生物多様性ながれやま戦略第三期(案)テキスト版 表紙 生物多様性ながれやま戦略第三期(2026年度(令和8)年度〜)(案) オオタカ、キンラン、アサマイチモンジ、ニホンアカガエルの写真 本戦略内で使用している写真の提供者(敬称略・五十音順) 黒田準介、紺野竹夫、高橋秀治、土門康夫、山本啓子、若林弘行 3ページ はじめに 市長あいさつ文掲載 令和●年●月 流山市長 井崎義治 4ページ 目次 はじめに3ページ、目次4ページ、第1章策定の背景5ページ、第2章生物多様性ながれやま戦略の基本事項6ページ、第3章第二期戦略の実績と評価10ページ、第4章重点地区・拠点のすがた14ページ、第5章第三期戦略の施策と目標33ページ、第6章推進体制・進行管理42ページ、資料編45ページ、資料1生物多様性についての基本事項46ページ、資料2持続可能な開発のための2030アジェンダ【持続可能な開発目標(SDGs)】49ページ、資料3種の多様性について50ページ、資料4緑の創出の分布図55ページ、資料5流山市の主な活動状況56ページ、資料6戦略策定の経緯59ページ 5ページ 第1章 策定の背景 生物多様性は人類の生存を支え、人類に様々な恵みをもたらすものです。生物に国境はなく、世界全体で生物多様性の保全に取り組む必要があります。そのため、1992(平成4)年に「環境と開発に関する国連会議(地球サミット)」にあわせて「生物多様性条約」が採択され、1993(平成5)年5月には日本も条約を締結、同年12月には所定の要件を満たし、本条約が発効しました。 日本でも、生物多様性の保全と持続可能な利用に関する施策を総合的・計画的に推進することで、豊かな生物多様性を保全し、その恵みを将来にわたり享受できる自然と共生する社会を実現することを目的に、「生物多様性基本法」を2008(平成20)年6月に制定しました。生物多様性基本法は、生物多様性の保全と利用に関する基本原則や生物多様性国家戦略の策定、白書の作成などを規定し、日本の生物多様性施策を進めるうえでの基本的な考え方を示しています。また、国だけでなく地方自治体による生物多様性地域戦略の策定の努力義務などを規定しています。千葉県では同法より制定の早い、2008(平成20)年3月には生物多様性ちば県戦略を策定しました。 このような背景を踏まえ、流山市では2010(平成22)年3月に、生物多様性の保全と回復に関する取組を計画的に進めるとともに、生態系ネットワークと市民活動団体等のネットワークを構築するため、50年間のグランドデザインを描いた生物多様性ながれやま戦略(以下「50年間戦略」という。)を策定しました。中期段階(第二期2018年〜)として初めての改定を迎え、初期段階から続く4つの基本方針を維持しつつ、中期段階を更に前進させていくため、2026(令和8)年から概ね5年間の取組について定める本戦略(第三期)を策定するものです。 (図)50年間戦略からみた本戦略の位置づけ 2010年から2059年までの50年間戦略を図で表しています。 初期段階概ね5年(第一期2010〜) 中期段階概ね5年(第二期2018〜) 本戦略 中期段階のうち概ね5年(第三期) 最終(後期)段階 (図)終わり 6ページ 第2章 生物多様性ながれやま戦略の基本事項 1.戦略の位置づけ 生物多様性ながれやま戦略は、生物多様性基本法第13条に基づき策定するとともに、上位計画である「第3次流山市環境基本計画」と整合を図り、生物多様性の保全・回復の取組を進めます。 (図)条約や法律、計画との関係を図で表しています。 生物多様性条約1993(平成5)年発効 生物多様性基本法2008(平成20)年 生物多様性国家戦略2023-2030 2023(令和5)年 ※1995年策定から5回改定 生物多様性ちば県戦略2008(平成20)年 流山市総合計画【基本構想・基本計画】2020(令和2)年度〜2029(令和11)年度 第3次流山市環境基本計画2025(令和7)年度〜2034(令和16)年度 生物多様性ながれやま戦略(第三期)2026(令和8)年〜 生物多様性ながれやま戦略(第三期)は下記の個別計画と整合を取ります 流山市都市計画マスタープラン2020(令和2)年〜2030(令和12)年 流山市みどりの基本計画2020(令和2)年度〜2029(令和11)年度 流山市景観計画2022(令和4)年度〜 流山市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)2023(令和5)年度〜2030(令和12)年度などの個別計画 (図)終わり 2.対象地域 50年間戦略の対象地域は市内全域です。生物多様性の保全・回復を進めていくためには、自然環境が豊かな市街化調整区域(※1)はもちろん、市街化区域(※2)も含めた市内全体が生物多様性に配慮したものである必要があります。 (※1)都市計画法第7条に基づき、市街化を抑制すべき区域のことをいいます。 (※2)都市計画法第7条に基づき、すでに市街地を形成している区域及び概ね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域のことをいいます。 3.対象期間 50年間戦略の期間は2010(平成22)年3月から2060(令和42)年3月までです。生物多様性ながれやま戦略(第三期)(以下「第三期戦略」という。)は、そのうち2026(令和8)年度から約5年間とします。 3.50年間戦略が定める理念等 (1)戦略の理念 オオタカがすむ森のまちを子どもたちの未来へ (2)戦略の目標 多くの生きものが生息・生育する多様な環境〜水と緑の回廊による生態系ネットワークの構築〜 (3)基本方針 基本方針A 生物多様性の保全・回復 詳細は37ページ参照 基本方針B 生物多様性の持続可能な利用 詳細は38ページ 基本方針C 環境教育・環境学習機会の創出 詳細は39ページ参照 基本方針D 基盤情報の整備・充実 詳細は39ページ参照 (4)戦略のグランドデザイン 50年間戦略の目標を達成するためには、長期にわたる取組が必要です。50年間戦略では、取組内容を初期段階、中期段階及び後期段階に分け、計画性を持って生物多様性を保全・回復する動きを徐々に市域全体に広げています。 初期段階(終了)概ね5年程度の初期段階は、重点地区・拠点における生物多様性の保全・回復に向けた取組を市民活動団体等との協働で行い情報を共有・蓄積してきました。また、市民や事業者等の意識向上のための取組を行いました。 中期段階 市民活動団体等の育成とともに、重点地区・拠点(※3)を拡大します。各拠点における拠点同士のネットワーク構築を進めます。※本戦略は中期段階の内2026年からの概ね5年間について定めるものです。 (※3)重点地区:ながれやま戦略を重点的に推進するための取組を展開する拠点を集積した地区。拠点:ながれやま戦略を推進するための取組を展開する重要な場所。第二期戦略では「拠点」と「重点拠点」の表記が混在していたため、第三期戦略では当初戦略の表記に統一しました。 後期段階 目標達成に向け、水と緑の回廊による生態系ネットワークと、相互に連携・補完しあう市民活動団体等のネットワークの構築を目指します。※50年間戦略中で最終段階としていたものを本戦略中では後期段階と表記します。 〜私たちの生活は生物多様性の恩恵を受けています〜 私たちが日々当たり前のように飲んでいる水、おいしい食べ物、医薬品、服などは様々な生物多様性の恵みにより作られています。また、豊かな生態系を育む里山の木々は、洪水などの自然災害から私たちを守り、酸素を供給し、健全な水循環を維持してくれるなど様々な生物が生存していく上で欠かせない生物多様性の基礎となる重要な存在です。 人間の文化の構築にも生物多様性が根源にあります。このように、生物多様性が豊かな自然は、私たちのくらし、様々な命を支えています。 (イラスト)私たちの生活の恩恵を受けている様子をイラストで表しています。環境省生物多様性ウェブサイトを参照 自然に守られる私たちの暮らしには、暴風や洪水による被害の緩和、水源かん養、干ばつ防止、山地災害、土壌流出の防止、病害虫、病原菌の発生の抑制 すべての生命の存立基盤には、遺伝的多様性の保全、酸素の供給、気温、湿度の調節、水や栄養塩の循環、豊かな土壌 豊かな文化の根源には、神秘的体験、豊かな文化・芸術、自然と共生してきた知恵と伝統、レクリエーションや観光の場と機会 豊かな暮らしの基礎・有用な価値には、水、紙、木材、繊維、燃料、医薬品、食べ物、授粉 (イラスト)終わり コラム 都市計画と市野谷の森 昭和30年代頃から、流山市は、市役所が位置する流山市周辺の南部地域、江戸川台駅周辺の北部地域、南柏駅周辺の東部地域の3か所で市街地の形成が始まりました。当時の流山市は都心を結ぶ鉄道もなく、決して利便性の高い都市ではありませんでしたが、高度経済成長期の波に乗り、東京のベットタウンとして徐々に人口が増えていきました。市民からは、常磐線の混雑もあって都心直結の新たな鉄道を望む声が多くなり、昭和60年に常磐新線(現在のつくばエクスプレス。以下同じ。)の建設が位置付けられ、流山市に鉄道が整備されることが決定しました。 流山市内には3駅が設置されることになりましたが、常磐新線のルートになる約50ヘクタールの市野谷の森に、当時「国内希少野生動植物」に指定されていた「オオタカ」が生息していることを環境活動団体が公表しました。これにより、市野谷の森を残す働きかけが行われました。 一方、これまで市内の市街化調整区域面積は約6割、市街化区域面積は約4割でしたが、平成10年1月30日の都市計画決定により市街化調整区域が市街化区域に編入され、市内の市街化調整区域面積が4割、市街化区域面積が6割に変更となり、常磐新線の開業を迎えるために区画整理事業が進められました。市野谷の森は、約50ヘクタールの内、約18.5ヘクタールを県立公園、3ヘクタールと約2.6ヘクタールを近隣公園としてそれぞれ保存することができ、結果として約24.1ヘクタールの森が残ることになりました。 このように、市街地形成を図るため区域面積の変更を行いながらも、自然環境を可能な範囲で保全する形で都市計画を定めています。 (写真)市野谷の森 (写真)終わり 10ページ 第3章 第二期戦略の実績と評価 第二期戦略に基づき施策を実施した結果を重点プロジェクトごとに振り返ります。第三期戦略では、この結果を踏まえて目標を設定します。 基本方針A 生物多様性の保全・回復 T モニタリングのデータ収集・分析・評価 (実施場所:全拠点)市民団体等との協働により、動植物の生育調査を行います。目標等:2023(令和5)年度までにモニタリング調査結果をまとめ評価します。 U モニタリング調査の評価結果に基づく活用 (実施場所:全拠点)モニタリング調査の評価結果に基づき、活用方法を検討します。目標等:Tで評価した内容を元に活用方法を検討し次の戦略見直し等に反映します。 V モニタリング調査及び里山ボランティア講座の開催 (実施場所:市内)市民団体等との協働により、モニタリング調査員や里山ボランティア養成講座を開催します。目標等:モニタリング調査員や里山ボランティア養成講座を開催します。 W 里山における県や関係諸団体との連携 (実施場所:市野谷の森)県や市民団体など、関係諸団体と連携により、里山の保全に努めます。目標等:県や市民団体などと協働・協力するとともに市の施策への協力を求めます。 X 河川における国や千葉県、流域自治体との連携 (実施場所:大堀川、利根運河、みやぞの野鳥の池・熊野神社周辺の森・坂川)手賀沼水環境保全協議会や利根運河協議会(※4)などとの連携により、生態系に配慮した川づくり、水量、水質の保全や改善に努めます。目標等:手賀沼水環境保全協議会や利根運河協議会(※4)などと協働・協力するとともに市の施策への協力を求めます。 (※4)利根運河協議会は発展的に解散し、令和6年度に発足した「人と自然を育む地域づくり推進協議会(利根運河・江戸川・利根川流域)」に活動が継承されています。 Y 生活排水対策 (実施場所:大堀川、利根運河、みやぞの野鳥の池・熊野神社周辺の森・坂川)河川に流入する生活排水対策を推進します。(公共下水道及び合併処理浄化槽の普及による浄化対策など)目標等:下記BOD(※5)を2026 (令和8)年度までに維持もしくは達成を目指します。大堀川:2.6mg/L以下を維持 利根運河:3mg/L以下を達成 坂川:1.8〜1.9mg/L以下を維持 (※5)生物化学的酸素要求量のことで、河川の水質汚濁の代表的指標として用いられており、値が小さいほど汚濁が少ないとされています。 実績 ・モニタリング調査結果は、重点地区・拠点の現状を把握し課題を分析するために使用したほか、令和4年6月に平成23年から令和2年までの過去10年分の調査結果をまとめた「モニタリング調査結果報告書 第3版」を作成し公表すると共に、令和4年度に植物とチョウ類のモニタリング調査員養成講座、平成30年度と令和4年度にモニタリング調査員の募集、令和2年度からはみどりの保全活動ボランティア講習会を実施しました。 ・市野谷の森の保全・維持管理は、市民団体に委託し、草刈、清掃・ごみ回収、高木伐採等を行い適切な維持管理を行っています。 ・手賀沼水環境保全協議会では、大堀川の水質調査を春季と冬季の年2回実施しました。利根運河協議会では、特定外来生物のアレチウリやミズヒマワリの除去活動を行いました。 ・平成30年度から令和5年までの河川のBODは以下のとおりです。BOD…水質汚濁の指標のひとつ。値が高いほど汚れがひどいことを示す。