。東初石にお住まいの日本画家、井崎昭治さんの市内初の個展「心象の画家~井崎昭治展」です。会期は、12月17日(土曜日)から25日(日曜日)までの午前10時から午後6時まで(21日は第3水曜の休館日)。会場には150点を越す作品と、挿絵を描いた絵本なども展示されています。入場無料。


卒寿を祝って市内初の個展

 井崎さんは、大正11年(1922年)兵庫県須磨で生まれ、大阪市立工芸学校、国立東京美術学校日本画科(現東京藝術大学)に進学するも学徒出陣により、陸軍の特攻部隊に入隊。昭和22年復員後は、大阪府立渋谷高校教員として勤務しながら、日本画を描き続けました。


法隆寺金堂の壁画模写も展示

  昭和23年、26歳にして国家事業であった法隆寺金堂の壁画修復に携わり、普賢菩薩の壁画模写を担当。その1か月後の冬、金堂が炎上し、壁画も甚大な被害を受け、井崎さんは鎮火後の水に濡れた普賢菩薩の輪郭を確認し、涙したそうです。この火災は、後に貴重な文化財を火災から守ろうと、毎年1月26日を文化財防火デーとする全国的な啓発運動へとつながっています。会場には、当時の模写グループの写真や壁画模写も展示されています。


89歳になってから描いた絵画も展示

 壁画写生の任務を終えたのち東京上野に居を構え、本格的な画家活動をスタートさせた井崎さんは、創画会展に10年連続入選など数々の展覧会にて受賞を果たし、平成元年に日本美術家連盟会員となりました。平成10年から流山に転入。89歳を迎えた今も、アトリエで絵筆をとる日々を送っています。会場には89歳になってから描いた絵画も展示されています。


さまざまなテーマを描き続けた連作を発表

 井崎さんは主に日本画を描いてきましたが、聖書の舞台となった地イスラエルなどを旅したスケッチ画のコーナーをはじめ、流山の春や秋の風景、筑波山の雄姿、樹木や花、年輪などさまざまなテーマを描き続けた連作を発表。その作風は多岐にわたっています。


初日には藤島画伯らもお祝いに駆け付けました

 今回開催される個展は、来春2月の卒寿(90歳)をお祝いしようと、日本画壇の重鎮・藤島博文画伯が発起人となり、井崎さんの弟子の江口道子さんらが、全国に散らばった井崎さんの作品約150点を一堂に集めたものです。展示会初日となった17日には藤島画伯らもお祝いに駆け付け、作品を鑑賞していました。井崎昭治展を開く会の江口道子さんは、「多くの方に氏の温かな作品に触れていただきたい」と呼び掛けています。お問い合わせは江口さん(電話:04-7152-5639)。


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