第2期流山市障害者活躍推進計画 (令和7年度から令和11年度まで) 令和7年4月 策定 流山市 第1 総論 1.策定趣旨 障害者の活躍は、ノーマライゼーション(障害者を特別視するのではなく、一般社会の中で普通の生活が送れるような条件を整えるべきであり、共に生きる社会こそノーマルな社会であるという考え方)、インクルージョン(包容)、ダイバーシティ(多様性)、バリアフリー(物理的な障壁のみならず、社会的、制度的及び心理的な全ての障壁に対処するという考え方)、ユニバーサルデザイン(施設や製品等については新しいバリアが生じないよう誰にとっても利用しやすくデザインするという考え方)等の理念の浸透につながるとともに、SDGs(持続可能な開発目標)※の理念である「誰一人取り残さない社会」に添うものであり、行政サービスの向上の観点からも非常に重要です。また、公務部門において、障害者の活躍の場の拡大のための取組を不断に実施する等、自律的なPDCAサイクルを確立できるよう、障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律(令和元年法律第36号)による改正後の障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和35年法律第123号。以下「障害者雇用促進法」という。)第7条の3第1項の規定に基づき、障害者活躍推進計画(以下「計画」という。)を作成することとされました。 このことから、市では令和2年4月に「流山市障害者活躍推進計画」(以下「第1期計画」という。)を策定し、取組を推進してきましたが、第1期計画期間が終了することに伴い、これまでの成果と課題を踏まえつつ、さらなる障害者雇用率の向上や障害のある職員が活躍できる職場づくりの推進などに向けて、第2期計画を策定しました。 第1期計画期間中においては、法定雇用率の引上げ、職員の増員、さらに新型コロナウイルス感染症の流行という社会情勢の変化が起こり、本市においてもその影響を受け、法定雇用率が未達成になるといった障害者の雇用状況の変化がありました。 第2期計画においては、障害者を会計年度任用職員として雇用し、市で就労経験を積む機会を提供することで障害者の雇用の創出と自立支援を図ることを目的とし、令和7年4月から「チャレンジドオフィスながれやま」を実施するとともに、引き続き、障害のある職員一人ひとりが自分の能力を最大限に発揮できる職場づくりや、障害の種別を問わず安心して安定的に働くことができる環境の整備などに取り組んでいきます。 SDGs(持続可能な開発目標) SDGsとは、平成27年国連サミットで採択された国際社会全体の開発目標です。持続可能な世界を実現するための17のゴール(目標)・169のターゲット(取組)から構成されており、そのうち計画と関連性が高い目標として右のものが挙げられます。 (図表)SDGsの8及び10の目標の図表があります。出典、持続可能な開発目標(SDGs)推進本部資料 2.計画の対象者 法令や本市の条例、規則等により定められた制度等の範囲内において、次の職員を対象とします。なお、計画上における「職員」は各機関における以下の者を指します。 (1)常勤職員 (2)再任用職員(定年前再任用短時間勤務職員及び暫定再任用職員) (3)会計年度任用職員等非常勤職員 3.計画の策定主体 計画の策定主体は、次のとおりです。 機関メイ,任命権者 市長部局,流山市長 流山市教育委員会,流山市教育委員会 流山市議会事務局,流山市議会議長 流山市選挙管理委員会事務局,流山市選挙管理委員会 流山市監査委員事務局,流山市代表監査委員 流山市農業委員会事務局,流山市農業委員会 流山市消防本部,流山市消防長 4.計画期間 令和7年4月1日から令和12年3月31日(5年間)まで 計画期間内においても、毎年度の取組状況を検証し、必要に応じて計画及び取組内容の見直しを行います。 第2 流山市の現状 1.本市における障害者の法定雇用率等 各年度の6月1日時点の状況のヒョウがあります 年度,令和4年,令和5年,令和6年 雇用者数,【常勤職員】障害者数,14人,15人,19人 雇用者数,【常勤職員】職員数,1,163人,1,182人,1,207人 雇用者数,【非常勤職員】障害者数,13人,10人,9人 雇用者数,【非常勤職員】職員数,1,090人,1,124人,1,138人 法定雇用率,2.6%,2.6%,2.8% 実雇用率,2.38%,2.27%,2.29% 障害のある職員の新規採用人数,1人,1人,4人 採用後1年間の定着率,100%,100% ヒョウここまで 注釈1,雇用者数について、常勤職員は各年度の4月1日時点の状況、非常勤職員は各年度の6月1日時点の状況で、すべての機関の合計です。 