単位はr/L 平成30年度 大堀川5.4 利根運河5.5 坂川上流1.9 坂川下流2.3 令和元年度 大堀川2.6 利根運河6.7 坂川上流1.5 坂川下流1.7 令和2年度 大堀川1.9 利根運河2.9 坂川上流2.5 坂川下流1.6 令和3年度 大堀川2.7 利根運河3.2 坂川上流1.9 坂川下流1.8 令和4年度 大堀川2.9 利根運河3.8 坂川上流1.1 坂川下流2.0 令和5年度 大堀川2.8 利根運河2.9 坂川上流1.2 坂川下流0.8 大堀川は、令和元年度と令和2年度に目標を達成。利根運河は令和2年度と令和5年度に目標を達成。坂川は令和元年度、令和3年度、令和5年度に目標を達成。 評価 ・平成23年7月から約10年間実施したモニタリング調査結果から、重点地区・拠点における生物の生息・生育状況を把握することができ、調査結果報告書も第3版を作成するなど、目標を達成することができました。50年戦略の目標を達成するためには、引き続きモニタリング調査を実施し、定期的に調査結果をまとめ評価する必要がありますが、継続的に活動できるモニタリング調査員の人数が減少しつつあるので、調査地ごとの調査員の活動状況により新規募集を実施する必要があります。 ・里山及び河川の保全等は、国や県をはじめ、関係団体や流域団体と連携し草刈りや特定外来生物の除去を行い生物の生息・生育が出来る環境を維持することが出来たため、この目標は概ね達成出来ました。 ・生活排水対策は、大堀川及び利根運河で目標を達成、維持出来ていないため、川の保全に加え、事業所や各家庭での生活排水の対策が必要となります。合併浄化槽への転換工事を促すため、ホームページと年1回広報ながれやまに掲載し周知を行うと共に、令和5年度から令和7年度まで補助金額を上乗せし、合併浄化槽への転換の強化を図りました。また、公共下水道接続のため宅内排水設備工事を予定している方へは金融機関への融資あっせんを行いました。令和5年度の下水道普及率は93.70%となりました。引き続き、目標達成、維持を目指す必要があります。 基本方針B 生物多様性の持続可能な利用 T 市内の緑化 (実施場所:市内) まちなか森づくりプロジェクト(※6)やグリーンウェイブ活動(※7)等を実施します。目標等:1年間に500本以上の植樹を目指します。 (※6)平成22年から行っている公園の一部や公共施設をはじめ、用水跡地や道路用地などのちょっとしたスペースに植栽を行い、街の中に緑をつくる取組です。 (※7)平成22年から行っている環境省が主導する生物多様性の日に全世界で行われている植樹活動です。 U 連続した緑の創出 (実施場所:市内)グリーンチェーン認定面積の増加に努めます。目標等:開発の事前協議において事業者にグリーンチェーン認定制度を周知します。 V 谷津環境の保全・再生 (実施場所:稲荷神社裏の谷津(※8))稲荷神社裏の谷津等の整備手法について、自然環境の保全と市民が親しめる活動の場としての両立を検討します。目標等:保全団体等と手法を検討し整備します。 (※8)現在は「大畔の森」の名称で整備されています。 W 近隣大学との連携 (実施場所:理窓会記念自然公園)大学と連携した保全活動を進めます。目標等:東京理科大学の理窓会記念自然公園の保全について連携します。 実績 ・平成30年度から令和5年度までに、まちなか森づくりプロジェクトやグリーンウェイブ活動などによって合計7,744本(1年平均1,290本)の植樹と108件のグリーンチェーン認定を行いました。グリーンチェーン認定は、開始年度である平成18年度からの累計で、認定件数は387件、緑化面積は313,867uとなりました。 ・稲荷神社裏の谷津は市民団体に委託し、自然環境の保全と市民が親しめる活動の場としての両立を行いました。 ・東京理科大学との連携では、かつて水田等であった理窓会記念自然公園内の広い範囲を対象に湿地再生の取組が立案され、幹線水路周辺の大規模除草活動に参加しました。 評価 ・T及びUは目標を達成していますが、引き続き市内の緑化に向け継続的に実施していくことが必要です。まちなか森づくりプロジェクトやグリーンウェイブ活動などを子どもたちと一緒になって進めていきます。 ・稲荷神社裏の谷津は、維持管理を委託することで、希少種な植物の増加やヘイケボタルの観察が出来る環境が維持されています。今後も多くの生物が観測できる拠点として適切な管理を維持する必要があります。 ・東京理科大学と連携し、湿地整備活動を連携して実施することが出来ました。生態系の豊かな理窓会記念自然公園の保全と再生に向けて引き続き連携を行い、市民が自然と触れ合える場所として利活用を検討する必要があります。 ・基本方針Bは、概ね目標が達成されたものと評価します。 基本方針C 環境教育・環境学習機会の創出 T 生物多様性関連イベントを実施 (実施場所:市内)市民に対し生物多様性の大切さおもしろさを啓発するためのイベントを実施します。目標等:毎年1回以上実施します。 実績 ・平成30年度から令和5年度までに、子どもたちが市野谷の森の自然に直接触れることで自然の大切さや生き物のつながりを知ってもらう「おおたかの森探検ツアー」や、市内で活動する市民団体による市内の自然環境の貴重さ、実態を認識してもらう「生物多様性シンポジウム」等の生物多様性に関連するイベントを10回実施しました。 評価 ・生物多様性関連イベントを毎年1回以上実施することができ、目標は達成しています。引き続き、大人から子どもまで幅広い世代に普及啓発を続けることで、市内の自然環境を守るための意識を保つとともに、より効果的なイベント実施方法を検討する必要があります。 基本方針D 基盤情報の整備・充実 T 生物多様性情報コーナー(仮称) (実施場所:市内)本市の生物多様性に関する情報を収集、整理した情報コーナーを設置します。目標等:公共施設の情報コーナーの設置を検討します。 U GISインターネットを利用した生物多様性情報の公開(実施場所:市内)GISやインターネットを利用し、新しい基盤情報の公開方法を検討します。目標等: GISやインターネットを利用した生物多様性情報の整備を検討します。 実績 ・環境政策課カウンターで、国や県、市民団体等から寄せられる生物多様性に関する情報や啓発物の案内を実施しました。また、クリーンセンターや流山おおたかの森駅構内、運河駅構内では、生物多様性に係るパネル展示を常時実施し、市庁舎1階スペースや各公共施設で一定期間実施しました。 ・市ホームページで生物多様性に関する情報を掲載しています。GISを利用した整備は実施することが出来ませんでした。 評価 ・限られたスペースを活用して情報収集、案内を実施した点は目標達成と評価します。引き続きパネル展示等による周知を実施します。市ホームページや他手段を利用した生物多様性情報の公開方法については、公開内容や方法を丁寧に議論し、検討する必要があります。 14ページ 第4章 重点地区・拠点のすがた 各拠点は地域特性や形状、そして平時の運用方法など、様々な側面を合わせ持ちながらその自然環境を保っています。ここでは、その拠点がどのような視点で成り立っているかを評価しています。 表の見方 多様性の評価:拠点ごとに希少種がどれほど観測されるかを基に評価 調査項目:年ごとに調査した項目。植…植物 鳥…鳥類 チ…チョウ類 カ…カヤネズミ ヘ…ヘイケボタル ニ…ニホンアカガエル 環境省希少種:植物は「第5次レッドリスト(植物・菌類)」、鳥類・チョウ類は「環境省レッドリスト2020」に基づき分類。( )内はレッドリスト及びレッドデータブックのカテゴリー 千葉県希少種:植物は「千葉県レッドデータブック植物・菌類2023改訂版」、鳥類・チョウ類は「千葉県レッドリスト動物編(2019年改訂版)」に基づき分類。( )内はレッドリスト及びレッドデータブックのカテゴリー 担保・制約性の評価:地権者や管理する側の自由度、今後、残していく容易さを踏まえて評価 総合評価:多様性の評価と担保・制約性の評価結果を基に評価 備考:モニタリング調査データ内の「−」は調査実施したが未観測であること、「/」は調査が未実施であることを意味する。 ( )内に示したカテゴリーは下記の通りです。各カテゴリーの詳細な内容は資料編に掲載しています。 環境省 絶滅(EX)野生絶滅(EW)絶滅危惧T類(CR+EN)絶滅危惧T類(CR+EN) 絶滅危惧TA類(CR) 絶滅危惧TB類(EN) 絶滅危惧U類(VU) 準絶滅危惧(NT) 情報不足(DD) 絶滅のおそれのある地域個体群(LP) 千葉県 消息不明・絶滅生物(X)野生絶滅生物(EW)※植物・菌類のみ 最重要保護生物(A)重要保護生物(B)要保護生物(C)一般保護生物(D)保護参考雑種(RH)※植物・菌類のみ (1)市野谷の森地区 @市野谷の森 多様性評価結果 市の鳥であるオオタカの生息が確認される市内有数の森林です。一定の希少種数が確認されていますが、伸びているとは言えず、今後も生育環境の整備が必要です。 環境タイプ 森林 湿地 草地 モニタリング調査データ 調査項目 現在 2016年〜:3項目(鳥・チ・ニ) 過去 2011〜2012年:3項目(植・鳥・チ) 2013〜2014年:4項目(植・鳥・チ・ニ) 2015年:2項目(鳥・チ) 鳥類 2018年確認種数 繁殖期20 越冬期20 環境省希少種1 千葉県希少種7 2019年確認種数 繁殖期17 越冬期23 環境省希少種1 千葉県希少種7 2020年確認種数 繁殖期11 越冬期25 環境省希少種1 千葉県希少種6 2021年確認種数 繁殖期21 越冬期20 環境省希少種1 千葉県希少種4 2022年確認種数 繁殖期16 越冬期16 環境省希少種1 千葉県希少種4 2023年確認種数 繁殖期17 越冬期19 環境省希少種1 千葉県希少種6 2024年確認種数 繁殖期18 越冬期18 環境省希少種1 千葉県希少種4 2018年から2024年で確認できた環境省希少種 オオタカ(NT) 2018年から2024年で確認できた千葉県希少種 キビタキ(A)、コチドリ(B)、アカゲラ(C)、オオタカ(C)、カワセミ(C)、センダイムシクイ(C)、ノスリ(C)、ホオジロ(C)、ミソサザイ(C)、カケス(D)、クロジ(D)、ツミ(D)、ヒバリ(C) チョウ類 2018年確認種数 39 環境省希少種該当なし 千葉県希少種4 2019年確認種数 41 環境省希少種該当なし 千葉県希少種5 2020年確認種数 41 環境省希少種該当なし 千葉県希少種3 2021年確認種数 42 環境省希少種該当なし 千葉県希少種6 2022年確認種数 40 環境省希少種該当なし 千葉県希少種4 2023年確認種数 41 環境省希少種該当なし 千葉県希少種6 2024年確認種数 41 環境省希少種該当なし 千葉県希少種4 2018年から2024年で確認できた千葉県希少種 オオチャバネセセリ(B)、ヤマトシジミ(B)、アカシジミ(C)、ウラナミアカシジミ(C)、コムラサキ(C)、ゴマダラチョウ(C)、ミズイロオナガシジミ(C)、ミヤマチャバネセセリ(C) ニホンアカガエル 2018年卵塊数 142 2019年卵塊数 64 2020年卵塊数 261 2021年卵塊数 605 2022年卵塊数 776 2023年卵塊数 386 2024年卵塊数 296 担保・制約性評価結果 県立公園は令和12年度まで、近隣公園は令和7年度末まで整備事業が行われます。整備が完了すれば、さらに市民が立ち入りやすくなることが見込まれます。保全の取り組みにあたり、大部分が千葉県の管轄になるため、協議が必要となります。 地権者 公有地 所管 全体面積…24.1ha 県立市野谷の森公園(18.5ha)⇒千葉県柏土木事務所公園街路課 市野谷の森西近隣公園(2.6ha)・市野谷の森東近隣公園(3.0ha)⇒流山市役所みどりの課 第二期戦略での取組の振返り 市民団体に保全・管理を委託し維持管理を行いました。また、自然環境学習の場として活用しました。 総合評価 市内中央に位置する市内有数の森林です。例年、自然環境イベントを開催する会場として活用しています。少ないながら一定の希少種が確認されていて、今後の整備次第で希少種の生育が見込まれます。市民にとっての「身近な森」として自然と触れ合える場所としての活用と希少種を保全する場所を分けて取り組む必要があります。 A市野谷水鳥の池(市野谷調整池) 多様性評価結果 植物のみの調査拠点ですが、数年を比較して大きな増減なく一定の種類数を確認され、今後も希少種の生育が見込まれます。 環境タイプ 調整池 湿地 草地 モニタリング調査データ 調査項目 現在 2015年〜:1項目(植) 植物相 2018年確認種数 139 環境省希少種2 千葉県希少種2 2019年確認種数 149 環境省希少種3 千葉県希少種2 2020年確認種数 102 環境省希少種2 千葉県希少種2 2021年確認種数 151 環境省希少種5 千葉県希少種4 2022年確認種数 147 環境省希少種4 千葉県希少種4 2023年確認種数 137 環境省希少種3 千葉県希少種4 2024年確認種数 162 環境省希少種2 千葉県希少種4 2018年から2024年で確認できた環境省希少種 イヌハギ(NT)、ウスゲチョウジタデ(NT)、カワヂシャ(NT)、サクラソウ(NT)、タコノアシ(NT)、ミゾコウジュ(NT) 2018年から2024年で確認できた千葉県希少種 ヌマガヤ(B)、ムクゲアカバナ(B)、イヌハギ(C)コムラサキ(C)、ヤガミスゲ(C)、オノエヤナギ(D)、タタラカンガレイ(D)、ミゾコウジュ(D) 担保・制約性評価結果 調整池でありながら、自然環境を整備することを重視している貴重な市有地です。