マックスプル工業株式会社

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ページ番号1021176  更新日 令和1年7月2日 印刷

マックスプル工業株式会社 代表取締役 小野幸一社長にお話を伺いました


御社の会社概要と主な事業内容について教えてください。

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手動ウインチ

 弊社は1976年創業の「ウインチ」(巻上げ機)という機械の製造・販売を行う、世界的にも珍しい専業メーカーです。社名のマックスプルとは"Pull to the Maximum"(最大に引っ張る)という機械の姿・能力を象徴した造語です。

ウインチとは、大変自由度が高い<動力源>です。ウインチから繰り出されたワイヤロープを滑車などでベクトルを変えることで360度どの方向からでも、ワーク(動かしたい物)に力を伝達することができます。

弊社の製品は、人の力で回す「手動ウインチ」と、モータの力で回す「電動ウインチ」を製造・販売しています。お蔭様で手動ウインチの国内シェアは70%に達しています。

 

ウインチは、主にどのようなところで使われているのですか。また、御社の製品の特徴はどのような点で、これまでの実績として印象的な場面としてどのようなものがありますか。

ウインチはとても幅広い分野のお客様に使われています。自動車メーカーや造船工場などの重量物搬送システム、半導体や精密機器製造工場などのクリーンルームでの吊り昇降システム、各航空機メーカーやJAXA(宇宙航空研究開発機構)などの宇宙ロケット開発、薬品製造工場や食品工場などの現場、原子力、火力、水力発電所、最近では風力発電の大きな風車の中にも必ず一台マックスプルウインチが搭載されています。

全てはご紹介しきれませんが、近年の大きな事例では、2018平昌冬季オリンピックのスキージャンプ台の防風ネットでの活躍があります。スキージャンプ台を囲うように高さ25m×長さ255mの防風ネットの上昇・固定・下降を行う為にマックスプルウインチ(EME-1300型×20台)を平昌へ送りました。オリンピックテレビ中継では山風の影響を受けずに、颯爽と飛行するジャンプ選手の背景に、この巨大な防風ネットが何度も映り込み、とても嬉しかったです。

また、印象深い場所での活躍ということであれば、南極での活躍があります。国立極地研究所とタッグを組んで、南極の氷を地下3000m以上掘り進み採取しようとする『南極・氷床ドーム深層掘削プロジェクト』に参加しています。2007年1月26日、南極のドームふじ基地で地下3035mの堀削に成功し、72万年前の氷柱採取・吊上げに成功致しました。

この様な大自然のメカニズムに挑戦するチャレンジ精神こそ、マックスプル工業の熱いエネルギーになっています。

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平昌スキージャンプ台     防風ネットの活躍を支えるウインチ  南極・氷床ドーム深層掘削プロジェクト

 

 

 

ウインチは運動場や体育館など我々の身近な場所でも使用されていますが、その他で一般市民に密接に関係しているケースはありますか。

懸垂幕
懸垂幕を上げ下げするウインチ

ウインチは意外に皆様の生活の近くでも活躍しています。ファストフード店やファミリーレストランの店舗前には必ず細長い垂れ幕が上がっていて、旬のメニューを宣伝しています。あれは「懸垂幕」と言ってマックスプル手動ウインチを使って上げ・下げしています。

野球場のバックネットを昇降しているのもマックスプルウインチです。ゴルフが好きな方であれば、休日に打ちっ放しの練習場に行かれると思います。巨大なネットで囲まれボールが外に飛び出さないようになっていますが、その防球ネットを昇降・固定しているのもマックスプルウインチです。

また、コンサートホールや演舞場、結婚式場で舞台照明や音響設備などを吊り下げているのもマックスプルウインチです。

最近のD.I.Y.(Do It Yourself)ブームの流れでしょうか。ホームセンターでもミニマックスプルウインチPM-200型、PM-100型が陳列販売されるようにもなりました。

 

 

BtoBの取引が中心だと思いますが、主な取引先はどのような業種でしょうか。また、国内シェア7割を占めていますが、御社の強みはどのような点ですか。

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特殊ウインチ

先程のご質問でもお答えしましたが、ウインチはとても幅広い分野のお客様に使われています。”動かす”ことが必要なアイデアが浮かんだ方は全てお客様です。弊社の製品は代理店制度を敷いていますので、全国の機械器具商社経由でエンドユーザー様にお届けしています。

