流山市成年後見制度利用促進基本計画【概要版】(素案) 1、計画策定の背景 成年後見制度は、認知症や知的障害その他精神上の障害等により判断能力が不十分であるために不動産や預貯金等の財産管理、福祉サービス利用や施設入所に関する契約等の日常生活に必要な手続きに関して、そのカタの判断能力を補う成年後見人等を選任することにより、本人の不利益にならないように権利を擁護し、支援する制度です。 この制度は、平成12年から導入されましたが、全国的に制度が十分に活用されていない状況にあることから、「成年後見制度の利用の促進に関する法律」(以下「促進法」という。)が平成28年に施行されました。平成29年に「成年後見制度利用促進基本計画」が閣議決定され、この計画を勘案して、市町村における成年後見制度の利用促進に関する施策についての基本的な計画を策定すること、利用促進に向けて必要な体制を整備することが明記されました。 今後、高齢者人口の増加に伴い、認知症高齢者のほか身寄りのない高齢者も増加することが予想され、また、知的障害者や精神障害者を取り巻く課題も複雑化、多様化していることからも、成年後見制度の需要が高まることが見込まれます。 以上のことから本計画を策定し、成年後見制度を含めた権利擁護支援の計画的な推進を図ります。 2、計画の目的 本市では、『生涯、一人ひとりの意思や権利が尊重され安心して暮らせるまちの実現』を目的とし、成年後見制度利用促進をはじめとする権利擁護支援の体制整備をオコナっていきます。 3、計画策定の位置づけ 本計画は、促進法第14条の規定に基づき、成年後見制度の利用促進に関する施策について基本的な計画を定めるものです。流山市の最上位計画である総合計画や地域福祉の基本的指針を示した地域福祉計画に基づく個別計画として策定し、高齢者支援計画や障害福祉計画とも整合性を図ります。 (図)成年後見制度利用促進基本計画と、関連する法制度や計画についての図があります。 「国の関連法制度・計画」「千葉県の関連法制度・計画」や、流山市社会福祉協議会の作成する「地域福祉活動計画」と整合や連携を図りつつ、流山市の各計画が作成されていることを示しています。 また、流山市の作成する計画との関連性を、次のとおり示しています。 「流山市総合計画」は、各計画の上位計画です。 「地域福祉計画」は、福祉に関する計画のうちの上位計画です。 「成年後見制度利用促進基本計画」は、「地域福祉計画」の下位計画です。これらのほか、「高齢者支援計画(高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画)」や「障害者計画・障害福祉計画・障害児福祉計画」などがあります。 4、計画の期間 計画期間は令和6年度から令和8年度までの3年間とします。 5、流山市の現状 本市における高齢者人口は年々増加しており、令和5年4月1日時点で47,138人、総人口に占める割合は22.5%となっています。これに併せて要支援・ヨウ介護認定者数も増加しているほか、高齢者のいる世帯では半数以上が高齢者のみで生活しており、その割合も増加してきています。また、療育手帳・精神障害者保健福祉手帳の所持者数も年々増加しています。 本市における成年後見制度利用者数は令和3年4月1日時点で225人に対し、令和5年4月1日時点で244人となっており、制度利用者数の伸びは緩やかな状況にありますが、身寄りのない高齢者の増加等により市長申立て件数は近年増加傾向にあります。 流山市高齢者等実態調査及び障害福祉計画アンケート調査の結果から、成年後見制度についての認識は高まっていると考えられますが、その内容や利用方法の理解が十分でないことや、将来的に利用を検討するカタが多いことから、成年後見制度及びその相談窓口の周知を図り、適切に制度の利用に繋げていく必要があります。 6、これまでの取組 成年後見制度の利用が必要な状況にあり、申立てをする親族がいない等の理由により申し立てることができないカタについて市長申立てをオコナっています。また、後見人等への報酬費用の支払いが困難なカタを対象に、報酬費用の助成をオコナっています。令和5年度には報酬費用の助成対象要件について見直しを行いました。見直しにあたっては、関係機関へのアンケート調査等を実施し、状況の把握と意見聴取を行いました。 成年後見制度の普及・啓発のため、市民向け講演会や弁護士・社会福祉士による無料個別相談会を実施するとともに、専門職に対するスキルアップのための研修会を実施してきました。令和3年度からは権利擁護支援の中核となる機関として「流山市成年後見推進センター」を流山市社会福祉協議会への委託により設置しています。当該センターでは成年後見制度に関する相談受付のほか、それまで実施してきた講演会や研修会等を広報啓発業務として、継続して実施しています。また、法律・福祉の専門職や相談支援機関、市民後見人関係団体等による協議会として成年後見地域連携ネットワーク会議を立ち上げ、地域課題の検討等をオコナっています。 7、課題 関係機関との連携体制の構築 権利擁護支援を必要とするカタを必要な制度の利用に繋げるために、本人や、本人の身近な支援者が早い段階で相談できる体制の整備と併せて、各種相談支援機関において対応が難しい場合や判断に迷う事例に対し、解決するための仕組みの構築が必要です。流山市成年後見推進センターを中核機関として、法律や福祉の専門職を含めた関係機関による地域連携ネットワークを推進することで、本人を中心とした権利擁護支援を支える連携体制の構築を進めていきます。 