所管組織である下水道建設課が、小学校の環境学習や環境イベントに利用することを視野に入れ、遊歩道や展望スペースの確保等の整備工事を実施したことにより、間近で自然に触れる機会が期待出来るようになりました。 地権者 公有地 所管 流山市役所下水道建設課 第二期戦略での取組の振返り 間近で自然に触れる機会を作るため、遊歩道や展望スペースの確保等の整備工事を行いました。 総合評価 植物のみの調査拠点だが、種類は多く、希少種の数も大きな増減はなく一定の種類数が確認され、今後も希少種の生育が見込まれます。調査は行っていませんが、さまざまな鳥類が観察できるなど、多様性の観点からも重要な場所です。おおたかの森駅や住宅街の付近にあり、市民にとって身近に自然と触れ合える場所としての活用が期待できます。 B西初石小鳥の森 多様性評価結果 市内の自然保護団体が維持管理に携わっているため、環境に合った保全や整備が施されています。また、市民団体や近隣の学校の行事として、ホタルの放流を実施していることから、市内でも有数のホタルが観測できる重要な場所です。希少種の観測数自体は少ないものの、一定の観測数を記録しています。ヘイケボタルについては市内拠点で最も観測数が多い拠点の一つであるなど、良好な地形を生かした拠点の一つとなっています。 環境タイプ 谷津 斜面林 湧水 湿地 モニタリング調査データ 調査項目 現在 2017年〜:2項目(植・ヘ) 過去 2011年:3項目(植・鳥・チ) 2012年:4項目(植・鳥・チ・ヘ) 2013〜2014年:5項目(植・鳥・チ・ヘ・ニ) 2015〜2016年:0項目 植物相 2018年確認種数 55 環境省希少種1 千葉県希少種2 2019年確認種数 63 環境省希少種1 千葉県希少種2 2020年確認種数 78 環境省希少種1 千葉県希少種3 2021年確認種数 88 環境省希少種1 千葉県希少種2 2022年確認種数 70 環境省希少種- 千葉県希少種3 2023年確認種数 80 環境省希少種1 千葉県希少種2 2024年確認種数 35 環境省希少種1 千葉県希少種2 2018年から2024年で確認できた環境省希少種 キンラン(NT) 2018年から2024年で確認できた千葉県希少種 ササクサ(C)、ワニグチソウ(C)、ウシタキソウ(D)、キンラン(D)、ギンラン(D) ヘイケボタル 2018年確認数 30  2019年確認数 34 2020年確認数 41 2021年確認数 50 2022年確認数 62 2023年確認数 39 2024年確認数 67 担保・制約性評価結果 市内の自然保護団体が維持管理に携わっているため、保全に取り組むにあたっても協力や意見をいただきやすい拠点です。 地権者 公有地 所管 流山市役所みどりの課(維持管理は市内自然保護団体に委託) 第二期戦略での取組の振返り 市民団体に保全・管理を委託し維持管理を行いました。 総合評価 希少種は少ないものの、一定の観測数を記録していること、また、ホタルの観測ができることからも多様性の高い評価が出来ます。拠点そのものが環境に合った保全や整備が施されていることもありますが、市民団体の協力もあり、今後も、植物をはじめとして様々な生物の観測が可能と考えます。市民団体だけでなく、近隣の学校の行事として、ホタルの放流を実施していることから、市内でも有数のホタルが観測できる重要な箇所であり、保全に積極的に取り組むべきであると認識しています。市民が自然と触れ合える場所として活用が期待できます。 C大畔の森(稲荷神社裏の谷津) ※第二期戦略では、「稲荷神社裏の谷津」と表記していましたが、現在は「大畔の森」の名称で整備されているため、今後は「大畔の森(稲荷神社裏の谷津)」と表記します。 多様性評価結果 市内の自然保護団体が維持管理に携わっているため、環境に合った保全や整備が施されています。植物相の希少種の観測数の増加が顕著です。ヘイケボタルも一定数を観測し続けており、良質な水環境が維持されていると判断できます。 環境タイプ 谷津 斜面林 湧水 湿地 モニタリング調査データ 調査項目 現在 2017年〜:2項目(植・ヘ) 過去 2012年:1項目(ヘ)2013〜2014年:2項目(ヘ・ニ)2015〜2016年:1項目(ヘ) 植物相 2018年確認種数 137 環境省希少種- 千葉県希少種2 2019年確認種数 136 環境省希少種- 千葉県希少種2 2020年確認種数 59 環境省希少種1 千葉県希少種3 2021年確認種数 190 環境省希少種1 千葉県希少種9 2022年確認種数 188 環境省希少種4 千葉県希少種13 2023年確認種数 172 環境省希少種5 千葉県希少種11 2024年確認種数 190 環境省希少種4 千葉県希少種15 2018年から2024年で確認できた環境省希少種 ノジトラノオ(VU)、イヌハギ(NT)、ウスゲチョウジタデ(NT)、キンラン(NT)、サギソウ(NT) 2018年から2024年で確認できた千葉県希少種 サギソウ(A)、イヌハギ(C)、コオニユリ(C)、ノジトラノオ(C)、ヤガミスゲ(C)、ヤブスゲ(C)、ワニグチソウ(C)、イガホオズキ(D)、ウシタキソウ(D)、キンラン(D)、ギンラン(D)、ササバギンラン(D)、シソクサ(D)、タチゲヒメヘビイチゴ(D)、トチバニンジン(D)、ヒメゴソウ(D) ヘイケボタル 2018年確認数 8  2019年確認数 17 2020年確認数 11 2021年確認数 39 2022年確認数 27 2023年確認数 29 2024年確認数 50 担保・制約性評価結果 市内の自然保護団体が維持管理に携わっているため、保全に取り組むにあたっても協力や意見をいただきやすい拠点です。 地権者 公有地 所管 流山市役所みどりの課(維持管理は市内自然保護団体に委託) 第二期戦略での取組の振返り 市民団体に保全・委託し維持管理を行いました。また、自然環境学習の場として活用しました。 総合評価 植物相の希少種の観測数の増加、ヘイケボタルが観察できるなど、本拠点の保全がしっかり行われています。市民団体が維持管理に携わっており、それが本拠点の環境に合った形で施されています。希少種の増加が顕著かつホタルの観測ができる貴重な地点であるため、隣接している西初石小鳥の森と併せて保全に取組むと共に、市民が自然に触れる場所としての活用が期待できます。 D大堀川 多様性評価結果 確認種は一定数ありますが、希少種の観測数が少ないです。 環境タイプ 河川 湿地 河畔林 草地 モニタリング調査データ 調査項目 現在 2015年〜:1項目(植) 植物相 2018年確認種数 145 環境省希少種1 千葉県希少種- 2019年確認種数 172 環境省希少種2 千葉県希少種1 2020年確認種数 136 環境省希少種1 千葉県希少種- 2021年確認種数 171 環境省希少種2 千葉県希少種4 2022年確認種数 153 環境省希少種2 千葉県希少種1 2023年確認種数 192 環境省希少種2 千葉県希少種1 2024年確認種数 172 環境省希少種1 千葉県希少種- 2018年から2024年で確認できた環境省希少種 カワヂシャ(NT)、ミゾコウジュ(NT) 2018年から2024年で確認できた千葉県希少種 キンガヤツリ(B)、ミノボロ(B)、センダングサ(D)、ミゾコウジュ(D) 担保・制約性評価結果 千葉県の所管ですが、千葉県・流山市・UR都市機構 が協力して整備事業を実施しました。現在は、定期的に草刈りや遊歩道確保等の管理が行われ、市民が自由に立ち入ることが可能です。 地権者 公有地 所管 千葉県(柏土木事務所) 第二期戦略での取組の振返り 植物相のモニタリング調査を継続して行いました。県と協力して水質調査を行いました。 総合評価 希少種の観測数が少ないですが、草刈りの範囲、時期、程度を所管組織と協議出来れば、多少多様性の回復の可能性があると思われます。市民の立ち入りは可能となっていることから、身近に自然を感じられる場所として現状を維持します。 (写真)大畔の森 大堀川 (写真)終わり (2)利根運河地区 E利根運河 多様性評価結果 植物相、チョウ類では一定数が確認できます。他拠点と規模の違いはありますが、市内でも良質な水環境が維持されていると判断します。 環境タイプ 草地 河川 河畔林 モニタリング調査データ 調査項目 現在 2017年〜:3項目(植・チ・ヘ) 過去 2011年:3項目(植・鳥・カ)2012年:6項目(植・鳥・チ・カ・ヘ・ニ)2013年:5項目(植・鳥・チ・カ・ヘ)2014年:4項目(植・鳥・チ・ヘ)2015〜2016年:2項目(植・チ) 植物相 2018年確認種数 345 環境省希少種7 千葉県希少種12 2019年確認種数 317 環境省希少種4 千葉県希少種8 2020年確認種数 358 環境省希少種4 千葉県希少種8 2021年確認種数 344 環境省希少種6 千葉県希少種10 2022年確認種数 327 環境省希少種4 千葉県希少種5 2023年確認種数 315 環境省希少種3 千葉県希少種6 2024年確認種数 300 環境省希少種3 千葉県希少種7 2018年から2024年で確認できた環境省希少種 カンエンガヤツリ(VU)、ノカラマツ(VU)、ノジトラノオ(VU)、ヌカボタデ(VU)、ウスゲチョウジタデ(NT)、カワヂシャ(NT)、タコノアシ(NT)、フジバカマ(NT)、ノウルシ(NT)、ミゾコウジュ(NT) 2018年から2024年で確認できた千葉県希少種 イヌムラサキ(B)、ヒメシオン(B)、ノカラマツ(B)、ウマスゲ(C)、サデクサ(C)、フジバカマ(C)、ヌカボタデ(C)、ノウルシ(C)、ノジトラノオ(C)、ヤガミスゲ(C)、アマナ(D)、カンエンガヤツリ(D)、ゴキヅル(D)、セイタカハリイ(D)、ヒメナミキ(D)、ミゾコウジュ(D)、サクラオグルマ(RH) チョウ類 2018年確認種数 32 環境省希少種1 千葉県希少種4 2019年確認種数 35 環境省希少種1 千葉県希少種7 2020年確認種数 38 環境省希少種- 千葉県希少種7 2021年確認種数 32 環境省希少種- 千葉県希少種4 2022年確認種数 32 環境省希少種- 千葉県希少種3 2023年確認種数 34 環境省希少種- 千葉県希少種4 2024年確認種数 27 環境省希少種- 千葉県希少種3 2018年から2024年で確認できた環境省希少種 ギンイチモンジセセリ(NT) 2018年から2024年で確認できた千葉県希少種 オオチャバネセセリ(B)、ヤマトシジミ(B)、アカシジミ(C)、ウラナミアカシジミ(C)、コムラサキ(C)、ゴマダラチョウ(C)、ジャノメチョウ(C)、ミズイロオナガシジミ(C)、ミドリヒョウモン(C)、ミヤマチャバネセセリ(C) ヘイケボタル 2018年確認数 33  2019年確認数 19 2020年確認数 4 2021年確認数 4 2022年確認数 3 2023年確認数 7 2024年確認数 6 担保・制約性評価結果 所管である江戸川河川事務所の協力の基、市民団体や自然と人を育む地域づくり推進協議会が主体となり、保全活動が活発に実施されています。他の重点地区・拠点と比べて、積極的な環境保全が期待出来ます。自然環境の保全や啓発に協力的な市民団体の活動拠点となっているため、市として活用しやすい拠点です。 地権者 公有地 所管 国土交通省関東地方整備局江戸川河川事務所 第二期戦略での取組の振返り 自然と人を育む地域づくり推進協議会と協力して、特定外来生物の除去活動を行いました。 総合評価 保全活動が活発に実施されており、他の重点地区・拠点と比べて、積極的な環境保全が期待出来ます。一定数の希少種を記録しており、確認種数も多い状態を維持していけるよう、各団体と連携の上保全に取り組んでいく必要があります。 F理窓会記念自然公園(通称:理窓公園) 多様性評価結果 市内で最も多様な水環境の一つであり、拠点の中でも全指標を調査、観測できる貴重な拠点です。今後も維持が望まれます。 