ぐるっと流山 運河通水120周年記念講演会

ページ番号7021 更新日 平成22年9月28日

オランダ人工師と利根運河  森の学校で新保さんが講演

新保さんが講演

 9月26日(日曜日)、東深井の森の図書館で、利根運河通水120周年記念講演会「お雇いオランダ人工師(デ・レイケとムルデル)と利根運河」が行われ、多くの方々がメモを取りながら熱心に聞き入っていました。講師は東葛自然と文化研究所所長の新保國弘さん。「森の学校」シリーズとして定期的に行われている講座で12回目を数えます。


運河の写真を披露しながら

 利根運河は三ケ尾沼谷津水系を活かして谷津の湿地帯をつなぐ形で掘られたので曲線になったのではないかという航空写真を見せながらの話から始まり、講師がオランダに旅行した際の写真をスクリーンに示しながらムルデルやデ・レイケの墓や周辺の運河の風景なども披露するなど歴史や国際的な話題にも講演は広がり充実した2時間となりました。


会場は満席に

 折しも、9月14日には、皇太子さまが、来日中のオランダのアレキサンダー皇太子とともに、利根運河をご視察されたばかり。お二人は運河について、国土交通省の担当者から説明を受けた後、井崎市長に地域のことを訊ねられるなど運河水辺公園まで歩き、ムルデルの碑の前で立ち止まったりしながら熱心に視察されたことがNHKや各日刊紙などで報じられました。


多くの参加者

 そうしたタイミングもあり、さらに通水120周年でさまざまな関連イベントが行われるなどの盛り上がりから会場は満席。新保さんの「ムルデルはむしろ都市計画が専門だったのではないか」という講演には、客席から「いや河川の専門家だった」と質疑応答も専門的で白熱。利根運河は、郷土史愛好家をはじめ土木技術研究家や生態系の専門家など多くのジャンルでの研究が行われているため、講師にも受講生にも層が厚いテーマのようです。


運河河畔に咲いた曼珠沙華

 明治23年から昭和16年までの51年間にわたる交通の要としての利根運河の役割は終えましたが、平成18年に社団法人土木学会より推奨土木遺産に認定されたのを契機とし、平成19年には経済産業省から近代化遺産にも認定されました。また、運河としては珍しい曲線美と自然環境に囲まれており、財団法人古都保存財団による「美しい日本の歴史的風土準百選」に選定された市内唯一のビュースポットになっており、多くの人々の憩いの場となって新たな役割を担っています。


運河の水辺に白鷺

 通水120周年記念事業として、今年1月に利根運河交流館で行われた写真展「利根運河とボート遠漕」をはじめ、6月の「利根運河の日」には、朗読会と絵画展を中心に行われた「えんぴつ心中」の出版事業。そして10月9日(土曜日)、流山市文化会館で行われる利根運河朗読劇。この朗読劇に向けて生涯学習センターでは朗読ワークショップの受講生の方々は練習に熱が入っているそうです。また、流山市観光協会創立40周年として10月24日(日曜日)に開催される「利根運河歌舞伎」。上方歌舞伎を代表する花型役者・片岡愛之助と、片岡仁左衛門を祖父にもつ、小学生の歌舞伎俳優・片岡千之助の共演による初の「連獅子」の上演も予定されるなど利根運河企画は盛りだくさん。いま、利根運河から目が離せません。

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