ぐるっと流山 原点落語立川流in流山

ページ番号9698 更新日 平成24年8月30日

故・立川談志家元を偲ぶ「原点落語立川流in流山」

原点落語立川流in流山

「原点 落語立川流in流山」が8月29日水曜日、流山市生涯学習センターで開催され、夕方からの公演ということもあり、仕事帰りの落語ファンら約150人が立川流落語の原点とも言うべき三師匠をはじめとする地元の寄席を楽しみました。「立川雲黒斎家元勝手居士新盆企画」と銘打って企画された今回の寄席は、立川流の奥深い落語、本当の面白さを流山で体験してみようと開催されたものです。


故・立川談志家元を偲ぶ

昨年11月21日、喉頭がんのために亡くなった落語家の故・立川談志家元(戒名「立川雲黒斎家元勝手居士」)を偲ぼうと企画されたもので、出演は、立川流落語の原点・立川談幸、立川左談次、立川談四楼の三師匠と、二つ目に昇進したばかりの立川吉笑さん、談四楼師匠に入門して1年目という立川寸志さんの5人。寄席の後には、故・立川談志家元の懐かしい写真を見ながら故人を偲ぶトークショーも行われました。
 


立川寸志さん

一番太鼓の響きに乗って幕が開くと、開口一番は入門1年目の前座・立川寸志さんが登場。44歳で脱サラして落語家になりたいと談四楼師匠に入門して1年。入門がなかなか認められない年齢での異業種への転職は困難を極めたと思われますが、この日の噺は「まぬけ泥」。親分のような大泥棒を夢見る男が子分になりたいと弟子入りを志願して…という泥棒噺の中でも最もポピュラーな作品のひとつで会場を笑わせました。


立川吉笑さん

続く立川吉笑さんは、立川談笑師匠のお弟子さん。わずか10か月で二つ目に昇格し、スピード昇進記録を塗り替えた新鋭です。6月13日に流山市生涯学習センターで開催された「立川流落語まつり」でも「狸の恩返し」で市民を爆笑させました。ご隠居と八っさんが「舌打ちと舌鼓にによる感情表現はどこまで可能か」を追求する噺「舌打たず」。自ら創作した噺だけに、談幸師匠の前の出番でこのネタをかけるのには勇気が必要だったそうです。
 


立川談幸師匠

「吾妻八景」の出囃子で登場した立川談幸師匠は、昭和53年に明治大学商学部卒業と同時に故・立川談志師匠に入門し、前座名は談吉。唯一内弟子修業をされました。昭和57年二つ目に昇進談幸と改名、昭和58年落語協会より独立、立川流落語会を発足。昭和62年家元立川談志の認証により真打に昇進しました。この日は、古典落語の演目の一つ「火焔太鼓」。古道具屋の甚兵衛さんは相当な呑気者。ある日、甚兵衛さんが仕入れてきたのは古く汚い太鼓は…。軽妙な語り口で会場を爆笑の渦に巻き込みます。


立川左談次師匠

「あの町この町」の出囃子で登場した立川左談次師匠。昭和43年故・立川談志師匠に入門し前座名は談奈。昭和48年左談次で二つ目昇進、昭和58年左談次のまま真打昇進。昭和61年若手花形落語会「三人旅」で芸術祭若手奨励賞受賞、昭和62年独演会「はたらく左談次の会」をスタートし定期的に公演を続けています。平成2年宗匠・山藤章二、同人・高田文夫、玉置宏、松尾貴史氏等と俳句の会「駄句駄句会」をスタート。この日の噺はご存知「長短」。気の長い長さんと気の短い短七さんは、性格が真逆なのに仲がいい。饅頭の食べ方、煙草の吸い方に気長と短期な性格の2人を演じ分ける技術はさすがです。


立川談四楼師匠

「喜撰」の出囃子で登場した大トリは立川談四楼師匠。昭和45年に県立太田高卒と同時に故・立川談志師匠に入門し前座名は寸志。昭和55年NHK新人落語コンクール優秀賞受賞、昭和58年立川流落語会第一期真打。真打昇進試験を題材にした「屈折13年」で文壇デビュー、平成2年、初の小説集「シャレのち曇り」を発刊、以後、TV、ラジオの出演の他、落語会、講演会多忙の中、新聞、雑誌に連載エッセイやコラムを書き続けています。この日は、江戸落語の古典「三年目」。大恋愛のすえ結婚した若夫婦は人もうらやむ仲の良さでしたが、妻は長患いの床に付き、幽霊になって会いにくるという約束をしましたが…。夏らしい怪談の要素も含んだ人情噺に笑いが弾けます。


トークショー

木魚に続いて「チーン」という音と共に談幸師匠、左談次師匠、談四楼師匠の3人がステージに登場し、トークショーが始まりました。スクリーンに映し出された故・立川談志家元の秘蔵の写真を見ながら「この頃はまだお元気でしたね」「隣に写っているのはミッキー亭カーチスさんです」「端に写っているのは、若い頃の私。まだ髪がふさふさしています」など賑やかに故人を偲びました。寄席はもちろんマスコミ界に、政界にと話題が豊富だった故人だけに、「ここだけの話ですが…」というトークが次々に飛び出し客席の皆さんも懐かしそうに写真やトークショーを楽しんでいました。


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