環境タイプ 森林 草地 池 湿地 モニタリング調査データ 調査項目 現在 2017年〜:5項目(植・チ・カ・へ・ニ) 過去 2011年:3項目(植・鳥・カ)2012〜2013年:6項目(植・鳥・チ・カ・ヘ・ニ)2014年:5項目(植・鳥・チ・ヘ・ニ)2015〜2016年:3項目(チ・カ・ニ) 植物相 2018年確認種数 174 環境省希少種2 千葉県希少種2 2019年確認種数 192 環境省希少種2 千葉県希少種4 2020年確認種数 134 環境省希少種2 千葉県希少種3 2021年確認種数 203 環境省希少種3 千葉県希少種5 2022年確認種数 191 環境省希少種3 千葉県希少種6 2023年確認種数 144 環境省希少種3 千葉県希少種5 2024年確認種数 193 環境省希少種6 千葉県希少種1 2018年から2024年で確認できた環境省希少種 ノジトラノオ(VU)、ヤブムグラ(VU)、キンラン(NT)、シデコブシ(NT) 2018年から2024年で確認できた千葉県希少種 ノジトラノオ(C)、ヤブムグラ(C)、イヌアワ(D)、ウメガサソウ(D)、オキナワジュズスゲ(D)、キンラン(D)、ギンラン(D)、ササバギンラン(D)、チョウセンガリヤス(D) チョウ類 2018年確認種数 33 環境省希少種1 千葉県希少種3 2019年確認種数 38 環境省希少種1 千葉県希少種3 2020年確認種数 39 環境省希少種- 千葉県希少種5 2021年確認種数 40 環境省希少種- 千葉県希少種6 2022年確認種数 42 環境省希少種1 千葉県希少種7 2023年確認種数 43 環境省希少種- 千葉県希少種6 2024年確認種数 39 環境省希少種- 千葉県希少種5 2018年から2024年で確認できた環境省希少種 ギンイチモンジセセリ(NT) 2018年から2024年で確認できた千葉県希少種 オオウラギンスジヒョウモン(A)、オオチャバネセセリ(B)、ヤマトシジミ(B)、アカシジミ(C)、アサマイチモンジ(C)、ウラゴマダラシジミ(C)、ウラナミアカシジミ(C)、コムラサキ(C)、ゴマダラチョウ(C)、ジャノメチョウ(C)、ミドリヒョウモン(C) カヤネズミ 2018年巣数 4  2019年巣数 3 2020年巣数 7 2021年巣数 4 2022年巣数 4 2023年巣数 14 2024年巣数 8 ヘイケボタル 2018年確認数 8  2019年確認数 10 2020年確認数 2 2021年確認数 62 2022年確認数 15 2023年確認数 32 2024年確認数 37 ニホンアカガエル 2018年卵塊数 94  2019年卵塊数 212 2020年卵塊数 618 2021年卵塊数 688 2022年卵塊数 457 2023年卵塊数 449 2024年卵塊数 185 担保・制約性評価結果 令和5年11月に、東京理科大学、流山市、野田市、市民団体等が協力し、敷地内の環境整備の一環として草刈りを実施しました。東京理科大学は、当該敷地内の自然環境の維持、保全、整備に対し積極的で、また、野田市も同じく協力的であり、生物多様性保全に関するノウハウが充実しています。東京理科大学、流山市、野田市の三者で包括連携協定を締結していることから、協働で保全や啓発に取組めることが期待出来ます。 地権者 民有地 所管 東京理科大学 第二期戦略での取組の振返り 関係団体と一緒に敷地内の環境整備の一環として草刈りを行いました。 総合評価 東京理科大学、流山市、野田市、市民団体等が協力し、敷地内の環境整備を行うなど、本拠点が生物多様性の観点から重要であることは関係者全員が認識しています。包括連携協定に基づき、協働で保全や啓発に取り組めることが期待出来ます。また、拠点の中でも全指標を調査、観測できる貴重な拠点です。以上のことからも、今後も関係者協力のうえ保全していくべき拠点であると考えます。 (写真)利根運河 理窓会記念自然公園 (写真)終わり (3)新川耕地西地区 G西深井北西部 多様性評価結果 鳥類において顕著に希少種を観測しています。他調査種で観測数が小さい結果も散見されますが、多様な種が観測できる貴重な拠点であると判断します。 環境タイプ 草地 水田 斜面林 ヨシ原 畔 用水路 モニタリング調査データ 調査項目 現在 2019年〜:4項目(植・鳥・カ・ニ) 過去 2011年:3項目(植・鳥・カ)2012〜2013年:5項目(植・鳥・カ・ヘ・ニ)2014年:(植・鳥・ヘ・ニ)2015〜2016年:4項目(鳥・カ・ヘ・ニ)2017〜2018年5項目(植・鳥・カ・ヘ・ニ) 植物相 2018年確認種数 206 環境省希少種4 千葉県希少種4 2019年確認種数 217 環境省希少種3 千葉県希少種3 2020年確認種数 165 環境省希少種3 千葉県希少種3 2021年確認種数 202 環境省希少種3 千葉県希少種2 2022年確認種数 203 環境省希少種3 千葉県希少種2 2023年確認種数 135 環境省希少種1 千葉県希少種1 2024年確認種数 191 環境省希少種3 千葉県希少種1 2018年から2024年で確認できた環境省希少種 カンエンガヤツリ(VU)、ウスゲチョウジタデ(NT)、カワヂシャ(NT)、タコノアシ(NT)、ホソバイヌタデ(NT)、ヒメタデ(DD) 2018年から2024年で確認できた千葉県希少種 サデクサ(C)、ヒメタデ(C)、ホソバイヌタデ(C)、カンエンガヤツリ(D)、タカアザミ(D)、ノニガナ(D) 鳥類 2018年確認種数 繁殖期30 越冬期35 環境省希少種4 千葉県希少種17 2019年確認種数 繁殖期31 越冬期35 環境省希少種5 千葉県希少種17 2020年確認種数 繁殖期29 越冬期34 環境省希少種6 千葉県希少種19 2021年確認種数 繁殖期34 越冬期36 環境省希少種3 千葉県希少種15 2022年確認種数 繁殖期35 越冬期34 環境省希少種6 千葉県希少種18 2023年確認種数 繁殖期37 越冬期31 環境省希少種6 千葉県希少種18 2024年確認種数 繁殖期38 越冬期35 環境省希少種5 千葉県希少種17 2018年から2024年で確認できた環境省希少種 サシバ(VU)、チュウサギ(NT)、ハイタカ(NT)、ハヤブサ(VU)、ヒクイナ(NT)、ミサゴ(NT)、ヨシゴイ(NT)、ケリ(DD) 2018年から2024年で確認できた千葉県希少種 クイナ(X)、ケリ(A)、サシバ(A)ハヤブサ(A)ヒクイナ(A)、ヨシゴイ(A)、コチドリ(B)、チュウサギ(B)、ハイタカ(B)、バン(B)、ミサゴ(B)、ムナグロ(B)、カワセミ(C)、クサシギ(C)、ノスリ(C)、ホオアカ(C)、ホトトギス(C)、ホオジロ(C)、オオジュリン(D)、オオヨシキリ(D)、コヨシキリ(D)、セッカ(D)、ダイサギ(D)、タゲリ(D)、ヒバリ(D) カヤネズミ 2018年巣数 7  2019年巣数 5 2020年巣数 1 2021年巣数 18 2022年巣数 2 2023年巣数 1 2024年巣数 - ヘイケボタル 2018年確認数 33  2019年確認数 / 2020年確認数 / 2021年確認数 / 2022年確認数 / 2023年確認数 / 2024年確認数 / ニホンアカガエル 2018年卵塊数 3  2019年卵塊数 - 2020年卵塊数 - 2021年卵塊数 - 2022年卵塊数 - 2023年卵塊数 - 2024年卵塊数 - 担保・制約性評価結果 市内で希少な生物を観測できる地点でありますが、地区内における大規模物流倉庫等の建設に伴う草刈り等の人為的影響が大きく、また、本拠点は国が所管していることから、民有地と比較し保全が期待できるものの、公有地としての活用方法について、保全目的以外の事業での利用方法と優先度との兼ね合いもあり、積極的な保全を行っていくためには、所管組織と協議して、草刈りの頻度、範囲、程度等の調整を図っていく必要があります。 地権者 公有地 所管 国土交通省関東地方整備局江戸川河川事務所 第二期戦略での取組の振返り 当初戦略から継続してモニタリング調査を行いました。 総合評価 多様な種類の生物、また、希少な生物が観測できる拠点です。しかし、大規模物流倉庫等の建設に伴う草刈り等の人為的影響が大きく、また、国が所管していることから民有地と比較すると保全は期待できるものの、積極的に保全していくためには、所管組織と協議して、草刈りの頻度、範囲、程度等を調整し、本拠点を保全していく必要があります。 (写真)西深井北西部 カヤネズミ ハイタカ(NT,B) タコノアシ(NT) タウコギ (写真)終わり (4)宮園地区 Hみやぞの野鳥の池、坂川、熊野神社周辺の森 多様性評価結果 熊野神社周辺の森は市内でも貴重な森環境であり、一定数の鳥類を観測しているほか、周辺の環境も少なからず一定数の希少な種の活動が見られるため、拠点として評価します。 環境タイプ 森林 草地 調整池 モニタリング調査データ 調査項目 現在 2021年〜:2項目(植・鳥) 過去 2015〜2019年:2項目(植・鳥)2020年:1項目(植) 植物相 2018年確認種数 149 環境省希少種2 千葉県希少種5 2019年確認種数 157 環境省希少種1 千葉県希少種3 2020年確認種数 120 環境省希少種- 千葉県希少種2 2021年確認種数 182 環境省希少種2 千葉県希少種5 2022年確認種数 156 環境省希少種2 千葉県希少種5 2023年確認種数 157 環境省希少種1 千葉県希少種3 2024年確認種数 95 環境省希少種- 千葉県希少種2 2018年から2024年で確認できた環境省希少種 キンラン(NT)、シラン(NT)、ミゾコウジュ(NT) 2018年から2024年で確認できた千葉県希少種 コムラサキ(C)、ササクサ(C)、キンラン(D)、シラン(D)、センリョウ(D)、ミゾコウジュ(D)、ヤマハンノキ(D) 鳥類 2018年確認種数 繁殖期14 越冬期20 環境省希少種- 千葉県希少種3 2019年確認種数 繁殖期15 越冬期19 環境省希少種- 千葉県希少種3 2020年確認種数 繁殖期/ 越冬期/ 環境省希少種/ 千葉県希少種/ 2021年確認種数 繁殖期16 越冬期15 環境省希少種- 千葉県希少種1 2022年確認種数 繁殖期11 越冬期13 環境省希少種- 千葉県希少種1 2023年確認種数 繁殖期16 越冬期16 環境省希少種1 千葉県希少種6 2024年確認種数 繁殖期- 越冬期14 環境省希少種- 千葉県希少種- 2018年から2024年で確認できた環境省希少種 ハイタカ(NT) 2018年から2024年で確認できた千葉県希少種 クイナ(X)、キビタキ(A)、コサギ(B)、ハイタカ(B)、フクロウ(B)アカゲラ(C)、ノスリ(C)、ホオジロ(C)、ヒバリ(D) 担保・制約性評価結果 ・みやぞの野鳥の池 基本理念を「野鳥観察を通じて市民が安らぎを覚える“水と緑の空間”の創造」としているため、野鳥の生息や繁殖を促進する環境づくりや保全活動が期待出来ます。また、住宅街の中に位置し、生活圏の中にある自然環境として貴重です。 ・坂川 可能な限り多様性を保全するため、草刈りの時期、頻度、範囲について国と協議を行っていくことは出来ます。しかし、元々の多様性自体が貧相であるため、国が主体となって環境整備をする必要があると考えます。 ・熊野神社周辺の森 思井の森や熊野神社周辺の森は多くが民有地であるため、積極的な保全活動は困難です。しかし、貴重な極相林であり、開発の際は可能な限り森を残していく方針が定められているため、環境整備という面ではなく、出来る限り維持をするという面からの保全に取り組みます。※極相林…長期にわたり形成されてきた発達段階の終盤にあり、環境条件が安定した森林のこと 地権者 ・みやぞの野鳥の池⇒公有地 ・坂川⇒公有地 ・熊野神社周辺⇒民有地 所管 ・みやぞの野鳥の池⇒流山市役所下水道建設課 ・坂川⇒国土交通省関東地方整備局江戸川河川事務所 ・熊野神社周辺⇒民有地 第二期戦略での取組の振返り 第二期戦略で重点地区・拠点に選定し、モニタリング調査を開始しました。 総合評価 ・みやぞの野鳥の池 野鳥の繁殖地になるなど貴重な拠点です。池の基本理念に野鳥観察が含まれており、今後も保全活動が期待出来ます。また、住宅街の中に位置しているので、市民にとって身近に自然と触れ合える場所として活用します。 ・坂川 国と草刈りの時期、頻度、範囲について協議し、多様性を保全することは出来ます。元々の多様性自体が豊富ではないため、今後、環境を整備し、多様性が豊富になるよう国が主体的に動く必要があると考えます。 ・熊野神社周辺の森 民有地が多く、積極的な保全は困難です。しかし、貴重な極相林であり、鳥類の希少種も観測していることから、開発の際は可能な限り森を残していく方針が定められており、「維持」という側面からの保全に取り組む必要があります。 (写真)国土地理院が2019年に撮影のみやぞの野鳥の池、坂川、熊野神社周辺の森の空中写真に白線で植物相のモニタリング調査ルート、点線で鳥類のモニタリング調査ルートを表しています。 (写真)みやぞの野鳥の池 坂川 熊野神社周辺の森 (写真)終わり Iにしひらい水鳥の池 多様性評価結果 希少種は一定数観測されていますが、環境に乏しく今後の見込みが小さいこと、鳥類のみと調査する指標種も少ないため、評価は低いです。 環境タイプ 調整池 草地 モニタリング調査データ 調査項目 現在 2016年〜:1項目(鳥) 鳥類 2018年確認種数 繁殖期13 越冬期12 環境省希少種- 千葉県希少種3 2019年確認種数 繁殖期14 越冬期13 環境省希少種1 千葉県希少種4 2020年確認種数 繁殖期9 越冬期12 環境省希少種1 千葉県希少種4 2021年確認種数 繁殖期13 越冬期12 環境省希少種2 千葉県希少種5 2022年確認種数 繁殖期12 越冬期14 環境省希少種- 千葉県希少種3 2023年確認種数 繁殖期10 越冬期17 環境省希少種- 千葉県希少種3 2024年確認種数 繁殖期13 越冬期16 環境省希少種- 千葉県希少種3 2018年から2024年で確認できた環境省希少種 コアジサシ(VU)、ハイタカ(NT) 2018年から2024年で確認できた千葉県希少種 コアジサシ(A)、コサギ(B)、コチドリ(B)、ハイタカ(B)、バン(B)、オオバン(C)、カイツブリ(C)、カワセミ(C)、ノスリ(C)、ホオジロ(C) 担保・制約性評価結果 野鳥が観察出来る場所として整備を実施する可能性はあります。例えば、野鳥の生息を促進するために、ヨシ等の植栽や、浮島の設置等の人為的インパクトを与える必要があります。環境を整備するには、下水道建設課の協力に加えて、大きな時間やコストが必要になります。 地権者 公有地 所管 流山市役所下水道建設課 第二期戦略での取組の振返り 第二期戦略で重点地区・拠点に選定し、モニタリング調査を開始しました。 