弊社の売り上げは大きく分けて標準品と特殊品があります。

標準品とは生産管理システムより生産数が導き出され、金型で部品を成型し、それを組み上げ月間千台以上もの製品を市場に供給しています。100Kg~3000Kgの物を吊上げる事の出来るウインチをサイズ別に継続計画生産しています。

特殊品とはお客様の現場に合わせたオーダーメイドの世界に一つだけのウインチです。引張能力が数Kgのウインチ~10000Kg以上のウインチまで、お客様のご希望に合わせて製作します。この様に特殊品を、提案→設計→製造→納品とこなせる技術力にも多くの信頼をいただいております。

弊社は世界的にも珍しいウインチ専門メーカーです。『吊り上げる』『引っ張る』のスペシャリストとして、培ってきたノウハウと技術力がマックスプルウインチの強みです。

加えて機械としての、ずば抜けた耐久性・丈夫さがお客様からの信頼を得ています。製造後30年以上を経過したウインチが今日もメンテナンスの為、流山工場に全国から戻ってきています。

 

納入先にはインドネシア、シンガポールやタイなど海外も含まれていますが、今後は海外市場への展開を積極的に考えていますか。御社の製品は、国内でトップシェアを誇るまでに至っていますが、海外市場への展開についてお聞かせください。

maxpull
MaxPull USAの活動

7年前より、積極的に海外展開を開始致しました。その準備としてヨーロッパの安全規格である「CEマーク」をイギリスの認証機関にて取得。加えて、世界の品質マネジメントシステムである「ISO9001」の取得も行い海外に出る準備を整えました。

東南アジアのマーケットを狙い、JETRO(独立行政法人日本貿易振興機構)の海外進出支援企業プロジェクトの認定を受け、積極的に海外展示会に出展した結果、現在10か国12企業とマックスプルウインチの代理店契約を締結することができました。

また、2016年にはアメリカ ワシントン州にMaxPull USAを設立。ここを拠点にアメリカ全土とヨーロッパ市場に展開を始めています。先日、MaxPull USAにNASA(アメリカ航空宇宙局)から手動ウインチの発注を受け、流山本社工場で製作したウインチをカリフォルニア州にあるNASAへ発送しました。流山商工会議所には輸出の際「原産地証明書」の発給で大変お世話になっています。

日本で70%のシェアをいただいた製品であれば、世界でも受け入れてもらえると信じています。

Made in流山のウインチを世界に広げていきます。

 

本社・東京工場(葛飾区)と埼玉工場(八潮市)を統合し、流山市内に本社を移転整備した経緯や位置づけについてお聞かせください。

本社
マックスプル工業株式会社外観

弊社は1976年に本社工場を東京都葛飾区に置き起業し、企業規模の拡大と供に埼玉工場、埼玉ストックヤードと展開してまいりました。しかしながら葛飾区の本社工場では、周辺の宅地開発が進んだ結果、夕方にはお隣の晩ご飯のメニューが匂いで判る程の近隣住民との距離で作業をしていました。結果として、宅地開発の進展は、やむを得ないこととはいえ近隣住民の生活を考えれば、打撃音が発生する作業は遠慮せざるを得なくなりました。

また、本社工場、埼玉工場、埼玉ストックヤードと3分断されていたことで、その間の人員・部品パーツの移動距離・時間など目に見えないコストも課題となっていました。

そこで、「機械製造メーカーとして健全な立地環境の工場に移転する。」「3つに分断された本社・工場・倉庫を1つに統合出来る敷地面積を持つ工場に移転する。」「現社員が誰一人欠けることなく通勤出来る圏内であること。」という目的から引越しプロジェクトが動き出しました。

弊社にとって、最大最重要なプロジェクトでした。

 

どういったスタッフが何人くらい働いているのでしょうか。また、その中に流山市民の方はいらっしゃいますか。

スタッフ
従業員の皆様

流山本社・工場には、総務経理部1名・営業部4名・海外営業部2名・製造部設計課4名・製造部資材課4名・製造部組立課6名・製造部加工課3名で運営しています。流山市に移転していから採用活動を行い製造部組立課で3名、製造部資材課で1名、製造部設計課で1名を柏市・野田市・松戸市・流山市から社員採用が出来ました。今後も積極的且つ継続的に採用を行っていきます。

