ぐるっと流山 こどもの読書週間 記念講演会「薮内正幸とその絵の魅力」

ページ番号20950 更新日 平成26年4月25日

記念講演会「薮内正幸とその絵の魅力」

   4月19日(土曜日)、森の図書館で、記念講演会「薮内正幸とその絵の魅力」が開催されました。これは、子どもの読書週間にちなんで、山梨県北杜市にある日本で唯一の動物画専門の美術館「薮内正幸美術館」の館長でご子息の藪内竜太氏が薮内正幸氏について講演したもので、50人のファンが耳を傾けました。故・薮内正幸氏(1940年から2000年)は動物画家で、サントリーの愛鳥キャンペーンの新聞広告でご覧になった方も多いと思いますが、1万点以上の原画が残されています。


藪内竜太氏

   正幸氏は、子どものころ動物が好きで、動物園に行き一日中ひとつの動物の前でじっくり観察し特徴を覚えて、家に帰ると、絵に描き、その動物になりきって四足歩行するといった少年だったそうです。当時写真は無く子ども向けの資料が無かったそうで、小学校3年生のとき「動物とわたしたち」という本を買ってもらい「わからないことがあれば質問してください。」と前書きに書いてある山階鳥類研究所の動物学者高島春雄氏に質問を書き連ね、高島氏からも返事が来たそうです。また、小学校高学年から中学生になると哺乳類哺乳類についての質問には、西表島のヤマネコを命名した今泉吉典氏に山猫を紹介され、この二人とめぐり合ったことが子ども時代の大きな財産となりました。


動物画

   高校卒業間近、進路に迷っている時、福音館書店の松居直編集長から、世界一の哺乳類図鑑をつくるので、挿絵をお願いしたいので東京に来てほしいと誘われました。いい児童書を作るため、毎日、上野の科学博物館に通い、骨格の標本を1年間描き続けます。会社の方針転換により、哺乳類図鑑は印刷の段階で中止になりましたが、それが絵本作家になるきっかけとなりました。25歳の時に描いたかがく絵本「くちばし」の、ひたきが飛びながら虫を捕まえる画が、ご本人の密かな自信作だそうです。1977年37歳の時描いた絵本「どうぶつのおかあさん」のライオンの足には、血管が描いてありますと、プロジェクターを使って説明がありました。また、チンパンジーは、肘を境に毛が上向きと下向きに描かれてあり、子ども向けの絵本であっても学者も見られる、本物を画にした本です。フリーになった晩年は、鳥を多く描き1万点以上描いたされた絵の7割が鳥の絵です。頭の中で、骨の状態で鳥を羽ばたかせ、動物は骨格を元に頭の中で動かして一番いい姿を描きました。


動物画の展示

   竜太氏は正幸氏について、「動物が好きだから、よく観察し数多く描き、ひとつの事をやり遂げた結果、細密画家になった。1人でも多くの人に生き物に興味を持ってほしい。話せなくても、相手に顔を見て、相手の本質を知ることがそれぞれがつながり合えます。」と締めくくりました。講演の後、参加者から活発な質問が次々とありました。江戸川台からお越しの石井さんは「動物の絵が素晴らしいので講演を聴きに来ました。薮内正幸さんの絵に対する信念に感動しました。」と感想を聞かせてくださいました。


動物画

森の図書館の次回のイベント「やさしい古文書入門」
日時 5月10日(日曜日)13時から15時
講師 小代渉氏
費用 1000円(資料代)
申込み 電話または直接窓口へ 
お問い合わせ 森の図書館 電話 04-7152-3200
 


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