第1回流山市こどもの権利部会 参考資料6 名古屋市子どもの社会参画のよりどころとなる指針 令和4年5月23日 名古屋市子ども青少年局 目次 はじめに 1頁 1.子どもの社会参画について「知る」 3頁 (1 )子どもの社会参画の意義 (2 )子どもの社会参画とは何か 2 . 子どもの社会参画の「ポイントをつかむ」 5頁 (1 )子どもの意見を聞く際の留意点 ・子どもの特性を知る ・留意点の例 ・子どもへの説明と子どもの意思尊重 (2 )子どもの意見を聞く基本的な流れ・方法 (3 )子どもの積極的な参画を促す方法 ・子ども会議等の活用 ・ファシリテータの活用 3 . 子どもの社会参画の「事例を学ぶ」 13頁 (1 )子どもの社会参画の事例を学ぶ意義 (2 )子どもの社会参画の具体的事例 4 . 子どもの社会参画の「取り組みを推進する」 17頁 参画を推進するための体制 5 . 子どもの権利を理解する 18頁 子どもの権利 (資料) 意見聴取の実施状況 20頁 ・子どもへのヒアリング ・支援者向けのヒアリング ・若年、市職員向けアンケート調査 子どもの社会参画の事例 24頁 なごや子どもの権利条例 28頁 児童の権利に関する条約( 概要) 34頁 子どもの社会参画のよりどころとなる指針の策定懇談会検討経過 38頁 1頁 はじめに ○ 名古屋市では、子どもの権利を保障し、子どもの健やかな育ちを社会全体で支援するまちの実現を目指す「なごや子ども条例」を平成20 年4月に制定しました。 ○平成28 年には、「児童の権利に関する条約」の精神にのっとり、子どもは権利の主体であるという理念が明確化された「児童福祉法の一部を改正する法律」が成立しました。 脚注 「児童の権利に関する条約」: 平成元年国連で採択され、日本は平成6 年に批准。 「児童福祉法の一部を改正する法律」: 児童福祉法第1 条「全て児童は、児童の権利に関する条約の精神にのっとり、適切に養育されること、その生活を保障されること、愛され、保護されること、その心身の健やかな成長及び発達並びにその自立が図られることその他の福祉を等しく保障される権利を有する。」 脚注終わり ○このような流れの中で、令和2年に、「なごや子ども条例」を「なごや子どもの権利条例」へと改正し、子どもは権利の主体であり、子どもの権利を根幹に据えることを明確にしました。条例では改正前より子どもの権利の一つに「主体的に参加する権利」を掲げており、子どもは、意見を表明する機会が与えられることや、自分たちの意見が尊重されること、そして意見を表明するために、必要な情報の提供その他必要な支援を受けられることを保障されなければならない、としています。 ○ しかし、本市の様々な施策を推進するにあたり、子どもに意見を表明する機会が設けられている事例は決して多いとは言えませんでした。これまで意義の浸透が十分でない上、どのように進めていくことが適当なのか、という方策も確立されていないことが要因と考えられます。 ○ 子どもの社会参画は、子どもが主体的に参画し、意見を表明する権利を保障するための大人側の責務であると言えます。 ○ 子どもの社会参画の意義の理解や子どもの社会参画が進むことを目指し、有識者や実践者を委員とする「子どもの社会参画のよりどころとなる指針策定懇談会」を開催し意見を聞くほか、子どもたちへのヒアリングを実施しながら、市の職員を対象にした指針をとりまとめました。 ○ 子どもの社会参画を進めるにあたっては、事業や施策を企画する場面に限らず、日常的な活動や、家庭、学校、施設などの生活場面においても、子どもを社会の一員として認識し、対等な立場で子どもの意見を聞くことが重要です。そのため、それぞれの場面においても、子どもと関わる人が、子どもが意見を表明する機会を設けるとともに、そのために必要となる情報や背景を子どもへわかりやすく説明することを、意識していく必要があります。 ○ まず、市の職員による取り組みが進んで行くことを目指すとともに、子どもの社会参画が広く市民に認識されていくことを目指していきます。 2頁 指針の構成 ○ 子どもの社会参画について4つのステップにわけて、市の職員が、新しく子どもの社会参画に取り組んでいくことができるよう解説をまとめます。 ○ 子どもの社会参画の意義や、各部署が子どもの社会参画に取り組みやすいよう、具体例などを掲載するほか、子どもへのヒアリングを踏まえた留意点などをまとめています。 ○ 子どもの社会参画の基礎となる「子どもの権利」についての解説を掲載し、子どもの権利についての理解を深める内容としています。 子どもの権利とは以下の4つです。 (安全に安心して生きる権利、一人一人が尊重される権利、のびのびと豊かに育つ権利、主体的に参加する権利) 子どもの社会参画について4つのステップにわけた指針の構成図があります。 4つのステップを順番に述べます。 ステップ1 子どもの社会参画について「知る」 (子どもの社会参画の意義、子どもの社会参画とは何か) ステップ2 子どもの社会参画の「ポイントをつかむ」 (子どもの社会参画の留意点、基本的な流れ) ステップ3 子どもの社会参画の「事例を学ぶ」 ( 子どもの意見を施策や事業につなげる具体的イメージ・具体例) ステップ4 子どもの社会参画の「取り組みを推進する」 3頁 1. 子どもの社会参画について「知る」 (1) 子どもの社会参画の意義 ○ 子どもの社会参画は、子どもが意見を表明する権利を保障するための大人の責務です。子どもは社会の構成員であるという観点から、子どもの意見を聞く必要があると言えます。 ○ それと同時に、行政的な視点からは、市の施策や事業を検討する場面において、子ども自身が対象者となる施策について子どもに意見を聞くことは、施策を当事者のニーズに合った効果的なものにしていくことにもつながります。 ○また、子どもが主体的に考えることによって出た意見には、大人のみで検討していた場合に、気が付くことができない新しい視点・発想による意見が発せられる可能性もあります。 ○ 子どもたちが参画する経験を重ねていくことで、自分の住むまちや市の施策など様々なことに興味・関心を持ち、課題などを考え、市政を身近に感じることができ、さらには、主体的に意見を発することのできる市民を育てることにつながります。 子ども自身が生活する社会について意見や思いを表明することは子どもの権利です。 「子どもは社会の構成員」という観点から、子どもが直接関わる事項に限定せず、子どもから幅広く意見を聞いていくことが子どもの社会参画を進める第一歩です。 4頁 (2)子どもの社会参画とは何か ○「児童の権利に関する条約」、「児童福祉法」及び「なごや子どもの権利条例」のそれぞれにおいて、子どもの権利として子どもの意見表明権が保障されています。 脚注 「児童の権利に関する条約」 第12 条 「締結国は、自己の意見を形成する能力のある児童がその児童に影響を及ぼすすべての事項について自由に自己の意見を表明する権利を確保する。この場合において、児童の意見は、その児童の年齢及び成熟度に従って相応に考慮されるものとする。」 「児童福祉法」 第2条「全て国民は、児童が良好な環境において生まれ、かつ、社会のあらゆる分野において、児童の年齢及び発達の程度に応じて、その意見が尊重され、その最善の利益が優先して考慮され、心身ともに健やかに育成されるよう努めなければならない。」 脚注終わり ○子どもの社会参画とは、社会や日常生活上の課題などに対して原因や問題を考え、問題解決に向けて何をしたらよいかを調べ、解決策を計画・決定して実践する過程において、大人だけではなく、子どもも社会の構成員として関わっていくことと考えられます。 ○子どもの社会参画は、子どもの意見表明権を保障するという観点が重要であり、「立派な意見を言うことができる」ことや「大きな舞台で発言できる」ことだけが子どもの参画の目指すところではありません。また、子どもから出た意見を全面的に実現することが必要というものでもありません。 ○ たとえ、まとまった意見でなくても、子どもが自分の思いを言葉や態度で表出することができ、それを大人がしっかりと受け止めることや、子どもの声にしっかりと耳を傾けることが、子どもの社会参画において重要な点であると言えます。 ○ 子どもの社会参画では、日常的な活動や生活場面も含め、子どもたちと大人がどのように関わり、子どもたちが気軽に思いや意見を言える機会をいかに設け、その中で子どもが表出した意見を大人がどのように取り扱ったのかということに重きを置くことが適当です。 【子どもの権利と子どもの社会参画】の構成図に次の3つの法律があります。 1.児童の権利に関する条約 2.児童福祉法 3.なごや子どもの権利条例 「なごや子どもの権利条例」に定める4つの子どもの権利の構成図があります。 1.安全に安心して生きる権利 2.一人一人が尊重される権利 3.のびのびと豊かに育つ権利 4.主体的に参加する権利 「主体的に参加する権利」について、3つの保障する要件があります。 1.意見を表明する機会が与えられる 2.意見が尊重される 3.