ぐるっと流山 「知の講座」第1回目のテーマは「フジツボの生物学」

ページ番号12676 更新日 平成24年7月5日

「知の講座」第1回目のテーマは「フジツボの生物学」

フジツボの生物学

7月1日(日曜日)、生涯学習センターで、平成24年度「知の講座」が開催され、30人の方が参加されました。この講座は、市民の皆さんに普段博物館で紹介していない内容で、最先端の研究に触れてもらうことを目的として開催しています。第1回のテーマは「フジツボの生物学」。講師は、流山市在住で東京大学大気海洋研究所博士課程の周藤拓歩さん。周藤さんは、東京湾を中心に東北・九州・沖縄などへ行き、フジツボの採取や調査を行っているそうです。


フジツボ

フジツボは海に行くとよく目にする、岩や船などに付いている生き物です。よく見ることができるフジツボは小さいものが多いですが、なかには15センチメートルほどになるものも。その見た目から貝だと思っている方も多いと思いますが、実は貝ではなく、「エビやカニ」の仲間なのです。周藤さんによると、味もエビと貝の中間のような味がするそうで、チリ・スペインでは食材として一般的に流通しているそうです。


講義に聴き入る参加者

「種の起源」を著し、進化論で有名なダーウィンも、実はフジツボの研究を8年間にわたって行っていました。江戸時代に日本で医学を教えていたシーボルトも、ダーウィンに頼まれて日本に生息するフジツボを送っています。世界中からフジツボを集めたダーウィンの研究は完成度が高く、今でも研究を行う際に参考にされているそうです。 
 


フジツボを見ながら解説

フジツボはいったん何かに張り付くと移動することができません。そのため温度などの環境変化に強く、さらに水がない場所でも3~5日ほど生きることができます。その生命力・接着力の強さから人間の生活にとっては、「やっかいもの」として扱われることが多いですが、フジツボの持つ非常に強力な「水の中で接着する成分」の研究が進めば、医療分野などへの貢献が期待されるとのことです。


プランクトンを食べるフジツボ

今回の講座を受講した、東初石にお住まいの小竹恵子さんと、宮園にお住まいの小塚ひとみさんは「若い研究者の話が聞けるので、昨年から参加しています。日常では聞くことができない最先端の内容の研究を知ることができ、研究への情熱が伝わってきてとても面白かったです」と話してくださいました。講師の周藤さんは、「フジツボは進化し続けています。研究のスピードは日進月歩ですが、これからも研究を続けていきたい。流山市では三輪野山貝塚などで、フジツボの化石(殻片)が見つかっているので、昔の東京湾の環境について重要な資料になると思っています」と熱く語ってくださいました。


フジツボ

「知の講座」第2回目は8月5日(日曜日)、テーマは「骨の化学分析から分かってきた旧石器時代人の生活」です。興味のある方は、往復ハガキに住所、氏名、電話番号を明記の上、7月29日(必着)までに郵便番号270-0176流山市加1-1225-6流山市立博物館「知の講座」係までお申し込みください。詳細については博物館(04-7159-3434)へお問い合わせください。


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