成年後見制度及び相談先の周知 市民に対して任意後見制度を含めた成年後見制度の周知活動を継続していくほか、家族や関係者が発見した後見ニーズの対応に困らないよう、権利擁護支援に関する相談窓口の明確化と浸透を図る必要があります。 市長申立て及び成年後見制度利用支援事業の実施 今後も成年後見制度の需要は高まることが見込まれるため、引き続き後見制度の利用が必要であるが判断能力の低下等により自ら申し立てることが困難であるカタや、後見人等への報酬費用の支払いが困難であるカタに対し、支援を実施していく必要があります。 日常生活自立支援事業との連携 流山市社会福祉協議会では日常生活自立支援事業として、判断能力に不安のあるカタが地域において自立した生活が送れるよう、利用者との契約に基づき金銭管理等の日常生活の援助をオコナっています。本人らしい生活の維持のために必要な支援に繋げられるよう、成年後見制度の利用促進と併せて日常生活自立支援事業の周知及び連携を図ることが求められます。 担い手の確保 高齢者のみ世帯数の増加や、認知症高齢者数、精神障害者手帳所持者数の増加から、今後成年後見人等の担い手の不足が見込まれます。また、成年後見人等に配偶者や子どもなどの親族といった身近な人物が望まれる傾向にあることから、市民後見人の養成及び親族後見人を含む後見人等への支援が必要です。 8、基本目標 基本目標:権利擁護支援の体制づくり 成年後見制度等の権利擁護支援が必要なカタが、早期の段階から相談につながるとともに、必要な制度を利用できるよう国の成年後見制度利用促進基本計画を勘案し、権利擁護支援の体制整備を進めていきます。取り組むべき事項について、次のとおり整理して位置付けます。 施策(1) 地域連携ネットワークの構築 @中核機関・協議会の運営 A相談支援体制の強化 B権利擁護支援の検討を行う体制づくり 施策(2) 成年後見制度等権利擁護支援の推進 @成年後見制度の普及・啓発 A市長申立て及び報酬助成の実施 施策(3) 担い手の確保 @市民後見人の養成・育成 A後見活動支援の検討 9、今後の取組 (1)地域連携ネットワークの構築 権利擁護の必要なカタが制度の利用に繋がるよう、流山市成年後見推進センターを中核機関とし各関係機関が連携する地域連携ネットワークを構築していきます。既存の相談支援機関の機能を活かしながら、円滑な連携を図ることができるよう体制の整備を進めていきます。 (図)権利擁護支援チームとネットワークの関係イメージ図があります 本人、家族、支援者、後見人等で構成される権利擁護支援チームが、流山市成年後見地域連携ネットワークの関係機関に相談し、支援を受ける相互関係を表しています。 流山市成年後見地域連携ネットワーク会議の構成は、流山市成年後見推進センター(中核機関)、民生委員・児童委員、民間団体・NPO、家庭裁判所、高齢者なんでも相談室、障害者相談支援事業委託事業所、弁護士会・司法書士会・社会福祉士会等、流山市社会福祉協議会、流山市です。 (2)成年後見制度等権利擁護支援の推進 成年後見制度を含む権利擁護の仕組みについて、利用者にとってより身近な制度となるよう、また、後見ニーズのある対象者が制度の利用に結び付くよう制度及び相談窓口の普及・啓発を図ります。また、引き続き成年後見制度利用支援事業として、成年後見制度を利用したくても、自ら申し立てることが困難である等の理由により制度を利用できないカタに対し、申立てや後見人等への報酬費について助成を実施し、制度利用の支援を行います。 (3)担い手の確保 権利擁護支援ニーズや市民後見人の活躍状況を踏まえて計画的に市民後見人を育成するため、国や県、法人後見実施団体等の取組と連携しながら、市民後見人の養成を図ります。また、成年後見推進センターにおいて、専門職団体と連携しながら後見人等や権利擁護支援チームの関係者からの相談に応じるとともに、権利擁護支援チームによって課題解決に向けた支援の調整を行うことができるよう、後見活動支援に係る仕組みの構築を検討していきます。 ■市内相談窓口 流山市成年後見推進センター流山市ケアセンター3階 TEL04-7157-1275、FAX04-7159-4736 高齢者なんでも相談室、相談窓口 北部高齢者なんでも相談室 、TEL04-7155-5366、FAX 04-7154-3207 北部西高齢者なんでも相談室 、TEL 04-7197-1378、FAX 04-7197-1615 中部高齢者なんでも相談室 、TEL 04-7150-2953、FAX 04-7158-8419 東部高齢者なんでも相談室 、TEL 04-7148-5665、FAX 04-7141-2280 南部高齢者なんでも相談室 、TEL 04-7159-9981、FAX 04-7178-8555 障害者相談支援事業委託事業所、相談窓口 西深井地域生活支援センターすみれ、TEL 04-7154-6202、FAX 04-7192-6200 相談支援センターまほろば、TEL 04-7196-7803、FAX 04-7147-2680 相談支援事業所ファーレ、TEL 04-7136-2933、FAX 04-7136-2644 流山市役所 健康福祉部高齢者支援課、TEL04-7150-6080、FAX04-7159-5055 障害者支援課、TEL04-7150-6081、FAX04-7158-2727