情報の提供等の支援を受けられる つまり、子どもの社会参画は、子どもの権利の参加する権利と意見表明権を保障する観点が重要です。 5頁 2.子どもの社会参画の「ポイントをつかむ」 (1)子どもの意見を聞く際の留意点 子どもの特性を知る ○ 子どもの年齢に応じた発達段階ごとにそれぞれ異なる特性があります。しかし、子どもの意見を聞く際は、子どもの年齢だけで区切った対応とするのではなく、1人1人の発達には違いがあることを十分留意した配慮を行うことが重要です。 ○ さらに、病気や障害、日本語以外が母語である場合や外国にルーツのある子どもなど、自分の思いや意見を言葉や態度で表出することに困難がある子どもたちなど配慮が必要な子どもの状況は多岐にわたるため、子どもの意見を聞く際には、それぞれの状況に応じた配慮( 子どもが意見を表明するための支援)が必要です。 ○ 子どもの意見を聞く際には、年齢など子どもの発達段階に応じた、特性などへの配慮が必要です。子どもの発達は一人一人異なるため、一定の年齢の子どもがすべて同じではありません。 ○ また、子どもに意見を聞く目的であったとしても、子どもにとって思い出したくない事や話したくない事などを思い出させるようなことが無いように配慮することが必要であり、子どもが「話したくない」と言うことも1つの意見表明として尊重しなければなりません。 留意点の例 ○ 意見を聞く際に大人側に留意してほしいこととして、ヒアリングの中からあがった意見を次のページで年齢別にいくつか紹介しています。すべての子どもにとって、あてはまるものではありませんが、子どもに意見を聞く際には、こういった考えを持った子どもがいることを念頭に置く必要があります。 ○ また、配慮が必要な子どもが意見を表明するための支援については、個別性が強く、その時々の状況や場面によっても異なるため、体系的・網羅的にまとめることは困難ですが、これまでの実践などから得られた配慮のポイントを次のページにいくつか紹介していますので、子どもの意見を聞く際の参考としてください。 6頁 「意見を聞く際、大人に配慮してほしいこと」として子どもからあがった意見 小学生の意見 ・友達みたいに接してくれる。気楽に聞いてほしい。 ・よく話を聞いてほしい。 中学生の意見 ・話すことが得意じゃないから、途切れ途切れに話すことが多いので、遮らずに聞いてほしい。まくし立ててくるのがいや、ちょっと待ってほしいって思う。 ・ちゃんと聞いてほしい、最後まで聞いて理解してほしい。 ・優しく話を聞く。否定しない。 ・話を聞いているときに足と腕を組まないでほしい! 怖い!間違っているのかと思っていやだ。 ・深くかかわりすぎないでほしい。否定しないでほしい。 高校生の意見 ・否定してほしくない。はぐらかし? もせずに真面目に真剣に聞いてほしい。 ・伝えたことを否定せずに一旦受け止めてほしい。 ・寄り添いっていうか、聞く努力をしてほしいです。聞く努力もしないのに軽く話に入ってこないでほしい。 ・否定から入らないでほしい。まずは自分が言ったことを一回認めてからお互いに意見が言い合えるようにすると、自分も意見を伝えやすい。 ・素直に聞いてほしい。自分の話を聞いて、「つまらん」とか言わないでほしい。 ・自分の意見や考えが間違っていたり、アドバイスをしたりするときはオブラートに包まずストレートに伝えてほしい。 子どもからあがった意見終わり 配慮が必要な子どもが意見を表明するための支援の例 ○ 感情のコントロールが不得意な子ども ・自分の意見が通らないことで、強い不満や怒りを表現する子どもには「できること」・「できないこと」が何か、とその理由を明確に説明する。子どもの意見が通らない場合でも、どうしたら「できる」ようになっていくのかを、子どもと大人が一緒に考える姿勢を示していく。 ○説明に配慮が必要な子ども ・子どものへの説明や情報提供を行う際に「わかりやすい言語を用いて伝える」、「言語と非言語のジェスチャー等の両方により伝える」、「モデルを用いて伝える」、「イラストなどの視覚的情報を用いて伝える」など、子どもの理解度に応じて、方法を組み合わせて伝える。 ○ 集団での話し合いの場面での実践 ・子ども集団での話し合いでは、高学年の子どもの意見だけでなく、低学年の子どもも自分の言葉で言えるように配慮する。 ・多人数の中で、意見を言えずに埋もれてしまいそうな子どもに対しては、個別に話をできる時間と空間を用意する。 7頁 子どもへの説明と子どもの意思尊重 ○子どもの立場に立つと、「子どもの社会参画」と言われた場合に、大人が子どもに何を求めているのかが十分に伝わらないことが想定されます。例えば、市の施策の検討場面であれば、子どもたちに対して、施策の目的、どんな観点で何を聞きたいと考えているかについて、丁寧に説明し、子どもに理解してもらう必要があります。こういったプロセスを経ることで、子どもは意見を発することを求められているという理解ができます。 脚注 子どもが直接の利用者とならない施策・事業もあるため、施策の目的の丁寧な説明や、意見を聞きたいポイント(例:●●の事業の良いところ・弱いところ教えてほしい、どうしたら多くの人にとってより良い●●事業になるか、アイデアを欲しいなど)を子どもにしっかりと理解してもらう必要がある。 脚注終わり ○説明の上で、子どもからの質問への回答を丁寧に行い、子どもの意見を採用する( できる)、しない( できない) を含めて丁寧に検討し、子どもの意見をどのように扱ったのかを丁寧にフィードバックを行うなど、子ども自身に意見が尊重されているということを理解してもらうことが大切です。 ○子どもの意見を聞く際に、安易に話を受け流す、大人が先導しすぎる、すぐに意見が出てこないから早々に対話を打ち切ってしまう、といった態度をとると、子どもはその大人を信頼できず、子どもの思いや意見を聞くことが難しくなってしまいます。また、子どもから発せられた意見に対して、大人が「良い」・「悪い」の評価を行うことも適当ではありません。 ○ 子どもが考えたことや理解した内容を表現したくても、上手に言葉や文章にまとめることができないこともあります。そのため、子どもに説明する際や意見を聞く際に、子どもの日常生活でイメージを持ちやすい具体例を示したり、まとまった意見でなくても感情や気持ちとして表現してもらう質問をしたりするなどの工夫が必要です。 ○ また、子どもに対する丁寧な説明は、意見を聞く上で必要ですが、一方で、大人側が望むような意見への誘導とならないよう、例えば、子ども同士で話し合う時間を十分確保するなどの工夫により、様々な角度から子どもが意見を言うことができる配慮が必要です。 8頁 子どもの意見を聞く基本的な流れ 子どもへの丁寧な説明や、発達段階などに応じた配慮をした上で、子どもが理解し、考え、意見として表出できるだけの時間を確保することが大切です。 ○ 普段、子どもと接する機会の少ない職員にとっては、子どもに対してどのように接することが良いのか、また、どのようにしたら子どもが意見を発してくれるのかという点は、意見を聞く際の大きな課題となり得ます。また、普段から子どもと接している職員においても、あらためて日頃から子どもの視点に立って、子どもの思いや意見を聞くことができているか、振り返ることが重要です。 ○ 大人同士で話しを聞く場合と同様に、子どもの考えや思いを聞く際には、日頃の関係などを通して、聞き手と話し手の間に信頼関係が築けていることが重要になります。また、聞き手と子どもが初対面の場面のように、日頃の関係が十分構築できていない場合には、子どもの気持ちを尊重した丁寧な関わり方が特に重要になります。 ○ また、市職員が施策・事業の検討に際して、子どもの意見を聞く際には、施策・事業と子どもの関わりを含めた説明や、市が考えている方向性、意見を聞いた後の検討プロセスなど、可能な限り丁寧に情報提供を行うことが必要になります。 子どもの意見を聞く方法 ○ 子どもの意見を聞く方法は、対象者数や期間、聞く内容に応じて様々な手法があります。 ○ 例えば、ニーズを把握する場面では、定量調査の手法としてアンケートを用いられることが多くあります。また、施策・事業の検討につなげていく場合には、対象を変えて複数の手法を組み合わせるなど、重層的に意見を聞くことも有効です。 ○ 次ページ以降に、3 つの方法を例示していますが、方法はこれらに限られるものではありません。子どもの意見を表明する機会を保障する観点と、行政機関として子どもの意見をしっかりとすくい上げる観点の双方を考慮し、場面に応じた方法を選択することが適当です。 9頁 子どもの意見を聞くための方法(主なもの) 方法1. ワークショップ ○概要 ・テーマに関する情報を学び、議論を交わし、意見をまとめていく取り組み。いわゆる「参加・体験型学習」を用いた対話によって、子どもの意見を聞く手法。 ○ 実施方法 ・ワークショップの導入では、テーマに関する情報提供(事業施策の説明)や聞きたい内容についての説明を行う。 ・子どもたち1人1人の意見発言の機会が確保できるよう、参加人数に応じて、グループワーク形式を取り入れる。 ・対話だけでは、出てこない意見を拾っていくための手法として、進行役とは別にファシリテーターを活用することで、子どもの意見を聞いていくことも効果的。 ・意見をまとめていくワークショップの手法のほか、子どもがものづくりを行うワークショップの手法も取りうる。 ○留意点 ・意見をまとめていくためには時間がかかるため、複数回にわたって開催することが多い。 ・子どもの話を聞く際には、最初から否定せずに最後まで聞くこと。 ・開催時間が長い場合は、子どもたちが疲れないような配慮が必要。 ・子どもを募って開催する場合は、開催時期や時間帯の工夫が必要。 10頁 方法2. ヒアリング ○概要 ・対面などで、直接子どもから意見を聞く手法 ・1対1で行うことが多いが、この方法に限らず子どもたちが話しやすい人数で行う。 ○ 実施方法 ・テーマに沿って意見を聞き進める。 ・質問項目を整理し、ヒアリング結果を記録するシートをあらかじめ用意すること等により、聞き手による結果の差が生じないよう配慮する。 ・言葉による表出が難しい子ども( 乳幼児など)に対しては、支援者や保護者を通して間接的に聞く方法も取りうる。 ○留意点 ・子どもが言葉に詰まっても、すぐに遮ることはしない。 ・子どもの話を聞く際には、最初から否定せずに最後まで聞くこと。 ・話している内容を他の人に聞かれたくないこともあるため、個室などを用意することが適当。 ・ヒアリングに際しては、回答内容について匿名性が担保されることと、聞き手には守秘義務があり、聞き取った内容は目的外に使用しないことを子どもへ説明すること。 ・内容によっては、子どもにとって思い出したくない事を聞くこともあるため、答えたくないことは、答えなくても良い、ということをしっかりと伝える配慮が必要。 イメージ図 ヒアリングシートの作成例 イメージ図終わり 11頁 方法3.アンケート ○概要 ・調査紙の対面配布や郵送配布のほか、Web フォームを活用して、回答。 ・満足度調査や意識調査など、幅広くニーズ調査を行う際などに用いられることが多い。 ○実施方法 ・所属団体などを通して案内する方法や、無作為抽出したサンプルに郵送で案内する方法のほか、市公式ウェブサイト上に情報を掲載してWebフォームから回答を得る方法等様々な手法ある。 ・集計結果は、回答者へフィードバックする。 ・モニターアンケートのように、意向のある子どものたちの登録を受けて、定期的に調査を行う方法もある。 ○留意点 ・子どもが回答するに当たって必要かつ十分な情報が提供されているかを留意する必要がある。 ・アンケートの回答内容について匿名性が担保され、個人が特定される形で回答内容が公開されるものではないことを子どもへ説明すること。 ・回答する子どもの年齢に応じて、使用する漢字や言葉などの配慮を行う必要がある。 イメージ図 Webアンケートフォームの作成例 イメージ図終わり 12頁 (3)子どもの積極的な参画を促す方法 子ども会議等の活用 ○ 子どもの意見を聞く際、まずは、利用者など当事者となる子どもを対象に、市が、直接聞く方法や、事業者など子どもに関わる大人を通して聞く方法などがあります。また、子どもとの関係が築けている場合であれば、子どもの日常生活の中で意見を聞くことで、より自然な意見を聞くことにもつながります。 ○ これらの方法のほか、市の施策や事業に関して、子どもの社会参画の活動に興味・関心のある子どもを通して意見を聞く方法( 子ども会議等)もあります。 ○ 名古屋市では子どもの社会参画を促進する活動の一環として「なごっちフレンズ」を実施しています。意向のある小学校5 年生から高校生までの子どもが登録し、イベント等に参加して、子どもの目線で市の施策などについて主体的に考え、関心を深めてもらう取組みを行っています。 ○ 子どもの意見を聞くための仕組みは、必ずしも常設又は定期的に開催される会議体である必要はありません。「なごっちフレンズ」のような仕組みを活用して、子どもの意見を聞くことも有効な方策の一つです。 ○ また、意見を聞く内容や対象者に応じて、様々な手法を活用することも、多くの子どもの意見を集めるという視点では、効果的な取り組みであると考えられます。例えば、Web フォームを活用したアンケート調査を行う方法や、対面で意見表明する機会に参加した子どもに友達の意見を聞いて集約してもらう方法などが考えられます。 ○ 子どもが社会的な活動に参加したり、体験したりすることを目的とした取り組みも、社会参画のための導入としては、一定の意義があるものと考えられます。 ファシリテータの活用 ○ 子ども会議などを開催する際に、対話だけでは出てこない意見を拾っていくための手法として、ファシリテータなどを活用して子どもの意見や子どもの声を聞いていくということが効果的です。 脚注 ファシリテータ: 会議などで参加者の発言を促すとともに、発言内容を整理し、進行が円滑に進むよう調整を行う者。ワークショップにおけるファシリテータ役を業務として行う事業者もある。 脚注終わり ○ また、専門のファシリテータの活用だけでなく、社会参画に関心のある若者( 大学生など)をヒアリングの場面でのサポーターとして活用できるような仕組みは、子ども、大人のそれぞれにとって、効果が期待できるものとして、検討に値すると考えられます。 13頁 3.子どもの社会参画の「事例を学ぶ」 (1)子どもの社会参画の事例を学ぶ意義 ○ 施策分野で子どもの意見を聞く取り組みは、他の自治体などでも先駆的に行われており、こういった具体的な事例を学ぶことは、子どもの意見を施策や事業につなげる方法のイメージをつかむ上で有用です。 ○ 子どもを直接の対象者とした施策・事業や、子どもが関係することが一見してわかりやすい施策・事業のみでなく、社会全体に関係する事業であっても、子どもは社会の構成員の一員として、子どもの意見を聞いていく視点も必要です。 (2)子どもの社会参画の具体的事例 ○ この項では、9ページから11 ページで示した「子どもの意見を聞く方法」の中からワークショップの手法について、本市が実施した具体的事例を掲載します。 ○ そのほかにも、ヒアリングの手法、アンケートの手法、など、本市における事例を「子どもの社会参画の事例」として24 ページ以降に掲載しています。 14頁 【事例】ワークショップの取り組み 博物館リニューアルに向けた意見聴取「子ども×博物館 魅力アップ大作戦!」 【概要】 ○趣旨 リニューアルを控えている博物館について、どうしたらみんなが集まる博物館になるか(博物館の魅力アップ)を、施設見学・グループワークなどを経て、子どもたちの意見をまとめ、名古屋市に提案する。 ○ 日程・参加者 1日目 令和3年10 月10 日(日) 子ども25 名 大人9 名 2日目 令和3年10 月31 日(日) 子ども23 名 大人7 名 3日目 令和3年11 月7日(日) 子ども23 名 大人11 名 保護者約40 名 注意書き 「なごっちフレンズ」登録児童を対象に参加を募り、小学校5年生から中学校2年生までの子どもが参加 注意書き終わり 【ワークショップの流れ】 1日目 テーマ「博物館の現場を知ろう!」 ○ アイスブレイク・グループ分け ・初対面の子どもたちのときほぐしのため、ペアをつくり簡単なゲーム ・グループにわかれて自己紹介、グループ対抗のクイズゲーム ○ 博物館を知ろう ・博物館職員が博物館の概要、リニューアルの説明 ・博物館のバックヤード、常設展を学芸員がガイドして見学 ・子どもからの質問タイム 博物館のスナップ写真2枚 1.ガイドツアー 2.子どもからの質問 スナップ写真終わり ○ グループワーク・発表 ・説明、見学を受けて、子どもたちが博物館の強み弱みを考える現状分析 ・グループ内で考えたことを共有し、紙に見える化 ・全体に発表 (終了後、大人の振り返り) グループワークのスナップ写真2枚 1.グループワークの様子 2.付箋紙を貼り出し見える化 スナップ写真終わり 15頁 宿題 博物館魅力アップのアイデアを各自考え、1 枚のシートにまとめる 2日目 テーマ「アイデアを出そう!」 ○ 前回のふりかえり、宿題シートの発表 ・前回のふりかえりに続いて、各自作成した 宿題シート(博物館リニューアルのアイデア)を1人1 分でプレゼン 宿題シートのイメージ画像 ○ グループ分け、アイスブレイク ・子どもたちが発表を聞いて一緒に考えたい仲間どうしでグループづくり ・グループ内で自己紹介、グループ対抗のゲーム ○ グループワーク ・アイデアの検討、発表に向けた資料の作成 ・博物館職員らが適宜子どもたちの議論をフォロー ( 終了後、大人の振り返り) 3日目 テーマ「発表会をしよう!」 ○ グループワーク ・発表に向けた資料の最終準備、リハーサル ○発表 ・博物館館長、副館長、子ども青少年局長に子どもたちのアイデアをプレゼンテーション 発表会イメージ画像2枚 ○ 3 日間のふりかえり ( 終了後、大人の振り返り) 16頁 【子どもの意見の受けとめ方】 ○ ワークショップを通して、子どもたちが考えた意見は、発表の機会などにより大人に伝えることになります。その意見を大人たちがどのように受け止めて、何を考えたのか、ということを、子どもたちにフィードバックすることが重要です。 ○ 今回の博物館のワークショップでは、① 参加した子どもに直接手紙でフィードバックする、とともに、② 子どもたちがまとめた意見の資料を博物館内に掲示することで、より多くの大人たちにも共有されるよう取り扱っています。 子どもたちがまとめた意見の資料のイメージ画像3枚 【参加した職員のコメント】 ○ ワークショップの進行に関して ・その日のことをすぐにきちんとまとめることがとても大切だと実感した。 ・子どもの考えを否定する言葉を発しないよう、言葉に注意して話を聞いた。 「~ してみたら? 」と弱い提案まではしたが、それがグループの結論になってしまわないよう気をつけた。 ・子どもたちが話し合いをしている近くにいて、話に乗るようにした。それだけで子どもは心強く思ってくれる様子だった。 ・グループ発表の際も、感想や質問を述べる機会が多くあり、たくさんの意見を聞くことができた。 ・魅力アップを考える、ということであれば、もう少し博物館を知ってもらう時間を取った方がよかったかもしれないが、日程調整などを考えると、3 回が限界かとも感じた。 ・ファシリテータを専門性のある方に外部委託したことでワークショップの効果が高くなった。 ○ 全体の感想 ・子ども達が主体となって博物館を考えるワークショップであり、運営や子ども達への対応についても大変勉強になった。博物館に対する生の声を聴くことができ、魅力向上への多様なアイデアも頂けてとても良かった。 ・子どもたちが携わっているシーンを見られることは、関わった職員にとっても意義のあるものだった ・学芸員など市職員の仕事も知ってもらい、将来の職業選択のきっかけにもなり有益だと思う。 ・子どもの率直な「博物館に対するイメージ」が聞けたので、貴重な機会だった。 17頁 4.子どもの社会参画の「取り組みを推進する」 参画を推進するための体制 ○ 子どもの社会参画は、その取り組みが単発で終わるのではなく、様々な場面において、継続的に推し進めていくことが重要です。 ○ また、子どもの参画の中には、子どもの意見表明を行う場の提供の取り組みのように、短期的には効果が目に見えにくい取り組みもあるため、継続的に取り組みの振り返りを実施することが重要です。市の業務として進める際には、担当者の異動があっても参画の取り組みが継続されるような体制の検討が必要です。 ○ 各部署が子どもの社会参画の取り組みを新たに始め、継続できるよう、全庁的な連絡調整の会議を活用して、取り組み状況に関する意見交換や情報共有を行いながら子どもの社会参画を推進していきます。 ○ 行政、学識経験者、実践者、当事者等による意見交換の場を継続的に開催する等により、子どもの社会参画の取り組み状況を定期的に振り返り、指針の内容や参画の取り組みが風化しない対応や状況に応じて指針を見直していくことが必要です。 18頁 5.子どもの権利を理解する (1)子どもの権利の考え方 ○「なごや子どもの権利条例( 以下、本項において「条例」)」の前文では、子どもや子どもの権利についての考え方を示しています( 28 ページ参照)。 〇子どもの権利を守るために、大人に求められていることととして、「大人は、子どもの将来を見据えて、子ども一人一人の発達段階に応じた支援をし、子どもが自立した若者に成長するまで見守ることが必要」であること、「大人は、自分の言動が子どもに大きな影響を与えることを認識した上で、子どもの手本となり、子どもから信頼される存在であること求められる」ことを同条例で示しています。 (2)子どもの権利 ○ 条例第4条から第7 条では、子どもの権利を規定しています。以下で紹介する子どもの権利に関する説明は、子どもたちの意見を聞きながらまとめた権利の解説文です、子どもを対象とした「なごや子どもの権利条例」のパンフレット内でも用いています。 イメージ画像 【「なごや子どもの権利条例」パンフレット(令和3年3月・名古屋市作成)】4頁 イメージ画像終わり 19頁 「子どもの権利条例パンフレット」より、子どもの権利の内容 すべての子どもには「権利」があります 子どもの権利とは、子どもが幸せになるために守られるものです。子どもは生まれたときから、一人の人間として大切にされ、自由に生きることができます。 ○ 安全に安心して生きる権利【条例第4 条】 ・命が守られます。 ・周りから愛情と理解をもって育てられます。 ・病気の時はお医者さんにみてもらえます。 ・いじめや暴力などから守られます。 ・どんな理由があっても差別されることがありません。 ・一人一人の成長に合わせた生活ができます。 ・安全に安心して過ごせる居場所があります。 ・困ったことやつらいことがあったら助けてもらえます。 ○ 一人一人が大切にされる権利、又は、(一人一人が尊重される権利)【条例第5 条】 ・自分らしさが大切にされます。 ・自分の考えを自由に持ち、表現できます。 ・周りから認められ、頼りにされます。 ・自分のことで、人に知られたくない時には、それが守られます。 ・自分の持っている力を出すことができます。 ○ のびのびと豊かに育つ権利【条例第6 条】 ・学ぶことができます。 ・遊ぶことができます。 ・ゆっくりと休むことができます。 ・いろいろな人とふれあうことができます。 ・自然とふれあうことができます。 ・地域の活動に参加できます。 ・スポーツ・音楽など、自分が面白そうだと思うことに参加できます。 ○ 自分の気持ちで参加する権利、又は、(主体的に参加する権利)【条例第7 条】 ・思ったことや感じたことを周りに言い、きいてもらうことができます。 ・自分たちの意見が大切にされます。 ・意見を聞いてもらうために、周りの人に手伝ってもらえます。 20頁 意見聴取の実施状況 (1)子どもへの意見聴取 趣旨・概要 子どもの社会参画のよりどころとなる指針(中間とりまとめ)を基に、子どもの社会参画や意見表明に関して子どもの意見を聞くもの。 実施方法 ○ 子どもへのヒアリング 実施期間 令和3年11月20日~12月21日 (期間中に40回実施、1回あたり児童1~2人程度) 対象者 児童館、中学生・高校生の学習支援事業、ひとり親家庭の居場所づくり事業 、若者自立支援ステップアップ事業、通信制高校サポート校の各利用者 ヒアリングの実施者 名古屋市立大学の大学生(全19名) (上記記載の事業担当職員が必要に応じてサポート) ヒアリングの内容 注意書き ヒアリングに先立ち、子どもの権利に関する説明、名古屋市が「子どもの社会参画のよりどころとなる指針」の策定を進めており、子どもの意見を聞き、指針のまとめの参考としたい旨を説明。 注意書き終わり < 子どもの権利に関すること> ○ 子どもの権利について聞いたことや教わったことがあるか。 ○ なごや子どもの権利条例を知っているか。 < 意見表明のエピソード> ○ 自分の思いや考えを周りの大人に伝えることができるか。 ○ 自分の思いや考えを周りの大人に伝えることができた( または、伝えることができなかった)ことはどんなことがあったか。また、その時周りの大人はどのようなサポートをしてくれたか。 < 大人に留意してほしいこと> ○ 自分の思いや考えを周りの大人に伝えたいと思うことがあるか。 ○ 自分の思いや考えを周りの大人は聞いてくれないと感じることはあるか。 ○ 自分の思いや考えを周りの大人に聞いてもらうとき、気をつけてほしいことや、事前に教えてほしいことはどんなことか。 ○ 子どもたちが思いや考えを伝えることができ、大人が聞いてくれるようになるにはどういう方法があるか。 21頁 ヒアリング結果 ○ 子どもからの主な意見 注意書き 年代別の子どもからの意見は6ページを参照 注意書き終わり ・批判とか否定はしてほしくないという意見が多くあった。 ・ただ話を聞くだけじゃなくて、聞いた先には行動してほしい、という意見も出た。 ○ ヒアリングを実施した大学生からの主な意見 ・年齢が低いほど自分の意見を周りに言えやすく、年齢が上がるにつれて、話す内容や相手を選ぶようになり、自分の意見を言いにくくなるような印象を受けた。 ・意見の聞き取りは、大勢で遊んでいる中だと、どのタイミングでどれぐらい聞いて良いのかが分からず難しく感じた。 ・友達同士の複数の子どもからまとめて話を伺うと、1つ意見が出るとどんどん意見が出てきて良い反面、同じような意見に偏ったため、周囲の友達に自然と意見を合わせてもしかしたら本音では無かったのかなと思った。 ・1対1の個室で、意見の聞き取りをしたのは、自分たちとしても落ち着いて聞きやすく、子どもからもこういう風に大人側から聞きに来てくれると話しやすいというふうに言っていたので、遊びの中で聞くというより、遊んだ後に個室で聞き取りの方がお互い話しやすいと感じた。 (2)支援者向けヒアリング 実施方法 ・実施期間:令和3年12月14日 ・対象者:公立保育所園長(3名) ヒアリングの内容 ○ 子どもの状況を踏まえた乳幼児の意見表明・意見表出の支援について対面でヒアリングをおこなった。 22頁 ヒアリング結果 ○ 乳幼児の意見表明・意見表出として配慮している点 ・子どもの自己主張を大事にしている。