ぐるっと流山 高齢社会における地域づくりセミナー

ページ番号24924 更新日 平成27年3月18日

高齢社会における地域づくりセミナー

   平成27年3月15日(日曜)、南流山センターで「高齢社会における地域づくりセミナー」が開催されました。流山市では、誰もが、医療や介護が必要となっても住み慣れた地域で人生の最後まで自分らしく生活し続けることができる地域社会づくりを目指し、千葉県モデル事業の指定を受けて「流山市在宅医療連携拠点事業」を展開しています。セミナーは、その事業の一環として開催されました。講師は、東京地検特捜部検事としてロッキード事件捜査を担当し、現在は公益財団法人さわやか福祉財団会長を務める堀田力さんです。テーマは「住み慣れた地域で人生の最期まで生活し続けるには。ともに考えよう地域社会で私たちができること 居場所で始まる助け合い」です。


公益財団法人さわやか福祉財団会長を務める堀田力さん

  自分らしく生き生き生活し続けるには何が大切なのか、堀田さんならではのわかりやすく、ときにユーモアを交えたお話しをいただきました。講演の概要をご紹介します。前段では、これからの地域社会にとって支え合いが大事になっていくことを述べました。「医療や介護が必要になった時、介護保険のサービスを利用したり、訪問看護師に来てもらえれば体のケアはしてもらえます。でも、人間は繊細な『心』を持っています。だから、心も満たされないと、心がさびしいと生きていくことはできないのです。心のケアがとても大事であり、それは介護保険のサービスだけではできないことです。ヘルパーさんが食事を作ってくれても、いっしょにおしゃべりしながら食べることはできません。だから、そのようなことを支えるボランティアや近隣の人とのふれあいが今後ますます大切になってくるのです。」


   そして、地域で暮らし続けるうえで必要なのが「居場所」であるというお話がありました。実は、流山市には『高齢者ふれあいの家』という集いの場が市内に15か所あり、近隣の高齢者が集まって茶話会や趣味の活動などを繰り広げています。堀田さんは、お話の中で、流山市の高齢者ふれあいの家にも触れたうえで「こうした居場所で楽しく続く秘訣は自分たちがやりたいことをやること」と話しました。また、「みんな誰もがやりたいことがある」それは、何歳になっても「人に何かを教えること」だそうです。高齢となっても、誰もが得意なことがあり人に何かを教えることは可能であることや、編み物が得意な女性が寝たきりの状態でも誰かに編み物を教えた例もあるということです。


   堀田さんは続けて、こう言います。「誰もが、自分の人生の中で習得してきたことを誰かに教えたいという気持ちがあり、それが生きがいとなります。また、高齢者が生き生きと集うためには、高齢者だけで集まるのではなく、若者や子どもも集いの中にいることがよいのです。これは実例なのですが、グループホームで学童保育を行ったところ、認知症の高齢者が子どもから元気をもらっていきいきとして、元気盛りの子どもたちも入居者の高齢者と共に過ごすようになったという成功事例もあるのです。」こうした、世代を超えた交流によって相乗効果を生み出す事例も多々あるそうです。


   最後に堀田さんは次のように、まとめました。「ふれあい、居場所づくりは何も多くの費用をかける必要はなく、ベンチひとつでも成り立つもの。そこから始まる、交流が助け合いを生み出します。みなさん、地域の中で自分ができることを考え、ぜひやっていきましょう。それが、今後の高齢社会で必要なことなのです。」堀田先生から語られる数々のエピソード、ユーモアたっぷりでわかりやすい語り口に参加者からは、笑いや深いうなずきが随所に見受けられました。この日の参加者は280人で、講演を聞いた感想として「わかりやすい講演会であり、今後自分も地域でできることを考えたい。」「高齢となることは楽しいという社会にしていきたい。」という声が聞かれ、講演会終了後は皆が笑顔でした。


   流山市在宅医療連携拠点事業は、高齢化がさらに進み医療と介護の需要が急増するといわれる2025年までに、今よりさらに医療と介護の連携を図り、介護や医療が必要となっても誰もが希望すれば住み慣れた自宅で最期まで暮らし続けられるよう地域ぐるみの支えあいの仕組みを構築していきます。平成27年度も千葉県モデル事業の指定を受け、今回の講演会をはじめ、関係職種の会議や研修等事業を展開していきます。


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