総合評価 希少種は一定数観測されていますが、確認種数は少ないです。環境が良好でないことから、周囲や水辺に植物類の生息がかなり貧相です。環境整備には多大な時間やコストが必要になり、積極的な整備が難しく、現状を維持していく必要があります。 (写真)にしひらい水鳥の池 ホオジロ(C) (写真)終わり (5)古間木地区 J芝崎小鳥の森 多様性評価結果 希少種を少ないながら記録しています。今後の整備により期待できる水環境が存在します。 環境タイプ 森林 湿地 モニタリング調査データ 調査項目 現在 2015年〜:1項目(植) 植物相 2018年確認種数 87 環境省希少種1 千葉県希少種5 2019年確認種数 87 環境省希少種1 千葉県希少種4 2020年確認種数 69 環境省希少種1 千葉県希少種3 2021年確認種数 79 環境省希少種1 千葉県希少種3 2022年確認種数 36 環境省希少種1 千葉県希少種2 2023年確認種数 56 環境省希少種1 千葉県希少種2 2024年確認種数 21 環境省希少種1 千葉県希少種2 2018年から2024年で確認できた環境省希少種 キンラン(NT) 2018年から2024年で確認できた千葉県希少種 ササクサ(C)、オオバギボウシ(C)、キンラン(D)、ギンラン(D)、ササバギンラン(D) 担保・制約性評価結果 自然観察や市民の憩いの場となるように、市民の森として整備がされています。 遊歩道沿いには植栽された植物が多く、低木や下草は綺麗に伐採されているため、かなり人為的な整備が施されています。みどりの課主導で、市民団体等に依頼して、植物名が記載されたプレートや野鳥に関する看板等を設置したという経緯があります。奥には水辺があるものの、整備されていません。今後、水辺環境を整備出来れば、野鳥や虫が生息する環境になることが期待出来ますが、地権者が流山市ではないため、どこまで手を加えられるのかを要所に地権者を含めた関係者間で確認・協議をする必要があります。 地権者 民有地 所管 流山市役所みどりの課 第二期戦略での取組の振返り 第二期戦略で重点地区・拠点に選定し、モニタリング調査を開始しました。 総合評価 確認種数、希少種ともに少ない状況です。今後の環境整備によっては、多様な種の生息場所となり得ますが、民有地であり、また、市民団体の協力を得てプレートや看板等を設置したという経緯からも、今後、整備に当たっては協議していくことが必要になります。 市民の森とは 貴重な樹林を良好な状態で保全し、自然観察や市民の憩いの場となるように、樹林地を市が借り上げて市民の森として整備しています。市内には、16箇所、10.4haが整備されています。 K古間木谷津 ※第二期戦略では、「野々下水辺公園周辺」と表記していましたが、古間木地区にある谷津環境を主な場所としているため、今後は「古間木谷津」と表記します。 多様性評価結果 植物相の評価が低いものの、ニホンアカガエルが観測されること、また、周辺の谷津環境の影響により今後も良質な環境が保たれると考えます。 環境タイプ 森林 湧水 水田 畔 谷津 モニタリング調査データ 調査項目 現在 2019年〜:2項目(植・ニ)過去 2015年:1項目(鳥)2016年:2項目(鳥・ニ)2017〜2018年:3項目(植・鳥・ニ) 植物相 2018年確認種数 120 環境省希少種- 千葉県希少種1 2019年確認種数 127 環境省希少種- 千葉県希少種1 2020年確認種数 156 環境省希少種3 千葉県希少種1 2021年確認種数 165 環境省希少種2 千葉県希少種- 2022年確認種数 136 環境省希少種3 千葉県希少種1 2023年確認種数 140 環境省希少種3 千葉県希少種1 2024年確認種数 93 環境省希少種1 千葉県希少種- 2018年から2024年で確認できた環境省希少種 マヤラン(VU)、ウスゲチョウジタデ(NT)、カワヂシャ(NT)、キンラン(NT) 2018年から2024年で確認できた千葉県希少種 サデクサ(C)、マヤラン(C)、キンラン(D) 鳥類 2018年確認種数 繁殖期19 越冬期20 環境省希少種1 千葉県希少種9 2019年確認種数 繁殖期/ 越冬期/ 環境省希少種/ 千葉県希少種/ 2020年確認種数 繁殖期/ 越冬期/ 環境省希少種/ 千葉県希少種/ 2021年確認種数 繁殖期/ 越冬期/ 環境省希少種/ 千葉県希少種/ 2022年確認種数 繁殖期/ 越冬期/ 環境省希少種/ 千葉県希少種/ 2023年確認種数 繁殖期/ 越冬期/ 環境省希少種/ 千葉県希少種/ 2024年確認種数 繁殖期/ 越冬期/ 環境省希少種/ 千葉県希少種/ 2018年から2024年で確認できた環境省希少種 サシバ(VU) 2018年から2024年で確認できた千葉県希少種 サシバ(A)、コチドリ(B)、アカゲラ(C)、カワセミ(C)、ホオジロ(C)、オオヨシキリ(D)、カケス(D)、ダイサギ(D)、ヒバリ(D) ニホンアカガエル 2018年卵塊数 58  2019年卵塊数 25 2020年卵塊数 105 2021年卵塊数 51 2022年卵塊数 24 2023年卵塊数 19 2024年卵塊数 5 担保・制約性評価結果 モニタリング調査を行っている古間木谷津は、自然環境の良好な湿地や斜面林はほとんど民有地であり、積極的な保全に取り組める期待は出来きません。現在、調査は実施していませんが鳥類も観測されているため、民有地内は生息環境が良好であることがうかがえますが、今後も現在の環境を継続するには地権者の協力が必要です。 野々下水辺公園自体は、人為的な整備がされています。 地権者 公有地 民有地 所管 流山市役所みどりの課、民有地 第二期戦略での取組の振返り 第二期戦略で重点地区・拠点に選定し、モニタリング調査を開始しました。 総合評価 植物の確認種数や希少種が多くはありませんが、ニホンアカガエルが観測されており、良好な湿地や斜面林があり良質な環境であると考えられます。ほとんどが民有地であり、積極的な保全は期待出来ませんが、定期的な草刈りが行われており、人為的な整備がされています。また、都市計画道路の建設計画があり、今後、周辺環境が大きく変わることが考えられるため、その都度、状況に即した形で取り組めることを検討していく必要があります。 (写真)国土地理院が2019年に撮影の古間木谷津の空中写真に白線で植物相のモニタリング調査ルート、点線でニホンアカガエルの調査ルートを表しています。 (写真)古間木谷津 成体のニホンアカガエル (写真)終わり L総合運動公園周辺 多様性評価結果 植物相の観測数は少ないですが、鳥類は一定数を観測できる貴重な拠点です。公園整備が終了すれば観測数の向上も見込まれます。 環境タイプ 森林 草地 調整池 モニタリング調査データ 調査項目 現在 2017年〜:2項目(植・鳥)過去 2015〜2016年:1項目(鳥) 植物相 2018年確認種数 92 環境省希少種1 千葉県希少種1 2019年確認種数 91 環境省希少種- 千葉県希少種- 2020年確認種数 125 環境省希少種- 千葉県希少種1 2021年確認種数 172 環境省希少種3 千葉県希少種5 2022年確認種数 183 環境省希少種2 千葉県希少種3 2023年確認種数 195 環境省希少種4 千葉県希少種4 2024年確認種数 185 環境省希少種2 千葉県希少種3 2018年から2024年で確認できた環境省希少種 クゲヌマラン(VU)、カワヂシャ(NT)、キンラン(NT)、タコノアシ(NT) 2018年から2024年で確認できた千葉県希少種 ドクゼリ(A)、キンガヤツリ(B)、クゲヌマラン(B)、ミノボロ(B)、カエデドコロ(C)、ミズハナビ(C)、キンラン(D)、ギンラン(D)、ササバギンラン(D) 鳥類 2018年確認種数 繁殖期27 越冬期31 環境省希少種1 千葉県希少種8 2019年確認種数 繁殖期26 越冬期34 環境省希少種- 千葉県希少種8 2020年確認種数 繁殖期17 越冬期30 環境省希少種2 千葉県希少種9 2021年確認種数 繁殖期23 越冬期35 環境省希少種- 千葉県希少種5 2022年確認種数 繁殖期23 越冬期32 環境省希少種- 千葉県希少種5 2023年確認種数 繁殖期22 越冬期29 環境省希少種2 千葉県希少種7 2024年確認種数 繁殖期23 越冬期26 環境省希少種1 千葉県希少種6 2018年から2024年で確認できた環境省希少種 サシバ(VU)、トモエガモ(VU)、ハイタカ(NT) 2018年から2024年で確認できた千葉県希少種 サシバ(A)、コサギ(B)、コチドリ(B)、トモエガモ(B)、ハイタカ(B)、ヨシガモ(B)、アカゲラ(C)、オオバン(C)、カイツブリ(C)、カワセミ(C)、ノスリ(C)、ホオジロ(C)、ミソサザイ(C)、イワツバメ(D)、カケス(D)、カンムリカイツブリ(D)、セッカ(D)、ヒバリ(D) 担保・制約性評価結果 総合運動公園は流山市の所管ですが、周辺の谷津や水田は民有地であるため、積極的な保全活動は難しいです。2020年頃に存在していた水田が埋め立てられてしまったという事例もあり、開発に伴い地権者がどのように運用していくかという不安定な要素も含んでいます。開発・整備が進んだ総合運動公園及びその周辺は、市民の出入りが増加することによる植物や鳥類への影響を最小限にする工夫が必要です。 地権者 公有地 民有地 所管 ・総合運動公園⇒流山市役所みどりの課 ・古間木調整池⇒千葉県(流山区画整理事務所) ・民有地 第二期戦略での取組の振返り 第二期戦略で重点地区・拠点に選定し、モニタリング調査を開始しました。 総合評価 植物は希少種が少ないものの、鳥類は一定数の観測ができる拠点です。公有地と民有地が混在しているため、積極的な保全活動は難しく、水田が埋め立てられてしまった事例もあります。地権者がどのように運用していくかによって変わっていくため、保全のためには協議が必要な場所です。開発、整備が進んだ総合運動公園及びその周辺は、市民の出入りが増加することが想定でき、周辺環境が大きく変わることが考えられるため、その都度、状況に即した形で取り組めることを検討していく必要があります。 (写真)総合運動公園 古間木調整池 ノスリ(C)サシバ(VU,A) ギンラン(D)ハンゲショウ (写真)終わり 33ページ 第5章 第三期戦略の施策と目標 50年間戦略では、生物多様性を保全・回復するための取組を徐々に広げ、流山市域全体が豊かな生物多様性を保全し、生態系ネットワークと相互に連携・補完しあう市民活動団体等のネットワークを構築することを目指しています。 そのために、生物多様性の保全・回復を優先的に取り組む「重点地区・拠点」を選出し、取組や活動を進めるための重点プロジェクトを設定しています。 今回の第三期戦略では、市内に残された唯一の地区公園(※9)であり豊富な自然環境が確認されている「東深井地区公園」を新たに追加します。 (※9) 主として徒歩圏内に居住する者の利用に供することを目的とする公園で1箇所当たり面積4haを標準として配置する。都市計画区域外の一定の町村における特定地区公園(カントリ−パ−ク)は、面積4ha以上を標準とする。 1.重点地区・拠点の拡大 50年間戦略のグランドデザインでは、中期段階に入る際、重点地区・拠点の拡大を謳っています。初期段階では「市野谷の森地区」と「利根運河地区」を重点地区として定め、中期段階である第二期戦略では「宮園地区」と「古間木地区」を重点地区として選出しました。 第三期戦略では「利根運河地区」に「東深井地区公園」を拠点として追加し、重点地区は5地区に、拠点は14か所になります。 (1)重点地区・拠点の選定条件 50年間戦略が定めるとおり重点地区・拠点は次の条件から選定します。 ・人と自然及び生き物とのふれあいの場として高い評価を得、かつ利活用されている場所 ・貴重な自然豊かな生き物及び生態系ネットワークが今なお保全されている場所 ・本市の自然環境及び生物多様性を象徴する場所 ・自然の再生及び生物多様性保全・回復に向けた取組が行われていて、今後も期待される場所 ・国、県、市の計画などによる保全・回復計画等がある場所 (2)選定結果・理由 東深井地区公園は市内で唯一の地区公園で、園内には古墳時代後期に造られた東深井古墳群と呼ばれる有力一族の墓(円墳11基と前方後円墳1基)が保全されています。園内には、千葉県レッドリストで一般保護生物として掲載のあるキンラン、ギンラン、ササバギンランの出現数が他の拠点と比較して多く生育しています。また、ヤマザクラも他の拠点と比較し多く生育している特徴があります。 親しみのある身近な公園を拠点にすることで、多くの市民に生物多様性に関心を持っていただけるよう、拠点に追加することにしました。 東深井地区公園で確認できる植物 キンラン、ギンラン、ササバギンラン、チゴユリ、ジュウニヒトエ、ヤマユリ、ホオノキ、イヌシデ、ヤマザクラ等 2. 第三期戦略における重点地区・拠点(5地区14拠点) 重点地区 市野谷の森地区 利根運河地区 新川耕地西地区 宮園地区 古間木地区 拠点 @市野谷の森(通称:おおたかの森)A市野谷水鳥の池(市野谷調整池)B西初石小鳥の森C大畔の森(稲荷神社裏の谷津)D大堀川E利根運河F理窓会記念自然公園(通称:理窓公園)M東深井地区公園(古墳公園)G西深井北西部Hみやぞの野鳥の池、坂川、熊野神社周辺の森Iにしひらい水鳥の池J芝崎小鳥の森K古間木谷津L総合運動公園周辺 (写真)東深井地区公園(古墳公園) ヤマユリ (写真)終わり (図)重点地区・拠点を地図上で表しています。