保育園では、0歳、1歳の頃から、自分の気持ちを伝えていい、と感じるように愛着関係を深めている。子どもの表情や行動から子どもの気持ちを汲み取り、大人が受けとめるようにしている。 ・まずは、自分の意見を言っていいんだ、とわかり、その後、相手や周りの意見を聞くことができるようになっていく。 ・年齢の小さいとき( 3歳児くらいまで)は、特に、思っていること、言いたいことをどんどん出していいんだよと、してあげることが大事。大人との安心できる関係や安心できる環境がとても大切。 ・2歳くらいになれば、言葉で意見を言うこともある。「嫌い」とか「やらない」などの言葉や、表情でも思いを表出していく。必ずしも言葉どおりではないし、子どもと大人の信頼関係によって、表出も異なる。 ・年齢に応じて(特に幼児後半)、集団生活の中では場面に応じて、自分の意見を控えることが必要な時がある。ただ、根っこのところで子ども自身が意見を持つことが、将来的に意見を言えることにつながる。 ・とにかく、乳幼児期は、無条件に何を言ってもいいよ、という環境が理想的ではないか。大人の環境も重要になってくるが、子どもへの対応を通して、大人も変わっていくような必要があるだろう。 ○ 乳幼児の意見表明・意見表出の実例 ・3歳児くらいでは、小さい集団で、グループの名前決めの話し合い程度。なかなかまとまらないことも多くある。園児どうしのトラブルがきっかけで話し合いすることもある。 ・年長児くらいになると、子どもどうしで話し合うことも活動の中に入ってくる。話しあう活動のやり方は、保育園や子どもの状況によってさまざま。園でやった内容としては、お店屋さんごっこ遊びを、園児どうしの話し合いを中心につくりあげていく。最近では、お店屋さんではなく大型ショッピングセンターを模した、ごっこ遊びになるし、お金の受け渡しも現金ではなく電子マネー。子どものやりたいことを引き出していく中から、あそびにつながっていくような活動をしている。 23頁 (3)若者・市職員向けアンケート調査 実施方法 ・調査期間 令和3年12月1日~15日 ・調査方法 Web フォームによる回答 ・回答数 若者(大学生):76件、 市職員:212件 アンケート内容 ○ 大学生及び市職員を対象に自身の子どもの頃(小学生の頃、中学生~高校生の頃)をそれぞれ振り返って、子どもの意見表明に関する意識等を調査した。 ○ 設問は、 ・子どもの頃の時期 2 区分( ① 小学生、② 中学生~ 高校生) ・対象となる大人 2 区分( ① 保護者、② 保護者以外の大人) のそれぞれについて、 ・自分の思いや考えを伝えたいと思うことがあったか ・自分の思いや考えを伝えることができていたと思うか ・自分の思いや考えを聞いてくれないと感じることがあったか を5段階の「常にそう思う」から「全く思わない」で回答。 ○ そのほか、自由記載項目として、 ・子どもが自分の思いや考えを周りの大人に伝えることができるようになるため必要な配慮 ・子ども自身が思いや考えを周りの大人に伝えることができた、またはできなかったエピソードについて回答を求めた。 回答の平均値の折れ線グラフイメージ図 左側の折れ線グラフは、若者の回答結果 右側の折れ線グラフは、職員の回答結果 イメージ図終わり 24頁 子どもの社会参画の事例 ○これまでにも、各局区室では様々な形で子どもが参画する取り組みを行っています。子どもの社会参画の機会のテーマ設定やその手法を検討する際の参考となるよう、事例の一部を9頁から11頁に掲載した3つの方法に沿って、紹介します。 事例のまとめ表があり、事業めい(事業担当局区室名)、概要、対象者の項目順に述べます。 (1)ワークショップの取り組み 事業めい: なごや子どもの権利条例子ども解説ワークショップ(子ども青少年局) 概要: 子どもたちが自己の権利についての理解を深めるとともに、子どもの視点を取り入れた権利の普及啓発につなげるため、なごや子どもの権利条例の解説を、子どもたち自身の参画( ワークショップ)により作成 対象者: 市内在住・在学の小学校5 ・6 年生、中学・高校生 参加者数 小学生: 4 名 、中高生: 7 名 事業めい: 高校生社会参画アクションモデル事業(子ども青少年局) 概要: 名古屋市立高等学校に在籍する高校生を対象に、高校生自身の興味を起点として地域のまちづくりに対する市への提案を実現する機会を提供。 対象者: 市内の市立高等学校に在籍する高校生( 令和3 年度: 2 校で実施) 事業めい: 学校内サロン推進事業(子ども青少年局) 概要: 昼休みや放課後等に学校内に生徒が気軽に立寄ることができる居場所となるサロンを設置し、様々な大人が一緒にボードゲームをしたり、気軽に話したりする等関わりながら、生徒の自己開示や意見表明ができるように支援。 対象者: 市内の市立高等学校に在籍する高校生( 令和3 年度: 3 校で実施) 事業めい: サステナまち計画(子ども青少年局・北区) 概要: 若者や地元企業等が、地域課題をテーマに「サステナブル= 持続可能な」社会やまちづくりについて考えるワークショップを開催 ( 令和2 年度の実施内容) 東海豪雨から20 年の節目の年であることを踏まえ、「防災」をテーマに開催 ( 令和3 年度の実施内容) 北区の30 代の人口が減り続けていることを踏まえ、「創ろう! “ ずっとスキ♡” なまち」をテーマに開催 対象者: 中学生 15 名程度、高校生世代 15 名程度、大学生・専門学校生世代 15 名程度 その他の世代( 小学生以下を除く) : 15 名程度 注意書き 募集対象および募集人数は年度により異なる 注意書き終わり 25頁 事業めい: 子どものまちミーティング(子ども青少年局) 概要: 市内の各児童館行われている子どものまち事業等で中心となって活動している参加児童が集まり、意見を交わす場として実施。 対象者: 各児童館の子どものまち実行委員の代表者もしくは経験者等数名( 原則小学校5年生以上) 事業めい: こどもワークショップ「わくわく未来の名古屋駅駅前広場」(住宅都市局) 概要: 2027 年のリニア中央新幹線開業に向けて再整備の検討を進めている名古屋駅駅前広場について子供たちに将来の駅前広場について伺うため、こどもワークショップを開催。その成果を「名古屋駅駅前広場の再整備『名古屋の顔づくり』アイディア発表会」で発表してもらい検討の参考とした。 対象者: 小学校4 年生から6 年生まで計15 人 事業めい: 北区一日子ども区長(北区) 概要: 北区の魅力や特性、また、北区役所の幅広い業務を知ってもらい、自分が住んでいる北区の将来について考える体験型イベント。( 平成2 9年度より実施) 注意書き 令和2 ・3 年度は新型コロナウイルス感染症により中止 注意書き終わり 対象者: 名古屋市北区内の小学校に通う5 年生及び6年生。( 各学区の小学校から1 名ずつ) 事業めい: 未来の北区ダンボールタウンプロジェクト(北区) 概要: 小中学生を対象にダンボールを活用したまちづくりを通して、北区の特徴や魅力的なまちに必要な機能・サービスなどについて学ぶことで、子どもたちに地元への興味や愛着をもってもらう体験型イベント。( 令和3 年度より実施) 対象者: 参加者: 小学4 年生~中学4年生 50 名程度、参画者: 高校生・大学生・社会人 50 名程度 事業めい: なごや子ども市会(市会事務局) 概要: 6 つの委員会( グループ) が、それぞれのテーマに沿って現場視察をおこなった後、話し合いを行い、本会議で意見発表を行う。また、陸前高田市の子どもたちへメッセージを送る。 対象者: 市内に在住・在学する小学校5 ・6 年生、令和元年度実績: 66 名(定員68 名) 26頁 (2)ヒアリングの取り組み 事業めい: 名古屋市子どもに関する総合計画なごや子ども・子育てわくわくプラン2024 の策定(子ども青少年局) 概要: 制度・事業の利用者を対象に、若者の現状や将来の展望についての意見聴取をヒアリング方式によりおこなった。 対象者: ひとり親家庭の居場所づくり事業、中学生の学習支援事業等の利用者、ステップアップルーム等の利用者 事業めい: なごや子ども条例改正に関する子どもへの意見聴取(子ども青少年局) 概要: なごや子ども条例の改正の際、条例改正案について事項ごとにまとめたインタビューシートを用いて子どもへヒアリングをおこなった。 対象者: 児童館利用者、子ども食堂参加者、トワイライトスクール利用者 等 事業めい: なごや子どもの権利条例のパンフレットへの意見聴取(子ども青少年局) 概要: なごや子どもの権利条例のパンフレット・リーフレットの作成に当たって、ヒアリングを複数回実施し、子どもの権利について学び、広報物に対する子どもたちの意見を聞く取り組みを実施。 初稿、第2 稿それぞれ子どもの意見を聞きながら内容に反映した。 対象者: 小学生から高校生までの子どもを対象に12 回延べ113 人から意見聴取 (3)アンケート調査の取り組み 事業めい: 市民2万人アンケート(総務局) 概要: 市民が感じる課題や施策の方向性に対する期待などについて、客観的に、幅広く、全体の傾向を把握するため実施。 