数ある場所から流山市を選んだ理由、決め手は何だったのでしょうか。

弊社は40年以上東京都葛飾区で生産してきました。よって弊社社員もその近郊より採用し、また大切な製造協力会社様も東京葛飾金町周辺にいらっしゃいます。社員と協力会社様の2つは弊社の宝物であり、損なうわけにはいきませんので、立地場所として、東京から遠隔地ではいけないということは、移転における優先事項でした。

4年掛けて、30以上の数多くの引越しプロジェクト候補地を見て回り、そして最後に出会ったのが”都心から一番近い森のまち”の「流山工業団地」でした。立地・土地型・面積・健全な環境と、すべての条件に合致し一目惚れしました。

加えて、作り上げた製品「ウインチ」をお客様へ発送するのにも常磐道流山インターにも5分、三郷ジャンクションにも近いという物流の魅力も決め手の一つになりました。

 

 

流山市への本社移転にあたって、流山市の企業立地優遇制度を利用されましたが、優遇制度は本社移転先の選定要因となっていましたか。また、交付を受けた奨励金は、今後の企業活動のどういったところで活用していく予定でしょうか。

勿論、選定要因の一つです。中小企業にとって、移転・引越しに掛かるコストはとても大きな金額です。土地購入・社屋の建設・工場設備ラインの設計などの、移転・引越しに掛かる直接コストは勿論の事ですが、カタログ・社封筒・名刺の全てのリニューアルなど間接コストも莫大なものです。その点で企業立地優遇制度の活用はとても意義のあるものです。

いただいた奨励金については、新製品開発のプロジェクトに活用しています。心機一転、環境も変わった事によって発想力も豊かになり良い新製品を作りだそうと一生懸命研究開発をしています。工業製品の研究開発は試しては失敗の”trial and error”の繰り返しですので時間とコストが掛かります。特に弊社の製品は重量物を吊上げる機械ですので間違いは許されません。安全で安心なウインチを生み出せるよう奨励金を活用していきます。

 

安全への取り組みについてお聞かせください。

マックスプルウインチでは『製品に含まれる有害化学物質を徹底的に排除することにより、未来の地球環境に悪い影響を残さないように。』との弊社環境ポリシーのもと、特定有害物質を排除した代替技術、特定有害物質を一定以上含まない素材・部品の調達を進めた結果、手動標準ウインチの『RoHS 指令適合品化』に成功いたしました。とても難航したプロジェクトですが、これからの子どもたちに安全な地球を渡すことを目標に全社員で取り組みました。

 

社内教育として力を入れて取り組んでいるものはありますか。

社内QMS活動に従って、各自が所属長と話し合い目標を立てています。

その目標を達成する為に必要な技量・知識を習得する事を目的として、外部の研修会やスクールの授業を選択して受講するシステムになっています。社内での講習ではなく外部の研修会やスクールに拘っているのは、他社の参加者とグループ討議を行うことによって、刺激を受ける事が出来るからです。どうしても自社工場内で仕事が完結する製造業は、外の刺激を受ける機会が減ってしまいます。考え方が偏ってしまう。そこを改善するには、受講料などのコストは掛かりますが積極的に外部の教育機関を利用することを推奨しています。

また、弊社は社員全員との情報の共有にも力を入れています。方法は弊社の社員だけがログインできるポータルサイトをインターネット上に持っています。そのサイトには『各人の本日の予定』、『各人の日報』、『御来客の予定』、『今月の売上金額』、『製品の在庫数』、『発生したトラブル』、『受注出来た現場の写真や動画』、『嬉しかった事やグチ』等々・・今何が会社に起きているか!?が誰でも判るシステムです。その投稿に対して社員が「いいね!」やコメントを付ける事もできます。会社内に隠しごとはありません。

 

実際に流山市内で事業を進めてきた中での感想、また最近新たに気が付いた点などはありますか。

 創業以来40年以上東京都葛飾区で営業していた弊社としては、当初は東京に本社を置くことがステータスのような風潮が私にも社員にもあったと思います。しかしながら、工業エリアに住居エリアが拡大近接してきている大都市部で、製造業を継続する事は困難になってきました。