(図)終わり 3.重点プロジェクトと目標 市は、基本方針に沿って重点プロジェクトを設け、その目標等を定めます。第三期戦略は、中期段階になってからの初めての改定となるため、第二期戦略で達成できなかった重点プロジェクトや今後も引き続き必要となる重点プロジェクトを見直しました。第三期戦略では、これらの重点プロジェクトを実施することで進行管理を行い、戦略の目標を達成します。 なお、このプロジェクト内容や目標はモニタリング結果に基づく評価や、施策の進捗状況、自然的・社会的状況の変化に応じ、適宜見直します。 表の見方 実施場所に記載している番号は拠点番号です。 @市野谷の森(通称:おおたかの森) A市野谷水鳥の池(市野谷調整池) B西初石小鳥の森 C大畔の森(稲荷神社裏の谷津) D大堀川 E利根運河 F理窓会記念自然公園(通称:理窓公園) G西深井北西部 Hみやぞの野鳥の池、熊野神社周辺の森、坂川 Iにしひらい水鳥の池 J芝崎小鳥の森 K古間木谷津 L総合運動公園周辺 M東深井地区公園 (写真)市野谷水鳥の池 芝崎小鳥の森 西初石小鳥の森 (写真)終わり 基本方針A 生物多様性の保全・回復 生物多様性の保全・回復を重点的に進めるため、重点地区・拠点のモニタリング調査及びデータの収集・分析・評価を行い、施策を立案・実施しながら生物多様性の普及啓発とモニタリング調査結果の活用に努めます。また、重点地区・拠点として選定していない地域についても、市民活動団体等から情報の収集に努め、重点地区・拠点化の検討を行います。 その他、周辺自治体との連携や重点地区・拠点に指定されている河川の水環境の改善に努め、生物多様性の保全を行います。 重点プロジェクト T モニタリングのデータ収集・分析・評価 市民団体等との協働により、動植物の生育調査を行います。 実施場所 全拠点 目標等 2031(令和13)年度までにモニタリング調査結果をまとめ評価します。 重点プロジェクトU モニタリング調査の評価結果に基づく活用 モニタリング調査の評価結果に基づき、活用方法を検討します。 実施場所 全拠点 目標等 Tで評価した内容を元に、活用方法を検討し、次の戦略見直し等に反映します。 重点プロジェクト V モニタリング調査員の募集及び里山ボランティア講座の開催 モニタリング調査員の募集や里山ボランティア養成講座を開催し、人材の育成に努めます。 実施場所 市内 目標等 モニタリング調査員の募集を適宜行い人材確保に努めます。里山ボランティア養成講座は年1回以上開催します。 重点プロジェクト W 里山における県や関係諸団体との連携 県や市民団体など、関係諸団体と連携により、里山の保全に努めます。 実施場所 @BC 目標等 県や市民団体などと協働・協力するとともに、市の施策への協力を求めます。 重点プロジェクト X 河川における国や県、流域自治体との連携 手賀沼水環境保全協議会や自然と人を育む地域づくり推進協議会などとの連携により、生態系に配慮した川づくり、水量、水質の保全や改善に努めます。 実施場所 DEH 目標等 手賀沼水環境保全協議会や自然と人を育む地域づくり推進協議会などと協働・協力するとともに市の施策への協力を求めます。 重点プロジェクト Y 生活排水対策 河川に流入する生活排水対策を推進します。(公共下水道及び合併処理浄化槽の普及による浄化対策など) 実施場所 DEH 目標等 下記BOD(※)を2026 (令和8)年度までに維持もしくは達成を目指します。大堀川:2.6mg/L以下を維持 利根運河:3mg/L以下を達成 坂川:1.8〜1.9mg/L以下を維持 重点プロジェクト Z 外来種による影響の抑制 在来種の保全のため、特定外来生物の防除を行います。 実施場所 全拠点 目標等 市民、土地の所有者や管理者、市民団体、行政等が協力して特定外来生物の防除を行います。また、市内で確認されている特定外来生物に関する情報をホームページ等を通じて発信していきます。 基本方針B 生物多様性の持続可能な利用 生物多様性の持続可能な利用を進めるため、多様な生物の生息域となる緑の保全、再生及び整備を進めます。また、多様な生物の基盤となる連続した緑は、景観形成機能や防災機能を持ち、ヒートアイランド現象や地球温暖化を緩和するなど多くの恩恵を私たちに与えています。基本方針Bでは生物多様性の基盤となり、かつ、それ自体が街の価値を高める質にも配慮した緑の保全・再生を定めています。 重点プロジェクト T 市内の緑化 まちなか森づくりプロジェクトやグリーンウェイブ活動等を実施します。 実施場所 市内 目標等 1年間に500本以上の植樹を目指します。 重点プロジェクト U 連続した緑の創出 流山グリーンチェーン戦略推進による緑化面積の増加に努めます。 実施場所 市内 目標等 開発の事前協議において、事業者にグリーンチェーン認定制度を周知し、敷地面積の12%以上を目指します。 重点プロジェクト V 里山・谷津環境の保全・再生 古間木地区について、可能な範囲で自然環境の保全と市民が自然と親しめる場としての両立を検討します(※10)。(※10)都市計画道路3・4・11野々下思井線や病院立地予定地、公益性の高い事業区域については保全の対象外とします。 実施場所 K 目標等 環境保全団体や有識者等と手法を検討します。 重点プロジェクト W 近隣大学との連携 大学と連携した保全活動を進めます。 実施場所 F 目標等 東京理科大学の理窓会記念自然公園の保全について連携します。 基本方針C 環境教育・環境学習機会の創出 生物多様性に関するイベントを開催することで、市民が生物多様性に触れ、学ぶ機会を創出し、普及啓発に努め、市民や事業者の理解度を高めます。 重点プロジェクト T 生物多様性関連イベント等の実施 市民に対し、生物多様性の大切さ、おもしろさを啓発するためのイベントを実施すると共に事業者の意識醸成となる機会を提供します。 また、子どもたちには、学習機会を提供し生物多様性の普及啓発に努めます。 実施場所 市内 目標等 毎年1回以上実施します。子どもたちへの学習機会の提供は、計画期間中に方向性を決め、学習機会を設けます。 基本方針D 基盤情報の整備・充実 本市の生物多様性に関する情報を集積し、市民が親しみやすい形で提供します。 重点プロジェクト T 生物多様性情報コーナーの拡充 本市の生物多様性に関する情報を窓口やホームページ等において公開します。 実施場所 市内 目標等 生物多様性に関する情報を環境政策課窓口に掲示すると共に、ホームページやSNSを利用した生物多様性情報の整備を実施します。 (写真)グリーンウェイブ オオタカパネル展 (写真)終わり コラム 千葉県及び流山市の特定外来生物 ・特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(2005(平成17)年施行外来生物法)とはなにか 外来生物の中でも特に在来生物と性質が異なることにより生態系等に被害を及ぼすもしくは及ぼす恐れがあると定められた生物を特定外来生物といいます。外来生物法はこの外来生物の飼養、輸入等について必要な規制を行うとともに、野外に存する特定外来生物の防除を行うこと等により、特定外来生物による生態系、人の生命もしくは身体又は農林水産業に係る被害を防止することを目的として制定しました。2024(令和6)年12月時点で162種類特定外来生物に指定されており、千葉県内では46種類の特定外来生物が確認されています。 ・千葉県の特定外来生物対策 千葉県では第2次千葉県アライグマ防除実施計画、第2次千葉県アカゲザル防除実施計画、第2次千葉県キョン防除実施計画(いずれの計画も計画期間は令和3年4月1日から令和8年3月31日まで)を策定し対策を行っています。千葉県生物多様性センターでは印旛沼で生息が確認されているカミツキガメの防除やナガエツルノゲイトウに関する分布調査事業を行っています。また、パンフレットやチラシ等を作成し、普及啓発を行っています。 その他に、県内における外来生物について「千葉県の外来生物リスト」を作成し、外来生物対策を推進しています。 ・流山市の特定外来生物対策 アライグマ 2013(平成25)年、市野谷の森で市民団体が設置した生物観測カメラに生態系や農作物に大きな被害を及ぼすアライグマが撮影されました。これを受け、2014(平成26)年度に市野谷の森アライグマ捕獲計画を策定して捕獲を開始しました。現在も通報等により捕獲を実施しています。2023(令和5)年度に8匹、2024(令和6)年度に28匹を捕獲しました。 アレチウリ 人と自然を育む地域づくり推進協議会の主催で毎年夏にアレチウリの駆除活動を行っています。アレチウリは非常に繁茂しやすい植物で、大繁茂するとほかの植物がほとんど生育しません。駆除活動は、地元の高校生、大学生、市民団体をはじめとして、野田市、柏市、流山市の市民や自治体職員が参加しています。 カミツキガメ 非常に大型でさまざまな生物を捕食するため、生態系に影響を及ぼします。捕らえられたときに陸上では非常に攻撃的で、噛みつきや引っ掻き等の被害が想定されます。これまでに、通報に基づいて捕獲例があります。 ミズヒマワリ 2023(令和5)年、利根運河で初めてミズヒマワリ確認され、人と自然を育む地域づくり推進協議会の主催で除去活動を実施しました。ミズヒマワリは水面を覆うように広がり、水路を閉塞させたり、ほかの水草に悪影響を及ぼします。2024(令和6)年もミズヒマワリが確認され、除去活動を行っています。 (写真)アライグマ (写真)終わり コラム 緑化に関する取組 〜まちなか森づくりプロジェクトの推進〜 公園の一部や公共施設をはじめ、用水路跡地や道路用地などの「ちょっとしたスペース」に植栽を行い、街の中に緑をつくる取組です。生活に潤いや安らぎを提供するだけではなく、防災対策や地球温暖化防止、ヒートアイランド対策、防音、防塵、防風等多様な役割が期待されています。 平成30年度から令和5年度までに植樹した場所(令和6年度は実施無し) 平成30年度 市野谷の森東近隣公園 大字流山地先ほか 令和元年度 十太夫近隣公園、向小金1号緑地、南流山5丁目地先ほか 令和2年度 加1号公園、市道112号線 令和3年度 西平井4号公園、市道108号線 令和4年度 鰭ケ崎8号緑地、大字大畔地先 令和5年度 鰭ケ崎4号公園、南流山駅前広場、小山小学校 〜グリーンウェイブ活動〜 生物多様性条約事務局の呼びかけによる、国連が定める国際生物多様性の日(5月22日)に世界各地の子どもたちが学校や地域等で植樹等を行う取組です。世界各地において、5月22日の午前10時(現地時間)に植樹等を行うことにより、この活動が地球上の東から西へ波のように広がっていく様子を、「みどりの波(グリーンウェイブ)」と表現しています。 平成30年度から令和6年度までに植樹した場所 平成30年度 小・中学校15校 令和元年度 小・中学校8校 令和2年度 保育所3施設、小・中学校7校、新東谷調整池、博物館、ケアセンター、本庁舎 令和3年度 小・中学校4校、新東谷調整池、本庁舎 令和4年度 小・中学校6校、新東谷調整池 令和5年度 小学校2校、加1号公園、おおたかの森東1.2.3号緑地 令和6年度 本庁舎、みんなの広場、小・中学校2校 〜流山グリーンチェーン戦略の推進〜 個々の開発事業における「緑の価値」づくりの取組を支援し、その取組を連鎖させることで、緑豊かな街全体の環境価値を創造するものです。これまでに市内各地でグリーンチェーン戦略に基づく緑化が進められ、新川耕地地区に建設された物流倉庫では約13万本もの植樹が行われました。 42ページ 第6章 推進体制・進行管理 1.推進体制 (1)生物多様性ながれやま戦略モニタリング調査市民会議の開催 量・質ともに豊富な自然環境を保全するためには、流山市(行政)の力だけでは足りません。市民活動によりオオタカが生息できる環境を守ってきた歴史に示されているように、流山市は地域の自然を守るための市民活動が活発な地域であり、各地区で地域特性を踏まえた活動が行われています。このように活発な市民活動団体等の皆さんに、基本方針に基づくモニタリング調査に協力していただいています。このモニタリング調査の現状の確認及び今後の方向性について話し合う場として、生物多様性ながれやま戦略モニタリング調査市民会議を設けています。 年に1回以上実施することとし、50年間戦略のモニタリング調査を実行するための中心的役割を担います。 (2)市と国・県・近隣自治体の連携 生物多様性の保全・回復のための取組、重点プロジェクト等について、市は率先的な取組を行うとともに、戦略の効率的な展開に必要となる市民団体等各主体との推進体制の整備を行います。また、市民に対し、市や市民活動団体等が主催する環境学習や自然環境保全活動について市のホームページや広報誌、情報コーナーを利用して案内します。 @庁内での推進体制の整備 市は庁内関係各課における連絡・調整を図り、一体となって本戦略に定める取組を推進します。 A国や県、近隣自治体との連携体制の構築 市域を超えた広域的な課題に対しては、国や千葉県、近隣自治体との連携体制の構築を図ります。 (写真)生物多様性ながれやま戦略モニタリング調査市民会議の様子 (写真)終わり (3)市民、事業者、市民活動団体、大学等の協力 50年間戦略を推進し、その目標を達成するためには、市民や事業者、市民活動団体及び大学等が、市に協力・提案するとともに、生物多様性に配慮した活動を行うことが重要です。 