ぐるっと流山 「翼をください」絵画展・オオタカを描くワークショップほか

ページ番号7652 更新日 平成23年5月23日

鳥を描き続けた画家・小林重三のせかい~28日まで開催中 オオタカを描くワークショップやバードウォッチングも

オオタカと触れ合う皆さん

 生涯学習センターで28日(土曜日)まで鳥を描き続けた画家・小林重三のせかい「翼をください」が開催され、連日、市内をはじめ都内、大阪、神奈川などから大勢のファンが来館しています。日本三大鳥類図鑑とされる「鳥類原色大図説」「日本の鳥類と其生態」「日本鳥類大図鑑」に作品を残した故・小林重三(こばやししげかず明治20年から昭和50年)画伯の絵画約200点を一堂に集めた展示会で、愛鳥週間企画としてご遺族のご厚意で開催しているものです。21日(土曜日)・22日(日曜日)には多角的な関連事業が行われ、絵画ファンや野鳥愛好者で賑わいました。

 5月21日(土曜日)には、この絵画展の関連事業として、本物の生きているオオタカと触れ合う企画が行われました。流山市内に勤務している田村竹二さんが自宅で飼っているオオタカとハリスホークを連れてギャラリーで記念写真などに応じてくれました。オオタカの「疾風」はウズベキスタンから、ハリスホークの「空」は北米から輸入したオスで、参加者は「きれいね」と絶賛しながら、鳥の胸などをおっかなびっくり撫でていました。また、夏に向かって抜け替わる時期に集めたオオタカの羽根が参加記念品として田村さんからプレゼントされました。この様子は、5月23日(月曜日)に地元ケーブルテレビのコアラ葛飾「デイリーニュース」で放送される予定です。


オオタカの疾風くん

 21日(土曜日)の午後からは鶴の絵画などで有名な日本画壇の重鎮・藤島博文画伯の指導で約35人の参加者が「花鳥画~鷹を描く」に挑戦。モデルは田村さんが飼っているオオタカの疾風くん(2歳)です。「頭を大きく描くと鳩のようになってしまいますよ。鳥は空を飛ぶのですからバランスが大切です」と、自らの大作「山に育つ」というオオタカの親子を描いた作品を会場に展示しながら一人ひとりに丁寧な指導を行なっていました。藤島画伯は、天皇陛下御即位二十年奉祝画「平成鳳凰天来之図」を謹筆され、「鶴の里美術館」やご著書「美感革命」、内閣総理大臣官邸の作品などでも有名な日本画の大家です。藤島画伯は「本物のオオタカをモデルに小学生も大人も一緒にワークショップをするというのは全国初だと思う。素晴らしい企画だ」と感想を聞かせてくださいました。

 翌22日(日曜日)には、NPOさとやまの恵良好敏さんを講師に総合運動公園でバードウォッチが行われました。小学生から中高年者まで双眼鏡を首から下げて、デイバッグを背負った皆さん20人が、汗ばむ陽気の中、約2時間かけて野鳥を観察。集合場所の生涯学習センターを出た一行は恵良さんの「耳を澄ませてください。鳥のさえずりが聴こえますね。あの鳴き声はどんな鳥だと思いますか」と問いかけました。用意した鳥の大きな写真を見せながらクイズなども出して、カラスやスズメなど日常生活に身近な鳥についてもさまざまな角度から解説してくださいました。

 大阪からいらした大阪芸術大学大学院の伊地知栄美さんは、「小林重三さんの作品は戦争で焼失されたりしてあまり残っていないと聞いていましたが、当時は印刷すれば使命を終える挿絵の原画や制作途中のスケッチ画がこれだけ見られるのは絵を学ぶ者にとって貴重な機会です」と感想を聞かせてくださいました。また、都内からいらした土田聡美さんは、「生涯学習センターでオオタカの写真を見たことはありましたが、本物の生きたオオタカを見て、手に触れることができたことに感激です」と語ってくださいました。


ゲストトーク「小林重三の絵を見ながら触れる、鳥の絵と鳥類研究」

 22日(日曜日)の午後からは、財団法人山階鳥類研究所の平岡考さんのゲストトーク「小林重三の絵を見ながら触れる、鳥の絵と鳥類研究」が行われました。平岡さんは、今回の絵画展の準備に際して「写真機材や技術が発達した現代では鳥の絵は過去のものになってしまったのか」というスタッフとの会話の中から、例えばくちばしの模様の違いなどを考察する際には、同じ向きで同じ大きさで比較するために絵の方が解りやすいのではないかと、小林重三が鳥類図鑑に挿絵を描いた時代の木版画の道具なども示しなら興味深い解説をしてくださいました。

 一方、21日(土曜日)からドイツのクンストハーレ・デュッセルドルフ美術館では、流山の子どもたちが生涯学習センターのワークショップで描いたオオタカの大型絵巻が展示され、同日にはドイツの子どもたちもオオタカの絵巻づくりに挑戦しました。流山の子どもたちが描いた「流山鳥獣絵巻~オオタカの群れを描こう!」は5月21日から7月3日までドイツで展示される予定です。ワークショップを指導した現代アートのパルコキノシタさんからの要望で生涯学習センターが絵巻を貸し出したもので、日独共同開催の鳥の絵画展となりました。

 絵画展の最終日、28日(土曜日)には、岩手県出身のチェリストで設立50周年を迎える東京ヴィヴァルディ合奏団の音楽監督としても活躍する渡部宏さんが被災地の復興チャリティコンサートを行い、入場料金(前売り1,000円、当日1,500円)を全額被災地復興支援のために寄付されます。演奏曲は「鳥の歌」、「白鳥」、「翼をください」など。渡部さんは、東京藝術大学音楽学部管弦楽研究部首席奏者で、5年前に東京ヴィヴァルディ合奏団創立45周年を記念し、ソロ・CD~鳥の歌~無伴奏チェロ作品集をリリースし音楽各誌で絶賛されました。チャリティコンサートは午前11時からと、午後3時からの2回公演。流山の子どもたちもゲスト出演します。お問い合わせは、生涯学習センター(電話:04-7150-7474)へ。

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