主なアンケート内容: 名古屋のまちの現在のイメージと将来の望ましい姿、名古屋のまちが好きか、嫌いか、等 対象者: 市内に居住する小学校5 年生から高校3年生の年齢に該当するもの2,000 人に実施( 外国人含む) 27頁 事業めい: 名古屋市総合計画2023 成果指標に関するアンケート調査(総務局) 概要: 市民の満足度や意識などに関する指標について、その現状値を調査し、策定のための資料とするもの。 調査項目: 地域や学校のことについて等 対象者: 市内在住の小学校5年生から高校3 年生にあたる年齢に該当する子ども:1,000 人 事業めい: トワイライトスクール等に関するアンケート調査(子ども青少年局) 概要: 小学校内で実施している放課後事業についての満足度等を調査し、事業の充実を図り、また今後の事業展開の資料とするため実施。 対象者: 名古屋市内に在住する小学校1 年生から6 年生までの子ども2,400 人とその保護者( 令和2 年度実績) 事業めい: 新たな運動・文化活動の実施状況についてアンケート(教育委員会事務局) 概要: 名古屋市立小学校における新たな運動・文化活動部活動に替わる新たな運動・文化活動の実施状況についてアンケートを実施。 ・令和元年9 月~ : モデル事業 ・令和2 年9 月~ : 本格実施 対象者: 小学校4 年生から6 年生の新たな運動・文化活動参加児童( 令和元年はモデル事業) 事業めい: 名古屋市文化財保存活用地域計画策定アンケート調査(教育委員会事務局) 概要: 名古屋市文化財保存活用地域計画策定するにあたり計画の参考とするためにアンケート調査を実施。 アンケート調査: 文化財への関心、地域で行っている祭りへの参加 等 対象者: アンケート調査: なごっちフレンズ登録児童の小学校5 年生から高校3 年生を対象に実施 事業めい: 小学生向け防犯啓発漫画冊子配布事業(名東区) 概要: 主に小学生に向けた防犯意識啓発を目的として、漫画冊子を配布。 令和2 年度に試験的に印刷し好評だったため、令和3 年度は区内全小学生に学校を通じて冊子配布をした。 また、アンケートを実施し、満足度や周知度を子どもの意見を通じて把握。 対象者: 区内在住の全小学生を対象に実施。アンケート調査は、19 学区に付き、それぞれ任意の1 クラスの生徒を対象に実施。 28頁 ○なごや子どもの権利条例(令和2年条例第24 号) 目次 前文 第1章 総則(第1条・第2条) 第2章 子どもの権利(第3条から第7条) 第3章 子どもの権利を保障する大人の責務(第8条から第13条) 第4章 子どもに関する基本的な施策等(第14条から第19条の2) 第5章 子どもに関する施策の総合的な推進(第20条から第28条) 第6章 雑則(第29 条) 附則 子どもは、生まれながらにして一人一人がかけがえのない存在であり、周りの人に大切にされ、愛され、信頼されることによって、自分に自信を持ち、安心して健やかに育つことができます。 子どもは、自分の価値が尊重されることによって、他者の価値を尊重することを知ることができます。 子どもは、子ども同士のふれあいや、様々な人、自然、社会そして文化との適切なかかわりを通じて、他を思いやる心を持ち、ルールを守るなどの社会性を身につけ、豊かな人間性と創造性を備え、他者と共生し、自立することができます。 子どもは、一人一人の発達段階に応じて、物事を考え、意見を言うことができます。子どもは、自分の権利を信じることや、自分の権利が保障されることで、主体的に生きることができます。 そのために、大人は、子どもの将来を見据えて、子ども一人一人の発達段階に応じた支援をし、子どもが自立した若者に成長するまでを見守ることが必要です。 さらに、大人は、自分の言動が子どもに大きな影響を与えることを認識したうえで、子どもの手本となり、子どもから信頼される存在であることが求められます。 ここに、わたしたちは、児童の権利に関する条約を基本とし、民族、性別、障害などにかかわらず、子どもにとって大切な権利を保障するとともに、子どもの視点に立ち、子どもとともに最善の方法は何かを考え、子どもの健やかな育ちを社会全体で支援するなごやのまちを、市民が一体となってつくることを決意し、この条例を制定します。 子どもは、児童の権利に関する条約に定められるあらゆる権利の主体です。 第1章 総則 (目的) 第1条 この条例は、子どもの権利及びその権利を保障するための市、保護者、地域住民等、学校等関係者及び事業者の責務を明らかにするとともに、子どもに関する施策の基本となる事項等を定めることにより、子どもの権利を保障し、子どもの健やかな育ちを社会全体で支援するまちの実現を目指すことを目的とする。 (定義) 第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 (1) 子ども 18歳未満の者その他これらの者と等しく権利を認めることが適当である 29頁 者をいう。 (2) 保護者 親及び里親その他親に代わり子どもを養育する者をいう。 (3) 地域住民等 地域の住民及び団体をいう。 (4) 学校等関係者 学校、保育所、児童養護施設その他子どもが学び、又は育つことを目的として通学し、通園し、通所し、又は入所する施設の関係者をいう。 第2章 子どもの権利 (子どもにとって大切な権利) 第3条 この章に定める権利は、子どもにとって特に大切なものとして保障されなければならない。 2 子どもは、一人一人の発達段階に応じ、自分の権利が尊重されるのと同様に他者の権利を尊重することができるようになるために必要な支援を受けることができる。 (安全に安心して生きる権利) 第4条 子どもは、安全に安心して生きるため、次に掲げることを権利として保障されなければならない。 (1) 命が守られること。 (2) かけがえのない存在として、愛情及び理解をもってはぐくまれること。 (3) 健康な生活ができるとともに、適切な医療が提供されること。 (4) 虐待、体罰、いじめ等あらゆる暴力及び犯罪から守られること。 (5) あらゆる差別を受けないこと。 (6) 一人一人の発達段階にふさわしい生活ができること。 (7) 安全に安心して過ごすことができるための居場所があること。 (8) 権利が侵害されたときは、速やかに回復できるよう、適切な支援を受けられること。 (一人一人が尊重される権利) 第5条 子どもは、一人一人が尊重されるため、次に掲げることを権利として保障されなければならない。 (1) 個人の価値が尊重されること。 (2) 自分の考えを自由に持ち、及び表現することができること。 (3) 信頼されるとともに、自分の考えが尊重されること。 (4) プライバシー及び名誉が守られること。 (5) 自分の持っている力を発揮できること。 (のびのびと豊かに育つ権利) 第6条 子どもは、のびのびと豊かに育つため、次に掲げることを権利として保障されなければならない。 (1) 学ぶこと。 (2) 遊ぶこと。 (3) 休息すること。 (4) 様々な人とふれあうこと。 (5) 自然とふれあうこと。 (6) 社会活動に参加すること。 30頁 (7) 多彩な文化活動に参加すること。 (主体的に参加する権利) 第7条 子どもは、自分たちにかかわることについて主体的に参加するため、一人一人の発達段階に応じ、次に掲げることを権利として保障されなければならない。 (1) 意見を表明する機会が与えられること。 (2) 自分たちの意見が尊重されること。 (3) 意見を表明するために、必要な情報の提供その他必要な支援を受けられること。 第3章 子どもの権利を保障する大人の責務 (共通の責務) 第8条 市、保護者、地域住民等、学校等関係者及び事業者は、子どもの権利を保障するため、連携し、及び協働するとともに、次に掲げる支援を行うよう努めなければならな い。 (1) 子どもが他者の権利を尊重することができるようになるために必要な支援 (2) 保護者が子どもの養育及び発達に関する第一義的な責任を果たすために必要な支援 (市の責務) 第9条 市は、子どもの権利を保障するため、国、他の地方公共団体及び関係機関と連携し、及び協働するとともに、子どもに関する施策を実施しなければならない。 2 市は、子どもに関する施策を実施するため、必要な財政上の措置その他の措置を講じなければならない。 3 市は、保護者、地域住民等、学校等関係者及び事業者がそれぞれの責務を果たすことができるよう、必要な支援を行わなければならない。 (保護者の責務) 第10 条 保護者は、子どもの養育及び発達に家庭が果たす役割を理解するとともに、その第一義的な責任は保護者が有することを自覚し、子どもを守り育てなければならない。 2 保護者は、子どもの健やかな育ちのため、子どもにとっての最善の方法を考え、子ども一人一人の発達段階に応じた養育に努めなければならない。 (地域住民等の責務) 第11条 地域住民等は、子どもの豊かな人間性が地域の人、自然、社会及び文化とのかかわりの中ではぐくまれることを認識し、子どもの健やかな育ちを支援するよう努めなければならない。 