50年間戦略を進めていく一員として、各主体に期待する役割は次のとおりです。 @市民に期待する役割 環境保全活動への参加 市や市民活動団体等が主催する環境学習や自然環境保全活動に積極的に参加することを期待します。また、企業が行う生物多様性に配慮した事業活動や社会貢献活動に参加することを期待します。 A事業者に期待する役割 環境配慮型事業の展開 調達、生産、流通、廃棄など事業活動のあらゆる場面において生物多様性保全への影響を考慮することを期待します。具体的にはISO14001やエコアクション21といった環境マネジメントシステムを導入し、その取組の中で、生物多様性への配慮に取り組むことです。 環境保全活動への協力 社有地などを活用した森林保全活動や、自然環境の保全に取り組む団体などとの協働・連携体制を構築することを期待します。 B市民活動団体、大学等に期待する役割 重点地区における動植物の保全やモニタリング調査の実施及び協力 市民活動団体、大学等においては、生物多様性の保全・回復を重点的に進めるため、重点地区・拠点において自ら積極的にモニタリング調査を行うとともに、市が行うモニタリング調査に協力することを期待します。 得られた調査結果や保全・回復の際の行動内容等は、本市の生態系に関する基盤情報として市に集積します。 (写真)自然と人を育む地域づくり推進協議会主催の市内事業者が参加したミズヒマワリ除去活動 モニタリング調査の様子 (写真)終わり 2.進行管理 (1)重点プロジェクトによる市の率先的な取組の進行管理 市は、4つの基本方針に沿って作成した重点プロジェクトに率先して取り組みます。重点プロジェクトの進捗状況を年に1度確認し、進行管理を行います。これら重点プロジェクトは、モニタリング結果に基づく評価や、施策の進捗状況、自然的・社会的状況の変化に応じ、適宜見直します。 (2)進捗管理・公表 生物多様性基本法では「政府は、毎年、生物の多様性の状況及び講じた施策に関する報告書を提出しなければならない。」とされています。これを受け、国の環境白書に生物多様性の部分が追加されるようになりました。 このことを踏まえ、本市でも「流山市環境白書」で生物多様性の状況及び講じた施策、成果等に係る概要を報告することとします。 (3)戦略の見直し 概ね5年後にモニタリング調査結果を評価し、その結果や自然的状況、社会的状況の変化に伴う戦略の方向性の調整や、長期にわたる展望を市民や事業者、市民活動団体等と共有を図るため、必要に応じ見直しを行います。 (写真)生物多様性シンポジウム おおたかの森探検ツアー まちなか森づくりプロジェクト (写真)終わり 45ページ 資料編 46ページ 資料1 生物多様性についての基本事項 1.生物多様性の定義 生物多様性に関する条約(以下「生物多様性条約」という。)第2条に『生物多様性』とは、次のように定義されています。 「生物多様性」とは、すべての生物(陸上生態系、海洋その他の水界生態系、これらが複合した生態系その他生息又は生息の場のいかんを問わない。)の間の変異性をいうものとし、種内の多様性、種間の多様性及び生態系の多様性を含む。 「生物多様性」の概念は、自然生態系を構成する動物、植物、微生物など地球上の豊かな生物種の多様性とその遺伝子の多様性、そして地域ごとの様々な生態系の多様性を包括しており、下記3つのレベルでの多様性があるとしています。 生態系の多様性 様々な環境の特性に応じその地域固有の生態系が成り立っていること。生態系の種類として、下記が挙げられます。@森林生態系 二次林、人工林などA農地生態系 水田、畦、水路などB都市生態系 都市公園、調整池、街路樹、生垣などC陸水生態系 河川、河川敷、河畔林、池など 種の多様性 数多くの動物種、植物種、微生物種などが生息・生育していること。※詳細はP50 遺伝子の多様性 同じ生物種でも生息・生育する地域ごとに色や形などの特徴が異なること。 人類は、生物の多様性がもたらす恵沢を享受することにより生存しており、生物の多様性は人類の存続の基盤となっています。また、生物の多様性は、地域における固有の財産として地域独自の文化の多様性をも支えています。 (写真)キジムシロ アカボシツリフネソウ (写真)終わり 2.生物多様性国家戦略 生物多様性国家戦略とは、生物多様性条約及び生物多様性基本法に基づく、生物多様性の保全と維持可能な利用に関する国の基本的な計画です。1995(平成7)年に生物多様性国家戦略を策定し、これまでに5回見直しを行っています。現行の生物多様性国家戦略は、2023(令和5)年策定の「生物多様性国家戦略2023-2030」となります。 (1)生物多様性国家戦略2023-2030 令和4年12月にカナダ・モントリオールで開催された生物多様性条約第15回締結国会議(COP15)では、2010(平成22)年に採択された愛知目標の後継となる、2030年までの世界目標「昆明・モントリオール生物多様性枠組」が採択され、各国は生物多様性国家戦略を策定・改定することが求められました。日本では、生物多様性国家戦略の見直しを行い令和5年3月31日に「生物多様性国家戦略2023-2030」が策定されました。 この戦略は、世界目標である「昆明・モントリオール生物多様性枠組」に対応し、2030年のネイチャーポジティブ(自然再興)の実現を目指し、地球の持続可能性の土台であり人間の安全保障の根幹である生物多様性・自然資本を守り活用するための戦略です。 戦略のポイント ・生物多様性損失と気候危機の「2つの危機」へ統合的対応、ネイチャーポジティブ実現に向けた社会の根本的変革を強調 ・30by30目標(※11)の達成等の取組により健全な生態系を確保し、自然の恵みを維持回復 (※11)30by30(サーティ・バイ・サーティ)目標は、2030年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として効果的に保全する目標 ・自然資本を守り活かす社会経済活動(自然や生態系への配慮や評価が組み込まれ、ネイチャーポジティブの駆動力となる取組)の推進 (2)目指す姿(2050年以降) 「自然の仕組みを基礎とする真に豊かな社会をつくる」という、自然共生社会の理念のもと、2050年ビジョン(長期目標)として、「『2050年までに生物多様性が評価され、保全され、回復され、賢明に利用され、生態系サービスが維持され、健全な地球が維持され、全ての人々にとって不可欠な利益がもたらされる』自然と共生する社会」の実現を目指します。 (3)2030年に向けた目標 2050年ビジョンの達成に向け、短期目標(2030年ミッション)は、「自然を回復軌道に乗せるため、生物多様性の損失を止め、反転させる」ことを目的に、ネイチャーポジティブ(自然再興)の実現を目指します。 5つの基本戦略 @生態系の健全性の回復、A自然を活用した社会課題の解決、Bネイチャーポジティブ経済の実現、C生活・消費活動における生物多様性の価値の認識と行動、D生物多様性に係る取組を支える基盤整備と国際連携の推進 3.生物多様性が直面する4つの危機 (1)開発など人間活動による危機 開発を含む土地と海の利用の変化や乱獲といった生物の直接採取など、人が引き起こすことによる影響です。高度経済成長期以降、大きな開発・改変により、森林、草原、農地、湿原、干潟等の規模や質が著しく縮小しました。また、観賞用や商業的利用による個体の乱獲、盗掘なども動植物の個体数の減少をもたらしています。 (2)自然に対する働きかけの縮小による危機 自然に対する人間の働きかけが縮小・撤退することによる影響です。里地里山など自然に対する人間の継続的な一定の働きかけによって維持されてきた環境が、生活様式や産業構造の変化、高齢化の進行など社会・経済状況の変化に伴って変わり、その環境に依存していた種の生息・生育環境が失われています。 (3)人間により持ち込まれたものによる危機 外来種の侵入や化学物質による汚染など、人間が近代的な生活を送るようになったことにより持ち込まれたものによる影響です。一たび国内に定着した外来種の分布拡大を抑えることは容易ではなく、例えばアライグマはほぼ全国的に広がっています。また、化学物質には生物への有害性を有するものや、環境中に残留するものがあり生態系への影響が指摘されています。 (4)地球環境の変化による危機 地球温暖化や降水量の変化などの気候変動、海洋の酸性化など地球環境の変化による影響です。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が2022(令和4)年にまとめた第6次評価報告書第2作業部会報告書では、人為起源の気候変動により、自然や人間に対して広範囲にわたる悪影響とそれに関連した損失と損害を引き起こしていると評価されています。国内においては、温暖な気候に生育するタケ類の分布の北上や海水温の上昇が原因とみられるサンゴの白化等が確認されています。 (写真)オオキンケイギク(特定外来生物) ヘイケボタル (写真)終わり 49ページ 資料2 持続可能な開発のための2030アジェンダ 【持続可能な開発目標(SDGs)】 2015(平成27)年9月の「国連持続可能な開発サミット」において採択された「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」は、国際社会が抱える包括的な課題に喫緊に取り組むための画期的な合意となりました。 「持続可能な開発目標(SDGs)」は、地球上の「誰一人取り残さない」社会の実現を目指し、17のゴール(目標)と169のターゲット(取組)から構成されて、国家レベルだけでなく、個人、民間団体、事業者や地方公共団体等の多様な主体が連携して行動することが求められています。 生物多様性とSDGsは密接に関わりがあり、目標14「海の豊かさを守ろう」、目標15「陸の豊かさを守ろう」をいった直接的な目標が定められています。 また、SDGsの17のゴールは相互に関連しており、経済面、社会面、環境面の課題を総合的に解決することや、一つの行動によった複数の側面における利益を生み出す多様な利便(マルチベネフィット)を目指すという特徴を持っています。 (イラスト)SDGsを紹介したイラスト (イラスト)終わり 50ページ 資料3 種の多様性について 種の多様性とは、鳥、魚、植物など様々な種類の生きものがいることを示します。 1.日本・世界の生物種数の現状 (1)日本国内 国内で確認されている生物種数は約9万種です。未確認の生物を含めると、推定で30万種を超えると言われています。また、陸生哺乳類、維管束植物の約4割、爬虫類の約6割、両生類の約8割が日本のみに生息する生物(日本固有種)であり、その割合が高いことも特徴です。 (2)世界 世界で確認されている生物種数は、約175万種といわれています。その内訳は、哺乳類約6,000種、鳥類約9,000種、昆虫約95万種、維管束植物約27万種です。未確認の生物を含めると、推定で500万〜3000万種いると言われており、現時点ではまだ6〜35%の生物しか確認されていません。 2.レッドリストのカテゴリーとは 絶滅のおそれのある種のリスト(レッドリスト:RL)は、絶滅のおそれの程度に応じてカテゴリー分けをしているものです。環境省が策定した全国版の他、都道府県版では各地域の特性を踏まえた選定が行われています。 (写真)ギイチモンジセセリ(NT) コムラサキ(C) ヒメシオン(B) フジバカマ(NT,C) (写真)終わり 3.環境省レッドリストとカテゴリーの評価基準について レッドリストは概ね5年ごとに全体的な見直しを行っており、生息状況等をとりまとめ編さんしたレッドデータブック(Red Date Book=RDB)として発行しています。 環境省(RL) 絶滅(EX) 我が国ではすでに絶滅したと考えられる種 野生絶滅(EW) 飼育・栽培下あるいは自然分布域の明らかに外側で野生化した状態でのみ存続している種 絶滅危惧種 絶滅危惧T類(CR+EN) 絶滅の危機に瀕している種 絶滅危惧TA類(CR) ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの 絶滅危惧TB類(EN) TA類ほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの 絶滅危惧U類(VU) 絶滅の危険が増大している種 準絶滅危惧(NT) 現時点での絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種 情報不足(DD) 評価するだけの情報が不足している種 絶滅のおそれのある地域個体群(LP) 孤立した地域個体群で、絶滅のおそれが高いもの 動物 レッドリスト2020 分類群 哺乳類 評価対象種数 160 絶滅危惧種(※12)34 分類群 鳥類 評価対象種数 約700 絶滅危惧種(※12)98 分類群 爬虫類 評価対象種数 100 絶滅危惧種(※12)37 分類群 両生類 評価対象種数 91 絶滅危惧種(※12)47 分類群 汽水・淡水魚類 評価対象種数 約400 絶滅危惧種(※12)169 分類群 昆虫類 評価対象種数 約32,000 絶滅危惧種(※12)367 分類群 貝類 評価対象種数 約3,200 絶滅危惧種(※12)629 分類群 その他無脊椎動物 評価対象種数 約5,300 絶滅危惧種(※12)65 分類群 動物小計 絶滅危惧種(※12)1,446   植物等 第5次レッドリスト 分類群 維管束植物 評価対象種数 約7,000 絶滅危惧種(※12)1,765 分類群 蘚苔類 評価対象種数 約1,800 絶滅危惧種(※12)169 分類群 藻類 評価対象種数 約3,000 絶滅危惧種(※12)79 分類群 地衣類 評価対象種数 約1,600 絶滅危惧種(※12)37 分類群 菌類 評価対象種数 約3,000 絶滅危惧種(※12)13 分類群 植物等小計 絶滅危惧種(※12)2,063 (※12)絶滅危惧TA類、絶滅危惧TB類、絶滅危惧U類に指定された種 動物 環境省レッドリスト2019では絶滅危惧種が1,410種でしたが、生息状況の悪化等によりカテゴリーの再検討が必要となった種は随時見直しを行っているため、環境省レッドリスト2020では1,446種と増加しました。 