それでは、すぐさま大企業のように、アジア諸国の整備された賃貸工場物件へ国内製造拠点を移転できるかと言えば、弊社のような中小企業の財源と人的資源では不可能です。このような経営的な事業継続の観点からも、「一歩足を伸ばせば、そこは都心」といえる流山市の存在価値は大きいと考えます。

身近な話では、移転当初は、流山工業団地の最寄り駅はアーバンパークラインの運河駅で距離は2.5キロメートル程ありますので、社員から「駅から会社まで遠い。」など不平不満がありました。

しかし、時が経つにつれ、「出勤道中の利根運河に珍しい野鳥が見られる」とカメラを持って出勤する者が現れ、通勤道中を楽しむまでになりました。夏には、女性社員がカブト虫を捕まえて出勤してきたこともあります。皆、都心から一番近い森を気に入ったようです。

 

今後、行政に期待することは何でしょうか。

身近な案件ですが、アーバンパークラインの運河駅から流山工業団地間の公共交通機関(バス)の路線拡張にお力添え頂ければ幸いです。流山工業団地協同組合としても各バス会社と折衝しているのですが、なかなか良い返事をいただけていない状況です。冬期は16時には日が落ち、女性社員を帰宅させる時に不安を感じます。

 

今後も流山市内で企業活動を行っていくうえで、市内産業との連携、市民の雇用、地域貢献などの面での抱負などがありましたらお聞かせください。

進路体験学習の様子流山産業博
進路体験学習の様子  流山産業博の様子

流山工業団地協同組合を通じて千葉県流山高等学校の『進路体験学習』を開催しています。製造業の社会的な意味や貢献度、モノつくりの楽しさなど伝え、彼らの進路を決める時の参考になれば嬉しく思います。

流山商工会議所を通じて『流山産業博』にも出展・協賛いたしました。実際にウインチのデモ機を展示して来場された方に錘を吊上げていただき、重量物が人の力で軽く巻き上がることを体験していただきました。お子様には大人気でした。

また、月一度の『クリーンデー』には流山工業団地協同組合の組合員と一緒に、におどり公園や利根運河の清掃活動を全社員が行っています。

今後も弊社は継続して積極的に地域貢献に参加してまいります。

 

流山市民へメッセージをお願いします。

パンフレット構成
パンフレット

ウインチは縁の下の力持ち的な機械ですので、皆様には馴染みの無いものだと思います。

しかし、ちょっと街に出かけて見渡せばウインチを見つける事ができると思います。学校の体育館でバスケットボールのゴールネットを吊上げていたり、高速道路脇に立っている標語『おみやげは 無事故でいいの おとうさん』を吊上げていたり・・・。

今回のインタビューでウインチに興味を持っていただければ嬉しいです。弊社ホームページでは、サムライが刀を振り回しているウインチPR動画など、弊社の技術力を知っていただけるような案内をしております。ぜひ、ご覧いただきたいと思います。

 

流山市への進出を考えている事業者へメッセージをお願いします。

 定期採用が難しい中小企業にとって「社員の高齢化」が懸案事項になっていると思います。ご多分に漏れず弊社も社員の平均年齢が50歳を超え、採用活動を活発に展開しましたが、東京都に本社を置いていた時は競争も激しく思うように若い社員の採用に至りませんでした。流山市に本社を移転した当時は都内から離れることについて、中途採用者の確保などの面で以前よりも苦戦するのではないかと懸念する意見も多数ありましたが、結果、流山本社に移転後5名の採用に成功しました。その内3名は平成世代の社員です。

これは流山市が少子高齢化・労働人口の減少といった社会情勢の到来を早くから見極めて「母になるなら、流山市。」とシティセールスを進め、子育て世代に対する施策に重点を置いた結果です。それは総務省統計局資料「平成30年全国市町村5歳階級別転入超過数ランキング」で流山市は、全国8位となり政令指定都市を除けば全国1位の結果が証明しています。

電車通勤も都心へ向かう人とは流れが逆になりますので社員の通勤ストレスも軽減出来る事も利点でしょう。若い世代が定住している街に企業が立地するということは、優秀な社員を獲得出来る機会を多く得ることができ、経営の安定にも直結します。

緑(自然)が豊かなことも大切なポイントの一つです。私のオフィスの窓からは森が見えています。「都心から一番近い森のまち」です。

流山市への進出をおすすめ致します。

 

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