ぐるっと流山 ヂンガラ餅行事

ページ番号6672 更新日 平成24年1月10日

指定無形民俗文化財のヂンガラ餅行事 真っ二つに割れて今年も豊作に

餅を取りあう若衆

 「わっしょい!わっしょい!させ、させー!餅を上げろー」社殿内に響く大きな掛け声と飛び散る汗。裸の男衆が餅を奪い合い餅の割れ具合により、その年の農作物の作柄を占う「ヂンガラ餅行事」が、1月8日(日曜日)三輪野山の三輪茂侶神社で行われました。古くから伝わるこの祭事は、昭和52年に流山市指定無形民俗文化財に指定され、現在、ヂンガラ餅保存会(堀江啓亮会長・30人)により運営されています。


当番を引き継ぐトウ渡し

 縁起がいい末広がりの「八づくし」で、以前は今年と同様に毎年1月8日に行われていましたが、現在は8日に近い日曜に、8升の御神酒と8升の鏡餅(上3升、下5升の円い重ね餅)、野菜や果物、海産物など8種類の供物が神殿に供えられました。社殿には同神社の氏子や来賓など約25人が集まり大太鼓を合図に式典が開式、諏訪神社の上田宮司により献餞の儀、祝詞(のりと)奏上、玉串奉天などが、習わしにのっとり厳粛に執り行われました。式の後には「トウ渡し」と呼ばれる次の年番への引き継ぎが行われ、スルメをつまみに杯が交わされました。


来場者に餅やみかんが配られました

 境内には、500人を超える見物客が集まり大変な人ごみに。氏子の皆さんから甘酒のサービスや、奉納された鏡餅と一緒についたという紅白のお餅も用意され喜ばれました。また、「ヂンガラ餅」という和菓子をつくっていらっしゃる北部中学校前の「藤屋」さんが、和菓子を奉納してくださいました。和菓子「ジンガラ餅」は1個126円で、「流山ふるさと産品」に認定されている評判の和菓子です。この日も300個用意されたそうですが、行事と同じ名前ということもあり、記念に買い求める見物客が多くいらっしゃいました。


参道を男衆が登殿

 畳を上げ、危険防止のためガラス窓も外され「餅取り」の準備が整うと、再度、社殿内の大太鼓が打ち鳴らされ、本日の主役の男衆が鳥居をくぐり提灯で飾られた参道を颯爽と歩き登殿しました。参加された男衆は20代から70代の約30人。良い天気とはいえ真冬のこの時期、男衆は暖房など一切ない社殿内で半てんを脱ぎさらし1枚の裸になりました。一般のカメラマンにも撮影の機会をと、カメラを持った見物客にも本殿に上がっていただき、本番前に20分ほど軽くウォーミングアップが行われました。


宮司から餅が投げ入れられました

 体も温まったところで、いよいよ本番。成人式を終えて、晴れ着姿の新成人も参拝に訪れ、男衆も一段と気合が入った様子でした。上田宮司から直径40センチある5升の餅が男衆のなかに投げ入れられると、「わっしょい、わっしょい」と掛け声をかけながら、「餅はどこだー。餅を上げろ!餅を上げろ!」と、餅を奪い合い、ひとかたまりとなって右へ左へと揉み合いが続きます。男衆の額や背中には汗が流れ落ち、社殿内は大きな熱気に包まれました。


境内まで降りて揉まれました

 境内で見物している皆さんにもサービスにと男衆は途中、社殿から境内に飛び出し餅取りは更にヒートアップ。この日は、合計4回も境内に飛び出すシーンが見られ、見学していた皆さんも間近で餅取りが見られ大喜び。30分ほど激しい揉み合いが続き、5升の餅も3升の餅も近年めったにないほど見事に真ん中から二つに割れました。今年は、空気がとても乾燥していたため、餅も硬くなって良く割れたようです。


見事に二つに割れ、豊作と占われました

 割れた餅を両手にした上田宮司により農作物や天候などの吉凶が占われ、「豊作間違いありません。誠におめでとうございます」と告げられると、詰め掛けた見物客から大きな拍手が送られました。また、「今年は、辰年です。昨年の震災から“たちあがる“年になりますようお祈りします」と挨拶がありました。割れた餅は、餅取りに参加された男衆に配られ、これを食べることで風邪をひかないといわれているそうです。


コアラテレビも取材に

 今年、初めて餅取りに参加した早川佳さん(31歳)は、「昨年、地元の消防団に入団し、先輩に誘われ参加しました。見学したこともなかったのですが、想像以上に激しかったので驚きました。地域に残る伝統行事なので、若い自分たちが引き継いでいかなければならないと思います。大勢の方が見学に来ていただけるのもうれしいですね」と語ってくださいました。この日の様子は、地元ケーブルテレビのJCNコアラ葛飾でも取材され、9日のデイリーニュースで紹介されました。放送後はホームページのBBコアラのコーナーでもご覧いただけます。


割れた餅を片手に

 西初石から奥さんと一緒にいらっしゃった斉藤実さんは、「広報で見て初めて見学に来ました。境内まで降りてきてくれたので、餅取りが目の前で見られて良かったです。すごい迫力でした。餅もきれいに割れたので今年は良い年になるといいですね」と語ってくださいました。1月20日(金曜日)に行われる「鰭ヶ崎おびしゃ行事」も市指定無形民俗文化財で、鰭ヶ崎の雷神社にて午後3時頃より実施されます。七福神の色鮮やかな衣装に身をまとった今年の当番などが、鬼の顔が描かれた的に向かって弓で矢を射ます。こちらも、ぜひお出掛けください。


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