2 地域住民等は、虐待等あらゆる暴力及び犯罪から子どもを守るため、安全で安心な地域づくりに努めなければならない。 3 地域住民等は、子どもが地域社会の一員であることを認識し、子どもとともに地域活動を行うよう努めなければならない。 (学校等関係者の責務) 第12条 学校等関係者は、子ども一人一人の発達段階に応じ、子どもが主体的に学び、及 31頁 び育つことができるよう、必要な支援に努めなければならない。 2 学校等関係者は、虐待、体罰、いじめ等から子どもを守るため、その解決に向け、関係機関と連携していくよう努めなければならない。 3 学校等関係者は、子ども一人一人の発達段階に応じ、子どもが子どもの権利について理解し、及び自分の意見を表明することができるよう、必要な支援に努めなければならない。 (事業者の責務) 第13条 事業者は、子どもの健やかな育ちを支援するため、その社会的影響力及び責任を認識した事業活動を行うとともに、社会的自立に向けた就労支援、人材育成及び社会人教育を行うよう努めなければならない。 2 事業者は、ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)の視点から、子どもを養育する従業員が仕事と子育てとを両立できるよう、職場の環境づくりに努めなければならない。 3 事業者は、仕事と子育てとを両立できる働き方について、従業員の意識の向上を図るとともに、従業員に対し、子ども及び子どもを養育する家庭(以下「子育て家庭」という。)を支援する取組への参加又は協力を促すよう努めなければならない。 第4章 子どもに関する基本的な施策等 (虐待、体罰、いじめ等の救済等) 第14条 市は、保護者、地域住民等、学校等関係者及び関係機関と連携し、及び協働し、虐待、体罰、いじめ等の防止、相談及び救済のために必要な措置を講じなければならない。 (子どもの育ちの支援) 第15条 市は、子どもの健やかな育ちを支援するため、保護者、地域住民等、学校等関係者及び事業者と連携し、及び協働し、次に掲げる施策を実施するものとする。 (1) 子どもが安全に安心して過ごすことができるための居場所づくり (2) 子どもが自然及び地域社会とのかかわりの中で豊かに育つことができるための遊び及び体験の場づくり (3) 子どもが社会とのかかわりの中で、他者と共生し、自立していくために必要な支援 (子育て家庭の支援) 第16条 市は、保護者が子どもの養育及び発達に関する第一義的な責任を果たすことにより子どもが安心して生活することができるよう、保護者、地域住民等、学校等関係者及び事業者と連携し、及び協働し、子育て家庭を支援するネットワークづくりを進めるなど、子育て家庭の支援を行うものとする。 (子どもの参画の促進) 第17条 市は、前3条に掲げる子どもに関する基本的な施策(以下「基本的施策」という。)を策定するに当たっては、子ども会議を開催するなど、子どもが主体的に参加し、及び意見を表明する機会を設けるとともに、子どもの意見を尊重するよう努めるものとする。 32頁 (関連施策との一体的推進) 第18条 市は、基本的施策を推進するに当たっては、若者の自立支援に関する施策その他関連施策と一体的に推進しなければならない。 (調査研究) 第19条 市は、子どもの権利、その権利の保障及び子どもに関する施策に関する調査及び研究を行うものとする。 (広報) 第19条の2 市は、子どもの権利について、市民の関心を高めるとともに、その普及を図るため、広報活動を行うものとする。 第5章 子どもに関する施策の総合的な推進 (総合計画) 第20条 市長は、子どもに関する施策を総合的かつ計画的に実施するため、子どもに関する総合的な計画(以下「総合計画」という。)を策定しなければならない。 2 市長は、総合計画を策定するに当たっては、あらかじめ、なごや子ども・子育て支援協議会の意見を聴かなければならない。 3 市長は、総合計画を策定するに当たっては、子どもを含めた市民の意見を反映することができるように適切な措置を講ずるものとする。 4 市長は、総合計画を策定したときは、速やかに、これを公表しなければならない。 5 前3項の規定は、総合計画の変更について準用する。 (実施状況等の公表等) 第21条 市長は、毎年度、総合計画の実施状況等を公表しなければならない。 2 市長は、前項の総合計画の実施状況等について、なごや子ども・子育て支援協議会の意見を聴くとともに、子どもを含めた市民の意見を聴き、それらの意見を総合計画等に反映させるよう努めるものとする。 (拠点施設) 第22条 市は、子どもに関する施策を実施するとともに、子どもを社会全体で支援するため、総合的な拠点施設を整備するものとする。 (なごや子ども・子育て支援協議会) 第23 条 市長の附属機関として、なごや子ども・子育て支援協議会(以下「協議会」という。)を置く。 第24条 協議会は、市長の諮問に応じ、子どもに関する施策に関する重要事項について調査審議し、その結果を市長に答申する。 2 協議会は、子どもに関する施策に関し必要と認める事項について調査審議し、市長に対し、意見を述べることができる。 第25条 協議会は、委員35人以内をもって組織する。 33頁 2 特別の事項を調査審議させるため必要があるときは、協議会に臨時委員を置くことができる。 3 委員及び臨時委員は、学識経験のある者その他市長が必要と認める者のうちから、市長が委嘱する。 第26条 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。 2 委員は、再任されることができる。 3 臨時委員は、特別の事項に関する調査審議が終了したときに解嘱されるものとする。 第27条 協議会には、必要に応じ、委員(その調査審議事項に係る臨時委員を含む。)の一部をもって部会を置くことができる。 2 協議会は、その定めるところにより、部会の議決をもって協議会の議決とすることができる。 第28条 第23条から前条までに定めるもののほか、協議会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。 第6章 雑則 (委任) 第29条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が定める。 附 則 (略) 34頁 ○児童の権利に関する条約(概要) (出典:平成25 年版 子ども・若者白書) この条約は、我が国が締約国となっている「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」及び「市民的及び政治的権利に関する国際規約」において定められている権利を児童について広範に規定するとともに、更に、児童の人権の尊重及び確保の観点から必要となる詳細かつ具体的な事項をも規定したものであって、前文、本文54 箇条及び末文から成り、その概要は、次のとおりである。 1 児童の定義 児童とは、18 歳未満のすべての者をいう。ただし、当該児童で、その者に適用される法律によりより早く成年に達したものを除く(第1条)。 2 締約国の義務 ⑴ 一般的義務 イ 締約国は、児童又はその父母若しくは法定保護者の人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治的意見その他の意見、国民的、種族的若しくは社会的出身、財産、心身障害、出生又は他の地位にかかわらず、いかなる差別もなしにこの条約に定める権利を尊重し、及び確保する(第2条)。 ロ 児童に関するすべての措置をとるに当たり、児童の最善の利益が主として考慮される(第3条)。 ハ 締約国は、この条約において認められる権利の実現のため、すべての適当な立法措置、行政措置その他の措置を講ずる(第4条)。 ニ 締約国は、父母、法定保護者等が児童の発達しつつある能力に適合する方法で適当な指示及び指導を与える責任、権利及び義務を尊重する(第5条)。 ⑵ 生命に対する権利 締約国は、生命に対する児童の固有の権利を認めるものとし、児童の生存及び発達を可能な最大限の範囲において確保する(第6条)。 ⑶ 登録、氏名、国籍等についての権利 イ 締約国は、児童が出生後直ちに登録され、氏名を有し及び国籍を取得する権利の実現を確保する(第7条)。 ロ 締約国は、児童が国籍、氏名及び家族関係を含むその身元関係事項を保持する権利を尊重し、その身元関係事項が不法に奪われる場合には、これを回復するため、適当な 援助及び保護を与える(第8条)。 ⑷ 家族から分離されない権利 イ 締約国は、児童がその父母の意思に反してその父母から分離されないことを確保し、また、父母の一方又は双方から分離されている児童が父母との接触を維持する権利を尊重する(第9条)。 ロ 家族の再統合のための児童又はその父母による締約国への入国又は締約国からの出国の申請については、締約国が積極的、人道的かつ迅速な方法で取り扱う(第10条)。 