ぐるっと流山 森の図書館 教養講座「フーテンの寅とニッポン―森崎東監督からの伝言―」
令和6年11月10日(日曜日)、森の図書館で教養講座「フーテンの寅とニッポン―森崎東監督からの伝言―」が開催されました。この講座は、講演会から読書や郷土史研究など、さまざまな学習方法への広がりを目的に、普段は聴けないすてきなお話しに触れようと、毎年続けられているものです。
※森崎東さんの崎はたつさきが正式表記です。
本講座の講師、評論家の鵜飼清さんは、出版社勤務を経て「パピルスあい」を設立しました。著書に、「山崎豊子問題小説の研究―社会派「国民作家」の作られ方―」や「土方歳三の遺言状」などがあり、生前の森崎東監督と懇意にしていました。
初めに司会者から、この講演会は市内在住で元新人物往来社社長・大出俊幸さんにご協力いただいた旨の紹介がありました。続いて、講師の紹介があり、鵜飼さんが会場に入場すると開口一番、「男はつらいよ」の寅さんの口上を披露し、客席を沸かせました。
第1部では、「男はつらいよ フーテンの寅」をはじめ、森崎東監督が携わった作品がエピソードを交えながら紹介されました。山田洋次監督との関係性や、当時の時代背景なども伺うことができ、客席からは感心の声が上がりました。
第2部では森崎監督の兄、森崎湊さんの日記をまとめ書籍化した「遺書(図書出版社)」から、戦時中の葛藤や自決に至るまでの経緯が語られ、参加者はみな熱心に息を詰めて聞き入りました。
第3部では、戦後の森崎監督の人生と、兄の存在が森崎作品の根底に込められていることについて語られ、スクリーンには森崎監督がフリーとなり脚本・監督を務めた一作目の映画作品「黒木太郎の愛と冒険(昭和52年制作)」の予告映像が流されました。
最後は、鵜飼さんと森崎監督とが交わしたお話しで締めくくられ、会場からは大きな拍手が起こりました。
講演会の参加者からは、「当時の時代や森崎監督について、知らないことを聞くことができてとても良かった」「お兄さんの話にはとても胸を打たれた」「森崎監督や、兄の湊さんの著書を読みたい」などの感想が寄せられました。
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