注釈2,法定雇用率は、従業員に占める身体・知的・精神障害者の割合のことで、障害者雇用促進法により、達成が義務付けられています。算出に当たっては、障害の度合いにより人数をダブルカウント(ハーフカウント)するため、実人数と相違が生じます。 注釈3,実雇用率は、本市の市長部局及び教育委員会を対象に算出しています。 注釈4,採用後1年間の定着率の対象者は常勤職員のみ 2.セイ職員採用試験における対応 本市では、採用試験において障害者に、隔てのない募集を行うとともに、令和3年度から障害者に特化した採用試験を実施しています。今後も障害者に特化した採用試験の実施を継続していきます。 なお、募集・試験に際しては、以下のような配慮をオコナっています。 採用試験(主に1次試験)に際する配慮 ・試験会場に別室を用意 (本市役所以外で採用試験を実施する場合、昇降困難な場合を想定し、出入りの行いやすい試験会場を1階に用意) ・拡大器の持ち込み容認 ・点字試験等の用意 ・補装具等(車いす含む)の持ち込み容認 ・その他合理的な配慮及びその代替的手段の実施 第3 取組目標 本市における障害者雇用の現状を踏まえ、以下の目標を設定します。目標達成のための取組を積極的に推進し、障害のある職員の活躍推進に努めていきます。 1.採用に関する目標 目標,積極的に障害者(常勤職員・会計年度任用職員)の採用を行い、雇用率の向上を図ります。 評価方法,毎年度の任免状況通報の時期に在職障害者の把握を行い、適正な進捗管理を行います。 2.定着に関する目標 目標,採用後1年間の定着率を100%にします。 評価方法,毎年度、前年度に入庁した職員について人事記録等により定着状況を把握・進捗管理します。 3.満足度に関する目標 目標,職場における満足度を100%にします。 評価方法,毎年度障害者である常勤職員を対象としたアンケートを実施し、満足度の推移を確認する。 ※ 現在働いていることについての全体評価について、「満足」、「どちらかというと満足」と回答した割合,80% (令和6年度実施) 4.キャリア形成に関する目標 目標,新たな職域の開拓等、活躍できる場の整備をします。 評価方法,毎年度、各業務の見直し等により、活躍できる場の整備を行いつつ、人事評価等に際し、その意見を吸い上げ、反映していきます。 第4 具体的な取組内容 1.障害者の活躍を推進する体制整備 (1)障害者雇用推進者の選任 市長部局の人事担当課長を障害者雇用推進者(以下「推進者」という。)に選任します。 推進者は次の業務を請け負います。 @障害者の雇用の促進及び継続を図るために、施設若しくは設備の設置又は設備その他の諸条件の整備を図るための業務 A対象障害者の採用に関する計画(以下「採用計画」という。)の作成を要した場合における作成及び採用計画の円滑な実施を図るための業務 B採用計画の適正な実施に関する勧告並びに対象障害者及び特定身体障害者の確認の適正な実施に関する勧告を受けたときは、当該勧告に係る厚生労働省との連絡に関する業務 C厚生労働大臣に対する対象障害者である職員の任免に関する状況の通報及び公表 D障害者を免職する場合における公共職業安定所長への届出の業務 (2)障害者職業生活相談員の選任 必要となる資格を有している者や研修・講座を受けた者から障害者職業生活相談員(以下「相談員」という。)を選任します。 相談員は障害者である職員やその所属長等について、次の相談・指導を行います。 @障害者の適性・能力に応じた職務の選定等に関すること。 A障害者の希望に応じた職務の選定等に関すること。 B障害者の障害に応じた施設整備の改善等作業環境の整備に関すること。 C労働条件や職場の人間関係等障害者の職場生活に関すること。 D障害者の余暇活動に関すること。 Eその他障害者の職場適応の向上に関すること。 (3)流山市障害者雇用推進チームの設置 流山市障害者雇用推進チーム(以下「チーム」という。)を設置します。 構成員は推進者を代表とし、人事担当課員、障害者支援担当課員、各機関から選任された者のほか、市役所で活躍する障害者である職員の中から選任された者で構成します。 チームの主な役割は以下のとおりとします。 @定期的又は必要に応じてチームを招集し、協議を実施するほか、必要に応じ、職員等への意識調査等を実施し、計画の進行を把握するとともに、各部局へフィードバックすること。 A本市における法定雇用率の達成に留まらず、障害者である職員が活躍できる職場環境の整備について、積極的に取り組み、体制を整えること。 B毎年1回、公表年度の前年度における取組状況や目標に対する実績等を本市ホームページにより公表すること。 C計画期間内においても毎年度の取組状況を検証し、必要に応じて計画の見直し等を図ること。 (4)職場における体制の強化 ・各部局長は、計画の内容を理解し、当該所属課に障害者である職員が配置されているかに関わらず、合理的配慮を意識するとともに、関係部局と連携の上、計画を確実に実施できるよう所属長等に指示する等、体制の強化に努めます。 ・所属長は本人の意欲や個性に応じて能力を有効に発揮できる職場づくりに取り組みます。また、必要に応じて面談を行いながら、日々の業務が円滑に進行するように配慮します。 ・所属長ほか職員は、計画の内容を理解し、その積極的な実施に努めます。 2.障害者の活躍の基本となる職務の選定・創出 ・任命権者は、チームの集約した意見等を実際の業務に反映させ、より良い職場環境づくりを目指すとともに、障害者である本人の希望を踏まえ、新たな職域等の活躍の場を創出できるように取り組みます。 ・所属長は、障害者である職員の障害特性を理解した上で、職務の選定・創出を行います。また、障害者である職員が担当している仕事の業務量や適性について、適切か否か面談等を通じて把握し、分担した業務が過度なもの(又は過小なもの)である場合、随時分担を見直します。 ・人事担当課は、現在働いている障害者である職員のほか、新規に採用される障害者である職員や中途障害者となった職員の能力や希望も踏まえ、勤務の希望調査等を活用した職務の選定及び創出について検討を行います。 ・障害者を会計年度任用職員として雇用し、市で就労経験を積む機会を提供することで障害者の雇用の創出と自立支援を図ることを目的とし、令和7年4月1日から「チャレンジドオフィスながれやま」を実施します。 3.障害者の活躍を推進するための環境整備・人事管理 (1)採用 障害者の採用に際しては、次のような不当な取扱いは行いません。 @特定の障害を排除し、又は特定の障害に限定すること。 A自力で通勤できることといった条件を設定すること。 B介助者なしで業務遂行が可能といった条件を設定すること。 C「就労支援機関に所属・登録しており、雇用期間中支援が受けられること」といった条件を設定すること。 D特定の就労支援機関からのみの受入れを実施すること。 上記以外でも、採用に際し、障害者への不当な取扱いに該当するようなことは行わず、広く周知し、多くの障害者が本市で働くことができるように努めます。 (2)就労における合理的配慮 人事担当課は、障害者である職員が就労するに当たり、当該障害者である職員と十分に協議し、必要となる合理的配慮を確認した上で、関係部局と連携して、職場において支障となる事情を取り除く等の措置を過重な負担とならない範囲で措置し、人員の配置等を行います。また、障害者であることを理由に不当な扱いをしません。 (3)所属長における合理的配慮 所属長は、障害者である職員が実際に就労するに際し、必要となる合理的配慮を当該障害者である職員と十分に協議し、必要な措置を過重な負担とならない範囲で講じます。 これに対し、必要となる事項等については人事担当課を始めとする関係部局と協議・協力し、実施します。 (4)障害者に対する理解 所属長は、その所属する障害者である職員の障害の特性について正しい知識や理解を深めるとともに、障害者である職員の同意を得た上で、配慮事項等について所属課員と共有します。 所属課員は、当該障害者である職員について、理解し、合理的配慮に基づく措置を実施します。 また、人事担当課及び障害者支援担当課は、全ての職員に対して障害者理解促進のための研修等(ユニバーサルマナー検定や手話講習会等)を実施します。 (5)過重な負担となる措置への対応 合理的配慮において措置を行う場合に、その措置を実施することが、過重な負担と判断された場合は、その理由を当該障害者である職員に説明するとともに、その代替となる措置を講じ、実施します。 (6)人事評価等 人事担当課は、障害者であることを理由に評価を下げ、昇任・昇格を行わない等の不当な取扱いを行いません。 また、所属長は、障害者であることを理由に不当な評価をオコナってはなりません。 (7)障害者である職員への適正な支援 人事担当課・障害者である職員の所属長は、現在働いている障害者である職員のほか、新規に採用される職員や中途障害者となった職員についても、定期的な面談等の適切な方法を通じて、その状況等を把握し、合理的配慮を含め、必要な措置を適正に継続して行い、将来にわたって本市で勤務し続けられるように支援をオコナっていきます。 また、相談員を始めとして障害者である職員が相談しやすい環境を整備し、その周知を行います。 4.優先調達 国等による障害者就労施設等からの物品等の調達の推進等に関する法律(平成24年法律第50号)に基づく障害者就労施設等への発注等を通じて、市職員として障害者を直接雇用するだけではなく、企業等における障害者の活躍の場の拡大に向けた取組を推進します。 これまでも本市では障害者就労施設等を対象とした調達を実施していますが、これまでの実績に限られることなく、関係部局と協力し、毎年度の調達目標額の達成を目指します。