ハ 締約国は、児童が不法に国外へ移送されることを防止し及び国外から帰還することができない事態を除去するための措置を講ずる(第11 条)。 ⑸ 意見を表明する権利 締約国は、児童が自由に自己の意見を表明する権利を確保する。児童の意見は、その児童の年齢及び成熟度に従って相応に考慮される(第12 条)。 35頁 ⑹ 表現の自由についての権利 児童は、表現の自由についての権利を有する(第13 条)。 ⑺ 思想、良心及び宗教の自由についての権利 締約国は、思想、良心及び宗教の自由についての児童の権利を尊重する(第14 条)。 ⑻ 結社及び集会の自由についての権利 締約国は、結社の自由及び平和的な集会の自由についての児童の権利を認める(第15条)。 ⑼ 干渉又は攻撃に対する保護 いかなる児童も、その私生活、家族、住居若しくは通信に対して恣意的に若しくは不法に干渉され又は名誉及び信用を不法に攻撃されない(第16 条)。 ⑽ 情報及び資料の利用 締約国は、大衆媒体(マス・メディア)の果たす重要な機能を認め、児童が多様な情報源からの情報及び資料を利用し得ることを確保する(第17 条)。 ⑾ 家庭環境における児童の保護 イ 締約国は、児童の養育及び発達について父母が共同の責任を有するとの原則の認識を確保するために最善の努力を払う(第18 条)。 ロ 締約国は、虐待、放置、搾取(性的虐待を含む。)等から児童を保護するためのすべての適当な措置をとる(第19 条)。 ハ 家庭環境を奪われた児童は、国が与える特別の保護及び援助を受ける権利を有する(第20 条)。 ニ 締約国は、児童の養子縁組に当たり、児童の最善の利益について最大の考慮が払われること、また、権限のある当局によってのみこれが認められることを確保する(第21 条)。 ⑿ 難民の児童に対する保護及び援助 締約国は、難民の地位を求めている児童又は難民と認められている児童が適当な保護及び人道的な援助を受けることを確保するための適当な措置をとる(第22 条)。 ⒀ 医療及び福祉の分野における児童の権利 イ 締約国は、精神的又は身体的な障害を有する児童が、その尊厳を確保し、自立を促進し及び社会への積極的な参加を容易にする条件の下で十分かつ相応な生活を享受すべきであることを認める(第23 条)。 ロ 締約国は、到達可能な最高水準の健康を享受すること並びに病気の治療及び健康の回復のための便宜を与えられることについての児童の権利を認める(第24 条)。 ハ 締約国は、養護、保護又は治療を目的として収容された児童に対する処遇等に関する定期的な審査が行われることについての児童の権利を認める(第25 条)。 ニ 締約国は、すべての児童が社会保障からの給付を受ける権利を認めるものとし、このための必要な措置をとる(第26 条)。 ホ 締約国は、相当な生活水準についての児童の権利を認める(第27 条)。 ⒁ 教育及び文化の分野における児童の権利 イ 締約国は、教育についての児童の権利を認めるものとし、この権利を漸進的にかつ機会の平等を基礎として達成するための措置をとる。また、締約国は、学校の規律が児童の人間の尊厳に適合する方法で運用されることを確保するためのすべての適当な措置をとる(第28 条)。 ロ 締約国は、児童の教育が、児童の人格、才能等を最大限度まで発達させること、人 36頁 権及び基本的自由並びに国連憲章にうたう原則の尊重を育成すること、児童の父母、児童の文化的同一性、言語及び価値観、児童の居住国及び出身国の国民的価値観並びに自己の文明と異なる文明に対する尊重を育成すること等を指向すべきことに同意する(第29 条)。 ハ 少数民族に属し又は原住民である児童は、自己の文化を享有し、自己の宗教を信仰しかつ実践し又は自己の言語を使用する権利を否定されない(第30 条)。 ニ 締約国は、休息及び余暇についての児童の権利並びに児童が遊び及びレクリエーションの活動を行い並びに文化的な生活及び芸術に参加する権利を認める(第31 条)。 ⒂ 搾取等からの児童の保護 イ 締約国は、児童が経済的な搾取から保護され及び危険となり若しくは教育の妨げとなり又は健康若しくは発達に有害となるおそれのある労働への従事から保護される権利を認める(第32 条)。 ロ 締約国は、麻薬及び向精神薬の不正な使用からの児童の保護等のためのすべての適当な措置をとる(第33 条)。 ハ 締約国は、あらゆる形態の性的搾取及び性的虐待から児童を保護することを約束する(第34 条)。 ニ 締約国は、児童の誘拐、売買又は取引を防止するためのすべての適当な措置をとる(第35 条)。 ホ 締約国は、いずれかの面において児童の福祉を害する他のすべての形態の搾取から児童を保護する(第36 条)。 ⒃ 自由を奪われた児童、刑法を犯したと申し立てられた児童等の取扱い及び武力紛争 における児童の保護 イ 締約国は、いかなる児童も、拷問又は他の残虐な、非人道的な若しくは品位を傷つける取扱い若しくは刑罰を受けないこと、不法に又は恣意的にその自由を奪われないこと等を確保する。締約国は、また、自由を奪われた児童が、人道的に、人間の固有の尊厳を尊重して、かつ、その年齢の者の必要を考慮した方法で取り扱われること、特に、成人とは分離されないことがその最善の利益であると認められない限り成人とは分離されること等を確保する(第37 条)。 ロ 締約国は、武力紛争の影響を受ける児童の保護及び養護を確保するためのすべての実行可能な措置をとる(第38 条)。 ハ 締約国は、放置、搾取若しくは虐待、拷問若しくは他の残虐な、非人道的な若しくは品位を傷つける取扱い若しくは刑罰又は武力紛争による被害者である児童の回復及び社会復帰を促進するためのすべての適当な措置をとる(第39 条)。 ニ 締約国は、刑法を犯したと申し立てられ、訴追され又は認定されたすべての児童が尊厳及び価値についての意識を促進させるような方法等で取り扱われる権利を認める(第40 条)。 3 条約と国内法及び他の国際法との関係この条約のいかなる規定も、締約国の法律及び締約国について効力を有する国際法に含まれる規定であって、児童の権利の実現に一層貢献するものに影響を及ぼすものではない(第41 条)。 4 条約の広報義務 締約国は、この条約の原則及び規定を成人及び児童のいずれにも広く知らせることを約束する(第42 条)。 5 委員会の設置等 ⑴ この条約において負う義務の履行の達成に関する締約国による進捗の状況を審査す 37頁 るため、児童の権利に関する委員会(以下「委員会」という。)を設置する(第43 条)。 ⑵ 締約国は、この条約において認められる権利の実現のためにとった措置等に関する報告を国連事務総長を通じて委員会に提出することを約束する(第44 条)。 ⑶ 委員会は、専門機関及び国連児童基金その他の国連の機関からこの条約の実施についての報告を提出するよう要請することができる。また、委員会は、提案及び一般的な性格を有する勧告を行うことができる(第45 条)。 6 最終条項 署名、批准、加入、効力発生、改正、留保等について規定している(第46 条から第54 条まで)。 (注)1989年の第44 回国連総会において採択、1990年9月2日発効。193 か国が締結(2012年2月現在)。我が国は、1990年9月署名、1994年3月国会の承認を得て、同年4月22 日批准。同年5月22 日に我が国について発効。また、2000年5月には「児童の権利に関する条約」の目的及び規定を更に達成することを目的とした「武力紛争における児童の関与に関する児童の権利に関する条約の選択議定書」及び「児童の売買、児童買春及び児童ポルノに関する児童の権利に関する条約の選択議定書」の二つの選択議定書が国連総会において採択され、我が国はそれぞれ2004年8月2日及び2005年1月24日に批准した。 38頁 子どもの社会参画のよりどころとなる指針の策定懇談会検討経過 (1)委員構成 (令和4年3月29日現在) (五十音順・敬称略)の氏名、所属の順に列挙する。 伊藤 健治、東海学園大学教育学部教育学科 准教授 上村 千尋、金城学院大学人間科学部現代子ども教育学科 教授 栗田 大伸、青少年交流プラザ 企画委員 (大学生) 谷口 由希子、座長、名古屋市立大学大学院人間文化研究科人文社会学部准教授 星野 智生、一般社団法人愛知PFS協会代表理事 山田 恭平、座長代理、 特定非営利活動法人こどもNPO副理事長 (2)開催状況 回、開催日、議題の順に列挙する。 第1回、令和3年8月2日 議題: 1.子どもの参画促進プロジェクトの概要 2.指針の検討の進め方 第2回 令和3年8月26日 議題: 子どもの社会参画のよりどころとなる指針(中間とりまとめ)に向けた検討 第3回 令和3年10月29日 議題: 1.子どもの社会参画のよりどころとなる指針(中間とりまとめ) 2.子どもの意見聴取の実施 3.今後のスケジュール 第4回 令和4年1月6日 議題: 1.子どもへのヒアリング実施状況 2.アンケート調査の実施状況 3.子どもの社会参画のよりどころとなる指針(素案) 第5回 令和4年3月29日 議題: 子どもの社会参画のよりどころとなる指針(案) 参考資料6終わり