植物等 環境省レッドリスト2020では絶滅危惧が2,270種でしたが、評価基準の変更により要件に満たさなくなったことや、個体数の回復や新たな分布の発見によって絶滅危惧の要件を満たさなくなったことで減少しました。また、絶滅と判断された種が再発見された事例もみられました。 4.絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(種の保存法)について 国内外の絶滅のおそれのある野生生物の種を保存するために、1993(平成5)年に施行しました。国内に生息・生育する希少野生動植物、外国産の希少野生動植物の保全するために必要な措置を定めています。 国内に生息・生育する希少野生生物については、レッドリストに掲載されている絶滅危惧種のうち、人為の影響により生息・生育状況に支障を来たしているものの中から、国内希少野生動植物種を指定し、個体の取り扱い規制、生息地の保護、保護増殖事業の実施など保全のために必要な措置を講じています。 (1)国内希少野生動植物種 2025(令和7)年2月現在、国内の希少野生動植物には、鳥類45種、哺乳類15種、爬虫類12種、両生類41種、魚類12種、昆虫類64種、唇脚類1種、二枚貝類3種、陸産貝類48種、甲殻類7種、植物210種の全458種が指定されています。 (2)指定種数の現況 環境省では絶滅危惧種の保全をより一層促進するため、2020(令和2)年までに新たに300種を「国内希少野生動植物種」にする事を目指すこととしていましたが、2014(平成26)年から2020(令和2)年に309種を指定し達成、引き続き2030(令和12)年までに合計700種の指定を目指すこととしています。 5.千葉県レッドリストとカテゴリーの評価基準について カテゴリー 消息不明・絶滅生物(X) 評価基準 かつては生息・生育が確認されていたにもかかわらず、近年長期にわたって確実な生体の発見情報がない、千葉県から絶滅した可能性の強い生物。 カテゴリー 野生絶滅生物(EW)※植物・菌類のみ 評価基準 かつては千葉県に生息・生育していた生物のうち、野生・自生では見られなくなってしまったものの、千葉県の個体群の子孫が飼育・栽培などによって維持されているもの。 カテゴリー 最重要保護生物(A) 評価基準 個体数が極めて少ない、生息・生育環境が極めて限られている、生息・生育地のほとんどが環境改変の危機にある、などの状況にある生物。放置すれば近々にも千葉県から絶滅、あるいはそれに近い状態になるおそれのあるもの。 カテゴリー 重要保護生物(B) 評価基準 個体数がかなり少ない、生息・生育環境がかなり限られている、生息・生育地のほとんどで環境改変の可能性がある、などの状況にある生物。放置すれば著しい個体数の減少は避けられず、近い将来カテゴリーAへの移行が必至と考えられるもの。 カテゴリー 要保護生物(C) 評価基準 個体数が少ない、生息・生育環境が限られている、生息・生育地の多くで環境改変の可能性がある、などの状況にある生物。放置すれば著しい個体数の減少は避けられず、将来カテゴリーBに移行することが予測されるもの。 カテゴリー 一般保護生物(D) 評価基準 個体数が少ない、生息・生育環境が限られている、生息・生育地の多くで環境改変の可能性がある、などの状況にある生物。放置すれば個体数の減少は避けられず、自然環境の構成要素としての役割が著しく衰退する可能性があり、将来カテゴリーCに移行することが予測されるもの。 カテゴリー 保護参考雑種(RH)※植物・菌類のみ 評価基準 自然界において形成されることが稀な雑種であって、個体数が著しく少なく、分布地域及び生息・生育環境が著しく限定されているもの。 カテゴリーは、植物は「千葉県レッドデータブック植物・菌類2023改訂版」、動物は「千葉県レッドリスト動物編(2019年改訂版)」に基づき分類しています。 (写真)ジャノメチョウ(C) ミズイロオナガシジミ(C) (写真)終わり コラム 種の保存法と流山市のオオタカの歴史 ・種の保存法とオオタカ オオタカは、1993(平成5)年4月1日に「種の保存法」に基づく指定種に選ばれました。これを追い風に、「千葉県初 市野谷の森にオオタカ営巣」の記者発表が市民団体により同年5月19日に行われました。1996(平成8)年に環境省が猛禽類保護のための基本的な考え方や保護のための調査方法等の指針「猛禽類保護の進め方」を策定した後は、種の保存法とこの指針を両輪にしたオオタカの保護活動が各地で行われました。 1984(昭和59)年に環境庁調査で生息個体数が500羽以下であったことを受け、1991(平成3)年に公表した第1次レッドデータブックでオオタカは危急種(現カテゴリーでは絶滅危惧U類(VU))に指定されました。その後、2005(平成17)年環境省調査で生息個体数が1,824〜2,240羽と増えたことで、2006(平成18)年第3次レッドリストで準絶滅危惧(NT)に指定され、2012(平成24)年第4次レッドリストでも準絶滅危惧(NT)となっています。 そこで、環境省は2014(平成26)年4月に「絶滅のおそれのある野生生物種の保全戦略」を策定し、カテゴリーが準絶滅危惧(NT)へとダウンリストし、次のレッドリストの見直しにおいても絶滅危惧U類(VU)以上に選定されない場合は、種の保存法から指定解除の検討を開始するという方針を公表し、同年10月、環境省中央環境審議会自然環境部会野生生物小委員会において、種の保存法の信頼性確保の観点から、オオタカを指定解除する方針について合意を得ました。 その後、パブリックコメント等を経て2017(平成29)年8月29日に「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律施行令の一部を改正する政令」が閣議決定され、同年9月21日にオオタカは指定解除されました。 ・流山市のオオタカの歴史 流山市内ではいくつかの樹林地でオオタカが繁殖していますが、長年継続して繁殖していることが確認できているのは市野谷の森だけです。繁殖はカラスの妨害、人為的影響、その他の原因で毎年成功するとは限らず、1990年代にはヒナが密猟される事件も起きました。オオタカの保護活動を行っている市民団体は、行政、地権者の協力のもと、引き続き繁殖成功を目指した活動を行っています。 (写真)オオタカ (写真)終わり 55ページ 資料4 緑の創出の分布図 市内の地図に以下を実施した場所にマークをつけています。 グルーンチェーン戦略認定物件(令和6年度時点) レベル1 レベル2 レベル3 グリーンウェイブ実施場所(平成22〜令和6年) おおたかの森センター地区(まちなみづくり指針) まちなか森づくりプロジェクト(平成22〜令和6年) 道路緑化事業実施場所(平成23年〜平成28年) 生物多様性ながれやま戦略重点地区・拠点 公園等植栽整備(平成25年〜令和6年) 56ページ 資料5 流山市の主な活動状況 @市野谷の森 実施日 平成23年7月〜 保全 内容 モニタリング調査 実施日 平成24年4月〜 保全 内容 オオタカ保護看板設置 実施日 平成26年11月〜 保全 内容 市野谷の森アライグマ捕獲計画策定及び捕獲の実施 実施日 平成29年5月4日 啓発 内容 グリーンフェスティバル(おおたかの森探検ツアー) 実施日 平成30年5月4日 啓発 内容 グリーンフェスティバル(おおたかの森探検ツアー) 実施日 令和元年5月4日 啓発 内容 グリーンフェスティバル(おおたかの森探検ツアー) 実施日 令和2年11月7日 啓発 内容 おおたかの森探検ツアー 実施日 令和3年11月6日 啓発 内容 おおたかの森探検ツアー 実施日 令和4年5月4日 啓発 内容 グリーンフェスティバル(おおたかの森探検ツアー) 実施日 令和5年5月4日 啓発 内容 グリーンフェスティバル(おおたかの森探検ツアー) 実施日 令和6年5月4日 啓発 内容 グリーンフェスティバル(おおたかの森探検ツアー) 実施日 令和7年5月4日 啓発 内容 グリーンフェスティバル(おおたかの森探検ツアー) A市野谷水鳥の池 実施日 平成27年4月〜 保全 内容 モニタリング調査 B西初石小鳥の森 実施日 平成16年度 保全 清掃 内容 市民活動団体(NPOさとやま)と西初石小鳥の森維持管理業務委託契約を締結 実施日 平成23年7月〜 保全 内容 モニタリング調査 C大畔の森(稲荷神社裏の谷津) 実施日 平成23年7月〜 保全 内容 モニタリング調査 実施日 平成25年4月23日 保全 内容 土地所有者の寄附により、流山市に所有権移転 実施日 平成25年6月10日 保全 内容 前所有者と流山市において「森の土地の扱いに関する覚書」を締結 実施日 平成25年6月10日 保全 内容 市民活動団体(里山ボランティア流山、流山ホタル野)と流山市において「森の維持管理に関する協定書」を締結 D大堀川 実施日 平成24年5月3日 保全 内容 流山市及びURの共催で「大堀川防災調節池」の一般開放を記念した竣工式 実施日 平成27年4月〜 保全 内容 モニタリング調査 E利根運河 実施日 平成29年5月28日 清掃 内容 第37回江戸川クリーン大作戦 実施日 平成29年7月 清掃 内容 アレチウリ除去活動 実施日 平成30年5月27日 清掃 内容 第38回江戸川クリーン大作戦 実施日 平成30年7月 清掃 内容 アレチウリ除去活動 実施日 令和元年5月26日 清掃 内容 第39回江戸川クリーン大作戦 実施日 令和元年7月 清掃 内容 アレチウリ除去活動 実施日 令和3年7月 清掃 内容 アレチウリ除去活動 実施日 令和4年7月 清掃 内容 アレチウリ除去活動 実施日 令和5年12月 清掃 内容 ミズヒマワリ除去活動 実施日 令和6年12月 清掃 内容 ミズヒマワリ除去活動 実施日 令和7年7月 清掃 内容 アレチウリ除去活動 F理窓会記念自然公園 実施日 平成23年度〜 保全 内容 境田排水樋管魚道整備 実施日 平成23年7月〜 保全 内容 モニタリング調査 実施日 平成26年度〜 保全 内容 (湿地の造成)谷津の環境整備 G西深井北西部 実施日 平成23年7月〜 保全 内容 モニタリング調査 Hみやぞの野鳥の池、坂川、熊野神社周辺の森 実施日 平成27年〜 保全 内容 モニタリング調査 Iにしひらい水鳥の池 実施日 平成29年〜 保全 内容 モニタリング調査 J芝崎小鳥の森 実施日 平成27年〜 保全 内容 モニタリング調査 K古間木谷津 実施日 平成27年〜 保全 内容 モニタリング調査 L総合運動公園周辺 実施日 平成27年〜 保全 内容 モニタリング調査 生物多様性シンポジウム 実施日 平成29年9月24日 内容 大畔の森 虫と草花 実施日 平成29年10月9日 内容 利根運河の魅力 実施日 令和元年11月9日 内容 植物の生き方・人との共生 実施日 令和2年10月17日 内容 新川耕地の魅力 実施日 令和3年11月23日 内容 市野谷の魅力 実施日 令和4年9月23日 内容 里山の生き物とその秘密を探ろう 実施日 令和5年11月12日 内容 生物多様性の保全・東深井古墳の森で学ぶ、支え合う生き物 実施日 令和6年10月13日 内容 魅力的な昆虫の多様性 実施日 令和7年9月14日 内容 里山は生き物の不思議がいっぱい! 59ページ 資料6 戦略策定の経緯 1.策定経過 実施日 令和5年2月3日 内容 令和4年度第2回環境審議会(諮問) 実施日 令和5年6月1日 内容 令和5年度第1回環境審議会 実施日 令和5年9月14日 内容 令和5年度第2回環境審議会 実施日 令和5年10月31日 内容 令和5年度第3回環境審議会 実施日 令和5年11月13日 内容 令和5年度第4回環境審議会 実施日 令和6年2月5日 内容 令和5年度第5回環境審議会 実施日 令和6年5月21日 内容 令和6年度第1回環境審議会 実施日 令和7年1月29日 内容 令和6年度第4回環境審議会 実施日 令和7年5月27日 内容 令和7年度第1回環境審議会 実施日 令和7年8月1日 内容 令和7年度第2回環境審議会 実施日 令和7年10月6日 内容 令和7年度第3回環境審議会 2.流山市環境審議会名簿 氏名 新保 國弘 所属等 東葛自然と文化研究所 会長 氏名 金森 有子 所属等 国立環境研究所 副会長 氏名 朽津 和幸 所属等 東京理科大学 氏名 佐藤 秀樹 所属等 江戸川大学 氏名 川村 香純 所属等 流山商工会議所 氏名 木ノ村 正浩 所属等 とうかつ中央農業協同組合 氏名 石田 裕佳 所属等 公募委員 氏名 井上 菊夫 所属等 公募委員 氏名 今井 泰彦 所属等 公募委員 氏名 三堀 裕雄 所属等 公募委員 氏名 和田 登志子 所属等 公募委員 以上で、生物多様性ながれやま戦略第三期(案)テキスト版を終了します。